本気禁止制限決闘   作:阿音

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投稿時間が0時を過ぎてしまい、かなりショックを受けている作者です。
まぁそれはさて置き、本日は10月31日のハロウィンです。
0時丁度とかに確認に来られた方々、遅くなってしまい大変申し訳ありませんでした。

今回のデッキは大半の人は予想できたと思います。
多分9割ぐらい? なのであまり予想外な内容はありません。

次回予定も未定です。
ただ、デッキ内容は予想できるかもしれません。
次回も投稿する数日前に予告をする予定なので、それまで気長にお待ちください。


本編無関係2【Trick or Treat】

1人目……1体? どっちでもいいか、1人目のマドルチェ・プディンセスに勝利したが、なんとも言えないな。

内容では完全に負けていたし、次はまともに勝ちたいものなのだが……ゴーストリックは正直面倒だ。

ゴーストリックは裏側守備表示になる事ができる、所謂サイクル・リバース効果を持つモンスター。

しかもフィールド魔法もその効果を補助するような効果で凄まじく鬱陶しいデッキと言える。

鬱陶しいデッキは俺も使うから人のことは言えないし、俺が近くに置いているのだから鬱陶しい型のデッキなのは当たり前か。

……まぁ、マドルチェとリチュアの混合デッキは鬱陶しいというかキリがないというか、そんなデッキだったが。

 

今回のデッキはどうするか悩むが、あのデッキにするかな?

あのカードとあのカードを抜いて、ゴーストリックだからこのカードを入れて……これでいいか。

見た目はアレだが、メインはコレだし、ゴーストリックに合わせたかったのも有るしな。

相性が良いとはお世辞にも言えないし勝てるかと問われたら難しいとしか言えないが、勝てないとも言えないな。

 

「プディンセスに勝ったからってワタシにも勝てるなんて思わないでね?」

 

「……まぁ、アレはかなりアレな内容だったがな」

 

相手はゴーストリックの駄天使、駄天使だからどんなデッキを使うのかイマイチ予想できん。

例えばこれが仮に、デュラハンが相手ならば自身の効果を活かしてコンバットトリックやLV1を中心としたデッキと予想できるかもしれない。

しかし駄天使、性格というか名前の時点で何をしてくるか不気味だ、自身の特殊勝利を狙ってくるかもしれないし違うかもしれない。

まぁなんにせよデッキはほぼ確実にゴーストリックなのだから、あまり気にしても仕方ないか。

 

「決闘だぁ!」

 

「急だなオイ」

 

「先行はワタシ! ドロー……は、無いよ!」

 

もう始めてやがる、マイペースというかノリが良いと言うべきか?

 

「モンスターをセットして、カードを2枚伏せて、ターンエンドだよ!」

 

ふむ、まぁとりあえずは平凡な動きか。

そもそもゴーストリックのモンスターを表側表示で召喚するには他のゴーストリックが存在しなければならないからな。

特殊召喚ができないのなら最初のターンはこれが当たり前か。

 

「俺のターン、ドロー

マドルチェ・ミィルフィーヤを召喚、効果発動

召喚成功時、手札からマドルチェ1体を特殊召喚できる

この効果により、俺は手札からマドルチェ・クロワンサンを特殊召喚する」

 

「へ? マドルチェ?

(さっき使われたマドルチェを使うなんて、プディンセスに対する嫌がらせ?

ワタシには関係無いけど、やっぱりイジメるの好きなんだ)」

 

今回の俺のデッキは、先程使われたマドルチェだ。

まぁ……全く別タイプの【マドルチェ】だがな。

アレは明らかにおかしい、俺の奴はプディンセスにどんなデッキを教えたのやら。

 

そのプディンセスは俺がマドルチェを使った事で驚いている。

ついでに睨んできているが、ティアラミスが頭を撫でて慰めている、ついでに俺は楽しそうに俺を観察している。

どんなデッキなのか予想しようとしているのか、それともマドルチェ戦直後にマドルチェを使った事に興味が沸いたのか……両方だな。

 

「永続魔法、マドルチェ・チケットを発動

1ターンに1度、場か墓地からマドルチェがデッキか手札に戻った時、デッキからマドルチェを手札に加える

天使族マドルチェが存在している場合は特殊召喚にもできるが、関係無いな

俺はクロワンサンの効果を発動、1ターンに1度、場の自身を除くマドルチェを手札に戻す事でLVが1上昇し、攻撃力を300上昇する

マドルチェであるミィルフィーヤを手札に戻し、LVと攻撃力を上昇させる

更にチケットの効果が発動、場からマドルチェが効果によって手札に戻った事により、デッキからマドルチェ1体を手札に加える

この効果により俺はデッキから2体目のクロワンサンを手札に加える」

 

普通はメッセンジェラート辺りをサーチするところなんだがな。

とはいえ2体目のクロワンサンでミィルフィーヤの効果を再発動させれば場も埋まってくるだろう。

 

「バトルフェイズだ、クロワンサンでセットモンスターに攻撃」

 

現れたのは額に御札を貼った、男か女か微妙に判別が難しいゴーストリック・キョンシー。

守備力は1800、クロワンサンとは互角か。

クロワンサンはキョンシーに近づき、キョンシーを見上げて上目遣い、キョンシーはクロワンサンの頭を微笑みながら撫でた。

そしてクロワンサンは戻ってきた……攻撃を仕掛けたはずなのだが、相手から触れられるというのはどういう事なのだろうか?

 

「ゴーストリック・キョンシーの効果発動だよー!

キョンシーがリバースした時、自分の場のゴーストリックの数以下のLVを持つゴーストリック1体をデッキから手札に加えられるんだ!

ワタシの場のゴーストリックはキョンシーだけだから、LV1以下のゴーストリック・ランタンを手札に加えるよ! きゃっほー!

(今のうちに手札に持っておいて、牽制にも使えるから攻め手が遅れてくれるかな?

警戒してくれれば良し、しなくてもワタシが必要な時に使うだけだからそんなに気にならない)」

 

駄天使はテンション高いな、プディンセスとは方向性は違うが。

それにしてもキョンシーを倒せなかったのは痛い、ランタンの攻撃力は低いからそれは構わない。

しかしLV3のゴーストリックの攻撃力はそれなり、更に攻撃力上昇効果も持っている。

できれば倒しておきたかったか……こればかりは仕方ないか。

 

「カードを2枚伏せ、ターンエンドだ」

 

「ワタシのターン、ドロー!

ゴーストリックの魔女を召喚するよ!

そして魔女の効果発動! 1ターンに1度、相手の表側表示モンスター1体を裏側守備表示に変更する!

この効果で可愛いワンちゃんを裏側守備表示にして、上がったLVと攻撃力を元に戻すよ!」

 

しかしクロワンサンの守備力は1200、攻撃力1200の魔女と400のキョンシーでは倒す事はできない。

攻撃力を強化する効果も持っていないしLVも違うからX召喚もできない。

更にキョンシーはともかく、魔女の守備力は僅か200なので自身の効果でセットしてもクロワンサンに破壊されてしまう。

単に召喚するモンスターが少なく、キョンシーの効果でサーチ対象を増やすのも考えられるが低い攻撃力を晒すだろうか?

俺の手札にはクロワンサンが存在している、攻撃力400を攻撃表示のまま残すというのは考え難い。

 

「更にフィールド魔法、破邪の魔法壁を発動するよ!

このカードは自分のターンの間、自分のモンスターの攻撃力が300上昇して、相手のターンは守備力が300上昇するフィールド魔法!

これで魔女の攻撃力は1200から1500にまで上昇、守備力1200のワンちゃんを倒せるよ!」

 

なるほど、破邪の魔法壁は確かにゴーストリック等のサイクル・リバースモンスターと相性が良い。

しかしフィールド魔法が主軸というか、重要なゴーストリックに入れるカードなのか? 枠が足りないと思うが……

 

「キョンシーを攻撃表示に変更して、バトルフェイズだよ!

魔女でワンちゃんに攻撃!」

 

「ふむ、無傷で破壊されてやるのもつまらんな

永続罠、マドルチェ・ワルツを発動しよう

自分のマドルチェが戦闘を行ったダメージ計算後、相手に300のダメージを与える

高が300程度とはいえ、ダメージは受けてもらおうかな」

 

魔女は箒をゴルフクラブのように大きく振りかぶり、伏せ体勢になっていたクロワンサンを吹っ飛ばした。

クロワンサンは吹っ飛ばされて破壊され、かぶっていた帽子が落ちて駄天使の足元へ、そして小さな爆発……ワルツの効果による300ダメージを与えた。

犬の帽子に爆発物を仕込むなよ……

 

「マドルチェ共通効果による、相手によって破壊され墓地へ送られた時、デッキへ戻る効果が発動

クロワンサンは墓地からデッキへ戻り、チケットの効果が発動されてデッキからマドルチェ1体を手札に加える

この効果により俺はデッキより2体目のミィルフィーヤを手札に加える」

 

「だけどモンスターは消えたよん、キョンシーで直接攻撃!」

 

破邪の魔法壁の効果で攻撃力が300上昇し、キョンシーの攻撃力は700。

この攻撃で俺の残りライフは7300、駄天使のライフは7700、あまり差は無いが……

 

「キョンシーの効果を発動するね!

1ターンに1度、自身を裏側守備表示にする効果を発動して、キョンシーを裏側守備表示にするよ!

ワタシはこれでターンエンド!」

 

魔女が攻撃表示のままなのは、前のターンにランタンを手札に加えたからだろう。

更に伏せカードにもその辺りをどうにかできるカードでも伏せているのかな?

 

「俺のターン、ドロー

ミィルフィーヤを召喚、そして効果によりクロワンサンを特殊召喚する

クロワンサンの効果でワルツを手札に戻し、LVと攻撃力を上昇させ、チケットの効果でデッキよりマドルチェ・ピョコレートを手札に加える」

 

「(ミィルフィーヤを戻さない?

さっき2体目のミィルフィーヤを手札に加えたけど、ミィルフィーヤの攻撃力500じゃキョンシーにも魔女にも勝てない

となると強化カード? だけど攻撃力500のミィルフィーヤ程度を強化してもワタシのモンスターを倒すのは難しいはず……)」

 

「バトルフェイズ、クロワンサンでセット状態となっているキョンシーに攻撃」

 

「キョンシーの守備力は破邪の魔法壁の効果で2100だよ?」

 

「ダメージ計算時に永続罠、ビーストライザーを発動

自分の場に存在する表側表示の獣族か獣戦士族1体を除外し、除外したモンスターの元々の攻撃力分だけ自分の場の獣族か獣戦士族の攻撃力を上昇させる

ちなみに攻撃力の上昇効果はエンドフェイズまでではなく表側表示で存在している間残る、1ターンに1度しか使えないが……まぁ問題無いだろう

そしてミィルフィーヤの元々の攻撃力は500、よってクロワンサンの攻撃力は2300となる」

 

正直に言うと、ミィルフィーヤの除外は痛い。

他の強化カードが来なかったから仕方なく使ったものの、できればまだ使いたくなかった。

まぁミィルフィーヤの効果は召喚のみだし、手札に1枚でも残っていればそこまで問題は無い。

ビーストライザーの効果を裏側守備表示に変更して消す事のできる魔女を倒したかったが、何度もキョンシーのサーチを使われる方が困る。

そこそこの守備力からリバースするだけでアドバンテージを何度も稼がれるより、多少攻めを遅らせる方がマシだ。

 

「うぐぐ……キョンシーのリバースした時の効果発動だよ!

