炎上した人事を救いたい 「SanSan、ノースサンド事例から」

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ノースサンドの事例

2022年1月31日、ノースサンド人事担当者のツイートが物議を醸している。

該当のツイート2件はこちら。

Twitterではツイートの一部分を切り取って揚げ足を取られ、発信者の予期しない形で炎上することが多い。

今回は採用というセンシティブな内容であること、また求人内容が「年収 360万円 〜 500万円」と設定されていたことから、

「待遇/給与で会社を選ぶ人と働きたいとは思わない」という点がクローズアップされ、

「やりがい搾取」「上から目線」「高飛車な態度」といった意見が見受けられ、

加えて炎上後の釈明ポエムもさらに火を注ぐ結果となってしまった。

実際の担当者はどんな方なのか。気になった私は詳しく調べてみることにした。

「カッコイイ新卒を増やしたい」嘘偽りのない採用で作るノースサンドの輪
ノースサンドで働く社員はTo Joby (Job+Joy)というコアバリューを掲げ、仕事を心底楽しみ、仕事を通じて社会を明るくすることを目指している。ノースサンドのオウンドメディアである「ノース参道」では、現場でJoby ...

ノースサンド社は2015年にベイカレントコンサルティング出身者が設立した、コンサルティングファーム。2月1日時点の社員は198名と急成長を遂げるベンチャー企業。直近で東銀座駅直結の歌舞伎座タワーに移転している。

担当者は2017年にエステ業界から中途採用で入社。社内結婚し人事部新卒採用グループリーダーを務める31歳。新卒採用初年度から担当し、未経験ながら19卒10人、20卒16人を採用し圧倒的な結果を出しているという。

「2019年9月からTwitterを始めてフォロワー6,531人(2月5日時点)」という点は驚異的な数字だと思うし、採用イベントや洗練されたオフィス環境、エネルギッシュな社内の様子を積極的に発信しており、

献身的にノースサンドのフィロソフィーを発信し続けている印象を受けた。

それが以下のようなメディアにて的外れな意見をされる事になってしまうのは、あまりにも悲しい。

人事アカウントのツイートが相次ぎ炎上、なぜ「上から目線」で呟いてしまうのか
企業名や実名を公表した上で、SNSでアカウントを設けることは今や珍しくない。所属する組織に影響が出ないよう、穏当なツイートを心がければ問題ないだろう。しかし、最近ではそのようなアカウントがしばしば炎上するケースを見かける。特に今年は、「人事」を担当するアカウントの炎上が続いている。

「このアカウントが過去にツイートしているその他の情報からは、このアカウント主が他業種から転職し、人事としては1年程度のキャリアであることもわかる。」

とあるが、上記の通り少し調べれば分かるが、経験豊富な人事担当者だ。

「給与で会社を選ぶ人とは働きたくない」 人事担当の投稿が物議 “実名アカウント”の炎上リスク浮き彫りに
ある民間企業の人事担当者が、給与や待遇で会社を選ぶ人と働きたくないとしたツイートが物議を醸している。所属元と実名を明かしたアカウントでのこのツイートには、この企業が募集中の中途採用案件の待遇条件も相まって、賛否両論の声が挙がっている。

こちらは平均年収を元に述べているが、近い業界で働いている筆者にとって今回の「未経験者歓迎の人事担当者」で「初年度年収400万円前後」という数字は妥当な範囲であると思う。

ちなみに営業は上限1,000万円、ITコンサルは上限2,000万円で募集。

新進気鋭の企業だけあって、若年層からシニアクラスまで幅広に募集しているようだ。

ノースサンド公式Youtubeチャンネルでは、以下のように結果を出した担当者には正当な報酬を与えるという事を人事担当役員が明言している。

SanSanの事例

1月9日、東証1部上場のSansan (4443)でも育児休暇中の人事担当者が炎上した。

「採用は”採ってはいけない人”を見極める仕事だ。最近意味がわかって来た。」

ツイートは現在削除されているので、以下をご覧ください。

名刺管理屋のSansan、採ってはいけない人が人事部に紛れ込んでしまい会社の逆PRに : 市況かぶ全力2階建
わしが勘違いした人事が大嫌いな理由がここに凝縮されていた。 pic.twitter.com/MMh1PVwhjG— Yohei Shiraishi (@yh_shiraishi) January 10, 2022 はんぺん@halfpen採用してはいけない人はいなくて、今の自社では活躍いただける環境をご用意することがで...

ツイートには拒否反応を起こすアカウントが相次いだ。

批判に対する釈明ポエムがさらに炎上を呼んだ。

なぜこんな発言をしたのだろう。筆者はこちらのツイートには大きな拒否反応を起こしてしまった。

こちらの担当者についても詳しく調べてみた。

Sansan。名刺管理システム国内トップシェア。Q2末の連結従業員数は1,069人。

名刺管理システムを起因とした関連サービスを展開し未だ投資フェーズと発信しているが、当期利益は数億円程度を見込み、収益化拡大フェーズには程遠い。

2021年上場来高値3,642円を付けたが発言前の1月7日終値は2,052円。2月4日終値は1,283円と下落に歯止めがかからない。

担当者:立命館大学の17卒。リクルートジョブズに新卒入社し、エンタープライズ企業のアルバイト採用計画や販売代理店法人に対する営業を行う。2020年11月からSansanへ入社し新卒採用担当としてエンジニア・R &D分野を担当。

SanSanの担当者は取引先(今回は新卒採用者)を下に見ていて、ツイートの内容も会社のアピールよりは自信のエゴ中心な印象を受けた。今回のツイートは単に「社風に合うあわないを見分ける必要性」を訴えたかったのだろうが、

採用されなかったのは「採ってはいけない人」だったからなのか…

と採用見送りされた人達が傷付くであろう事を想像できないのは、人事としてあまりにも当事者意識に欠けている。

採用に至らない理由は「採用ラインに至らない」だけではなく「優秀すぎて内定を取っても蹴られそう」といった場合もしかりかと思うが、

今回の新卒採用で縁が無かったとして、「将来的な見込顧客(システム利用客や新規契約先)」や数年後に立場が変わって関わる可能性だってあるのだから、今回のような上から目線の発言をツイートすることはありえないと思う。「こういうマインドの人を採ってしまう企業」というレッテルを貼られることは上場企業にとって最悪のマイナスイメージかと思う。

まとめ

今回の2例を通じて思ったこと。

炎上という点は同じだが、深掘りした後の印象は全く異なるものだった。

ノースサンドの担当者は救われて欲しいと強く思う。

過去のツイートから推測できる通り、本当に会社を愛していて貢献してきた人材と見受けられる。

今回は「コンサル業界で給与待遇にこだわらない人材を求めるのはおかしい」という意見は筋違いであり、「経験は求めないけれども、給与待遇よりも社風に共感できる人材に来て欲しい」という意見が捻じ曲がって伝わってしまった事による炎上だった。

ノースサンドの公式Youtubeチャンネルを複数観たが、「会社のフィロソフィーに共感できる人材だけ来て欲しい」といった旨の発言が多くなされていた。

今回の炎上に関して、未だ人事取締役始め関係者のツイートは無いものの、フォローするようなHP上のNews発信をするなり、直属の上司からフォローされることを願います。

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