「おやあ、シャカール君じゃないか」「あン？」

「奇遇だねえ、卒業して以来かな」
「……なんでオメーがここにいンだよ」
「私がファミリーレストランを利用しちゃいけない理由があるのかい？」
「別にねーけどよ、こっちはツレがいるからシッシッ」
「ママ～ただいま～、その人おともだち？」
「うっ……このタイミングかよ…………マ、ママのお友だちだよ～、パパはどうした……？」
「こんにちわ！パパお化粧直してからくるって」
「そうか……」
「やあこんにちは。元気がいいねえ。……しかしシャカール君……くっ、くく……『ママ』だって？」
「……悪いかよ」
「いや、これは失礼……学生時代の君を知っているとね。自分を『ママ』と呼ぶのは……ふっ」
「クッソが……」
「あ～ママ、クソとか言っちゃダメだよ～。いつも言われてるでしょ～」
「うっ……ご、ごめんね～、ママ気を付けるからね……」
「ぶふっ……！」
「この……！」

「いた……ママ、また一人で勝手に歩き回ってるねえ……」
「駄目ですよお母さん……さっきもデパートで迷子で呼び出されたのに……」
「あっ……いや、今はちょっと」
「あぁ、シャカールさんじゃないですか……家内がどうもご迷惑を……」
「へェ、なるほどねぇ……タキオン『ママ』？」
「ぐっ……」

「あっいたいた～……パパを置いてかないでよ～……」