今回はリズムに秘められた不思議なパワーとその活用術がテーマ。メトロノームでリズムを聴くだけで、なんと歯磨きが上達し、かけっこまで速くなってしまう!?さらに、その力は日常に止まらず、医療にまで。歩くことが難しかったある難病の患者がリズムを聴くと歩けるようになってしまう!そのメカニズムを調べてみると、私たちの体や生活に深く関わる「リズム」の意外な力が見えてきました。その力を料理や掃除など私たちの暮らしに活用するアイデアもご紹介!楽しくも奥深い、リズムの世界にご案内いたします!
難病でうまく歩けない人が…リズムの力で歩けるように!
誰もが毎日耳にする「リズム」。音楽の世界だけでなく、実は医学の世界でも応用研究が進んでいるんです。例えば、日本に約20万人の患者がいるとされるパーキンソン病。脳に異常が起き、運動機能に障害が起こる病気です。その症状のひとつ「すくみ足」の改善にリズムのパワーが活躍するんです。
すくみ足が起こる原因は、脳内で、歩くためのリズムが作れなくなること。そこで登場するのがメトロノーム。メトロノームのリズムを耳から取り入れることで、それを頼りに歩けるようになるんです。
※注意※
リズムを使った歩行練習は、リハビリの一環です。自己判断で服薬など医師から指示された治療をやめてしまうことは絶対に避けてください。
リズムの持つ第1のパワー「引き込み」!
パーキンソン病患者が歩けるようになる、リズムの力。重要な役割を果たすのがリズムの持つ第1のパワー「引き込み」です。みなさんもリズムを聴いているとついつい体が動いてしまう経験、ありませんか?実はリズムに合わせて体の動きなどが同調してしまうことが「引き込み」。大勢で拍手をしていると、いつの間にか拍手がそろってしまう現象なども、引き込みが起こっていると考えられています。 引き込みは他にもたくさんのケースで起こると考えられています。飲食店のBGMのリズムを変えると食事のペースが変わったり、会話の中のうなずきが話し手と聞き手の共通のリズムとなって、会話を整えたりしてくれたりする、と考えられているんです。
リズムの持つ第2のパワー「力が抜ける」!
リズムの持つさらなるパワー、それは「力が抜ける」こと。リズムが次の動きを示すガイドになってくれることで、むだな力が抜けるんです。
そこで、子どもたちのお悩みの解決にチャレンジ!まずは歯磨き。リズムに合わせることでむだな力が抜け、キレイに磨くことが出来るようになりました。さらに挑戦したのがかけっこ。専門家にフォームを見てもらったところ、リズムを使うことで力が抜けてフォームがキレイになっていることが分かりました。
歯磨きに最適なリズムは大人が200~240BPM(1分間に200~240回の音が鳴るリズム)、子どもはそれより少し遅めの200BPM以下がオススメ。かけっこは、自分が走るリズムの1割増しを目安に、自分に合ったリズムを探してみてください!
リズムのパワーで、毎日を豊かに楽しく!
最後に、リズムを生活に活かすアイデアをご紹介!
リズムを使うのに向いているのは「単調な繰り返し作業」や「力が入りがちな作業」。
そこで番組では、3つの作業にチャレンジしてみました。
大根おろし
ついつい余計な力が入りがちな大根おろし。160BPMのリズムに乗ってすってもらうと、実際にかかっている力が減っていることが分かりました。力が抜けて楽にすれるだけで無く、出来上がった大根おろしは組織があまりつぶれておらず、フワフワした仕上がりになっちゃうんです!
風呂掃除
お掃除のなかでも特に疲れる風呂掃除。これは140BPMのリズムがオススメ。腕の力が抜けて、楽にお掃除できちゃいました!
筋トレ
つらい腹筋運動にも、リズムはオススメ。専門家の指導の下行った実験では、60BPMのリズムに乗ることで、むだな力が抜けて腹筋に力が集中。効率的な筋トレが出来るようになるという結果が得られました。踏み台昇降など、その他の筋トレにもオススメだそうです。
番組ではメトロノームの装置を使いましたが、アプリなどで無料のものが簡単に手に入るほか、音楽なども活用可能です。また、丁度良いリズムは個人差がありますので、どうぞ、ご自身のやりやすいリズムを見つけてみてください!