今までに関しては活動報告にて。
今回は本編とは無関係です。
長期間執筆していなかったのでリハビリ回という事でオマケみたいなものとなります。
オマケという事で、今回は全てOCGルールです。
更にリミットレギュレーションを守る事としました。
理由は単純にその方が良い気がしたから、それだけです。
次回は……また長くなると思うので気長にお待ちください。
正直、前のように早期投稿できる自信が現在ありません。
はて……ここはどこだ?
俺は確か……何をしていたんだっけ? イマイチ記憶が曖昧だ、記憶喪失とか?
いや、さすがにそれは無いだろ、とはいえどうも思い出せないからド忘れに近い状態か?
辺りを見回してみると、どうも見覚えの無い場所だ。
なんというか、高級感の有る部屋だろうか? 天幕の有るベッドとか初めて見たぞ。
部屋の主はこの部屋には居ないらしい、少々殺風景な感じがするしどちらかと言えば男性っぽい部屋かな?
物も少ないし、部屋は広いし豪華な壁とかを使っているように見えるのに少々地味だ……ベッドを除く。
さて困った、さっさと部屋から出て探索するかこの家? 多分家から脱出するか。
それとも暫くこの部屋に留まって部屋の主に事情を説明するかか? いや、どう説明しろと?
とはいえ出る時に誰かに見つかる可能性も高い、窓から陽の光と影の角度から考えると……夕方前ぐらいかな?
難しいところだ、この次回では移動や帰宅の時間の場合が多いだろう、正午過ぎぐらいなら少なかっただろうに。
とか何とか悩んでいると部屋の扉が開き、誰かが入ってきた。
考え事をしており、ノックも無く躊躇無く入ってきた事から部屋の主だろう。
俺が立っていた場所は隠れられる場所が近くに無く、そもそも隠れるとしても間に合わない。
入ってきたのは男性、どこかで見たことの有るような顔を……ん?
「……お前、俺か?」
「いや、俺の台詞だろそれ」
部屋に入ってきた男は俺、俺なんだが何か違う。
というか自分が目の前に居るのに冷静な自分に驚きだ。
向こうの俺もかなり冷静だ、俺はやはり俺という事だろうか。
「ここは俺の部屋なんだが……」
「不法侵入は悪かったが、突然ここに来ていたのでな、許せ」
「意味がわからん」
「俺もわからん、気付いたらここに居たといか言えないな」
冷静に見えて実は混乱している俺と俺、真面目にどうしてこうなった!
俺達は暫く無意味な問答を繰り返し、お互いに現状を説明するという事となった。
俺の説明は簡単、アニメ遊戯王GX世界から突然ここに来た、ここに来るまでの前後の記憶が混濁していて思い出せない。
そしてもう1人の俺の説明は同じくアニメ遊戯王GX世界に居たのだが、その世界からデュエルモンスターズの精霊世界に来たらしい。
どうしてそうなったのかと思ったが、今はそんな事を考えている場合ではない。
ちなみに望んで来たのかどうかを問うと半々らしい、理由は知らん。
お互いの話を統合すると、どうやらもう1人の俺は俺であって俺ではなさそうだ。
元々は同じ俺だったのだろうが、どこかで道が変わってしまい、俺でありながら俺ではない存在になったのだろう。
早い話が異世界だか平行世界の俺という事であり、自分が複数人存在しているという事……まぁそれだけ判明すれば十分だ。
この場所はどこかと質問すると、どうやらここは精霊世界で俺はこの城の持ち主らしい。
そう持ち主……こっちの俺はどうやったのか城を持っているようだ、質問されたくない雰囲気だったので理由は訊かなかった。
ちなみに城に住んでいるモンスターは結構多いらしい、やはり決闘の実力で集まる事も多いとか、何故か気に入られたとか理由は様々だとか。
庭には蟲惑魔が放たれており、家の中にはゴーストリックが隠れ住んでおり、家事はマドルチェに任せているらしい……ついでにペットだとか。
何故それらのカテゴリなのかを問うと、どうやら他の精霊世界で例えばガスタ・リチュア・氷結界等の人型が多いカテゴリは問題を起こしたそうだ。
他に見た目が良いカテゴリのモンスター、特性や能力が合うモンスターで選べばこの辺りが消去法で残ったとかなんとか。
ちなみに魔導、聖騎士、六武衆モンスターを問うと、あいつらは堅苦しそうとか暑苦しそうなイメージで嫌だとか、そういう理由なら仕方ない。
まぁ最大の理由は見た目だろうな、俺だから解る、長期で存在するのなら見た目が絡んでいないなんて事は絶対に無いな。
ついでに訊いたが、もし俺が勝手に外に出ていればゴーストリックに脅かされていたか、蟲惑魔に喰われていた可能性が有るとか……外に出なくてよかった。
暫く話していたが、やはり俺は俺であり話が合う。
同族嫌悪を起こす可能性も有ったと思うが、どうやらお互いに自分だが自分ではないと認識しているからか問題は無かった。
自分で体験して思う、もしも自分がもう1人現れたら極端に嫌い合うか異常に仲が良くなるかのどちらかだろうと。
どうやら俺達は後者であり、混乱さえしていなければ嫌う理由は全くと言って無かった。
俺は城の中を案内され、モンスター達と顔合わせをした。
最初に出会ったマドルチェの獣族達は同じ顔と匂いで混乱したようだが懐いてくれた……思いっきり愛でたら喜ばれた、動物は癒しだ。
人型マドルチェ達もかなり混乱していたが、適当に別世界の俺だと説明されると一応納得した。
俺曰く、12もの数の異次元世界が存在しており、別世界の自分というのが無いわけでは無いらしい、滅多に無いらしいが。
俺曰く、精霊という存在は1つの世界に1種類のカードに1体とは限らないし、消滅すると別世界に転生みたいな事になるらしい。
俺曰く、そもそも別次元世界に移動する事自体が普通はありえないらしい、まぁ手段を探せばできるらしいが基本的に誰もしないようだ。
適当に移動しているとゴーストリック達と出会った、ハッキリ言ってかなり鬱陶しい。
相手をしてほしいのか甘えてくるわ、少し相手をしたらすぐ逃げるわ、悪戯はするわと……やはりゴーストリックという事なのだろう。
俺に対しての考えはかなり楽観的らしく、俺が説明すると俺の事をすぐに気にしなくなった。
俺は俺であり、やはり俺という事なのだろうか?
蟲惑魔達の相手は少々大変だった、やはり植物族だか昆虫族だからか頭はイマイチ良くないようだ。
ただ一応俺の事は主というか家主というか、そのような存在らしいので俺が俺の事を客だかと説明すると一応落ち着いた。
その説明をそれぞれにしなければならなかったのが面倒だったが、別に性格が悪いという事は無いので大変だったが難しくはなかった。
しかしお前ら、俺は確かに俺じゃないが味見という感じで舐め回すような視線と捕食するような動きは止めろ、マジで死ぬから!
なんだかんだで数時間後、マドルチェ作の夕食を食べて休んでいる。
全体的に甘ったるい食事だったが甘党で刺激物が苦手な俺には嬉しい食事だった、少々虫歯が怖いので歯磨きは真面目にしよう。
マドルチェ・プディンセスが作ったらしい、仮にも王女が作るのはどうかと思わないでもないが美味かったので気にしない。
根本的に精霊世界では俺の常識が通用しないというのも有るし、さっさと思考放棄した。
そしてマドルチェ・マーマメイドの入れてくれる大量砂糖入り紅茶を飲んでのんびりする事にした。
夜になり、俺に借りた部屋で休む。
客人という事で俺にはマドルチェ・マーマメイドが付けられた、ちなみに俺はマドルチェ・エンジェリーが付いているらしい。
ついでにマドルチェ・プディンセス、クイーンマドルチェ・ティアラミスにはマドルチェ・バトラクスのようだ。
ゆっくりとしているとマドルチェ・マーマメイドに質問をされた。
俺と俺、同じ存在だが別の存在、どちらの方が決闘の実力が上なのかと……
俺とて興味が無いとは言わないが、俺達はお互いに決闘が好きという訳ではない。
遊戯王世界で決闘というのは切っても切り離せない存在であるからしているという意識が強い。
そして負ければ立場が悪くなる、相手が悪ければ死の危険性が有るので積極的にしたいものではない。
まぁ自分が楽しむ事が目的ならば例外は有るがな。
とはいえ俺もこの精霊世界に来てする事が全く無い。
俺も基本的に暇だろう、でなければ騒がしく鬱陶しいゴーストリックなんて自分の城に入れないはずだ、俺は静かな方が好きだし。
適度な刺激や暇潰しに選んだというのも有るはずだ、だって俺だし。
今夜は休み、明日になったら暇潰しに決闘をしないか誘うだけ誘ってみよう、4割ぐらいの確率で受けると思う。
………………
…………
……
翌日、朝食中に俺に決闘を誘ってみた、当然暇潰しがお互いに理由なのだが俺は受けた。
しかしそんな理由で決闘する事に納得がいかなかったのがマドルチェ・プディンセス、ゴーストリックの駄天使、フレシアの蟲惑魔の3体……3人?
まぁ早い話がそれぞれの代表格、またはリーダー格だ。
俺が主に近いような存在であるのに、おそらくだがいきなり俺が俺と決闘するのが気に入らないのだろう。
つまり俺は俺なのだが、俺ではないのだから実力を見せろと言いたいようだ。
正直に言うと面倒だし面倒だし面倒だ、俺に視線を向けると諦めろと言いたそうな視線を返された。
どうやら俺が決闘をもうしないと言っても無駄そうだ、やる気満々な顔をしている。
それにしても俺よ、何故Xモンスターばかりのカテゴリを選んだんだ? 偶然なんだろうけど面倒な相手だぞ。
やろうと思えばこいつらをメタるのは楽なんだが、納得してくれるとはイマイチ思えないのが更に面倒である。
なお、精霊界での決闘は少々刺激が強いらしい。
精霊達にはダメージを実体化させる、所謂闇の決闘みたいな事ができる。
本人達の意識である程度は切り替えられるようなので、素直にそういうのは無しにしてもらった。
当たり前だが痛みを感じるような決闘は嫌だ、というか普通は誰でも嫌に決まっている……興味は有るがな。
ふぅ、仕方ないから一応普通っぽいデッキを使うかな。
メタばかりするのも楽しいが、相手のデッキが予想できるとはいえ少しは真面目にするか。
最初の相手は……マドルチェ・プディンセスか、使うデッキはやはりマドルチェだろうか?