デッキからLV1のゴーストリック・スペクターを手札に加えるよ! そしてキョンシーは破壊される!

そしてゴーストリックであるキョンシーが破壊されちゃった時、さっき手札に加えたスペクターの効果発動!

相手のカード効果、または相手の攻撃でゴーストリックが破壊されて墓地へ送られた時、裏側守備表示で特殊召喚できるんだよ!

この効果でスペクターを特殊召喚して、更にドローもできるからドローするよー!」

 

ふむ、ドローを優先したか。

ゴーストリックのフィールド魔法のドローを優先したというところかな?

 

「カードを2枚伏せ、ターンエンドだ」

 

俺の場にビーストライザー、マドルチェ・チケットと伏せカードが2枚とパッと見て嫌な布陣だ。

とはいえ、1枚はマドルチェ・ワルツだからあまり気にならないかもしれないかな。

駄天使の2枚の伏せカードが気になるが使われないな、何を伏せているんだ?

 

「ワタシのターン、ドローだよー

ゴーストリック・フロストを召喚して、スペクターを反転召喚するよ!」

 

直接攻撃宣言を受けた時、そのモンスターを裏側守備表示にして自身を手札から特殊召喚する効果を持つフロストを召喚か。

となると、狙いはやはりアレだな。

 

「LV1のスペクターとフロストでオーバーレイ!

2体のモンスターでイタズラ・ネットワークを構築! エクシーズ召喚!

悪魔を束ねる首なしの悪魔、死期を報せる足音となれ! 白馬に跨る我らの騎士、ゴーストリック・デュラハン!」

 

ランク1の中でも扱い易く、それでいて強力な効果を持つゴーストリック・デュラハンか。

攻撃力は1000と高くはないのだが……

 

「デュラハンの攻撃力はワタシの場のゴーストリックの数×200上昇するから、攻撃力が400上昇だよ!

しかも破邪の魔法壁の効果も合わせて攻撃力1700!

そしてデュラハンの効果を発動! X素材を1つ取り除いて場のモンスター1体の攻撃力をエンドフェイズまで半分にする!

X素材のスペクターを墓地へ送って、ワンちゃんの攻撃力を半分にするね!」

 

攻撃力2300から1150へと低下か、普通に倒されてしまう攻撃力だな。

しかし、元々の攻撃力1500のクロワンサンが攻撃力半減を受けても1150というのはなかなか不思議に思えてしまう。

 

「アハハ、バトルだよ!

デュラハンでワンちゃんに攻撃!」

 

「永続罠、マドルチェ・ワルツを発動する」

 

本当に発動しただけという感じ、デュラハンの持つ剣の腹で殴られて気絶するクロワンサン。

550のダメージか、地味に痛いな。

 

「クロワンサンの効果によりデッキへ戻り、チケットの効果でデッキからクロワンサンを手札に加える

そしてワルツの効果により300のダメージを受けてもらう」

 

「気にしなーい! 魔女で追撃だよー!」

 

箒に乗ってこちらまで飛んで来て……デコピンされた。

クスクスと笑いながら魔女は戻っていったが、デコピンで1500のダメージは納得できないぞ。

総ダメージは2050、残りの俺のライフは5250、駄天使の残りライフは7400か。

デュラハンが鬱陶し過ぎるが、それはどうにかするしかないか。

 

「アハハハ、ワタシはこれでターンエンドだよ!

(LV4以上のモンスターを出さない、ワタシと同じLV3以下だけで構成されているデッキ?

だけどマドルチェはLV4以上のモンスターも多いし、そっちの方が主軸のはず

なのに何故ビーストライザーみたいな獣族専用カードを?

LV3の獣族マドルチェのみのデッキなんて、そんなはずは……そんなマドルチェなんてワタシは知らない

マドルチェは戦士族、天使族も多いし、獣族マドルチェの攻撃力はそんなに高くない

館主様と世界が違うだけで同じ存在っていうだけあって変なデッキを使うって事かな?

……まぁ、ワタシの言う事じゃないか)」

 

それにしても、駄天使の奴はゴーストリックを使っているのにかなり攻めるな。

ロック性能が高く、守備型のデッキを使っているとは思えない……俺の奴、何をどう仕込んだんだ?

 

「俺のターン、ドロー

同じ事しかしていないがミィルフィーヤを召喚し、効果でクロワンサンを特殊召喚

クロワンサンの効果でワルツを手札に戻し、LVと攻撃力を上げてチケットの効果も発動、マドルチェ・メェプルを手札に加える

罠カード、キャトルミューティレーションを発動する

自分の場の獣族モンスター1体を手札に戻し、手札に戻したモンスターと同じLVの獣族モンスター1体を特殊召喚する

LV3のミィルフィーヤを手札に戻し、同じくLV3のメェプルを攻撃表示で特殊召喚する」

 

「あ……」

 

「メェプルの効果を発動する

自分の場に存在する攻撃表示のマドルチェ1体と相手の攻撃表示モンスター1体を守備表示に変更する

そして次の相手ターン終了時まで選択したモンスターは表示形式の変更ができない

この効果の対象はメェプル自身とデュラハンだ」

 

デュラハンの守備力は0、破邪の魔法壁の効果は受けられるが、それでも僅か300と低い。

デュラハンの攻撃力半減効果は相手のターンでも発動できるが、攻撃力1800のクロワンサンの攻撃を防ぐ事はできない。

メェプルの守備力も1800と、ゴーストリックからすればかなり高い相手であり、そう簡単には倒されないだろう。

 

「ではバトルフェイズ、クロワンサンでデュラハンに攻撃」

 

「うぐ、デュラハンの効果を発動してクロワンサンの攻撃力を半分にするよ!」

 

トテトテという音が鳴りそうな足音でデュラハンに近づき、右前足を小さく振り上げ、身長が足りないから馬の足を横殴りする。

しかしそんな見た目でも、クロワンサンの攻撃力は半減されても900なのでデュラハンの守備力を上回っている。

馬はバランスを崩して転倒、乗っていたデュラハンも振り落とされるが落ちた先がクロワンサン……下敷きにされてしまった。

順序は逆だが、どうやらこれによって攻撃力が半減したようだが……凄まじく格好悪いな。

 

「うぎゅぅー……罠カード、ゴーストリック・ブレイクを発動するよ!

ワタシのゴーストリック1体が戦闘か効果で破壊された時、破壊されたモンスターと名前が異なるゴーストリック2体を裏側守備表示で特殊召喚するの!

ワタシはキョンシーとフロストを特殊召喚するよ!

更にデュラハンの効果も発動するね、デュラハンが墓地に送られた場合に発動するよ!

自身以外のゴーストリック1枚を手札に戻す効果、今使ったゴーストリック・ブレイクを手札に加えるね!」

 

ふむ、闇属性で守備力が0のスペクターを墓地に残したか。

という事は悪夢再びはほぼ確実にデッキに入っているだろうな。

まぁ採用しない理由も無いし、別に不思議な事でもないか。

 

それにしてもランタンの効果を発動しなかったな。

理由としては、守りたいモンスターを出した時に前もって保険をかけておきたかったというところかな?

でなければブレイクを伏せていたとはいえデュラハンに使ってもよかったはずだ、攻撃力半減効果はもう1度使えたのだから。

 

「カードを2枚伏せ、ターンエンドだ」

 

このエンドフェイズでデュラハンの効果で半減していたクロワンサンの攻撃力が元に戻る。

しかしクロワンサンの攻撃力上昇は自身の起動効果で上昇した攻撃力、元に戻るとなると攻撃力は1500になってしまった。

LVは4で攻撃力1500のクロワンサン……なかなか不思議に思えるな。

 

「ワタシのターンだよー、ドロー!

とりあえずフロストを反転召喚して、キョンシーも反転召喚してリバースした時の効果を発動するよ!

えーっと……LV3以下のゴーストリック、どうしよーかなー?

(ゴーストリック・サキュバスで破壊してもいいけど、どうせすぐに戻ってくるからイマイチ、ダメージを優先するなら有り?

ゴーストリック・アルカードを出して鬱陶しいマドルチェ・ワルツを破壊する?

伏せカードのどちらかわからないし、クロワンサンを強化するような速攻魔法とかだと……魔女でセットすれば良いしこっちかな?

ゴーストリック・マミーをからアルカードを出さずに数を揃えて総攻撃をする?

……ダメージを優先し、モンスターの召喚範囲を削り、相手の展開を封じる事にしよう

となると魔法使い族、手札にはゴーストリックの雪女が残ってるけど、まだ使いたくないしできれば隠しておきたい

使っているカードはまだ少ないけど、多分LV3以下の獣族マドルチェデッキだと思うから……)

よーし、ワタシはゴーストリックの猫娘を手札に加えるよーん!」

 

猫娘か、確か自身以外のゴーストリックが存在する場合、LV4以上の召喚・特殊召喚されたモンスターを裏側守備表示にする効果だったな。

このタイミングでそいつを選択したという事は、俺がLV4以上を出さないと判断したんだろう。

まぁ、実際このデッキにLV4以上なんて……

 

「(そういえばあの人の手札、3枚中2枚は確かミィルフィーヤとピョコレートだったはず

残り1枚はわからないけど、モンスターが多そうだから多分モンスターかな?

となると……今は使い道も無いし、使っておこうかな

マミーをドローできたら儲けものだし、総攻撃力は下がるけど……まぁ強化カードが来れば問題無いね)

今のうちに使っておこっかなー? 罠カード、闇霊術-「欲」を発動するね!

フロストをリリースして、デッキからカードを2枚ドローするよ!

相手は手札の魔法カードを公開すれば無効にできるけど……確か2枚はモンスターだよね?」

 

「そうだな、手札公開はしないから2枚ドローしな」

 

「きゃっほい! じゃあ2枚ドローだよ!」

 

今まで使わなかったのは良いタイミングで使えるモンスターが無かったからかな?

とはいえ1ターン目から伏せていたのは……いつでも発動できるようにだろう、ゴーストリックは場持ちが良いしな。

デュラハンの時に使わなかったのは、俺の手札に不明のカードが1枚残っていたからだろう。

それにしても駄天使の手札が8枚、あれだけ手札が有ればゴーストリックのフィールド魔法やサーチカードを使っても不思議ではないが?

 

「んっふっふー……ゴーストリック・マミーを召喚するよ!

マミーが存在している限り、ワタシは闇属性モンスター以外を特殊召喚できないんだー

だけどマミーの効果を発動だよ! マミーが表側表示で存在する場合1度だけ、ゴーストリックを通常召喚に加えて更に召喚できるだよ!

マミーのこの効果を発動し、おいでおいでー猫娘ちゃーん!」

 

ふむ……ゴーストリックXモンスターを両方出すのかな?

となるとどちらから出してくるか……まぁ、当然アルカードだよな。

 

「LV3のマミーとキョンシーでオーバーレイ!

