“オミクロンはただの風邪論”に医師警告「軽症でも後遺症リスク」
WEB女性自身 / 2022年2月10日 11時0分
「重症化しにくい」「風邪と同じ」。そんなふうに楽観視されることもあるオミクロン株だが、後遺症のリスクは今までと同等かむしろ高い可能性が--。最前線の医師が警告する!
「(オミクロン株は)大したことないって言えばいいんだよね。単なる風邪だと思えばどうってことねえじゃん」
1月22日、タレントのビートたけし(75)が、自らキャスターを務める『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)の生放送で、感染が急拡大しているオミクロン株についてこんな持論を展開、大きな反響を呼んだ。
強い感染力を持つが、これまでのデルタ株などと比べて重症化しにくいといわれるオミクロン株。
ダウンタウンの松本人志(58)などの一部の芸能人や舛添要一元東京都知事(73)などの一部の有識者も、オミクロン株を “楽観視”するような発言をメディアで繰り返している。
ネット上では、《重症化しないから大丈夫》《もうただの風邪と同じ》といった書き込みも多く見られる。
「現実を何もわかっていません。こういう話を聞くたびに怒り心頭になります」
そう憤るのは、新型コロナウイルスの後遺症患者の診療を行っている「ヒラハタクリニック」(東京・渋谷)の平畑光一院長だ。同クリニックは、’20年3月から新型コロナの後遺症に悩む患者を3,300人以上も診療してきた。
“重症化しにくい”と軽視される向きもあるオミクロン株だが、後遺症のリスクは、これまでの株と同等か、それ以上の可能性もあるのだという。
「今年に入り、オミクロン株の後遺症で診療に来られた方が、すでに10人以上います。年齢は10代~40代、女性が多いです。症状で特に多いのは、『倦怠感』を訴える方。それから“思考力”や“集中力”が低下する『ブレインフォグ』の疑いのある患者さんです。なかには、すでに寝たきりの状態に追い込まれている方もいます」
■“脳に霧がかかる”恐ろしい後遺症
1月6日、英国で感染状況を分析している「ゾエCOVIDシンプトム・スタディー」が、オミクロン株の症状についての驚きのデータを発表した。従来株と比べて、せきや胸の痛みなどの肺炎症状を訴える人が少ない一方、「倦怠感(64%)」や「ブレインフォグ(24%)」などを訴える人が多いことが明らかになったのだ。
そもそもブレインフォグとはどんな症状なのか。神経免疫学の権威で、国立精神・神経医療研究センター・神経研究所の山村隆部長に聞いた。
「ブレインというのは“脳”、フォグは“霧”という意味です。言葉が表すように、脳に霧がかかるようにあいまいになったり、時には晴れたりする。そのような変動を繰り返す特徴があります。これまで100人以上のブレインフォグの患者さんを診てきましたが、発症すれば社会生活に大きな支障をきたします」
それまで、しっかりとしていた人でも、ブレインフォグになると一変してしまうことも多いという。
「体は動かせても、思考力が低下して頭が働かない。会社に行っても書類も読めない、字も書けない。会話にもついていけない、そんな状態になってしまう。2人の子どもを育てている40代の主婦のケースでは、買い物に行っても財布を忘れたり、キッチンでガスコンロに火をつけたまま外出してしまうようになりました」(山村部長)
まるで“認知症”のような深刻な症状の正体は、「自律神経が関係する脳の血流障害」だという。
「ウイルスに感染すると体内で異物を排除しようとする免疫反応が起こります。ところが、体内に入ってきた異物を攻撃するはずの抗体が、間違って自分の体のタンパク質を攻撃してしまうと、免疫が正常に働かなくなるのです。この自己免疫反応によって、脳への血流を調整する自律神経の機能が低下した状態がブレインフォグだと考えられます」(山村部長)
■自力ではトイレに行けず、“要介護”状態に
ブレインフォグと一緒に現れることが多いのが「倦怠感」の症状だ。この2つの症状は長引きやすく、感染から1年以上も悩んでいる人もいるという。
「倦怠感とは、体がだるい、疲れて動けない。ひどい場合は、ほぼ横になった状態でしか過ごせないような症状です。コロナの後遺症で悩む患者さんは、この2つが合わさったケースが多いように思います」(山村部長)
平畑院長によると、こうした後遺症のために、働けなくなったり、ほとんど寝たきりになったりする人も出ているという。
「高校生の患者さんの中には、大学進学を諦めた方もいました。30代の女性で、自力ではトイレに行けず、お母さんにお尻を拭いてもらっている人も。親が子どもを介護している状態です。患者さんの中で、すでに100人以上が失職しています。罹患後、後遺症に悩み苦しむ人たちが多くいることが、社会であまり認知されていないことが大きな問題だと思います」(平畑院長)
かくも恐ろしい後遺症。重症に至らなければ、ならないと考えている人も多いが、国立国際医療研究センターの調査によると、軽症であっても、後遺症になるリスクはある。
コロナに感染した448名を対象に行われた同調査では、4人に1人(26.3%)が半年後も何らかの症状が残っていると回答しているが、調査の対象者の84.4%の人が軽症者だった。
オミクロン株は重症化しにくいといわれるが、軽症であっても後遺症のリスクはあるのだ。
「昨年夏の第5波での感染者の方が、いまも後遺症外来に新しく来ます。オミクロン株の後遺症の実態が明らかになるのは、半年ほどたってからでしょう」(平畑院長)
オミクロン株の強い感染力は、多くの感染者を生み出している。そして、前出のように、倦怠感とブレインフォグが症状として出やすい。感染者のうち、どの程度の人にこれらの症状が後遺症として残るかは未知数だ。
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