なんとなーく嫌な予感がするが、相手をするかな。
初期ライフは8000で開始するらしい、俺も俺もライフが多い方が特殊勝利にしてもそれ以外にしても得意だからだろう。
ライフが多い方が楽しめるというのも有るらしいが、ぶっちゃけ面倒だから4000でもよかったんだけどな。
「決闘ですのよ!」「決闘」
ですのよってなんだよですのよって、姫だからか? 仮にも姫だからなのか?
先行はプディンセス、デッキはどうせ【マドルチェ】だとして、どういうタイプかな?
「わたくしさまの先行ですのよ!
わたくしさまはモンスターをセットして、カードを2枚セットしてターンエンドですのよ!」
なんだよわたくしさまって、甘ったるい声で子供みたいな舌足らずな話し方だ。
最初のターンからセットするマドルチェのモンスター……リバースした時に発動する効果ならマドルチェ・マーマメイドだ。
しかしあのモンスターの効果は墓地のマドルチェの魔法・罠カードを1枚手札に加える効果。
だがまだ墓地には魔法・罠どころかカードが1枚も存在していない……どういうつもりだ?
「俺のターン、ドロー」
とはいえ、どうするかね……あまり攻める手札ではないしな。
素直に様子見でいいかな?
「モンスターをセット、カードを1枚伏せてターンエンドだ」
「むぅ……わたくしさまのターン、ドローですのよ!
マドルチェ・マジョレーヌを召喚ですのよ! そして召喚時に効果を発動!
マジョレーヌが召喚・反転召喚に成功した時、デッキからマドルチェモンスターを1体、手札に加えますのよ!
わたくしさまはマドルチェ・バトラスクを手札にくわえますのよ!」
紫と桃色との中間っぽい色の髪をして、フォークを持った魔女のような格好をした少女のモンスター。
【マドルチェ】ではかなりキーになるモンスター、そして手札に加えたのはバトラスクも少々厄介だな。
「レーヌちゃんでセットされているモンスターに攻撃ですのよ!」
マジョレーヌは持っていたフォークの尖端……の、反対のスイーツの装飾がされている方をセットモンスターに向けた。
そこから何故か装飾のアーモンドが射出されてセットモンスターに突き刺さった、どうしてそうなった。
破壊された俺のモンスターは玩具のような、機械的な体を持つ蜂のモンスター、ゼンマイハニーだ。
それはそうとレーヌちゃんって呼び方なんだな、マジョレーヌでマジョだと名前っぽくないからか?
「ゼンマイハニーの効果発動、このモンスターが戦闘で破壊され墓地へ送られた時、デッキからLV4以下のゼンマイを特殊召喚できる
俺はデッキからゼンマイマジシャンを守備表示で特殊召喚だ」
今回の俺のデッキは【ゼンマイ】、理由は単純だ。
昔から子供のお菓子には玩具が付いてくるというのはよく有る事だ。
駄菓子とかもそうだし、ファミレスとかでは子供用には玩具も一緒という事も少なくない。
ぶっちゃけそれ以上の理由は全く無い、【ゼンマイハンデス】なんてしない、楽しそうだが楽しくないし。
とはいえ、ハンデス要素も入れておくべきだったか? マドルチェは召喚時に効果を発動するモンスターが多いからな。
「むぅぅぅ……ターンエンドですのよ!」
「俺のターン、ドロー
ゼンマイネズミを召喚、ゼンマイネズミの効果を発動
攻撃表示のこのカードを守備表示に変更する事で自分の墓地に存在するゼンマイモンスターを1体、表側守備表示で特殊召喚する
ただしこの効果はこのモンスターが表側表示で存在する限り、1度しか発動できない
俺はこの効果により墓地のゼンマイハニーを守備表示で特殊召喚する
そしてゼンマイマジシャンの効果発動、ゼンマイマジシャン以外のゼンマイの効果を発動をした時に発動できる
自分のデッキからLV4以下のゼンマイモンスター1体を表側守備表示で特殊召喚する
ただし、この効果も表側表示で存在する限り1度しか発動できないがな」
「ゼンマイマジシャンのそんな効果なんて嫌ですのよ!
カウンター罠、魔導人形の夜を発動ですのよ!
自分の墓地にモンスターが存在しない時にのみ発動できるのですのよ!
モンスター効果の発動を無効にするのですのよ!」
セットカードはカウンター罠だったか……これは困った。
あのセットモンスター、魔導人形の夜という事は多分マーマメイドだよな?
俺のモンスターの攻撃力では守備力2000のマーマメイドは突破できんぞ。
「では俺はこのままターンエンドだ」
これは困った、割と真面目にどうしたものか。
というか攻撃力1400のマジョレーヌも倒せないぞ。
「わたくしさまのターンですのよ、ドロー!
前のターンで手札に加えたマドルチェ・バトラスクを召喚して効果発動ですのよ!
自身以外のマドルチェが存在している場合、デッキからフィールド魔法を1枚手札に加えられますのよ!
わたくしさまの場にはレーヌちゃんが存在しますのよ、バトラくんの効果でデッキからマドルチェ・シャトーを手札に加えるのですのよ!
そしてそのままマドルチェ・シャトーを発動! 発動時に墓地のマドルチェモンスターをデッキに戻る効果が発動しますのよ!
ただ、今は居ないから不発になるのですのよ!
だけどそれはどうでもいいのですのよ! マドルチェ・シャトーの効果で場のマドルチェの攻撃力と守備力が500あっぷっぷしますのよ!」
あっぷっぷってなんだよ、アップでいいだろうが、それか上昇とか。
何にせよ、マドルチェの攻守上昇効果は地味に強い、マドルチェはステータスが微妙な奴が多いからな。
問題は……守備力2500にまで上昇したマーマメイドとか現状倒せる気がしない。
そしてバトラスクはバトラくんか、マーマメイドはマーマちゃんか?
「(あのカードが来ないのですのよ、1枚でもドローできたら楽なんですのよ?)
バトルフェイズですのよ! 我が国の魔女ちゃんの力を見なさい!
レーヌちゃんでおもちゃのネズミさんに攻撃!」
攻撃力1900に上昇したマジョレーヌの攻撃を防げるはずが無く、フォークに突き刺されて破壊される。
ところで、魔女の力って言った割にマジョレーヌの攻撃がフォークによる刺殺攻撃なんだが?
「バトラくんでおもちゃのまじょ……まじょ?
…………まほうつかいちゃんに攻撃ですのよ!」
どうやらプディンセスの中ではゼンマイマジシャンは女性扱いになったらしい。
攻撃力2000のバトラスクの攻撃、守備力が1800と高めのゼンマイマジシャンでは無理だ。
バトラスクはススーっとゼンマイマジシャンに近づき、ゼンマイマジシャンの背後に立つと懐から銃を取り出し脳天を吹っ飛ばした。
魔法使い族なのに機械的な武器で魔法使い要素が全く無いとはどういう事だ?
「わたくしさまはカードを1枚セットして、ターンエンドですのよ!」
うーん、伏せカードが2枚にマジョレーヌとバトラスクとセットモンスターが1体にマドルチェ・シャトーか。
対する俺の場はゼンマイハニーと伏せカードが1枚だけ、状況は微妙だな。
「俺のターン、ドロー
ゼンマイソルジャーを召喚、そしてこの瞬間に手札のゼンマイシャークの効果が発動
自分の場にゼンマイモンスターが召喚、特殊召喚された時に発動する
このモンスターを特殊召喚できる、よってこの効果によりゼンマイシャークを特殊召喚する」
「させませんですのよ! 永続罠、エンペラー・オーダーを発動しますのよ!
召喚成功時に発動する効果を無効にする事ができますのよ!
そして無効にしたカードのコントローラーはデッキからカードを1枚ドローしますのよ!
召喚時に発動するさめさんの効果を無効にしますのよ! どうぞ、ドローしますのよ!」
マドルチェに、エンペラー・オーダー? 確かにマドルチェには召喚時に効果を発動するモンスターは多い。
不要な効果が発動した時にそれを無効にし、ドローを加速させるのは確かに有りだろう。
使われる方かと問われれば微妙だろう、俺はデッキ枠が有れば考える、悪いとは思わんがなぁ……とはいえ、ゼンマイには正直厳しい。
何が厳しいかと言えばゼンマイシャークを封じられたのが最大だ、やはりゼンマイデッキはゼンマイシャークが重要だからな。
おかげで展開を封じられてしまった、地味に刺さるカードを使われると困るな。
「ではエンペラー・オーダーの効果でドローする
召喚時の効果が無効にされた為、ゼンマイシャークの特殊召喚はできない
ゼンマイソルジャーの効果を発動する、表側表示の時に1度だけ、エンドフェイズまで自身のLVを1と攻撃力を400上昇させる」
「攻撃力2200……」
「ではこのまま戦闘をしよう、バトラスクに攻撃だ」
背中の発条がキリキリと回転し、バトラスクに向かって走り出すゼンマイソルジャー。
ある程度近付いたら急停止、そしてまさかの伸びる足でヤクザキック……さすがに見た目が悪いぞ。
バトラスクの攻撃力は2000、プディンセスに200のダメージで残りライフは7800とまだまだ多い。
「バトラくんの効果発動ですのよ! 相手に破壊された時、デッキに戻るですのよ!
だけどここでシャトーの効果を発動、マドルチェの効果でデッキに戻るカードを手札に戻す事もできるのですのよ!
