2022.02.11

愛のために「結婚制度」はもう廃止したほうがいい、法哲学者の私がそう考える理由

法と家族について真剣に考えるために
松田 和樹 プロフィール

判決は、同性を愛する人が異性と結婚しても、それは本物の結婚ではないと言う。

なぜなら結婚とは、恋愛・性愛に基づく長期の絆をつくることを目的として、共に生活することだからだ。

ということは、同性を愛する人は、本当の意味で異性と結婚することはできない。愛する相手と結婚してこそ、本物だからだ。

そして、異性を愛する人が異性と結婚できるように、同性を愛する人は同性と結婚できるべきだ。同じ愛は、同じように扱われなければならない。等しきものは等しく――これが平等だ。

こうして札幌地裁は、法の下の平等という憲法の条文に照らして、今の日本の結婚制度を憲法違反だと結論付けた。

 

愛・意思・家族の多様性

結婚は、愛のためにある。

同性カップルも異性カップルも、同じように愛し合っている。二つの間に線を引くことはできない。同性同士でも異性同士でも、愛し合うカップルであれば、結婚を認めよう。

それはそうなのだろう。

しかし、愛は、同性カップルと異性カップルだけのものなのだろうか。

恋愛・性愛にも、いろいろあるだろう。カップルではなく、三人以上の人々の間でとりかわされる愛もある。一夫多妻や一妻多夫、集団婚は、別にありえないものではない。あるいは、ポリアモリー(複数愛)を自認する人々のように、関係者全員の同意の上で、複数の人と恋愛関係を結ぶ人もいる。三人以上で愛し合い、家族をつくろうとする人たちも、間違いなく世の中にはいるのだ(詳しくは、例えば深海菊絵『ポリアモリー 複数の愛を生きる』(平凡社、2015年)を参照)。

愛は、恋愛・性愛に限らないかもしれない。愛が「相手を大切に想う心」であるとするなら、友情は愛のひとつとも言えるだろう。親や恋人よりもずっと深く互いを理解し、愛し合う友人は、あなたにはいるだろうか。長い年月、友情を育むことで、家族と呼びたくなるほど強い絆になることもあると思う。友人と一緒の家で暮らす人たちもいる。

愛し合っているなら同じ。線引きはできない。

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