2体のモンスターでイタズラ・ネットワークを構築! エクシーズ召喚!

お化け屋敷の領主だけど実は寝たいサボり吸血種! 白肌白髪の夜王、ゴーストリック・アルカード!」

 

口上酷いなオイ、何か恨みでも有るのか?

アルカードが寝たいとか愚痴ってたとか?

 

「(アルカードの効果にチェーンされて強化カードを発動される、またはワルツを破壊すれば魔女でクロワンサンをセットして強化の可能性を消す

それ以外のカードなら魔女の効果は使わず、サキュバスをX召喚してメェプルを除去、攻撃してダメージを与える

これならどうにでもなる、ついでにダメージも大きいから……)」

 

「アルカードの特殊召喚時に永続罠を発動する」

 

「えー……いまぁ?

(今のうちにワルツを発動しておくとか?

それとももう1枚の伏せカードを発動するか……でもこのタイミングなら問題無い

両方を発動されたのならば先に魔女の効果を発動し、モンスターをセットしてアルカードで破壊すればいいのだから)」

 

メタカードだからできるだけ使わず、伏せても危険な状況にならない限り使わないつもりだったんだがな。

とはいえ、魔女の効果やアルカードの効果を使われては俺のライフが危険域に入るので使わせてもらおう。

 

「永続罠、群雄割拠を発動する

お互いのプレイヤーは自分の場の種族が1種類になるように墓地へ送る

更にお互いに自分の場に出せるモンスターの種族は既に場に存在する種族のみとなる」

 

「…………え? ちょ、ちょっと待ってくれないかなー?

いくらなんでもそんなカードを使うのは……」

 

「なんだ、俺は俺であり、俺は俺なんだぞ?

相手のデッキがある程度予想できるんだ、そこを狙う事の何が悪い

ちなみに俺は当然獣族を選択する

ついでにアルカードに破壊されない為にマドルチェ・ワルツも発動しておく」

 

「(拙い、ワタシのデッキに魔法・罠カードを除去するようなカードは殆ど……というか1枚も入ってない

そもそもこのデッキのコンセプトは……

守備型のゴーストリックだと油断させ、実は攻撃型で殴り続け、更にワタシ自身の特殊勝利も狙う事が狙いのハイランダーデッキ

しかも、攻めと特殊勝利に特化させているから防御カードも殆ど入っていない

デッキには強化、反射、回収、耐性付与カードばかりで除去対処は多いけど自分が除去するカードなんて……

唯一の救いは、キョンシーを反転召喚する前の魔女の時だけに発動されなかった事

館主様の考えから予想すると、デッキには入れておいたけど、危険になるまでは使わないでおこうとしていたという辺り?

なんにしても今のタイミングはまだ良いと思っておこう、ワタシ自身の召喚ができないのがすっっっっごく残念だけど)

ワ、ワタシはアンデット族を選んじゃおうかなー!

残念だけど、魔女と猫娘はバイバイ……くすん

(それにゴーストリックの魔法使い族は4種類しか存在しない、各カードが1枚しか入っていないのに魔法使い族を選ぶのは無謀

悪魔族は場にいないし、それ以前に戦闘も碌にできないから選択肢から当然除外、やっぱりアンデット族しか無い)」

 

このデッキ、実は一見マドルチェのように見えて地属性獣族統一デッキだったりする。

だからサイドに御前試合と群雄割拠を入れて、今回一応群雄割拠を入れておいた。

できれば駄天使を出された時、または悪魔族の時に使いたかったんだが……

前者は特殊勝利を狙われる可能性が有り、後者はデュラハン連打が辛いが全体的に能力が低い。

ついでに魔法使い族だとサキュバスの効果で展開を封じられると辛かったから、アンデット族がベターだと思う。

普通のゴーストリックの場合、あまり攻めるカードであるアンデット族は少ない可能性という事も有る。

 

「むぅ……どーしよっかなぁー

(クロワンサンを攻撃すればダメージを与えられるけど、次のターンにメェプルとピョコレートのコンボでアルカードが役立たずになる

とはいえ、クロワンサンを放置すると次のターン、アルカードが殴り倒される

いや、ここは相手の魔法・罠ゾーンが残り1つとはいえ伏せカードの牽制をした方が良いと思う

手札にはランタンが残っているから、一応次のターンにアルカードを残す事もできる

それに手札には強化カードも残っている、多分大丈夫のはず……)

じゃーね、アルカードでメェちゃんに攻撃するよー!」

 

アルカードの攻撃力は1800、メェプルと互角だが破邪の魔法壁の効果で攻撃力は2100まで上昇している。

メェプルはアルカードの鋭い爪を顔面に突き刺されて破壊された……それなりにファンシーなゴーストリックが随分と残酷な事で。

それに、駄天使もかなり苛立っているようにも見えるな。

 

「メェプルの効果によりデッキに戻り、チケットの効果でデッキからメェプルを手札に加える

そしてワルツの効果により、お前に300のダメージだ」

 

「別にそれぐらい平気だよー?

カードを4枚伏せて、ターンエンドするね!」

 

4枚伏せね、随分焦っているようだな……当たり前だが。

十中八九、あの中の1枚はゴーストリック・ブレイクだろう。

速攻魔法も入っているかもしれんな、イマイチあのデッキが読めん。

 

「俺のターン、ドロー

とりあえず何度もしているがミィルフィーヤを召喚、効果でメェプルを守備表示で特殊召喚

メェプルの効果を発動、ミィルフィーヤとアルカードを選択し、その2体を守備表示に変更する」

 

「うぬぬぬぬ……」

 

対象を取る効果に対しての対策は伏せカードには無いかな?

なら後は殴りますかね、それがメインのデッキだし。

それにしても破邪の魔法壁がいい仕事をし過ぎだろ、今のアルカードの守備力は1900でクロワンサンを強化しても勝てない

攻撃表示のままの方なら相打ちにできたが、次のターンもまたクロワンサンを出さなくなって展開が遅くなる。

よって俺が選択したのはビーストライザーによる強引突破、それにあのデッキの感じだと攻撃力強化カードが入っている気がするしな。

 

「クロワンサンの効果を発動し、ワルツを手札に戻してLVと攻撃力を上昇させる

そしてチケットの効果で3体目のミィルフィーヤを手札に加える」

 

これで攻撃力は1800、LVは前のターンに1回上昇しているので5だな。

クロワンサンの効果は累積するから何度も効果を発動すればする程、どんどん強化されていく。

 

「バトルフェイズに入り、クロワンサンでアルカードに攻撃する

そしてダメージ計算時にビーストライザーの効果を発動し、場のミィルフィーヤを除外してクロワンサンの攻撃力を500上昇させる」

 

これで攻撃力は2300、アルカードの守備力は1900なので問題無い。

 

「…………罠カード、発動」

 

「ん?」

 

「D2シールド! クロスカウンター!

D2シールドの効果により、自分の場の表側守備表示のモンスター1体を選択、そのモンスターの守備力は元々の守備力の倍となる

これにより、アルカードの元々の守備力1600の倍である3200へ、そして破邪の魔法壁の効果で3500まで上昇する

そしてクロスカウンターは守備表示モンスターが相手の攻撃モンスターの攻撃力を上回っていた場合

差分の倍のダメージを与え、更に攻撃してきたモンスターを破壊する」

 

「は?」

 

アルカードがマントで自身の体を隠し、突進してきたクロワンサンを躱し、背中を蹴り飛ばして破壊する。

守備力3500で、攻撃力1800で、差分は1700、その倍で3400のダメージ……だと?

俺のライフは5250だったから、残りライフは……1850?

そして駄天使のライフは7100……ワルツの効果でしかダメージを与えていないぞ!

 

しかもクロワンサンも破壊されて攻め手まで崩された。

これは少々どころか、かなり拙い状況なのでは?

 

「とりあえずクロワンサンの効果により、クロワンサンはデッキに戻る

チケットの効果は1ターンに1度、既に使っている事で発動しない」

 

さて、どうしたものか……一応アルカードは次のターンはメェプルの効果で表示形式の変更ができないから攻撃はされない。

とはいえゴーストリック・シュタインかゴーストリック・グールを出されたらメェプルも破壊される。

クロワンサンが手札に無い事が凄まじく重い、魔法・罠ゾーンの圧迫が……

 

「カードを2枚伏せ、ターンエンドだ

それはそうと、随分と印象が変わったんじゃないか?

さっきまでのは猫をかぶってたのかね?」

 

「どっちもワタシ、元々……素はさっきまでのワタシ

館主様の冷静というか、冷めた部分を遊びで決闘中に真似してたら思考が似たようなのになっちゃっただけ

さっきまでのだと相手が油断してくれるし、素だから楽なんだけど……もうこっちも表に出ちゃったからこのまま出すよ」

 

うーむ……俺よ、こいつのデッキだけでなく性格にまで影響を与えたのか。

決闘中だけに変化していると考えると、変な二面性を持ってしまったという事か。

例えるならアレだ、普段大人しい奴が車とかに乗ると性格が変わるとかそういうの……実際に見ると誰だお前はって感じになるな。

それにしてもさっきの動き、守備型の動きだがアレは絶対に違うと俺の勘が言っている……気がするように思うんじゃないかと考える。

つまり、なんとなくだがさっきの動きは別の目的が有るんじゃないか?

 

「ワタシのターン、ドロー

(さて、どうしたものかな……展開のマミーとサーチのキョンシーはアルカードのX素材となっている

一応伏せカードを除去してもいいんだけど、ワタシ自身を封じられた今は死活問題になる

あの2枚の伏せカード……1枚は当然ワルツのはず、もう1枚が読めないけど、多分戦闘補助の気がする

今は高い守備力を持つアルカードが残っているからそこまで問題は無いけど、攻撃表示にしてピョコレートが来たら今は対処法が無い

となるとなんとかして内1枚を当てるか、メェプルを倒すか、または延々とアルカードを守備表示のまま放置するか

ドローカードは……とりあえずまだしばらくはどうにかなるっぽいかな?)

モンスターをセットして、カードを1枚伏せてターンエンド」

 

ふむ、攻撃をしないのはまだしも、アルカードの効果も発動しないか。

となるとあのデッキの目的とコンセプトは……

 

「俺のターン、ドロー

ふむ……モンスターをセットし、ターンエンドだ」

 

「ワタシのターン、ドロー

(下手にモンスターを倒すとクロワンサンをサーチされるから攻撃できない

でもこのまま待っていても……攻め手が揃うまでは暫く膠着状態を続けますか)

モンスターをセット、ターンエンド」

 

お互いに手詰まり状態か、俺はクロワンサンをドローするかチケットの効果を発動できれば良し。

駄天使は俺を攻めるだけの手駒が欲しいという辺りかな?