わたくしさまはこの効果でバトラくんを墓地から手札に戻しますですのよ!」
マドルチェはこれだから面倒なんだよな、倒しても何度も出てくるから。
しかもそれでいてマドルチェ・シャトーが存在すれば下級モンスターでもそれなりのアタッカーになれるし。
「ならば罠カード、螺旋式発条を発動する
自分の場に存在する攻撃力1500以上のゼンマイモンスター、攻撃力2200のゼンマイソルジャーをリリースして発動する
自分の手札からゼンマイモンスターを特殊召喚し、デッキから同攻撃力のゼンマイモンスターを特殊召喚できる」
「お断りですのよ! 自分の墓地にモンスターが存在しない時に発動できるカウンター罠、マドルチェ・ティーブレイクを発動するのよ!
魔法・罠カードを無効にして手札に戻すのですのよ、この効果でその……らせんしきぜんまい? を、手札に戻しますのよ!」
こいつ、カウンター罠を大量に積んだタイプの【マドルチェ】か?
だとすれば結構面倒な事になる、エンペラー・オーダーで召喚効果を無効にされてカウンターで効果や魔法・罠に対応。
そしてマドルチェの維持能力で消耗戦を仕掛けると、地味に拘束力が有るから困る。
しかもマドルチェって事はあのモンスター……当然入ってるのだろう、本当にどうしたものかね?
「カードを2枚伏せて、ターンエンドだ」
いや、割と真面目にどうしよう?
「うふふふふ、わたくしさまは絶好調ですのよ! ドロー!
先程手札に戻ってきたバトラくんを召喚して、召喚された時に効果が発動!
その効果をエンペラー・オーダーで無効、ドローしますのよ!」
2枚目のマドルチェ・シャトーは手札に加えないだけなのか、それとも手札に既に存在するのか、まさかデッキに1枚とか?
【マドルチェ】に重要なマドルチェ・シャトーがデッキに1枚というのはあまり考えられないのだが……
「んー……うん! わたくしさまの本当の力を見せてやるのよ!」
本当の力って、X召喚か?
「手札から、シャドウ・リチュアを捨てて効果発動!
デッキからリチュアの儀水鏡を手札に加えるのですのよ!」
…………は?
「セットしていたマドルチェ・マーマメイドを反転召喚して効果発動ですのよ!
マーメちゃんがリバースした時、墓地のマドルチェの魔法・罠カードを1枚手札に加えるのですのよ!
魔導人形の夜を手札に加えて、儀式魔法、リチュアの儀水鏡を発動ですのよ!
場のLV4のマーメちゃんと手札のマーメちゃんをリリース!
おさかなさんいらっしゃ~い、LV8! イビリチュア・リヴァイアニマを儀式召喚!」
…………マドルチェだと思ったらリチュアが生えてきたでござる、意味☆不明。
いや、相性が全く悪いとは言わないが普通合わせるか? どうしてそうなった、どうしてそうなった!?
「まだ続きますのよ! LV4のレーヌちゃんとバトラくんでオーバーレイ!
2体のマドルチェでプリンセス・ネットワークを構築!
エクシーズ召喚! わたくしさまの大好きなおかあさま、クイーンマドルチェ・ティアラミス!」
出たか、マドルチェのXモンスター、クイーンマドルチェ・ティアラミス。
前のターンに出さなかったのは、可能性としては墓地にマドルチェカードが1枚しか無かったからだろう。
しかし現在の墓地にはマーマメイドが2体にカウンター罠のマドルチェ・ティーブレイクが存在する。
ついでにティアラミス以外のアタッカーが欲しかったというところかな?
「おかあさまの効果を発動ですのよ!
オーバーレイユニットのレーヌちゃんを墓地へ送り、墓地からマドルチェを2枚までデッキに戻す
そしてデッキに戻した枚数まで相手の場のカードを選択してそのカードを持ち主のデッキに戻すですのよ
墓地のマーメちゃんとレーヌちゃんをデッキに戻す効果を発動して、シャトーの効果で手札に戻すのですのよ!
そしてそちらのハチさんとセットカードをデッキに戻すのですのよ!」
ティアラミスは持っていた杖を思いっきり投げつけ、回転しながらブーメランのように飛ぶ杖の直撃を受けてゼンマイハニーと伏せカードはデッキに戻った。
相変わらす凶悪な効果だ、手札ではなくデッキに戻すというのが強過ぎる。
除去カードとして、デッキバウンスは対処がほぼ不可能だからな。
ちなみにデッキに戻された伏せカードは手札に戻された螺旋式発条、本命が消えなかったからまだ良かった。
「さぁ、これで貴方の場はセットカード1枚だけですのよ!
おかあさまとアニマくんで直接攻撃! そしてアニマくんの効果発動!
攻撃宣言時にドローして、そのカードがリチュアモンスターなら相手の手札を1枚確認できますのよ!
その効果でドロー! ドローしたカードは……魔法カード、サルベージ! リチュアではなかったのでそのままですのよ……」
ティアラミスの攻撃力は2200、マドルチェ・シャトーの効果で攻撃力が上昇して2700。
イビリチュア・リヴァイアニマの攻撃力も2700、合計攻撃力は5400で俺の残りライフは2600か。
そしてプディンセスの手札が現在5枚、こいつ手札が減らないな。
なるほど、リチュアは墓地回収カードが多い、それを利用して墓地のカードを徹底的に回収するという事か。
そして墓地のモンスターが存在しなければ発動できないマドルチェのカウンター罠を多用して相手の行動を止める。
高い回転力と回収力、そしてティアラミスのデッキバウンスで相手の場を荒らして息切れしないようにしたという所かな?
こんなデッキを考えるなんて……絶対このデッキ勧めたの俺だろ、どうしてこんな面倒なデッキにしやがった俺よ!
そういう感情を込めて俺を睨むと嗤われた、俺だけに性格悪いなあいつ!
現在墓地のモンスターはシャドウ・リチュアとマーマメイドの2体、今はカウンター罠は使えない。
そして手札はマーマメイド、マジョレーヌ、サルベージ、魔導人形の夜の4枚と不明のカードが1枚。
この間になんとかしておきたいのだが……
「メインフェイズ2に入るのですのよ!
カードを1枚伏せて、ターンエンドですのよ!」
十中八九、魔導人形の夜だろう、使えないかもしれないが伏せておくだけ伏せているかな?
次のプディンセスのターンに墓地のモンスターを回収できればすぐに使えるようになるからな。
だが、逆に言えば次のターンまで魔導人形の夜を使われる事は無いという事でもある。
確実に魔導人形の夜だとは言えないが、でなければもう1枚も伏せている可能性が高いのでやはり魔導人形の夜だろう。
「俺のターン、ドロー」
さて、これ以上様子見なんてしてたら負けるな。
デッキ傾向も大体予想できたし、手札も5枚と余裕も有る事だしそろそろ動くか。
伏せカードの警戒はあまり必要無さそうだし、さっさと片付けよう。
「永続魔法、ゼンマイマニファクチャを発動する
ゼンマイモンスターが効果を発動した時、デッキからLV4以下のゼンマイモンスター1体を手札に加える事ができるカードだ
1ターンに1度しか使えないが、続いてゼンマイドッグを召喚、そして召喚時に手札のゼンマイシャークの効果が発動するが……」
「特殊召喚はダメ! エンペラー・オーダーの効果で無効にするのですのよ!」
「では俺は1枚ドローする、だがゼンマイの効果が発動したのでゼンマイマニファクチャの効果が発動
このカードは効果が無効にされても、発動さえすれば効果を発動できるのでな
デッキからLV4以下の、2体目のゼンマイシャークを手札に加える
そして先程のエンペラー・オーダーの効果でドローしたゼンマイマニファクチャを発動、効果は先程説明した通りだ
続いて魔法カード、巻きすぎた発条を発動する
墓地のゼンマイモンスターを表側守備表示で特殊召喚する
ただし、この効果で特殊召喚されたモンスターは効果が無効にされ、リリースとシンクロ素材にできない
墓地のゼンマイソルジャーを特殊召喚する
特殊召喚成功時、手札のゼンマイシャークの効果が発動、この効果は特殊召喚時にも発動する
エンペラー・オーダーは特殊召喚には対応していない為、ゼンマイシャークを特殊召喚
更に2枚目のゼンマイマニファクチャの効果により、デッキから2体目のゼンマイハニーを手札に加える」
これで俺の場にはゼンマイシャーク、ゼンマイドッグ、そして効果が無効になっているゼンマイソルジャーの3体。
そしてこの状況をどうするかだが……まぁ、これかな? というか他に手が無い。
「ゼンマイシャークの効果を発動、1ターンに1度、自身のLVを1つ上げるか下げる
この効果でゼンマイシャークのLVを4から3に下げる
LV3のゼンマイシャークとゼンマイドッグでオーバーレイ
2体のモンスターでゼンマイ・ネットワークを構築
エクシーズ召喚、元禁止も仕事しろ、発条空母ゼンマイティ」
攻守1500の元禁止経験の有るモンスター、ゼンマイ達の展開を補助と破壊されたモンスターを回収する効果を持つ。
とはいえ、今回のこいつの仕事はそんな事じゃないけどな。
「ゼンマイモンスターが特殊召喚された事により、手札のゼンマイシャークを特殊召喚する
ゼンマイティの効果を発動、オーバーレイユニットであるゼンマイシャークを墓地へ送り、デッキか手札からゼンマイモンスターを1体特殊召喚する
デッキよりゼンマイマジシャンを守備表示で特殊召喚する」
「おもちゃをたくさん持ってても、おかあさまにもアニマくんにも勝てないですのよ!」
「なら勝てるようにするだけだ
だがその前にゼンマイシャークの効果を発動、自身のLVを1つ上げるか下げる
この効果でゼンマイシャークのLVを1つ下げる
更にゼンマイの効果を発動した事により、ゼンマイマジシャンの効果を発動
デッキからLV4以下のゼンマイを表側守備表示で特殊召喚する、ゼンマイラビットを特殊召喚だ」
このデッキは全ゼンマイと、ゼンマイ関係以外のカードはドローカード以外1枚も入っていない。
汎用カードである死者蘇生とかリビングデッドの呼び声、ブラックホールにハーピィの羽箒のような除去カードも無い。
入っているのは壺とカケラぐらいなんだが……1枚ぐらい来いよ、手札が足りん。
「LV4のゼンマイマジシャンとゼンマイウォリアーでオーバーレイ
2体のモンスターでゼンマイ・ネットワークを構築
エクシーズ召喚、ゼンマイにリバース効果が欲しくなる発条機甲ゼンマイスター」
攻撃力1900と、少々能力の低いゼンマイのXモンスター。
現在のままではどうしようも無いのだが……
「こいつは自身の持つX素材の数×300だけ攻撃力が上昇する
現在のX素材は2つ、よって攻撃力は2500だな」
「わたくしさまの場のモンスターの攻撃力は2700、その程度では勝てないですのよ!」
「さっきも言ったな、ならば勝てるようにするだけだ
続いて永続罠、発条の巻き上げを発動する
1ターンに1度、手札か場のゼンマイモンスター1体を機械族XモンスターのX素材とする
この効果で手札のゼンマイハニーをゼンマイスターのX素材とし、ゼンマイスターの攻撃力は2800となる」
「おかあさま達の攻撃力を……」
「LV3となったゼンマイシャークとゼンマイラビットでオーバーレイ
2体のモンスターでゼンマイ・ネットワークを構築
エクシーズ召喚、ランク3の汎用性の高いせいでかなり鬱陶しい発条機雷ゼンマイン」
「……さっきから口上が変ですのよ?」
いや、実際元々の世界でこいつが鬱陶しくて鬱陶しくて仕方なかったんだから仕方ない。
特にXモンスターが少なかった頃のこいつの出現率と言ったら酷いものだった。
ほら、俺だって理解できるって感じで頷いてるぞ、俺も俺だからな。
「こいつは破壊される代わりにX素材を取り除き、エンドフェイズに場のカードを1枚破壊する効果を持つ」
「う……それでわたくしさまのアニマくんに特攻しようと?」
「いいや?
