2021.10.2
「お金ちょうだい」と言われると思考停止してしまう私……なぜ「ボランティア」は善で、「貢ぐ」のは悪なのかわからない
「お金ちょうだい」と言われると思考停止してしまう
さて、ポリアモリーとして複数のパートナーと常に恋愛をしていたミナコさんだが、お金の問題のあるダメ男にあたることが多く、現に今のパートナーもパチンコで借金を作って債務整理の経験がある人だという。
「今は彼のパチンコ癖はだいぶ落ち着いているようですが、もう彼の金銭面にはタッチしないようにしています。他にも車を買ってあげた男性もいました。中古車だったのでそこまで高くなかったのですが『車が壊れたから俺に投資しない?』と言われたんです。投資という言葉が既におかしいのですが、『俺に投資してくれたら君を楽しませてあげるよ』と言ってくるタイプの男性は定期的に現れました。私、お金に困っている人を見るとお金をあげたくなってしまうんです。あと、モラハラ気質で攻撃的な男性も私は好きになってしまうきらいがあります」
モラハラ気質の男性からは「ミナコは発達障害だからこういうことはできないよな」など、上から目線の発言を多くされ、そのたびに自己肯定感が削られていた。しかし、そんな彼に気に入られようと我慢を重ねてしまう。もともとASDは空気を読む、察するということが苦手なため、俺様的なモラハラ男性とうまくいくはずがない。周りからは「洗脳されているように見えた」と言われたという。
「母親を責めるつもりはないのですが、母がボランティア活動が好きで、貧しい国の子どもたちに寄付をする活動を30年くらいやっているんです。小さい頃から『世のため、人のために生きるんだよ』と言われて育ったので、それが歪んで自分の中に根付いてしまい、ボランティア活動とダメ男にお金を使うことが自分の中で区別できなくなってしまったと思っていて。母親からきている呪いなのかもしれません。今思えば父もお金に関しては管理ができないダメ男だったと思います。
私、お金のことになると思考停止してしまうんです。お金をちょうだいとか、貸してと言われると断れないし逆らえず、『あ、詰んだ』と思います。お金のある家に生まれて良い教育を受けて、自分はリソースをたくさん持っている。自分が恵まれた人間だという自覚があるので、社会に返さないといけないという意識があります。でも相手がダメ男であってもお金があればお金を差し出すし、体があれば体を差し出すことになってしまっているんです。私がお金をあげなければこの人は困るよなと思ってしまって。私は自分で『鶴女房症候群』と勝手に呼んでいるのですが、童話の『鶴の恩返し』って自分の羽をぶちぶち抜いて反物を織って、自分はボロボロになっていくわけじゃないですか。そんな感じでダメ男にお金を貢いでいる感覚がします」