ピョコレートは警戒されているし、サーチを警戒して攻撃もされない状態だ。

どちらが早く状況を打破できるか……

 

「俺のターン、ドロー

モンスターをセット、ターンエンド」

 

「ワタシのターン、ドロー

カードを1枚伏せて、ターンエンド」

 

状況を整理しよう。

俺のライフは残り1850、駄天使のライフは7100。

俺の場のモンスターはメェプルとセットモンスターが2体。

永続魔法のチケット、永続罠のビーストライザーと群雄割拠、そして伏せカードが2枚。

そして現在の手札は3枚……状況は悪くはないが良くもないな。

 

駄天使の場にはD2シールドの効果で守備力が倍になっているアルカード、そしてセットモンスターが2体。

フィールド魔法の破邪の魔法壁、そして伏せカードが4枚に手札が1枚……ランタンの可能性が高い。

向こうとしては準備を進められるのでそこまで悪い状況でもないが、攻め手に欠ける為動けないだけというところかな?

 

「俺のターン、ドロー……ふむ

では、俺から動かさせてもらおうかな」

 

「(クロワンサンをドローした?

それとも別のカードを?)」

 

「反転召喚、マドルチェ・ピョコレート」

 

「(ピョコレートを反転召喚? 何かするつもりみたいだけど、今動くべき? それともまだ動かないべき?

多分、今から更に動こうとするはず、それを待ってからでも遅くないと思うけど、メェプルが邪魔過ぎる

ピョコレートはこのターンに表示形式を変更したから、これ以上は無い……けどメェプルはまだ表示形式の変更をしていない

ワタシの伏せカードを今使うべきか、それとも次の動きを見てから使うべき?)」

 

少し待ったが動きは無い、どうやら次の動きを見てから決めるようだ。

まぁ、何をしても意味は無いんだがな、どう動かれてもある程度どうにかなる状況にしているのだから。

このターンが無理でも次のターンで……とは思うものの、あの伏せモンスター次第かな?

 

「チューナーモンスター、森の聖獣 ヴァレリフォーンを召喚する」

 

「チューナー!?

(ヴァレリフォーンのLVは2、マドルチェ2体のLVは3

LVの合計は……5、8の2パターン、その中でも獣族のSモンスターは1体、ナチュル・ビーストのみ

多分Xモンスターは来ないと思うから、チューナーさえどうにかできれば大丈夫

ただでさえ攻撃がし難いのに、更に魔法封じなんてされたら殆ど身動きができなくなってしまう

メェプルの表示形式変更効果はマドルチェだけにしか効果が無いし相手の場に攻撃表示モンスターがいなければ発動できない

ならヴァレリフォーンの表示形式を変更すれば……)

罠カード、ゴーストリック・パニックを発動する

自分の場の裏側守備表示モンスターを任意の数選択し、そのモンスターを表側守備表示に変更

その中のゴーストリックの数だけ相手の場のモンスターを裏側守備表示にする

ワタシは2体のセットモンスター、ゴーストリック・イエティとゴーストリックの雪女を表側守備表示に変更

そっちのピョコレートとヴァレリフォーンを裏側守備表示にしてもらう」

 

「だが雪女は魔法使い族、アンデット族ではないので墓地へ送ってもらおうか」

 

「ぐっ……イエティのリバースした時の効果発動

場のゴーストリック1体を対象に、そのモンスターはこのターンの間、戦闘・効果では破壊されない

この効果をアルカードを対象にして発動」

 

となると、やはり手札はランタンで確定だな。

守備力2000、俺のターンには2300のイエティは鬱陶しいな。

 

ピョコレートも裏側守備表示にしたのは、ビーストライザーによる攻撃力上昇を防ぐ為だろうな。

俺にはまだ反転召喚していないモンスターが1体残っている、そのモンスターの攻撃力が高い場合は危険だと考えたのだろう。

そうでなくとも、俺の伏せカードは1枚残っていて、そのカードが強化カードの可能性も十分考えられる。

ならば攻撃力800の上昇とて軽く見ては危険、そう予想した可能性は高い……かな?

 

「なら仕方ないな、俺はこれでターンエンドだ」

 

「(なんとか防いだけど、次のターンは確実に動いてくる

幸いピョコレートは場に出て、メェプルも残っている、両方倒せばクロワンサンとミィルフィーヤを出されてもどうにかなる

問題はピョコレートの守備力は1500、メェプルの守備力は1800

アルカードの効果を使えば両方倒せるけど、X素材が減ると……それに攻撃力を強化するカードも無い

このドローでどうにかできればいいのだけど……)

ワタシのターン、ドロー……まだ、なんとかなるかな?

魔法カード、貪欲な壺を発動

墓地のモンスター5体をデッキに戻して2枚ドローする

戻すモンスターは猫娘、雪女、魔女、スペクター、フロストの5体

デッキに戻して、2枚ドロー

(モンスターは引けなかったけど、なんとかなるカードはドローできた)

アルカードとイエティを攻撃表示に変更して、バトルフェイズ

アルカードでメェプルに攻撃!」

 

「永続罠、マドルチェ・ワルツを何回目か忘れたが発動する」

 

「気にしない、アルカードで攻撃続行!」

 

メェプルはアルカードに踏みつけられ、破壊される。

ワルツの効果で300ダメージを与え、駄天使の残りライフは6800だな。

 

「メェプルは自身の効果でデッキに戻り、チケットの効果でクロワンサンを手札に加える」

 

「更にイエティで裏側守備表示状態になっているピョコレートに攻撃!

そして手札から速攻魔法、蛮勇鱗粉を発動!

自分の場の表側表示のモンスター1体を選択、ワタシはイエティを選択!

選択したモンスターは直接攻撃できず、エンドフェイズに攻撃力が2000低下する

だけどそれまでの間、攻撃力を1000上昇させる!」

 

なるほど、イエティの元々の攻撃力は300、破邪の魔法壁の効果で300上昇し600、更に蛮勇鱗粉の効果で1600。

守備力1500のピョコレートでは耐えられない。

しかも蛮勇鱗粉のエンドフェイズのデメリットはゴーストリックのサイクル・リバース効果で消す事もできる。

速攻魔法で、専用ではない攻撃力を1000上昇させるカードは蛮勇鱗粉と虚栄巨影の2枚だけ。

しかし虚栄巨影は攻撃宣言時のみ、ダメージステップに使えるのは蛮勇鱗粉のみだ。

攻めるゴーストリックの数少ない、高い攻撃力上昇値を狙える相性の良いカードだな。

 

「ピョコレートは破壊されたが、こいつもデッキに戻る効果を持つ」

 

「わかってる、イエティの効果を発動

1ターンに1度、自身を裏側守備表示にできる、この効果でイエティを裏側守備表示にし、蛮勇鱗粉のデメリットは消滅

カードを1枚伏せて、ターンエンド」

 

ふむ、俺のターンで守備力2300のイエティはかなり厄介だ。

このデッキに元々の攻撃力1500以上のモンスターは無い、攻撃力を上げて殴るタイプだからな。

一応チューナーのヴァレリフォーンは生き残ったが、こいつの効果は手札を1枚捨て、墓地のLV2以下の獣族を特殊召喚する効果。

俺の墓地にLV2以下以前に、獣族自体が存在していないから効果の発動もできない。

生き残っているのはまだ表にしていないセットモンスターとヴァレリフォーンの2体……どうしようかね?

 

「俺のターン、ドロー

既にお馴染み、ミィルフィーヤを召喚し、クロワンサンを特殊召喚する」

 

「(アルカードの攻撃力は1800、効果を使ったクロワンサンと相打ちになる

ビーストライザーの効果を使われたら倒されるけど、一応イエティは生き残るけど……

さっき伏せたのは永続罠のゴーストリック・ロールシフト

ワタシの裏側守備表示のモンスターを攻撃表示にし、ゴーストリックだったら相手モンスター1体を裏側守備表示にする

または自分のゴーストリックを裏側守備表示にし、相手の裏側守備表示のモンスターを攻撃表示に変更する、このどちらかを選択するカード

だけどそんな事をしても、選択したモンスターがビーストライザーで除外されて攻撃力を上げられてしまう

3体目のミィルフィーヤを除外するのは厳しくなると思うけど、あんなカードを使っているなら除外されたカードを回収するカードは持っているはず

まだ手札に無いと信じて発動するのも有りだけど、そんな事をしてもまたS召喚を狙われる可能性を考えたらヴァレリフォーンも裏側守備表示にしたい

けどアルカードの上昇した守備力をリセットをするのは正直に言うと結構痛い、アルカードが現状の生命線だから余計に厳しい

……多分、向こうはそう考えているはず、だけどワタシの伏せカードは3枚、1枚はゴーストリック・ブレイクなのは知られれているから残り2枚

その内1枚はゴーストリック・ロールシフト、だけど最後の1枚は……)」

 

クロワンサンの効果をミィルフィーヤに使うか、それともワルツに使うか悩むな。

とはいえいい加減伏せカードにゴーストリック専用罠辺りが入っている可能性は高い。

その効果でまたモンスターを裏側守備表示にされたら困る、ビーストライザーの効果をチェーン発動すればいいのだが……

さすがに3枚目のミィルフィーヤを除外すると、回収はできるが厳しい事に変わりは無い。

もしかすればあの伏せカードにゴーストリック・ロールシフト辺りが入っていたらバトルフェイズに面倒な事をされかねない。

そうでなければ……また強化カードかな? コンバットトリック系カードは使われているから警戒は必要だな。

 

「(最後の伏せカードは強化空間、X素材の数×300の攻撃力を上昇させるカード

もしビーストライザーの効果でミィルフィーヤやヴァレリフォーンを除外されても返り討ちにできる

本当はワタシの為のカードだったんだけどね、D2シールドも含めて……ワタシに使えば守備力5000になるし、強力な地雷だったんだけどね

そして攻撃表示にして攻撃力を上回れても、ワタシは特殊勝利を狙いからX素材は多い、これで反撃……の、つもりだったんだけどな)」

 

アルカードの効果を使わない理由はX素材を減らしたくないから、これ以外は考えられん。

でなければさっさと俺の伏せカードやヴァレリフォーンを破壊しているに決まっている。

となるとあの伏せカードはロールシフトではなく、強化カードの可能性が高いと考えた方がいいか?

X素材の数で攻撃力を上げる罠カード……エクシーズ・ソウルや強化空間辺りだろうか?

だがあいつの墓地に存在するXモンスターはデュラハンのみ、エクシーズ・ソウルは墓地のXモンスターのランク×200の攻撃力上昇効果だ。

その程度の上昇ではビーストライザーの強化には対抗できない……となると強化空間?

 

仮に強化空間だとしよう、では何故そんなカードを入れているのか。

ゴーストリックのXモンスターはロック性能や戦闘補助効果を持つものの、素材はどのモンスターも2体だけだ。

それでは攻撃力の上昇は600、そんなカードを使うぐらいなら他の強化カードを使った方が便利なはず。

X素材を増やす手段を持つカードは、ゴーストリックの駄天使のみ……となると狙いは駄天使の効果による特殊勝利か。

駄天使の攻撃力は2000で特殊勝利を狙っていると気づかれれば攻撃されるに決まっている、それを返り討ちにする為のカードだな。

しかし俺の発動した群雄割拠の効果により、天使族の駄天使を出す事はできない。

だから駄天使は駄天使の特殊召喚を捨てて、アルカードを戦闘の要にした……という辺りだろうか?