あまり賢い使い方ではないが、どちらに残られても困るのでな
発条の巻き上げの2つの目の効果を発動する
このカードを墓地へ送り、自分の場に存在するゼンマイXモンスター1体を選択する
そのモンスターをX素材とし、よりランクが1つ高いゼンマイXモンスターをX召喚扱いで特殊召喚する
ゼンマインをランクアップ・エクシーズ・チェンジ、殴る事が仕事だ、発条機甲ゼンマイスター」
「あ、あらら?
X素材という事は……」
「現在ゼンマイスターのX素材数は3、よって攻撃力は2800となるな」
リヴァイアニマとティアラミスの攻撃力を超えた。
さすがに何度も何度もデッキバウンスやドローされるのは困るのでな。
「さて、バトルフェイズだ
ゼンマイスター2体でリヴァイアニマとティアラミスに攻撃する」
ゼンマイスターが2体目のゼンマイスターを掴み、リヴァイアニマにぶん投げる。
剣で弾こうとするも、さすがに質量や重量が有りそうなゼンマイスターを弾く事はできずに吹っ飛ばされて破壊される。
投げられたゼンマイスターは下半身と言えるかはアレだが、ロケットブースターで方向転換してティアラミスの真上で停止。
何事かを理解していないティアラミスはゼンマイスターを眺めていたのだが、ブースターを切って自然落下……ティアラミスはゼンマイスターに押しつぶされてしまった。
「お、おかあさまー!!!」
ちなみにカードではなく見学していたティアラミスはあらあらという感じで呑気に見ていた。
仮にも自分が圧死したのに平気そうな顔をしているとは、クイーンだけに精神力が高いのだろうか?
しかしよくよく観察してみると口元が引き攣っている上に目元もヒクヒクとしている。
どうやら表向きには頑張って平気そうにしているが、内心は少々怯えているらしい、ゼンマイスターを嫌そうに見ている。
「マドルチェ・シャトーの効果でおかあさまを手札に、Xモンスターは手札に戻らないからEXデッキに戻すのですのよ!」
これで墓地にはX素材となったバトラクス、マーマメイド、シャドウ・リチュア、イビリチュア・リヴァイアニマの4体のモンスター。
ついでにマドルチェ・ティーブレイクとリチュアの儀水鏡か……こいつらもすぐに回収されそうだな。
墓地回収カードが多ければこいつの墓地は殆ど空の状態を維持できるんじゃないか?
「まだ俺のバトルフェイズは続いているのを忘れるなよ?
ゼンマイティで直接攻撃をする」
X素材として残っていたゼンマイドッグがカタパルトから射出され、プディンセスに直撃、そして何故か爆発。
ふらふらとして若干パーマになったプディンセス、くるくるヘアーがなかなか酷い事になったな。
「あーうー……」
ゼンマイスター2体の攻撃で100ダメージが2回、ゼンマイティの攻撃で1500のダメージ、合計1700ダメージで残りライフは6300か。
こちらは2600だからライフ差は少々大きい、しかしプディンセスの場にはエンペラー・オーダーと高確率で魔導人形の夜のセットカード。
手札はサルベージ、マーマメイド、マジョレーヌと謎のカードが1枚の4枚、向こうの状況はイマイチだな。
とはいえ俺の手札も1枚、そして攻撃力が低いゼンマイティが攻撃表示なのも少々困るが、どうせ守備力も1500で変わらん。
ライフは残しておきたいのだが、ここで攻撃しないとなるとダメージが少々足りん、まぁどうにかなるだろう……多分。
「カードを1枚伏せて、ターンエンドだ」
これで俺の手札は0、ゼンマイスターを倒されたら勝てないかもしれないな、攻撃力的な意味で。
ゼンマイは攻撃力が低いモンスターばかり、LV5以上のゼンマイの1枚でも有ればと思うが、さすがに無理かな。
「わたくしさまのターン、ドローですのよ!
手札のヴィジョン・リチュアを捨てて効果発動! デッキからリチュアの儀式モンスターを手札に加えますのよ!
この効果でデッキからイビリチュア・ジールギガスを手札に加えますのよ!」
LV10のリチュア最大の儀式モンスターか、しかしLV10をマドルチェで合わせる?
それともサルベージを使ってシャドウ・リチュアとヴィジョン・リチュアを回収して、それらを素材にするか?
「魔法カード、サルベージを発動しますのよ!
墓地の攻撃力1500以下の水属性モンスター2体を手札に加えますのよ!
当然、シャドウ・リチュアとヴィジョン・リチュアの2体を手札に加えますのよ!
そして墓地のリチュアの儀水鏡の効果も発動ですのよ!
墓地のこのカードをデッキに戻して、墓地のリチュアの儀式モンスター1体を手札に加えますのよ!
儀水鏡をデッキに戻し、アニマくんを手札に戻しますのよ!」
墓地のカード、残り4枚しか無いのだが?
そして手札は7枚……まぁ、半リチュアだし仕方ないな。
「魔法カード、強欲なウツボを発動しますのよ!
手札の水属性モンスター2体をデッキに戻し、3枚ドローしますのよ!
わたくしさまは手札のアニマくんとヴィジョン・リチュアをデッキに戻して、3枚ドロー!」
動きがただのリチュアになっているんだが?
これでどう動くつもりなんだ?
「……永続魔法、マドルチェ・チケットを発動!
自分の手札か場か墓地のマドルチェがカード効果でデッキか手札に戻った時、デッキからマドルチェを1体手札に加えるのですのよ!
更に自分の場に天使族のマドルチェが存在している場合、手札に加えずにそのまま攻撃表示で特殊召喚もできますのよ!
ただ、マドルチェ・チケットの効果は1ターンに1度しか発動できないのが残念ですのよ……けど問題無いのですのよ!」
ふーむ……どうするつもりだ?
確かにチケットの効果は強力だ、しかし場にカードは無いし墓地回収のカードもリチュアではマドルチェを回収できない。
リチュアとマドルチェ……どういう関係でこれを組み合わせたんだ?
組み合わせは悪くはない、それはわかっているが組み合わせるよりも別個にした方が扱いやすいだろう。
「続いて永続魔法、昇華する魂を発動!
儀式召喚でリリースされたモンスターを1体、墓地から手札に加えるカードですのよ!
ただし、1ターンに1度しか発動できませんけど」
元々墓地回収が豊富で回転率の高いリチュアで昇華する魂はあまり入らないと思うのだが?
というかマドルチェにリチュアが入ってよくそんなカードの枠が空いているな、どれだけ詰め込んでいるんだ?
……いや、待てよ? 昇華する魂に、マドルチェとリチュアだと?
「次は手札のシャドウ・リチュアを墓地へ捨て、デッキからリチュアの儀水鏡を手札に加える!
レーヌちゃんを召喚して効果発動! デッキから……わたくしさまを手札に加える!
よし、これで……儀式魔法、リチュアの儀水鏡を発動しますのよ!
手札のLV5のわたくしさま2体をリリース!
あくまっぽいおさかなさ~ん、LV10! イビリチュア・ジールギガスを儀式召喚!」
攻撃力3200の、リチュア最大の儀式モンスターか。
いや、それ以上に問題なのは……
「昇華する魂の効果により、儀式の生贄となったわたくしさまを手札に回収!
そしてマドルチェが手札に戻った事でチケットの効果が発動しますのよ?
デッキからマドルチェを1体、マドルチェ・エンジェリーを手札に加えますのよ!」
昇華する魂で儀式の贄としてリリースしたマドルチェを回収、そしてチケットでマドルチェをサーチするという事か。
そうでなくともマドルチェは手札にモンスターが貯まりやすい、それを更に儀式で使ってまだアドバンテージを得ると。
リチュアである理由としては……なるほど、イビリチュア・マインドオーガスの存在かな?
現在はまだ登場していないが、マインドオーガスは儀式召喚に成功した時、お互いの墓地から合計5枚までカードをデッキに戻せる。
これにより使用した魔法・罠カードの回収、更にモンスターも回収して墓地を何度も空にし、更に再利用しようというデッキか。
で、墓地を空にしたらカウンター罠で相手の行動を止める、そして何度でも墓地回収をしてまた止める……
相手からすればこいつがカウンター罠を使ったからといって警戒を全く緩める事ができない、なんという嫌らしいデッキだ。
「ギガスさんの効果発動! ライフを1000支払い、1枚ドロー!
そしてドローしたカードをお互いに確認してリチュアモンスターだった場合、場のカードを1枚選択してデッキに戻すのですのよ!
