iPhoneのビルトインアプリには、サードパーティのアプリをわざわざ探す必要がないくらい、いい仕事をするものがあります。

あまり注目していないかもしれませんが、「ボイスメモ」もそのうちの1つである上に、数年おきに改善されています。自分のコンテンツのバックアップや、デバイス間で同期する音声レコーダーを探している人には、ボイスメモがピッタリです。

アプリの使い方は簡単ですが(アプリを開き、大きな赤い録音ボタンを押すだけ)、実は見逃せない隠れた機能があったり、ちょっとした不満や面倒なことが調整できたりします。

1. 録音場所以外の名前に変更

録音ファイル名
Screenshot: Khamosh Pathak

ボイスメモのファイル名は、日付や時間ではなく、録音が行なわれた場所を元につけられます。変わっている上に、あまり役に立ちません。

何度も録音をしていると大抵わからなくなってしまうので、録音が終わったらデフォルトのファイル名を使わず、ファイル名を変更することになります。

録音したファイルを選択し、タイトルのテキストをタップします。タイトルを削除し、新しいファイル名を入力して、「Return(改行)」を押します。

もしくは、位置情報を録音名に使用しないようにするとさらに楽です。「設定」 > 「ボイスメモ 位置情報を録音名に使用」を無効にしましょう。

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2. コントロールセンターからすぐに録音開始

コントロールセンターのボイスメモ
Screenshot: Khamosh Pathak

コントロールセンターのボイスメモのショートカットを使えば、すぐに録音を始めることができます。

まずはコントロールセンターにショートカットを追加しましょう。「設定」 > 「コントロールセンター」に行き、「ボイスメモ」をリストに追加するだけです。

これで右上隅からスワイプダウン(もしくは画面下からスワイプアップ)して、コントロールセンターのボイスメモをタップすれば、すぐにアプリが開きます。新しく録音を開始するには、コントロールセンターのボイスメモを長押しして、「新規録音」を選びましょう。

3. 音声ファイルの編集・削除

音声ファイルの編集
Screenshot: Khamosh Pathak

ボイスメモには、音声編集に関する機能が十分に備わっていませんが(編集するなら「GarageBand」を使わなければなりません)、録音したファイルを短くしたり、一部削除することはできます。

録音したファイルを選び、3つの点の「メニュー」ボタンをタップし、「録音を編集」を選びます。右上にある「編集」アイコンをタップして、黄色のハンドルバーを使って音声を選択しましょう。

選択部分を削除したい場合は「削除」をタップ、選択した部分を残したい場合は「トリミング」をタップします。完了したら、「保存」をタップし、元の音声ファイルに上書き保存したい場合は「置き換え」をタップします。

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4. 音声ファイルの自動「録音補正」の有効化

録音補正
Screenshot: Khamosh Pathak

録音する時に、風や周囲の騒音が入ったり、話している人の声が聞こえにくいことがあります。AppleはiOS 14から、機械学習で音声の品質を自動的に向上させる「録音補正」という新機能を導入しました。

背景のノイズを消し、話者の声を聞き取りやすくします。録音した音声ファイルをリストから選び、「オプション」をタップして、「録音補正」を有効にしてみましょう。

5. 「無音をスキップ」で自動で無音を削除

無音をスキップ
Screenshot: Khamosh Pathak

iOS 15では、録音した音声ファイルから自動的に長い休止や違和感のある無音を消去する、「無音をスキップ」機能が導入されました。これでよりきれいな音の音声ファイルになります。

音声ファイルをリストから選び、「オプション」をタップして、「無音をスキップ」機能を有効にします。また、話者の話すスピードが遅すぎる場合などは、ここで音声ファイルの再生速度も変更することができます。

6. 「ロスレス圧縮」による録音の高音質化

ロスレス圧縮
Screenshot: Khamosh Pathak

録音の音質をできるだけ上げたい場合は、デフォルトの「非可逆圧縮」ではなく、「ロスレス圧縮」という音声フォーマットにすることができます。

設定 」>「 ボイスメモ 」> 「オーディオの品質」に行き、「ロスレス圧縮」を選びましょう。

7. 削除した録音ファイルの消去時期の選択

実際に消去する時期
Screenshot: Khamosh Pathak

多くのAppleのアプリ(写真、メモ)と同じく、ボイスメモで削除した録音ファイルはすぐには消去されません。後で救出できるように、別のフォルダに移動しているだけです。

デフォルトでは、このフォルダから消去するのは30日後に設定されていますが、必要に応じて変更することができます。「設定」 > 「ボイスメモ 」> 「削除したものを消去」に行き、「すぐに」「1日後」「7日後」「30日後」「しない」の中から選べます。

8. 削除した録音ファイルの復元

録音ファイルを復元する
Screenshot: Khamosh Pathak

前述の通り、削除した録音ファイルはデフォルトで30日間は保存されています。その期間内であれば、録音ファイルを復元するのは簡単です。

ボイスメモを開き、左上の「バックボタン」をタップして、「最近削除した項目」に行きます。その中の録音ファイルをタップし、「復元」を選び、「1件の録音を復元」をタップすれば、その録音ファイルは「すべての録音」フォルダに戻ります。

その録音ファイルを永久に消去したい場合は、先ほどの画面で「削除」を選び、「完全に削除」をタップしましょう。

9. フォルダ分類で録音ファイルを整理

フォルダ
Screenshot: Khamosh Pathak

ボイスメモで授業を録音する場合、きちんと整理しないとファイルがすぐに見つからなくなるかもしれません。うれしいことに、すべての録音ファイルはフォルダに分けて整理することができます。

ボイスメモを開き、左上の「バックボタン」をタップして、右下の「新規フォルダ」のアイコンをタップします。フォルダに名前を付けたら、「保存」をタップしましょう。

それから、「すべての録音」フォルダに行き、右上の「編集」をタップします。移動させたい録音ファイルをすべて選び、「共有」 >「 フォルダに移動」に行き、先ほど作成したフォルダを選びます。もしくは、録音ファイルをドラッグ&ドロップでひとつずつ移動させることもできます。

10. 別のファイル形式への書き出し

別のファイル形式に書き出す
Screenshot: Khamosh Pathak

iCloudを使えば、ボイスメモからバックアップをしたり、自分のすべてのデバイスと同期したりできます。では、録音ファイルを友だちと共有したり、別のクラウドストレージサービスに保存したい場合はどうすればいいのでしょう?

録音ファイルは、簡単にM4Aフォーマットに書き出すことができます。「Cloudconvert」など無料のオンラインサービスを使えば、MP3に変換することもできます。

ひとつの録音ファイルを書き出すには、そのファイルをタップして、3つの点のメニューから「共有」を選び、使用したいアプリや共有したい相手を選びましょう。

複数の録音ファイルを共有したい場合は、「編集」をタップして、共有したいファイルを選択し、左下の「共有」アイコンをタップすれば、共有オプションが表示されます。

Image: Shutterstock/Source: Cloudconvert