 

ここまで考えると駄天使のデッキはほぼ確定だな。

ゴーストリックの駄天使による特殊勝利を狙い、尚且つ戦闘でも勝てる為の攻めを意識した攻撃型のデッキだ。

使い手がゴーストリックという事で相手を油断させる事もでき、デッキで守備型だと思わせて攻めさせて反撃する……か。

だからクロスカウンターなんてカードも入っている、ライフを削る事も目的にしているのだろうからな。

おそらくD2シールドを入れていた理由としては、守備表示の駄天使に攻撃された時に戦闘で破壊されない為のカードだろう。

強化空間も合わせてかなりの地雷デッキだな……

 

まぁ、俺のデッキもかなり変態構築な自覚は有るがな。

このデッキは地属性獣族統一で、獣族や種族統一による強化カードとマドルチェによる戦線維持という感じだろう。

が、このデッキは蘇生、帰還、強化カードばかり入っている上にSのギミックも入っているのでかなり攻撃型に偏っている。

相手が守備型なら吠え猛る大地も入っているので貫通ギミック、野生の咆哮によるバーンも組み込まれている。

早い話、戦闘で相手を倒せばそれだけでダメージを大きく与える為のデッキで長期戦はそこまで意識していないという事だ。

 

このデッキになった理由としてはマドルチェによる戦線維持、そしてメェプルによる表示形式の変更、そして吠え猛る大地の貫通効果。

これらを組み合わせたデッキとなっているので短期戦も長期戦もできる、短期戦の方が意識しているがな。

肝心の吠え猛る大地や強化カードが来ないでビーストライザーしか無いから全然動けない……初期手札は良かったが完全に事故ってるな。

 

まぁ色々と考えたものの、どうするべきか……まぁ、現状でできる事をやった方がいいか。

いくつか手は浮かぶが、さっさと強化空間と思われる強化カードは使わせておくべきか、それとも……いや、こうするか。

 

「ヴァレリフォーンを反転召喚

地属性LV3のミィルフィーヤに地属性LV2のヴァレリフォーンをチューニング

魔の開放を防ぐ大自然の獣よ、可能性を削り封ずる力を発揮せよ……シンクロ召喚、封魔獣、ナチュル・ビースト」

 

「(攻撃力2200の、デッキを2枚墓地へ落とす事で魔法カードの発動を無効にするモンスター

魔の開放は魔法の発動、大自然の獣は地属性獣族、可能性を削るは自分のデッキを2枚墓地へ送る事からかな

これでワタシの魔法カードは封じられたけど、どうせワタシの伏せカードは全て罠だから関係無い

罠カードを封じるナチュル・パルキオンの方が怖かったけどあのデッキだと多分出せないだろうし、獣族じゃないから無いはず

それに攻撃力2200なら、アルカードに強化空間を使えば返り討ちにできる……けど、ビーストライザーを使われたらどうしようも無い

ゴーストリック・ロールシフトだけではどうにもできないし、相手がどう動いてくるか……)」

 

「クロワンサンの効果を発動し、ワルツを手札に戻してLVと攻撃力を上昇、更にチケットの効果でピョコレートを手札に加える

そしてセットしていたモンスターを反転召喚、ダーク砂バク」

 

「(ダーク砂バク? 除外された時に墓地のLV4以下の獣族を特殊召喚するモンスター

だけどビーストライザーの除外では効果を発動できないはず、なのに何故場に出した?

しかも何ターンも前から、マドルチェを警戒してセットモンスターにも攻撃しなかったのは確かだけど……)」

 

「魔法カード、トランスターンを発動

自分の場に存在する表側表示モンスター1体を墓地へ送り

墓地へ送ったモンスターよりLVが1つ高い同じ属性・種族のモンスターをデッキから特殊召喚する

LV2のダーク砂バクを墓地へ送り、デッキからLV3のマドルチェ・ホーットケーキを特殊召喚する」

 

「(ダーク砂バクを墓地へ送ってマドルチェ・ホーットケーキ?

ホーットケーキの効果は確か……)」

 

駄天使は冷静に、そして静かに俺の動きを観察している。

ここまでしたんだ、こいつはもう俺の狙いにある程度予想できているはずだ。

 

「ホーットケーキの効果を発動

メインフェイズに自分の墓地のモンスター1体を除外、デッキからマドルチェ・ホーットケーキ以外のマドルチェを特殊召喚する

俺は墓地のダーク砂バクを除外し、デッキからクロワンサンを特殊召喚する

ただし、ホーットケーキの効果は1ターンに1度しか発動できないがな

ちなみにホーットケーキの除外と特殊召喚は同時扱いなので……ダーク砂バクの効果も発動する

ダーク砂バクは除外された時、自分の墓地からLV4以下の獣族モンスター1体を特殊召喚できる効果を持つ

俺は墓地に存在するLV2の森の聖獣 ヴァレリフォーンを特殊召喚」

 

これで俺の場には強化クロワンサン、通常クロワンサン、ホーットケーキ、ヴァレリフォーン、ナチュル・ビーストの5体。

群雄割拠、マドルチェ・チケット、ビーストライザーに伏せカードが1枚だ。

 

しかし駄天使の場には守備力2300のイエティ、手札にはランタン、オマケに伏せカードが3枚と多い。

俺の予想ではブレイク、ロールシフト、強化空間とかなり厄介な布陣だ。

突破できないとは言わないが、どうしたものか……

 

「2体目のクロワンサンの効果を発動、俺の場のチケットを手札に戻して強化する」

 

「(これであの人の手札はピョコレート、ワルツ、チケットと不明カードが1枚

もう召喚はできないからピョコレートは出てこない、それにヴァレリフォーンの効果も発動できない

手札を1枚捨てて、ヴァレリフォーン以外の墓地のLV2以下の獣族を特殊召喚する効果だから、既にモンスターは5体だから無い

それ以前に、墓地にLV2以下の獣族なんていない、あの人の墓地はキャトルミューティレーション、トランスターン、ミィルフィーヤの3枚

だとすると、LV4のクロワンサン2体とヴァレリフォーンでS召喚? クロワンサンとホーットケーキの可能性も有る

いや、それともナチュル・ビーストとホーットケーキとヴァレリフォーン?

それとも総攻撃を仕掛けてくる可能性も有る……だけど強化空間でナチュル・ビーストも返り討ちにできるから問題無い

仮に攻撃力を上回られても、イエティの守備力は2300に手札のランタンもまだ使っていない

そしてロールシフトがもあるから……変な事をされない限り大丈夫)」

 

あの伏せカードはブレイクとロールシフトと強化空間だと仮定する。

一応どうにかする手段はデッキに入っているが……手札に無い、そしてドローカードは手札に存在している。

クロワンサン2体のLVは4だ、だから恐牙狼 ダイヤウルフをX召喚する事もできる。

アルカードをこの効果で破壊する事も可能だが、できればアルカードは破壊したくない。

理由は素材とされているキョンシーとマミーをブレイクの効果で特殊召喚され、更にアルカードのサルベージ効果も使われるからだ。

その場合、攻撃力も攻め手も足りない……仕方ない、あまり使いたくはないがドローするか。

 

「魔法カード、マジック・プランターを発動する

自分の場の永続罠を1枚墓地へ送り、デッキからカードを2枚ドローする

ビーストライザーを墓地へ送り、2枚ドロー」

 

「(効果を発動する前のビーストライザーを墓地へ送る?

確かに数が少なそうなチューナーのヴァレリフォーン、展開補助のホーットケーキはともかく、クロワンサンは除外してもいいと思うけど?

次のターン以降の牽制にもなるビーストも残しておきたいとは思うけど……使わない事に違和感

でも群雄割拠は残ってしまったけど、攻撃力増強はされなくなったのだから強化空間でビーストを返り討ちにできるようになった)」

 

「ふむ……ではバトルフェイズに入ろう

ビーストでアルカードに攻撃する」

 

「罠カード、強化空間を発動

全てのワタシの場に存在するXモンスターの攻撃力はX素材の数×300上昇する

アルカードのX素材は2つ、よって攻撃力は600上昇し、1800から2400となる!」

 

「それは攻撃宣言時か? それともダメージステップか?」

 

「(……まさか、ワタシの伏せカードがロールシフトだと予想している?

確かにダメージステップにロールシフトの効果は使えないから、バトルフェイズのスタートステップか攻撃宣言時に発動するしかない

とはいえ、ロールシフトを使えばイエティを攻撃表示にしなければならない、イエティの攻撃力は僅か300と低い

イエティはリバースした時、ゴーストリックを戦闘と効果の破壊から守る効果を持ってる

ダメージを受けてでもアルカードを守るなら、このタイミングでロールシフトを使うしかない

……一応、ランタンの効果も発動できるけど、そうなれば強化空間を発動した意味が無くなってしまう

もし強化カードを発動された場合、攻撃力差は僅か200、簡単に超えられてしまう

ランタンの効果を発動するには相手に攻撃対象に選択された時だからこのタイミングというのも有る

どうする、どうする……なんとなくだけど、ロールシフトは防がれない気がする

なら発動するタイミングは……)

強化空間の発動は、攻撃宣言時にする」

 

「攻撃宣言時だな、なら手札からモンスター効果を発動しよう

相手モンスターと戦闘を行う、自分のモンスターが攻撃宣言時に相手が通常罠カードを発動した時

このカードを手札から捨てて発動する

チャウチャウちゃんの効果を発動、その通常罠の発動を無効にして破壊する」

 

「ちゃ、チャウチャウちゃん!?

(予想外過ぎる! どうする、ロールシフトを発動する? それともランタンの効果を発動する?

だけどランタンで防げる攻撃は1回だけ、もし強化系カードを発動されたら他のモンスターに破壊されてしまうなら……)

永続罠、ゴーストリック・ロールシフトを発動!

1ターンに1度、バトルフェイズ中に2つの効果から1つを選択して発動できる!

自分の場のゴーストリックを裏側守備表示にし、相手の裏側守備表示モンスターを攻撃表示にする

自分の場の裏側守備表示モンスターを攻撃表示にし、そのモンスターがゴーストリックだった場合、相手の表側表示モンスター1体を裏側守備表示にする

この効果の内、ワタシは後者を選択して裏側守備表示のイエティを攻撃表示へ変更、ゴーストリックなのでそしてビーストを裏側守備表示にする!

更にイエティがリバースした時に効果発動! 場のゴーストリック1体はこのターン中は戦闘・効果で破壊されないよ!」

 

どうやら驚くと素が出るらしい、あの冷静な部分は相手を油断させたりする為とも言っていたからな。

さっきまでの状態はある意味本気モードという感じ、そう考えていいだろう。

素がまた表に出てきて、次はどっちの態度になるかな?