効果を発動してドロー! ドローカードは……リチュア・アビス! リチュアモンスターなので……マイスターくんをデッキに戻しますのよ!」
「……どちらのだ?」
「ふぇ? えーっと……じゃあ、マインくんをX素材にしている方ですのよ!」
ゼンマイスターはXモンスター、よってEXデッキに戻る。
しかしこれは困った……ジールギガスが危険過ぎる。
何度倒しても何度でも出てきそうなんだよな、あのデッキだと。
とりあえずプディンセスの残りライフは5300、俺のライフは2600なのでほぼ倍だな。
「じゃあ次はレーヌちゃんでマイティくんに攻撃ですのよ!」
シャトーの効果で攻撃力1900のマジョレーヌではゼンマイティの攻撃力1500では当然勝てない。
マジョレーヌは今度は帽子をフリスビーのように投げ、ゼンマイティを真っ二つに切り裂く……どういう素材の帽子だ!
とにかく400のダメージ、俺の残りライフは2200か。
「ギガスくんでマイスターくんに攻撃ですのよ!」
ゼンマイスターに近づき、思いっきり頭を振り下ろすジールギガス。
どうやら頭の角で殴りつけるらしい。
「罠カード、オーバーレンチを発動
自分の場のゼンマイモンスター1体の攻撃力・守備力を倍にする
ただし、エンドフェイズ時に手札に戻るが……ゼンマイスターの攻撃力は2800から5600になる」
「んななぁ!?」
ゼンマイスターはジールギガスの角を掴み、へし折って顔面に投げて突き刺した。
ジールギガスは崩れ落ち、2400ものダメージをプディンセスに与えて残りライフは1900、俺のライフが上回った。
「ぎ、ギガスくんが……」
プディンセスの手札は4枚、しかしそれらは全て判明しているカードだ。
リチュア・アビス、マドルチェ・プディンセス、マドルチェ・マーマメイド、マドルチェ・エンジェリーの4枚だ。
既に通常召喚をしており、墓地で発動できるカードはリチュアの儀水鏡のみで伏せカードはカウンター罠の魔導人形の夜のみ。
しかし魔導人形の夜は墓地にモンスターが存在している場合は発動できない、よってプディンセスにできるのは……
「うぐぐぐぐ……墓地の儀水鏡の効果を発動ですのよ!
儀水鏡をデッキに戻してギガスくんを手札に戻しますのよ!
これでターンエンドですのよ!」
これしか無いに決まっているよな。
しかしこれだけしてプディンセスの墓地のカードは僅か7枚とは……
墓地のカードはプディンセス、バトラスク、マーマメイド、シャドウ・リチュアの4体のモンスター。
そしてマドルチェ・ティーブレイク、強欲なウツボ、サルベージの魔法・罠カードの3枚か。
これぐらいなら、やろうと思えば簡単に回収できてしまうのがマドルチェでも、リチュアでも恐ろしいところだ。
「エンドフェイズ、オーバーレンチの効果を得たゼンマイスターはデッキに手札に戻る
ただしゼンマイスターはXモンスターなのでEXデッキに戻るがな」
とはいえ、こちらも結構厳しい事に変わりは無い。
エンペラー・オーダーの存在で俺のモンスターは召喚された時の効果を発動できない。
ゼンマイシャークの効果を発動できない、それだけでゼンマイは厳しい。
まぁゼンマイマニファクチャが2枚存在しているし、絶望的とは言えないがな。
「俺のターン、ドロー
魔法カード、貪欲で無欲な壺を発動する
発動時に異なる種族を3種類選択し、その種族のモンスターをそれぞれ1体ずつ墓地から選択してデッキに戻し、その後2枚ドローする
ただし、このカードはメインフェイズ1の開始時にしか発動できず、更にバトルフェイズも行えなくなるがな
俺が選ぶ種族は魚族、機械族、獣族の3種類、それぞれゼンマイシャーク、ゼンマイスター、ゼンマイネズミの3体をデッキに戻し、2枚ドロー
更に魔法カード、貪欲な壺を発動する
墓地のモンスター5体を選択してデッキに戻し、更に2枚ドローする
俺はゼンマイティ、ゼンマイスター、ゼンマイマジシャン、ゼンマイネズミ、ゼンマイドッグを選択し、デッキに戻して2枚ドロー」
うーむ……これしかできないのが少々困るが、やはりゼンマイはゼンマイという事だろう。
「ゼンマイラビットを召喚、そしてこの召喚時に手札のゼンマイシャークの効果発動
ゼンマイの召喚に成功した事により、ゼンマイシャークを特殊召喚できる
さぁ、これは無効にするか?」
「当然無効ですのよ!」
「ではドローさせてもらおう
次にゼンマイラビットの効果を発動、自身を次の俺のターンのスタンバイフェイズまで除外する
そしてゼンマイマニファクチャの効果が発動、デッキからゼンマイを1体手札に加える
この効果が2枚発動した事で俺はデッキからゼンマイネズミとゼンマイマジシャンを手札に加える」
「ですが、もう召喚はしているのでネズミさんとまほうつかいちゃんは出せないですのよ!」
「魔法カード、巻きすぎた発条を発動
墓地のゼンマイモンスター1体を効果を無効にして守備表示で特殊召喚する
特殊召喚されたモンスターはリリースとシンクロ素材にもできないが……墓地よりゼンマイソルジャーを特殊召喚
そして特殊召喚に成功した事により、手札のゼンマイシャークを特殊召喚する」
このままゼンマイスターをX召喚してもいいのだが……
「ゼンマイシャークの効果を発動、1ターンに1度、自身のLVを1つ上げるか下げる効果を1つ選択する
俺はこの効果でLVを下げる効果を選択し、魔法カード、揺れる発条秤を発動する
俺の場のLVの異なるゼンマイ2体を選択、LV3のゼンマイシャークとLV4のゼンマイソルジャーを選択する
相手はその内1体を選択する、2体は選択されたモンスターと同じLVとなる
ただし相手がLVの低い方を選択した場合、俺はカードを1枚ドローする
さぁ、先程相手をしたゼンマイスターを再び相手にするか、それともランク3を相手にするか好きな方を選べ」
あまり良い選択肢ではないと思うが、高確率でLV3を選択するだろう。
理由としてはプディンセスの手札にはジールギガスが存在する事が1つだ、これで相手は仮に俺がゼンマインを出してもバウンスできる。
それに、すぐにできないとはいえ、再び俺が高攻撃力にできる可能性を持つゼンマイスターを相手にしたくはないだろう。
ティアラミスを破壊された時のショックは大きかったように見えるし、効率よりも感情を優先する可能性が高いと予想する。
ドローできる可能性は高く、ドローできなくとも結局倒すだけなのであまり変わりは無いという訳だ。
「う、うぅぅぅぅぅ……さめさんを選びますのよ」
「LV3のゼンマイシャークだな? ではゼンマイソルジャーのLVは4から3となり、LVが低い方が選択されたので俺はカードを1枚ドローする
ではLV3のゼンマイソルジャーとゼンマイシャークでオーバーレイ、2体のモンスターでゼンマイ・ネットワークを構築
エクシーズ召喚、ランク3の面倒なモンスター代表、発条機雷ゼンマイン」
守備表示で召喚する、守備力2100だし、俺のライフも多くはないのでな。
とはいえ守備力2100も決して高くはない、こいつは破壊される時にX素材1つを代わりにできる効果を持つ。
そして効果を発動したエンドフェイズ時に1度、場のカードを1枚破壊する効果も持っている。
だがこいつのX素材は2つ、よって3回破壊された場合は破壊効果を発動する前に破壊されてしまう。
シャトーやマドルチェの効果、儀式リチュアの攻撃力の高さ、そして展開力を考えれば……少々厳しいかな?
「カードを1枚伏せて、ターンエンドだ」
「(おかあさまを出す? それとも儀式召喚する? どっちにするか悩みますのよ……まぁドローしてから決めるですのよ)
わたくしさまのターン、ドロー!」
可能性としてはティアラミスを出し、ゼンマインを除去して直接攻撃をする事が1つ。
展開してゼンマインを殴り倒す事が1つ、もしくは……
「このカードなら、リチュア・アビスを召喚して効果発動ですのよ!
召喚・特殊召喚・反転召喚に成功した時、デッキからリチュア・アビス以外の守備力1000以下のリチュアを手札に加えるですのよ!
この効果でデッキからシャドウ・リチュアを手札に加えて、即捨ててデッキから儀水鏡を手札に加えるですのよ!」
これは想定内、これでLV10のジールギガスを出す事もできるようになった。
さて、どうやらプディンセスの奴は儀式の方向で来たらしいな。
「魔法カード、貪欲な壺を発動ですのよ!」
あ……これ、ヤバくね?
「自分の墓地のモンスターを5体選択して、選択したモンスターをデッキに戻して2枚ドローするですのよ!
わたくしさまは墓地のわたくしさま、バトラくん、マーメちゃん、シャドウ・リチュア2体の5体をデッキに戻して、2枚ドロー!」
おぉう、これでプディンセスの墓地のモンスターは0、モンスター効果を無効にする魔導人形の夜の発動条件を満たした。
しかも2枚ドローもして、手札は7枚という……これは少々拙いのでは?
「儀式魔法、リチュアの儀水鏡を発動!
場のLV2のリチュア・アビスと手札のLV4のマーメちゃんをリリース!
おさかなさんのおんなのこ、イビリチュア・マインドオーガスを儀式召喚!」
ぐ……魔導人形の夜の発動を優先してジールギガスを出さなかったか。
墓地にモンスターは送られたが、マインドオーガスの効果が有ればほぼ無意味。
「儀式召喚に成功したマインちゃんの効果と永続魔法、昇華する魂の効果が発動するですのよ!
昇華する魂の効果により、儀式の贄となったリチュア・アビスを手札に戻すですのよ!
そしてマインちゃんが儀式召喚に成功した時、お互いの墓地から合計5枚までカードを選択してデッキに戻しますのよ!
