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全国肥料連合会会長 山森 章二

一般社団法人
全国肥料商連合会
会長 山森 章二


令和4年新年のご挨拶

 あけましておめでとうございます。旧年中はたいへんお世話になりまして誠に有難うございました。本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

 中国産肥料原料の逼迫・高騰に起因する肥料製品価格の高騰に、生産者様並びに肥料商は悲鳴を上げています。中国がとうもろこし等の自国生産を確保する為に国内向けの肥料供給を優先した為、昨春から日本を含む海外向け肥料原料価格の上昇が続いた上、10月に入って遂に一時的な事実上の輸出停止に踏み切りました。地理的にも遠い他国品原料の調達も容易でないことから、肥料製品の生産費の大幅高騰と一部出荷止めという緊急事態に直面しています。
 2008年のリーマンショック時の肥料高騰以来の窮状にあっても、農水省は生産者対策として有効な施策を打ち出すつもりは無いようです。2008年の高騰の際は、生産者を支援する緊急対策が春肥に間に合うように11月には発出されましたが、今回は多方面からの度々の要請にも拘らず、助成金発出を頑なに拒否しています。
 その代わりに、同省が畜産由来の堆肥処理等を目的に掲げている「みどりの食料システム戦略(肥料)」推進の為に令和4年度の通常予算用に準備していたと思われる45億円もの「肥料コスト低減体系(緊急)転換事業」に「緊急」という文字を追加して、急遽補正予算として発出したのです。恰も肥料高騰対策も兼ねるかの如き体裁にしたようですが、この施策が目の前の肥料高騰対策としては全く役に立たないことは火を見るよりも明らかです。
 一方で、商系が背に腹は変えられず1月より軒並み価格を改定せざるを得ない状況にある中、全農は、自ら原料を輸入し、系統メーカーに供給し、製品を買い上げて、そして県本部・JA経由販売する、という構図にあって、夏以降の輸入原料高騰分を自ら吸収し、巨額な損失を出しながらも、11月から適用している販売価格を年明け以降も維持する模様です。
 「肥料積立金」を取崩して対応する、と言われています。積立てて危急時に取崩すという「組合」の本来の行為は常識的な範囲内である限りは理解できますが、現在のような異常事態にあって常識を超える巨額の逆ザヤを果たして「肥料積立金」だけでカバーできるのか、して良いのか、仮に「肥料積立金」だけでは足りずに「他事業利益からの積立金」をも流用せざるを得ない状況に至っているとすれば、公正取引の観点からも問題となるのではないのか、等の疑問が生じます。
 いずれにせよ、現在の肥料業界は、系統と商系が公正な競争関係にあるとは言い難く、肥料業界の真の競争力を高める健全な発展を期待しにくいとも思われるので、今後農水省に限らず全ての関係省庁とも、肥料業界の健全な競争の有り方を共に模索する必要があるのではないかと考えています。
 2008年の肥料高騰時は一時的に系統のシェアが増えましたが、その後2,3年かけて商系がシェアを回復しました。また、長期的には系統シェアが少しずつ減っている、と認識しています。今回もかような軌跡をたどるでしょう。商材・施肥技術に秀でた商系肥料商がやはり現場で求められているからだと思います。商系の肥料商・商系を活用する生産者様等へのご支援を改めてお願い申し上げます。

新型コロナの早期収束と、今年一年が皆様とご家族様にとって新たなご隆盛の始まりとなりますことを祈念して、新年のご挨拶とさせて頂きます。


(一社)全国肥料商連合会
会長 山森 章二


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