 

それはそうとして、ブレイクを伏せているのにアルカードを守ったか。

まぁアルカードは闇属性専用回収の悪夢再びやダーク・バーストで回収できないから仕方ないか

貪欲な壺は既に使っているし、戦闘がメインのデッキなら群雄割拠の効果内ではアンデット族を選びたいだろうしな。

 

「ではビーストはセット状態になる

クロワンサンでイエティに攻撃する」

 

クロワンサンがイエティに体当たりをし、イエティは転がって転がって……とりあえず破壊された。

攻撃力は300、クロワンサンの攻撃力は1800だから1500のダメージだな。

これで駄天使の残りライフは5300、俺の残りライフは1850だからまだ差は大きいな。

一応、攻めようと思えば攻める事はできるが……

 

「バトルフェイズを終了する鬱陶しいカードには退場を願おうかね、悪いが拘束させてもらうぞ

LV4のクロワンサン2体でオーバーレイ

2体のモンスターで……まぁなんでもいいや、一応マドルチェっぽい・ネットワークを構築

エクシーズ召喚、宝石を身に纏う獣よ、吼えよ叫べや喰らい尽くせ……恐牙狼 ダイヤウルフ」

 

「ランク4の……X召喚!?」

 

「別に不思議ではないだろう?

クロワンサンの効果は自身の攻撃力だけではなく、LV上昇も上昇させるのだからな

まぁ獣族ではないからティアラミスは入れていないがな」

 

どちらにせよ向こうの計算は狂っただろうな。

ダイヤウルフしかXモンスターは入れていないが、クロワンサンが2体並べばマドルチェ・シャトーかチケットのどちらか揃えば出せるんだし。

実際、そこまで出すのは難しくない。

 

「(やられた……さっきの攻撃宣言時のというのはロールシフトを表側表示にさせる為だったか

それに、ヴァレリフォーンはまだ場に残っているから仮にダメージステップでと言って迎撃されても2体目のビーストが出てくるだけ

次のターン、2体目の攻撃でアルカードを倒すつもりだったと考えれば……それでもランタンで防げるけど、もし3体目が出てきたら終わり

コンバットトリックを使うというブラフだった可能性が高い、でなければチャウチャウちゃんなんて使わずに強化カードを使った方が良かったはず

そうすればワタシはブレイクを発動するけど、残りのモンスターの総攻撃でキョンシーとイエティ以外は破壊されてしまうのだから

しかも全体強化ならその2体も倒され、ランタンも使わされていた可能性が高い

さすがに口では館主様と同一存在には勝てないという事かな……)」

 

伏せカードは予想通り、ロールシフトに強化空間だったか。

まぁ攻撃型でX素材を増やす事ができるという点からの予想だったが正解して助かった。

蛮勇鱗粉のような速攻魔法だったらチャウチャウちゃんで防げないしな。

 

「ダイヤウルフの効果を発動

1ターンに1度、X素材を1つ取り除き自分の場の獣族・獣戦士族・鳥獣族、どれか1体と場のカード1枚を破壊する

この効果で自身とロールシフトを破壊する」

 

「うぐぐぐ……」

 

できればロールシフトを使われる前に破壊したかったが、さすがに3枚の中から1枚を狙って破壊は少々厳しい。

ディスアドバンテージは大きいし、アルカードが墓地へ送られれば再び回収される可能性は高い。

とはいえ、それまでの使用は防ぐ事ができるし、あのカードは自分の場にモンスターが存在しなければ使えないカードだ。

現在手札がランタン1枚の状況で使うのは厳しいだろう。

 

「更にLV3のマドルチェ・ホーットケーキにLV2の森の聖獣 ヴァレリフォーンをチューニング

以下省略、シンクロ召喚、ナチュル・ビースト」

 

アルカードでは攻撃力では勝てない、強化空間も使用して伏せカードはブレイク。

更にアルカードが破邪の魔法壁の効果で攻撃力を上げても2100、攻撃力2200のビーストは倒せない。

ついでに魔法カードも封じられた事により、装備魔法……は多分使わないかと思うが、それらによる強化もできなくなった。

ここからどう脱出するかな?

 

「カードを2枚伏せ、ターンエンドだ」

 

「ワタシのターン、ドロー!

……とりあえず、アルカードでセット状態のビーストに攻撃!」

 

ビーストの守備力は1700、何もできずに破壊される。

さて、俺の場には攻撃表示のビーストと伏せカードが3枚に群雄割拠か……どうなる事やら?

 

「カードを1枚伏せて、ターンエンドだよ!」

 

どうやら素で進めるらしい、先程までのテンションには戻れなかったようだ。

とはいえ伏せカードか……ブラフの可能性も有るが強化カードの可能性も高いな。

どちらにせよ、攻めるデッキなのだから攻めない事には始まらないか。

 

それにしても、こんなにゴーストリックに戦闘破壊されるのならサイドに入れておいた神聖なる森も入れておけばよかった。

獣族・獣戦士族・植物族は全体でとはいえ、1ターンに1度、戦闘で破壊されなくなるからな。

入れておいて序盤に発動できればこんな展開にならなかっただろうに、群雄割拠と入れ替えてしまったから枠が……

 

「俺のターン、ドロー

貪欲な壺を発動し、墓地のモンスターを5体デッキに戻して2枚ドローする

俺はクロワンサン2体、ホーットケーキ、ミィルフィーヤ、ダイヤウルフをデッキに戻す、そして2枚ドロー」

 

このタイミングでこのカードか……仮にあのカードが強化カードでもなんとかなるかな?

 

「森の聖獣 ユニフォリアを召喚し、自身をリリースして効果発動

自分の墓地のモンスターが獣族モンスターのみの場合に発動できる

森の聖獣 ユニフォリア以外の獣族モンスターを手札か墓地より1体、特殊召喚できる

ただし、この効果で特殊召喚されたモンスターはこのターンは攻撃できないがな

そしてこの効果にLVの制限は無い……俺はこの効果により、ユニフォリアをリリース、墓地のナチュル・ビーストを特殊召喚する」

 

「(ビースト……さっきの貪欲な壺で戻さなかったのはこの為?

マドルチェを使うのに墓地に関する効果を持つカードが多い、多分本来はそういうタイプなのかな?

この分だと一族の結束とかもデッキに入っていそうかな)」

 

「そして永続罠、バーサーキングを発動

1ターンに1度、自分の場の獣族モンスター2体を選択する、俺は2体のビーストを選択する

エンドフェイズまで片方の攻撃力を半分にし、もう片方の攻撃力をその数値分上昇させる

ただし、この効果は自分ターンのメインフェイズか、相手ターンのバトルフェイズにしか発動できないがな

つまりビーストの攻撃力は2200、よって片方は1100となり、もう片方は3300となる

半減させるのは先程ユニフォリアの効果で蘇生したビーストだ」

 

「(またそんな強化カードを……更に強化されたら厄介になりそう)」

 

さて、あの伏せカードが凄まじく気になる。

攻撃力を1500以上も上昇させるカードはライジング・エナジー辺りが存在するな。

とはいえ使うと思うかと問われるとかなり微妙なところ、上昇値は大きいが手札を消費するカードを入れるだろうか?

駄天使の特殊勝利を目指す場合は使うとは思えないな。

 

では他にどんなカードが候補に挙がるかを考える。

プライドの咆哮、ハーフ・カウンター辺りか? ハーフ・カウンターはありそうだがプライドの咆哮はイマイチ合わなそうだ。

しかしハーフ・カウンターで上昇する攻撃力は攻撃してきたモンスターの元々の攻撃力、強化されたビーストには勝てない。

今まで駄天使が使ってきたカードから予想すると……あぁ、なるほど、可能性は有るな。

となると少々強引だが、こうするしか無いか。

 

「罠カード、地霊術-「鉄」を発動する

自分の場の地属性モンスター1体をリリースし、自分の墓地に存在するLV4以下の地属性モンスターを特殊召喚する

攻撃力の下がったビーストをリリースし、墓地のヴァレリフォーンを守備表示で特殊召喚する」

 

「(ヴァレリフォーンを? このタイミングで?

ヴァレリフォーンの効果は墓地の……あ)」

 

「ヴァレリフォーンの効果を発動する

手札を1枚捨て、森の聖獣 ヴァレリフォーン以外のLV2以下の獣族1体を攻撃表示か裏側守備表示で特殊召喚する

手札のメェプルを捨て、墓地の森の聖獣 ユニフォリアを攻撃表示で特殊召喚する

ただし、森の聖獣 ヴァレリフォーンの効果は1ターンに1度しか発動できないが……ユニフォリアは違うぞ?

再びユニフォリアの効果を発動して自身をリリースし、先程ヴァレリフォーンの効果で捨てたメェプルを蘇生させる」

 

「(メェプルを攻撃表示で蘇生……効果を使う?

だとしても相手ターン中には破邪の魔法壁の効果で守備力が300上昇する

アルカードの守備力は現在3500、ビーストでは突破できない)」

 

「メェプルの効果を発動、攻撃表示のマドルチェ1体と相手モンスターを守備表示に変更する

この効果によりメェプル自身とアルカードを守備表示にする

バトルフェイズだ、ビーストでアルカードに攻撃」

 

「守備力はアルカードの方が高い……」

 

「当然上回る、ダメージステップに速攻魔法、百獣大行進を発動

自分の場に存在する獣族の数×200、自分の場の獣族の攻撃力を上昇させる

俺の場の獣族は3体、よって攻撃力は600上昇し、ビーストの攻撃力は3900となる」

 

「(ワタシの伏せカードは……反転世界、効果モンスターの攻撃力と守備力を入れ替えるカード

今入れ替えても、アルカードの守備力は1800、ビーストは1700となる

だけどチェーンは逆順処理されるから、百獣大行進の効果が後から適用される

つまり攻撃力は1700から2300まで上昇して、結局アルカードは倒される

ランタンを発動してもよかったけど、結局次のターンとかにまた百獣大行進を使われるだけ……)」

 

ビーストの前足がアルカードを叩き潰す、何も発動しなかったが……まぁいいだろう。

あの伏せカードは反転世界の可能性が高いと俺は思ったし、今発動しても意味は無いからな。

 

しかし、ランタンは発動してもよかったんじゃないか?

次のターンに百獣大行進を使われるにしても、いい加減にアルカードの効果を発動すればとも思ったんだがな。

他に素材数に拘る可能性を考えると……まさか、ストイック・チャレンジなんて入れてないよな? 入ってそうだ。

 

「罠カード、ゴーストリック・ブレイクを発動!

破壊されたゴーストリック以外を裏側守備表示で2体特殊召喚!

キョンシーとマミーを特殊召喚し、更にアルカードが墓地へ送られた事で墓地のゴーストリックを1枚手札に加える!

ワタシはこの効果でパニックを手札に加える!」

 

ロールシフトではないとなると、連続攻撃される可能性が有ると考えたかな?

まぁするかもしれんが、問題は次だな。

3体目のビーストを出すか、それとも神樹の守護獣-牙王を出すか……少し悩むな。

とはいえゴーストリックは対象に取らないカードが多いからな、割と難しい問題だ。

壁モンスターを揃えておくというのも1つの手でもあるし……

 

「俺は永続魔法、マドルチェ・チケットを発動してターンエンドだ」

 

ここは動かず、メェプルを破壊できるのなら破壊してもらおう。

本当に反転世界を伏せていた場合、厄介なメェプルを破壊する為に使う可能性は有るからな。

 

「(多分、反転世界は読まれていたと思う

そうでなければアルカードを守備表示にせず、そのまま百獣大行進を発動している

読まれているのなら厄介なメェプルを倒しておいた方がいいかな?)

ワタシのターン、ドローだよ!