わたくしさまが選択するカードはわたくしさまの墓地のマーメちゃん、貪欲な壺、サルベージ、マドルチェ・ティーブレイク、強欲なウツボの5枚!」
これでプディンセスの墓地のカードはリチュアの儀水鏡のみ……しかもマインドオーガスを倒せば一緒に墓地から消える。
しかもそれだけじゃない、カードの効果で墓地のマドルチェがデッキに戻ったという事はだ……
「更にチケットの効果が発動するですのよ!
墓地のマーメちゃんがデッキに戻った事でデッキからマドルチェ・シューバリエを手札に加えますのよ!」
マジョレーヌではない理由としては、次のターンにマジョレーヌ2体でティアラミスを出したくないからか?
それとも単に攻撃力を高くし、再びゼンマインを出された時に倒せる攻撃力を確保する為か、可能性としてはその辺りかな?
俺のライフは2600、ゼンマインの効果が無効にされてマインドオーガスを破壊された場合、マジョレーヌの攻撃を受けてしまう。
そうすれば俺の残りライフは700、さすがにそれは厳しいな。
「さぁ、マインちゃんでマインくんに攻撃ですのよ!」
まぁ、あくまでそれは攻撃が通れば……の、話だがな。
「罠カード、螺旋式発条を発動」
「そ、それは!?」
「そうだな、お前がマドルチェ・ティーブレイクの効果で無効にし、ティアラミスの効果でデッキに戻したカードだ
攻撃力1500以上のゼンマインをリリース、手札のゼンマイマジシャンを守備表示で特殊召喚
更にデッキから同じ攻撃力のゼンマイネズミを守備表示で特殊召喚する」
貪欲で無欲な壺の効果で螺旋式発条をドローできていれば、ゼンマイナイトを手札に加えていたんだがな。
そうすればゼンマイマニファクチャの効果も使えたし、魔導人形の夜も使わせられたかもしれないんだが……まぁ仕方ないか。
ところでマインドオーガスとゼンマインで両方マインだと判りにくいんじゃないのか?
「う、うぐぐぐぐぐ……マインちゃんでネズミさんに、レーヌちゃんでまほうつかいちゃんに攻撃!」
破壊されるが、ダメージは無いし手札は残っている。
更にゼンマイラビットも次のターンに戻ってくるのであまり問題は無いな。
「カードを1枚伏せて、ターンエンドですのよ!」
プディンセスの手札はジールギガス、リチュア・アビス、プディンセス、シューバリエ、エンジェリーの5枚か。
伏せカードは魔導人形の夜と……マドルチェ・ティーブレイクか? それともまた別のカードか?
何にせよ、魔導人形の夜をさっさと使わせたいところだ。
「俺のターン、ドロー
このスタンバイフェイズ時、前のターンで除外されたゼンマイラビットが戻ってくる、そしてゼンマイネズミを召喚する
ゼンマイラビットの効果を発動する
自身を除外し、次のターンに戻ってくるのだが……その伏せられている魔導人形の夜を発動するか?」
発動されても、ゼンマイが効果を発動した事に変わりは無いのでゼンマイマニファクチャの効果が発動する。
無視されてもゼンマイネズミの効果を発動して墓地のゼンマイを特殊召喚し、ゼンマイマニファクチャの効果を発動するだけだ。
つまりどちらを選択しても、俺は結局モンスターの展開が可能という事となる。
「う、うぅぅぅぅぅぅ……また戻られるぐらいなら、カウンター罠、魔導人形の夜を発動するですのよ!
自分の墓地にモンスターが存在しない場合、相手モンスター効果の発動を無効にするですのよ!」
「ならば次にゼンマイネズミの効果を発動する
自身を守備表示に変更し、墓地のゼンマイを守備表示で1体特殊召喚する
この効果により、墓地からゼンマイハニーを特殊召喚する」
ゼンマイスターのX素材だったゼンマイハニーが存在していたからな。
壁モンスターとして、リクルーターはやはり助かる。
「ゼンマイが効果を発動した事により、2枚のゼンマイマニファクチャの効果でデッキからゼンマイを手札に加える
俺はゼンマイニャンコとゼンマイシャークを選択する」
ゼンマイマイであの伏せカードを消してもよかったのだが、カウンター罠とは限らない。
永続魔法が既に3枚発動している事から考えて、永続罠の可能性は低いだろう。
そして通常魔法も多い事から考えると、一部条件付きか、フリーチェーンの通常罠だと思われる。
マドルチェならばマドルチェ・マナーの可能性が高いか? それとも展開用のマドルチェ・ハッピーフェスタか……後者かな?
一応、リチュアや水属性を回収したりする罠カードも考えられるが、墓地にモンスターが存在しないので伏せないだろう。
それ以外は……まぁ選択肢が多過ぎてあまり考えても疲れるだけか。
「さて、では再び出番としようかね?
LV3のゼンマイネズミとゼンマイラビットでオーバーレイ、2体のモンスターでゼンマイ・ネットワークを構築
エクシーズ召喚、今回3度目の登場で相変わらず鬱陶しい発条機雷ゼンマイン」
「……ちょっと酷いのではないですの?」
当然守備表示、それと別に酷くはない。
汎用性の高いランク3の代表の1体だぞ、壁として優秀なのだから仕方ないだろう。
「カードを1枚伏せて、ターンエンドだ」
「わたくしさまのターン、ドロー!
マドルチェ・エンジェリーを召喚して効果を発動ですのよ!
ジェリちゃんをリリースし、デッキからマドルチェを1体特殊召喚できるですのよ! しかも戦闘破壊されなくなるという効果まで!
だけど次のわたくしさまのターンのエンドフェイズ時に特殊召喚されたマドルチェはデッキに戻りますのよ
ついでに、マドルチェ・エンジェリーの効果は1ターンに1度しか発動できませんのよ
では効果を発動してジェリちゃんをリリースしますわ!
そしてデッキより……わたくしさま、特殊召喚ですのよ!」
プディンセスが特殊召喚されたか……とはいえあまり怖い相手ではない。
マドルチェ・プディンセスの効果は自分の墓地にモンスターが存在しない場合に攻守が800上昇する効果だ。
現在、プディンセスの墓地には先程リリースしたエンジェリーが存在している為、攻撃力の上昇値はシャトーの500のみ。
そして戦闘をすれば相手の場のカードを1枚破壊できる効果だが、ゼンマイハニーを倒して発動する可能性か……
俺の場のゼンマイマニファクチャを破壊するか、伏せカードを破壊するかか?
「そしてこれこそわたくしさま最強のカード、罠カード、マドルチェ・ハッピーフェスタを発動しますのよ!
手札のマドルチェを任意の数だけ特殊召喚できるのですのよ!
ただし、エンドフェイズに手札に戻ってしまいますが……なら戻さなければいいだけですのよ!
わたくしさまは手札のシューくんと、わたくしさま自身を特殊召喚ですのよ!」
これは……どうするべきだろうか?
まぁ焦ったとしてもどうしようも無いんだけどな、この状況では。
そしてシューバリエはシューくんか、バリエくんよりはマシ……なのか?
「ではお魅せしますのよ! まずはLV4のレーヌちゃんとシューくんでオーバーレイ! 2体のマドルチェでプリンセス・ネットワークを構築!
エクシーズ召喚! わたくしさまの大好きなおかあさまをもう1度! クイーンマドルチェ・ティアラミス!」
う、うーん……攻撃力2700はやはり厳しい。
というのもというのも当たり前だがゼンマイ達は攻撃力が低いからだ。
ゼンマイスターではなんとか誤魔化したが、今度こそ危険だな。
「これこそがわたくしさま、最強のわたくしさま!
LV5のわたくしさま2体でオーバーレイ! 2体の地属性のわたくしさまでショコラ・ネットワークを構築!
エクシーズ召喚! チョコレートのわたくしさまもいかが? マドルチェ・プディンセス・ショコ・ア・ラ・モード!」
シャトーの効果を受け、チョコプディンセスの攻撃力は3000か……うん、超ヤバいな。
しかもプディンセスの墓地には魔導人形の夜、マドルチェ・ハッピーフェスタ、マドルチェ・エンジェリーの3枚のカード。
ついでに儀水鏡は置いといて、たった3枚でもこの2体の効果を発揮するには十分だ。
「うふふふふ、ショコラなわたくしさまの効果を発動!
1ターンに1度、墓地のマドルチェカードを1枚デッキに戻しますのよ!
わたくしさまはこの効果により、墓地のジェリちゃんをデッキに戻しますのよ!
更にショコラなわたくしさまの更なる効果を発動しますのよ!
わたくしさまがショコラなわたくしさまのX素材となっている場合に自分の墓地のマドルチェがデッキに戻った時に発動!
X素材を1つ取り除き、デッキからマドルチェモンスター1体を表側攻撃表示か裏側守備表示で特殊召喚できますのよ!
この効果でショコラなわたくしさまからわたくしさまを取り除き、デッキからわたくしさまを攻撃表示で特殊召喚ですのよ!」
すっげぇ判りにくいんだが? その表現どうにかならんか?
つまりチョコのX素材となっているプディンセスを取り除き、デッキから3体目のプディンセスを特殊召喚したと。
しかし現在、墓地には素材となったプディンセス自身が存在している為、3体目のプディンセスの攻撃力上昇効果は発動していない。
シューバリエを出しても良かったと思うが……まぁ、それも無駄な考えだな。
「そしておかあさまの効果発動!
X素材となっているシューくんを取り除き、墓地のシューくんとわたくしさまをデッキに戻しますのよ!
そしてこの手札に戻す効果はシャトーの効果で手札に戻す効果をシューくんにのみ発動して、シューくんだけ手札に戻しますのよ!
わたくしさまはデッキへと戻して、戻した枚数だけ相手の場のカードをデッキに戻しますのよ!
(とはいえ、どのカードを戻すべきですのかしら?
ハチさんは何度もハチさんが出てきそうだから戻したい、マインくんも何度も破壊から守られるから戻したい
だけどまた伏せカードで邪魔されては嫌ですし、何度も手札にゼンマイ達を戻すゼンマイマニファクチャも邪魔ですのよ)」
凄く悩んでいるプディンセスなのだが、あのカードの効果は対象に取らない効果だ。
よって今発動しない時点で俺の伏せカードではあの効果を防ぐことはできないという事になる。
この状況では戻されて最も安心できるカードは……
「(………………ーーーーーー~~~~~~!!!!!!)」
どうやらかなり悩んで苛立っているらしい。
俺の場のカードを睨みながら唸っているが、さっさと決めてほしいところだ。
「決めたですのよ!
デッキに戻すカードはゼンマイマニファクチャ2枚ですのよ!」
ゼンマイマニファクチャだと? となると今倒すよりも今後の行動を止めた方が良いと判断したという事か。
まぁ俺としては好都合、というか下手すれば普通に負けていた可能性も有った。
という事はだ、予想できるのはこのターン中にゼンマインを倒し、次のターンにティアラミスでゼンマイハニーをデッキバウンスかな?
または俺の展開を防ぎ、次のターンの行動範囲を制限してティアラミスでバウンスを狙うだろうか?
それにプディンセスの手札の枚数も、シャトーにチケットの存在から考えて2体目のティアラミスの可能性も十分に有る。
「マドルチェがデッキ・手札に戻った事でチケットの効果が発動するですのよ!
デッキからマドルチェモンスターを手札に加えるのですが、自分の場に天使族のマドルチェが存在する場合!
つまりショコラなわたくしさまとおかあさまが存在している事で手札に加えるカードを手札に加えず、そのまま攻撃表示で特殊召喚できますのよ!
よって、わたくしさまは先程おかあさまの効果でデッキに戻した、わたくしさま自身を特殊召喚!」
プディンセスの場はチョコプディンセス、ティアラミス、プディンセスが2体にマインドオーガス……
さすがにこの布陣なら全員で総攻撃でも良かったんじゃないか?
というかそれなら勝ってただろ、ゼンマイハニーと伏せカードを戻せば俺の場はゼンマインとゼンマイマニファクチャだけだぞ?
それをしなかったという事は……もしかして対象に取る効果と勘違いしていたとか?
うん、このカードゲームならその可能性は十分に有るな。
「いくですのよ?
ショコラなわたくしさまとおかあさまとマインちゃんでマインくんに攻撃ですのよ!」
チョコプディンセスの何故か飛び蹴り、ティアラミスは自身が持つ杖を槍投げのように投げてゼンマインに突き刺さる。
そして最後にマインドオーガスの下半身の魚に飲み込まれた……そして魚が痛がるように呻いたと思ったら杖を吐き出した。
唾液とか色々と付着し、魚臭い杖を嫌そうに持ち直すティアラミス……演出自重しろ。
「ゼンマインは破壊される時、自身のX素材を1つ取り除く事で破壊を免れる
その効果を使用して破壊を2回回避するが……3体に攻撃されては破壊される」
「ハチさんに攻撃しては困りそうですのよ
カードを1枚伏せて、ターンエンドですのよ!」
一応、ダメージ覚悟でプディンセスの攻撃でゼンマイハニーや伏せカードを破壊できたのだがな。
プディンセスはモンスターと戦闘する事で相手の場のカードを1枚破壊する効果を持つ。
それをしないという事は……ゼンマイハニーで変なモンスターを出される方が嫌だと思ったのかな?
プディンセスの手札はシューバリエ、アビス、ジールギガスの3枚か。
場は埋まっているものの、さすがに総攻撃をされては当たり前だが終わってしまう。
一応ティアラミスの効果を発動されなければゼンマイハニー3体からゼンマイナイトで生き残る事はできるが……
とりあえずドローしますかね、それから考えるとするか。
「俺のターン、ドロー
魔法カード、貪欲で無欲な壺を発動する
効果は先程使ったから説明はしない
墓地の種族の異なる機械族、獣族、魚族を選択し、ゼンマインとゼンマイネズミとゼンマイシャークを選択してデッキに戻す
そして2枚ドローし、このターンはバトルフェイズを行う事ができない
次はゼンマイニャンコを召喚、そして召喚時にゼンマイシャークの効果が発動し、特殊召喚できる
さぁ、この効果はエンペラー・オーダーで無効にするか?」
「(ネコさんはLV2でハチさんはLV1、サメさんはLV3から5までだからX召喚はできないはず
なら無効にしても意味は無い? でも伏せカードがまた螺旋式発条だったら攻撃力は1500……)
エンペラー・オーダーの効果で召喚時に発動する効果を無効にするですのよ!」
「では更にチェーンし、2体目のゼンマイシャークの効果だ
残念ながら、先程のドローで2体目のゼンマイシャークをドローできてな……どうする?」
「う……やっぱり無効ですのよ!」
「では2回無効にされた事により2枚ドローする」
しかし、ゼンマイニャンコとゼンマイハニーしか場に存在しないのに両方とも無効にする?
螺旋式発条とか辺りを警戒したのなら可能性は高いか。
それにゼンマイシャークが無ければゼンマイの展開力はそこまで高くないし特殊召喚手段も多くはない。
というかこのデッキはゼンマイ以外のカードはオーバーレンチと壺しか入っていない。
それはさて置き、2体目のティアラミスを出されては負けはほぼ確定だな。
プディンセスの手札にはシューバリエ、更に場にはチケットとシャトー、昇華する魂で儀式をされてもLV4のマドルチェを出される。
ついでにマドルチェの天使族が4体……
「ゼンマイニャンコの効果を発動
表側表示の時に1度だけ相手のモンスター1体を手札に戻す
この効果でティアラミスを手札に戻し、X素材となっているマジョレーヌは墓地へ送られる
よってプディンセスの攻撃力は元に戻り、1500になる」
「ネコさんイジワル……」
手札に戻る効果はEXデッキに戻る、また出される可能性は有るがこれしか手が無い。
というか、そもそも攻撃力2700とか序盤のゼンマイスターかオーバーレンチを使わなければ倒せん。
「罠カード、発条の巻き戻しを発動
自分の場に存在するLV4以下のゼンマイ1体を手札に戻し、戻したモンスターと同じLVのゼンマイを特殊召喚する」
「螺旋式発条じゃない!?」
「そういう事だな、この効果によりゼンマイニャンコを手札に戻し、ゼンマイニャンコを守備表示で特殊召喚する
特殊召喚に成功した事により、手札のゼンマイシャーク2体を特殊召喚する
ゼンマイシャーク2体の効果を発動し、LVを両方共下げる
LV3のゼンマイシャーク2体でオーバーレイ、2体のモンスターでゼンマイ・ネットワークを構築
エクシーズ召喚、さっさと次のゼンマイを出せ、発条空母ゼンマイティ」
さて、ここで何を出すかが問題だ。
このターンは貪欲で無欲な壺の効果でバトルフェイズは行う事ができない。
ゼンマイマジシャンからの展開でゼンマイスターを出す事も考えたが……そもそもライフを削りきれないという点も問題だ。
となればランク3のゼンマインかゼンマイティのどちらか、ゼンマインを出してティアラミスの効果を使わせるか?
それともゼンマイティを出して壁の数を増やして守りを固めるか……
「ゼンマイティの効果を発動
X素材を1つ使用し、手札かデッキよりゼンマイを1体特殊召喚する
この効果によりX素材のゼンマイシャークを取り除き、デッキのゼンマイネズミを攻撃表示で特殊召喚
更にゼンマイネズミの効果を発動し、ゼンマイネズミを守備表示に変更して墓地よりゼンマイラビットを特殊召喚
LV3のゼンマイネズミとゼンマイラビットでオーバーレイ、2体のモンスターでゼンマイ・ネットワークを構築
エクシーズ召喚、これで3回目だが仕事しろ、発条空母ゼンマイティ」
ちなみにどちらも守備表示、攻撃力2500のマインドオーガスの前に立たせても無意味だからな。
攻撃力3000のチョコプディンセスも存在するが……
「2体目のゼンマイティの効果を発動する
デッキよりゼンマイジャグラーを守備表示で特殊召喚する
ちなみにこいつにと戦闘した場合、戦闘したモンスターを破壊する効果を持っている、攻撃する場合は注意するんだな
更にゼンマイニャンコの効果を発動、表側表示の時に1度しか発動できないのだが1度手札に戻っているので効果の発動が可能だ
この効果により、チョコプディンセスを手札に戻す」
これでプディンセスとマジョレーヌが墓地へ送られた事になる。
場のプディンセスを手札に戻す事も考えたのだが、無意味なので止めた。
プディンセスの墓地は儀水鏡、ハッピーフェスタ、魔導人形の夜、マジョレーヌ、プディンセスの5枚。
つまりティアラミスを2体出された場合、素材とカウンター罠でティアラミスの効果対象に選択できるので意味が薄い。
「カードを2枚伏せて、ターンエンドだ」
俺の場はゼンマイハニー、ゼンマイニャンコ、ゼンマイジャグラー、そしてゼンマイティが2体。
壁の数としては十分、デッキバウンスを連発されなければ大丈夫だ。
……しかしアレだな、あまりこういう事を考えていると俗に言うフラグっぽく感じるな。
「うぐぐぐ……わたくしさまのターン、ドロー!
魔法カード、強欲なウツボを発動するですのよ!
手札の水属性モンスター2体、リチュア・アビスとギガスくんをデッキに戻して3枚ドロー!」
プディンセスの残りライフは1900、ついでに俺の残りライフは2600だ。
プディンセスのライフではジールギガスの効果を発動するには少々厳しいだろう。
一応、リチュア・アビスのでシャドウ・リチュアを引っ張ってきて、儀水鏡を回収してプディンセス2体をリリースすれば出せるがな。
しかしそれをしても攻め手に欠けるだけだからな、この状況ではドローよりもデッキバウンス2体のティアラミスを出した方が良いだろう。
「手札のシャドウ・リチュアとヴィジョン・リチュアを捨てて、デッキから儀水鏡とアニマくんを手札に加えるですのよ!
更に罠カード、儀水鏡の瞑想術を発動するですのよ!
手札の儀式魔法、リチュアの儀水鏡を公開して、墓地のリチュアモンスター2体を手札に加えるですのよ!
さっき捨てたシャドウとヴィジョンを手札に加えるですのよ!」
つまりプディンセスの手札はシューバリエ、ヴィジョン、シャドウ、リヴァイアニマ、儀水鏡と謎のカードが1枚か。
マドルチェかと思えばリチュア、リチュアかと思えばマドルチェ、そしてマドルチェかと思えばまたリチュアか……
よくもまぁそれだけ切り替えられるものだ。
「儀水鏡を発動してシャドウをリリースするですのよ!