マミーを反転召喚して、キョンシーも反転召喚! そしてキョンシーのリバースした時の効果発動!

ワタシの場のゴーストリックは2体だから、LV1のスペクターを手札に加えるよ!」

 

アンデット族のゴーストリックをドローできなかったか。

でなければマミー反転召喚、アンデット族ゴーストリック召喚、キョンシー反転召喚、LV3以下のゴーストリック手札へ、マミーの効果で召喚。

という流れができたのだがな、まぁ仮にドローカードだとしてもビーストが存在するのだから発動はできないしな。

 

「バトルフェイズ!

マミーでヴァレリフォーンに攻撃!」

 

マミーの包帯がヴァレリフォーンに巻き付き、締め付けて……粉砕骨折というレベルじゃない粉砕。

さて、守備力1700のビーストなら、反転世界を発動すればキョンシーで破壊できる。

バーサーキングは相手のバトルフェイズにも発動できる、しかしチェーンの逆順処理により反転世界の方が後に適用される。

つまりダメージステップに反転世界を発動されては結局ビーストは破壊されてしまう。

 

「キョンシーでビーストに攻撃!

そしてダメージステップに罠カード、反転世界を発動!

効果モンスター全ての現在の攻撃力と守備力を入れ替える!

この効果でキョンシーの攻撃力は守備力である1800となり、ビーストの攻撃力は守備力である1700になるよ!」

 

キョンシーは飛び上がり、ビーストを踏みつける。

見た目軽そうなのだがビーストは……とりあえず俺のライフは100減り、残りは1750となった。

 

「カードを1枚伏せて、2体を効果で裏側守備表示にして、ターンエンドだよ!」

 

まぁメェプルが生き残ったから良しとしよう。

攻撃力は1800と、ゴーストリックからすれば厄介な高さになった。

そしてマミーの守備力は0、破邪の魔法壁の効果でも300だからとりあえず問題無い。

 

「俺のターン、ドロー

ふむ、では永続罠、マドルチェ・ワルツを発動し、魔法カード、マジック・プランターを発動する

永続罠であるワルツを墓地へ送り、2枚ドロー」

 

「(やっとワルツが消えたけど、ドローにされても全然嬉しくない

それよりドローされた2枚のカードの方が問題、またビーストが出てきたら……ゴーストリック・グールが来るまで動けない)」

 

これ、ちょっとしたイジめになりそうだな、別にいいんだけど。

 

「ホーットケーキを召喚し……」

 

「モンスターは出させないよ! 罠カード、ゴーストリック・パニックを発動!

ワタシの裏側守備表示モンスターを任意の数だけ表側守備表示に変更し、ゴーストリックの数までの相手モンスターを裏側守備表示にする!

キョンシーとマミーを表側守備表示に変更し、メェプルとホーットケーキを裏側守備表示に変更してやる!

更にキョンシーの効果でデッキからフロストを手札に加えるよ!

(これだけ防御を固めれば……貪欲な瓶、エクシーズ・リボーン辺りをドローするまで耐えれば大丈夫なはず)」

 

手札誘発効果のモンスターであるランタン、スペクター、フロストの3体とか……厚すぎるだろおい。

じゃあもう1枚のドローカードを公開してやりますか。

 

「魔法カード、エアーズロック・サンライズを発動

自分の墓地に存在する獣族1体を特殊召喚する

更にエンドフェイズまで自分の墓地に存在する獣族・鳥獣族・植物族の数×200、相手モンスターの攻撃力を低下させる

まぁそっちは守備表示だから関係無いのはともかく、このカードもLV制限なんて無いナチュル・ビーストを蘇生させる」

 

前のターン、反転世界を使ってまで倒したナチュル・ビーストが戻ってきた。

先程ドローしたカード、セットも何もしなかった事から考えると……多分魔法カードだろう。

ゴーストリックはフィールド魔法や罠に頼るタイプとはいえ、あのデッキは攻撃型だ。

魔法カードは重要な可能性は十分に高い。

 

「エアーズロック・サンライズはユニフォリアのような攻撃制限も存在しない

よってバトルフェイズだ、ビーストでキョンシーに攻撃」

 

キョンシーの守備力は1800、破邪の魔法壁の効果でも2100だ。

残念ながらビーストの攻撃力は2200、よって……

 

「手札のランタンの効果を発動!

ゴーストリックが攻撃対象となった時、その攻撃を無効にして自身を裏側守備表示で特殊召喚する!

群雄割拠の効果は裏側守備表示での特殊召喚やセットなら影響を受けない、だから特殊召喚はできるよ!」

 

しかしこれでこれ以上の、モンスターへの攻撃を庇う事はできない。

伏せカードも無い状態で魔法カードも使えない……どうなる事やら。

 

「俺はこれでターンエンドだ」

 

「ワタシのターン、ドローだよ!

……マミーを攻撃表示にして、バトルフェイズ!

裏側守備表示になってるホーットケーキに攻撃するよ!」

 

ホーットケーキの守備力は1100、破邪の魔法壁の効果で攻撃力1800になっているマミーには勝てん。

それにしてもホーットケーキに展開される方がやはり嫌なのかね? そりゃそうか。

 

「ホーットケーキはデッキへと戻り、チケットの効果でホーットケーキを手札に加える」

 

せめて召喚権を潰しておこうというところなんだろうが、どちらにせよ展開されるのは仕方ないな。

この獣族マドルチェはそういうデッキだし。

 

「モンスターをセットして、キョンシーとマミーを効果で裏側守備表示に変更してターンエンドだよ!

(どうしよう、魔法カードが使えないしアルカードも墓地だしビーストは倒せない

魔法・罠カードを破壊するカード、1枚でも入れておくべきだったと心から思う)」

 

「お互いに伏せカードが無いから転回が早いな、俺のターン、ドロー

お望み通り、ホーットケーキを召喚し、効果を発動して墓地のチャウチャウちゃんを除外し、デッキからピョコレートを特殊召喚

そしてメェプルを反転召喚し、ピョコレートの効果が発動する

1ターンに1度、ピョコレートが表側表示で存在している時にマドルチェの表示形式が変更された時に発動できる

フィールドのモンスターを表側守備表示に変更し、そのモンスターがマドルチェでなければ攻撃は封じられ、効果も無効にされる

俺が選択するモンスターはキョンシーだ、場所は判明しているのだからキョンシーを裏側守備表示から表側守備表示に変更しろ

そしてキョンシーはマドルチェではない、よって効果は無効にされる為サーチも封じられる」

 

とはいえ、それがわかっているから裏側守備表示にしたんだろうな。

どうせ次のターンにビーストに破壊されるというのは判っているんだ、他のモンスターに被害が行かない為だろう。

 

「更に永続罠、バーサーキングの効果を発動

攻撃力半減効果をピョコレートに、攻撃力上昇効果をメェプルに発動する

これによりピョコレートの攻撃力は800から400へ、メェプルの攻撃力は0から400へと上昇する

ではバトルフェイズ、メェプルで先程特殊召喚されたランタンに攻撃し、マミーにはピョコレートで攻撃する」

 

ランタンの守備力は0、破邪の魔法壁の効果を受けても僅か300、バーサーキングの効果で攻撃力が400へと上昇したメェプルには勝てない。

マミーの守備力も0であり、同じく破邪の魔法壁の効果を受けても攻撃力が半減したピョコレートに勝つことはできなかった。

 

さて、問題はキョンシーだな。

こいつをビーストで攻撃し、セットモンスターをホーットケーキで攻撃するべきか。

それとも効果が無効になり、魔法使い族と悪魔族を出せない状態のままにする為にキョンシーを残すべきか……悩みどころだ。

セットモンスターの守備力が高い可能性も考えると……

 

「ビーストでキョンシーではなく、セットモンスターに攻撃する」

 

セットされていたモンスターは……ゴーストリックの人形だと?

 

「残念でしたー! ゴーストリックの人形のリバースした時の効果発動!

表側表示モンスターはこのエンドフェイズに全て裏側守備表示になって、その数のLV以下のゴーストリックを裏側守備表示で特殊召喚できるよ!」

 

うーむ……これは困ったな、どうするべきだろうか?

なんにせよ、できる事はもう無いし、攻撃力0のメェプルを晒さなかっただけマシだと思っておこう。

とはいえ、ピョコレートの効果である無効にしている状態のキョンシーの効果無効まで消されてしまったのは痛い。

 

「仕方ない、カードを1枚伏せてターンエンドだ」

 

「エンドフェイズ、表側表示のモンスター全てを裏側守備表示にするよ!

そして裏側守備表示になったのは5体、LV5以下のゴーストリック……LV3のゴーストリック・シュタインを特殊召喚!

更にワタシのターン、ドロー!

グールを反転召喚して、魔法カード、ダーク・バーストを発動!

墓地の攻撃力1500以下の闇属性モンスター1体を手札に加えるよー!

ワタシは墓地のマミーを手札に加えて、更に召喚! そしてキョンシーを反転召喚してリバースした時の効果を発動!

LV3以下のゴーストリック、LV3のゴーストリック・グールを手札に加えるよ」

 

なるほど、このターンでできるだけ俺のモンスターを削り、次のターンにグールでビーストを破壊するという事か。

そうなると少々拙いかもしれんな……

 

「さぁバトルフェイズだよ!

シュタインでメェプルに、マミーでホーットケーキに攻撃するよ!」

 

「破壊されたメェプルの効果でデッキに戻り、チケットの効果でクロワンサンを手札に加える

そしてホーットケーキはそのままデッキに戻る」

 

さて、そろそろヤバイ状況になってきたぞ?

次のドロー辺りでなんとかしないと……次のターン、ダメージは与えられるがさすがに5300も削れないからな。

 

「全員の効果を発動して、全員を裏側守備表示に変更!

これでターンエンドだよ!」

 

「俺のターン、ドロー……まぁ、使うしか無いか

魔法カード、マジック・プランターを発動、永続罠の群雄割拠を墓地へ送り2ドロー」

 

「(群雄割拠を墓地へ送った?

という事は次のターンからワタシを出す事ができるようになった!

なんとかLV2のゴーストリックを揃えれば……)」

 

「……あ」

 

群雄割拠が消えて、駄天使が盛り上がってきたんだが、終わったか……

 

「ピョコレートとビーストを反転召喚し、永続魔法、一族の結束を発動

自分の墓地の元々の種族と同じ種族の自分の場のモンスターの攻撃力を800上昇させる

クロワンサンを召喚して、効果を発動してチケットを手札に戻してLVと攻撃力を上昇させる」

 

「(チケットを手札に戻す? ピョコレートじゃなくて?

そんな事をしてどういうつもり?)」

 

「……まぁ、運が悪かったと思ってくれ

魔法カード、野性開放を発動する

場の獣族・獣戦士族を1体選択し、そのモンスターの攻撃力を守備力分上昇させる

ただしエンドフェイズ時に破壊されるがな

俺はビーストを選択し、ビーストの攻撃力を守備力分である1700上昇させ、攻撃力を3900

更に一族の結束の効果も含め、攻撃力は4700まで上昇させる」

 

「(ワタシのモンスターは守備表示、ダメージは与えられないのに?

しかもワタシの手札には直接攻撃を止めるフロストがまだ残ってる、モンスターの数も同じだし……どういう事?)」

 

「悪いがこれで終わりだ、永続罠、吼え猛る大地を発動する

自分の場の獣族モンスターが相手の守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を超えていた場合、その分だけ戦闘ダメージを与える

ついでに、この効果で相手に戦闘ダメージを与えた時、相手の表側表示モンスターの攻撃力と守備力は500低下する

まぁ、早い話この貫通効果が発動したらどうなるかと言えば?」

 

「……ワタシの残りライフは5300だよ?」

 

「そうだな」

 

「あ、アハハ……攻撃、しないでくれる?」

 

駄天使がウインクをする、その容姿と仕草は可愛いものだ。

しかしまぁ、それが通れば全てLV5以上の通常モンスターでデッキを組んだ相手と戦えという事になるわけで?

 

「残念、断る

バトルフェイズビーストでキョンシーに攻撃、ピョコレートでマミーに攻撃」

 

ビーストの牙により、キョンシーは頭を食われて……ぷらーんとなっている。

ビーストは既に終わったという感じで吐き捨て、キョンシーは破壊された。

キョンシーの守備力は2100、2600のダメージで残りライフは2700。

 

ピョコレートはマミーの目を啄くという、見た目にそぐわぬえげつない攻撃を仕掛ける。

ピョコレートの攻撃力は1600なので1300のダメージ、残りライフは1400だ。

 

「最後だな、一応このデッキの主役……っぽいモンスターであるクロワンサンでシュタインに攻撃」

 

クロワンサンは飛び上がり、シュタインに甘えるように飛びついたがシュタインは支えきれずに倒された。

クロワンサンの攻撃力は自身の効果と一族の結束の効果で攻撃力2600……

残りライフが1400の相手に2300のダメージを与え、駄天使のライフは0となった。

 

「………………」

 

唖然としている駄天使、俺としても最後がこんなにアッサリとは思わなかった。

何故最後の2枚ドローで来た、一族の結束と野性開放!

同じ事の繰り返しが多かったし、少々消化不良だが、終わったのだから仕方ない、また別の機会に考えよう。

 

ずっと黙っていた駄天使だが、涙目に……そして大声で泣きながら逃げ出した。

どうやら最後にアレでショックだったらしい、ちなみに俺にどうするか訊いたら放置と言われた、哀れ駄天使。

 

ちなみに次の相手であるフレシアの蟲惑魔を相手にどのデッキを使うか悩んでいる間に駄天使は笑顔で戻ってきた。

お前、切り替え早すぎないか? 俺曰く、いつもの事だそうだ……少しでも心配して損した気分だ。




「今日の最強カードは……最薄カードはワタシ、出なかった」
「群雄割拠が消えて出せると思った瞬間に潰えたらなぁ……」
「うぅぅ……ワタシ、ゴーストリックの駄天使
闇属性・天使族のランク4のXモンスターだよー
攻撃力2000、守備力2500でワタシのX素材はLV4のモンスターが2体だけ、簡単なんだよ?
ワタシは自分の場のゴーストリックの駄天使以外のゴーストリックXモンスターに重ねてX召喚できる、簡単でしょ?
しかもワタシがX素材が10個持てば特殊勝利条件を満たせるんだよ、簡単だよね?
効果は1ターンに1度、X素材を1つ取り除いてデッキから魔法・罠のゴーストリックを1枚手札に加える効果
もう1つは1ターンに1度、メインフェイズに手札のゴーストリック1枚をワタシの素材にできる……便利でしょ?」
「2つ目の効果は魔法・罠のゴーストリックでも素材にできるからな、不要になったフィールド魔法を素材にしたいな
使用済でもデュラハンやアルカードで回収できるからなんとかなるだろ……除去されなければ」
「ワタシの効果で勝った事有る人はどれぐらいいるのかな?」



Q.駄天使の性格ってどんなの?
A.基本楽しければ何でもいい、ただプライドは割と高い。
 序盤や終盤のような性格が素、かなり明るいのだがこちらの主人公により裏人格が出現。
 裏ではかなり冷静な思考やでき、思考力も高い。
 しかしテンションが上がりすぎたり驚いたりすると元に戻る。
 そもそも裏は決闘中でしか出ないので殆ど問題にならない。
 ついでに、嫌な事は最速数秒で切り替える事ができるぐらいの気分屋。

Q.駄天使のデッキは?
A.守ったりするのではなく、戦い殴り合い敵を薙払う……特殊勝利を狙ったハイランダーゴーストリック。
 意味がわからない? 作者も意味がわからない、でも使いやすかった。
 特殊勝利を狙うのにハイランダーとか変じゃないかって?
 回収カードが多めなので実はそこまででもなかったりします。
 デッキ名は……【ハイラントリック】とかの仮名で登録しました。
 後日、Twitterにてデッキの画像を投稿します。

Q.どう扱うの?
A.サイクル・リバースの特性を活かしてデメリット付きの強化カードや1ターン限定カードを使用。
 駄天使登場後はD2シールドの守備力5000から反転世界攻撃力5000への変化。
 エクシーズ・トライバトル、エクシーズ・ヴェール、安全地帯等で駄天使を守護。
 で、隙を見て破壊耐性を持たせてからストイック・チャレンジによる瞬殺を狙ったりも……
 どう見てもゴーストリックではありません、本当にありがとうございました。
 まぁ、駄天使登場後はそんな感じですが、そうでなくともゴーストリックは殴っても普通に強いので普通に殴り合います。
 弱点は今回のような群雄割拠等のロック系、ただ基本LVも攻撃力も低めなのでそこまで怖くはないかも?

Q.今回の瑞貴のデッキは?
A.一応マドルチェ軸の獣族デッキですね、仮名【マドルチェビースト】でいいですか?
 前回のマドルチェは獣族マドルチェを未使用だったというのと、ハロウィンに投稿しようと思ったのが始まり。
 しかも相手はゴーストリック、他にどのタイミングでこの対決をしろと言うのか!
 とでも言いたくなったのでこんな感じのデッキになりました。
 しかし普通のマドルチェでは儀式抜きの前回と変化が無いと思い以下省略。
 森の聖獣やダーク砂バクを入れたのは、モンスターが足りなかったという理由が最大ですね。
 こちらはTwitterにてデッキ画像投稿予定無し、希望が多ければします。

Q.使い方は?
A.コンセプトはローレベル獣族、強化して貫通して殴り倒す。
 でもモンスターを破壊してもLV3以下とはいえ何度でも現れる。
 と、油断させてS召喚によるナチュル・ビースト、ナチュル・ガオドレイク、神樹の守護獣-牙王が現れる。
 ついでにLV3以下デッキだと油断していると恐牙狼 ダイヤウルフも湧いてくる、何故だ。
 マドルチェなのに墓地へモンスターを送りたいデッキ、後除外や帰還も存在するのでビーストライザーも普通に使う。
 隠し味に暴走召喚も有るよ! という感じですね。

Q.凄まじく仕事をする破邪の魔法壁。
A.作者もこんなに仕事をするとは思っていませんでした。
 ちなみにこのゴーストリック、予想できるかもしれませんがメインデッキ内にゴーストリックフィールド魔法が1枚も入っていません。
 まぁメインデッキ内に20枚ゴーストリックカードが有るので、特殊勝利は難しくないのではないかと思います。
 ……まぁ、除去されなければですけど。

Q.S召喚とX召喚の口上が今までと違う?
A.もうちょっと頑張ってみようかと思いました、センスが有るとは言えませんけどね……

Q.ずっとアルカードの効果を発動しなかったのは何故?
A.群雄割拠が存在する事でアルカードを失いたくなかったからです。
 エクシーズ・トライバトルで耐性を得たり、ストイック・チャレンジでの攻撃を狙っていました。
 強化空間も理由の1つですね、あの状況ではアルカードのステータスの高さが頼りでしたので危険な状況にしたくなかったようです。
 デュラハンは墓地ですし、サキュバスや魔法使い族はステータスに不安が残ります。
 アンデット族で戦うには以下省略……という事です。

Q.群雄割拠なんてメタ入れるのは……
A.メタってこそ瑞貴ですけどね、それはさて置き。
 今回のデッキはハロウィンで狙ったのもありますが、元々サイドに入れていたカードです。
 前回のプディンセス戦の時に複数作ったマドルチェデッキの1つを少し改造しただけですからね。
 群雄割拠は今回のメタ用ではない、という事はご理解ください。
 色々と重なってしまっただけというのも事実ですからね。

Q.今回はお互いに読み合いが多かったけど?
A.普段しないような感じにしたかったというのと、二面性を持ったキャラという事でこんな感じにしました。
 俗にフラグやらなんやらとか呼ばれるアレです、はい。
 堪にはこういうのもしたかった、というより読み合いをしたかったのでこうなりました。

Q.クロワンサンが多すぎる。
A.デッキコンセプトがアレとはいえ、ゴーストリックにこんなに倒されるとは思っていませんでした。
 正直作者もかなり困ってしまい、ミィルフィーヤとクロワンサンコンボは……何回しましたっけ?
 さっさと墓地に獣族を1体でも落としたかったのに落ちない悲しみ……
 あ、おろかな埋葬は入っていますよ? 使わなかっただけです。

Q.マドルチェ・ワルツは何回手札に戻ったのか……
A.クロワンサンの手札回収の役に立ち過ぎました、そして地味ダメージも地味に大きく……
 攻めるデッキなので攻撃時にダメージを与える予定のカードだったんですけど……どうしてこうなった?

Q.最後……最後!
A.ゴーストリックの方でする事が殆ど無くなったというのが理由ですね。
 魔法は使えない、攻撃力で劣る、駄天使が出せない他が原因ですけど。
 他にできる事は……Twitterで画像投稿した時に色々とアレンジしてみてください。
 ちなみにゴーストリックデッキ案は3つ存在していましたが、今回のは2つ目
 1つ目は地縛神入り、3つ目は同名カードを入れてるアステカ気味な殴り合いデッキでした。

Q.最後が雑っぽく見えるんだけど?
A.終わらないんです、お互い半端にロックしているせいでライフがなかなか減らない。
 ゴーストリックでやりたい事、やる事、やろうと思っていた事。
 それらは駄天使の解説と内容でほぼ終わったので何もありません。
 瑞貴の方もメインデッキのモンスターで出ていないのは森の聖獣 カラントーサのみです。
 大体解説もしたのでやる事も無くなってきて、作者が満足するまで書いていたら2倍以上の長さになっていたと思います。
 前述の通り、お互い半端なロックなので同じような状況が長々と続くと考えるとこの辺りで切るのが良いと判断しました。
 雑っぽく見えてすみません、でも解説も多い中で無駄に長引かせるよりは良いと思ったんです。

Q.次回はフレシアの蟲惑魔戦?
A.そうなります。
 フレシアのデッキは既に決まっており、微調整はしてもほぼ完成済。
 瑞貴のデッキをどうしよう……



Twitterにて今回のゴーストリックのデッキ画像を載せます。
載せるのは……11月1日予定、マドルチェの方は……未定という事で。
https://twitter.com/KuriaAin

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