シャドウ・リチュアは水属性の儀式の贄にする場合、このカード1枚だけで儀式召喚できるですのよ!
シャドウ・リチュアを儀式の贄とし、イビリチュア・リヴァイアニマを儀式召喚!
そして昇華する魂の効果でリリースしたシャドウ・リチュアを手札に回収!
更に魔法カード、無欲な壺を発動するですのよ!
自分か相手の墓地に存在するカードを2枚選択して、そのカードを持ち主のデッキに戻してこのカードを除外するですのよ!
わたくしさまはわたくしさまの墓地の儀水鏡とわたくしさまをデッキに戻すですのよ!
そして無欲な壺は除外されて、チケットの効果でマドルチェが効果でデッキに戻り、更に天使族のマドルチェのわたくしさまが場に存在するですのよ!
よってデッキよりジェリちゃんを特殊召喚するですのよ!
そして手札のヴィジョンとシャドウを捨てて、デッキからマインちゃんと儀水鏡を手札に加えて、儀水鏡を発動しますのよ!
場のマインちゃんをリリースして、儀式召喚! イビリチュア・マインドオーガス! そしてマインちゃんの効果を発動!
わたくしさまの墓地のシャドウ・リチュア、ヴィジョン・リチュア、イビリチュア・マインドオーガス、強欲なウツボ、儀水鏡の5枚をデッキに戻すですのよ!
次はLV5のわたくしさま2体でオーバーレイ! 2体の地属性のわたくしさま2体でショコラ・ネットワークを構築!
エクシーズ召喚! 何度も現れるショコラなわたくしさま! マドルチェ・プディンセス・ショコ・ア・ラ・モード!
そしてショコラなわたくしさまの効果を発動! 墓地のレーヌちゃんをデッキに戻す効果を発動してデッキに戻して、ショコラなわたくしさまのもう1つの効果発動!
X素材となっているわたくしさまを墓地へ送り、デッキからマドルチェを特殊召喚する効果を発動するですのよ!
この効果でレーヌちゃんを特殊召喚して、LV4のレーヌちゃんとジェリちゃんでオーバーレイ! 2体のマドルチェでプリンセス・ネットワークを構築!
エクシーズ召喚! わたくしさまのだいだいだーい好きなおかあさま! クイーンマドルチェ・ティアラミス!
最後に手札のシューくんを召喚!」
…………つまり何か? リヴァイアニマ、マインドオーガス、シューバリエ、ティアラミス、チョコプディンセスだと?
というか、これだけして墓地のカードが魔導人形の夜、ティーブレイク、プディンセス、儀水鏡、瞑想術だけ?
「おかあさまの効果を発動するですのよ!
レーヌちゃんを墓地へ送り、墓地のレーヌちゃんとわたくしさまをデッキに戻す効果を発動するですのよ!
そしてその効果はシャトーの効果で手札に戻す効果にしますのよ!
おかあさまの効果でデッキに戻すカードは……カードは……」
えーっと、プディンセスの墓地は魔導人形の夜、マドルチェ・ティーブレイク、リチュアの儀水鏡、儀水鏡の瞑想術の4枚か。
そして手札にはマドルチェ・マジョレーヌ、マドルチェ・プディンセスの2枚。
フィールド魔法のマドルチェ・シャトー、永続魔法のマドルチェ・チケット、昇華する魂、永続罠のエンペラー・オーダー。
これだけターンが過ぎているのに、場と手札と墓地の総合枚数が、X素材を含めても僅か17枚ってなんだ?
「ハチさんと……伏せカード1枚をデッキに戻すですのよ!」
ゼンマイハニー、最初の1回しか仕事してないな。
何度も出てきたり数ターン生き残ってるのだからもう1回ぐらい効果を発動してもいいんじゃないか?
「バトルフェイズですのよ!
シューくんでジャーくんに攻撃!」
ゼンマイジャグラーがジャーくんか、シューバリエの乗る馬がジャグラーを踏みつけて粉々にする。
しかし粉々にされたジャグラーの持っていた玉がシューバリエの足元へと転がり……爆発、シューバリエは破壊された。
「ゼンマイジャグラーの効果により、戦闘を行ったダメージ計算後に戦闘を行ったシューバリエは破壊される」
「ですがマドルチェは相手によって破壊されて墓地へ送られた時、デッキに戻る効果が有るですのよ!
更にシャトーの効果により、マドルチェの効果によってデッキに戻るカードは手札に戻す事も可能ですのよ!
よってシューくんを手札に戻すのですのよ!」
最低限の回避をされた、これは少々困ったな。
「だがゼンマイティの効果が発動する
表側表示で存在するゼンマイが破壊されて墓地へ送られた時、自身のX素材を1つ使用する事でそのモンスターを手札に回収する
この効果によりゼンマイシャークを使用し、ゼンマイジャグラーを手札に加える」
「だったら、アニマくんでX素材の残っているマイティくんに攻撃ですのよ!
そしてアニマくんの攻撃宣言時、デッキからカードを1枚ドローして、そのカードをお互いに確認してリチュアなら相手の手札を1枚確認できるですのよ!
この効果でドロー! ドローカードは……冥王竜ヴァンダルギオンですのよ!」
「待て! お前のデッキにそんなカードを入れる枠が残ってるのか!?」
カウンター罠を多用するつもりなら確かに選択肢の1つだろうが、それを入れるか!?
ヴァンダルギオンは相手のカードをカウンター罠で無効にした時に特殊召喚できる効果を持っている。
そして無効にしたカードの種類により追加効果を発動できるのだが……
魔法カードなら相手に1500ダメージ、罠カードなら相手の場のカードを1枚破壊、効果モンスターなら自分の墓地からモンスターを特殊召喚する。
なるほど、カウンター罠を警戒させて使わせる為に囮なんて使えばヴァンダルギオンが出てくるなんて危険性が……デッキ構築が謎過ぎる!
俺を睨んだら爆笑していた、どうやら俺を驚かせたのがおもしろかったらしい、やはり俺は俺か!
「リチュアではないのでそのまま攻撃ですのよ!」
ゼンマイティはリヴァイアニマに噛み砕かれて粉砕された。
残っているのはゼンマイニャンコとX素材の無いゼンマイティの2体。
そしてプディンセスのモンスターはチョコプディンセス、ティアラミス、マインドオーガスの3体。
俺の残りライフは2600なので……全てを受ければ負けるな。
「マインちゃんでマイティくんに攻撃!」
「だがまだ耐える、螺旋式発条を発動
攻撃力1500のゼンマイティをリリースし、手札のゼンマイジャグラーを守備表示で特殊召喚
そしてデッキから攻撃力が同じのゼンマイジャグラーを守備表示で特殊召喚する」
「うぐぅ! またジャーくん!?」
「どうする? ゼンマイジャグラーに攻撃するか?」
「うぅぅぅぅぅ……マインちゃんでネコさんに攻撃!
ショコラのわたくしさまとおかあさまでジャーくんに攻撃ですのよ!」
ゼンマイニャンコはマインドオーガスの下半身の魚の部分に押しつぶされて破壊された。
さすがに巨大過ぎたのか、やはり重かったのだろう……一応女性であろうマインドオーガスの上半身のリチュア・エリアルは嫌だろうがな。
そしてマドルチェ2体で攻撃したという事は、ティアラミスで墓地回収ができるマドルチェの方が墓地に置いておくには良いと判断したのだろう。
「では期待に答えてゼンマイジャグラー2体の効果を発動し、チョコプディンセスとティアラミスを破壊する」
「わたくしさまは泣かない……ターンエンドですのよ!」
なんだかんだで、やはり自身やティアラミスが破壊されたのはショックだったようだ。
さて、プディンセスの手札はマジョレーヌ、シューバリエ、プディンセス、ヴァンダルギオンの4枚。
この状況である程度どうにかできなければ負けだな……判断ミスで生き残っているだけで実際にはほぼ負けているがな。
「俺のターン、ドロー
ゼンマイネズミを召喚し、効果を発動
自身を守備表示に変更して墓地のゼンマイ1体を守備表示で蘇生、蘇生するモンスターはゼンマイラビット
そしてLV3のゼンマイネズミとゼンマイラビットでオーバーレイ、2体のモンスターでゼンマイ・ネットワークを構築
エクシーズ召喚、4回目の登場である発条機雷ゼンマイン」
リヴァイアニマの攻撃力2700が高すぎてどうにもできなかった。
というかこの状況で、ゼンマイで突破する手段が無い。
展開されない事を祈るしかないぐらいに真面目に危険な状況だ。
「カードを1枚伏せ、ターンエンドだ」
「わたくしさまのターン、ドロー!」
なんというか、こっちはデッキのカードが少なくなって使用したカードも多いから厳しい状況。
対してプディンセスはモンスターだけでなく魔法・罠カードも大量にデッキに回収するから殆ど息切れしない。
しかも手札に戻るカードも多いから手札もなかなか減る事も無い……アド差は開く一方ってどういう事だ?
「レーヌちゃんを召喚して、効果が発動するですのよ!
デッキからマドルチェモンスターを1体手札に加える効果……これをエンペラー・オーダーで無効にするですのよ!
そして無効にしたカードのコントローラーのわたくしさまはデッキからカードを1枚ドローするですのよ!」
なるほど、この状況でマドルチェをサーチしても意味は薄い。
だったらドローして他のカードで突破する方が良いと判断したか。
一応シューバリエを召喚し、3体で攻撃すればゼンマインは突破できたのだがな。
「…………(貪欲な壺、だけど墓地のモンスターが4体では発動できないですのよ
レーヌちゃんじゃマインくんを倒せない、攻撃したらわたくしさまの場のカードを1枚破壊される
シャトーやチケット、アニマくんが破壊されたら危ないですのよ
あ、でもモンスターを破壊されたら次のターンに貪欲な壺を発動できるようになるですのよ)
アニマくんとマインちゃんでマインくんに攻撃するですのよ!
そしてアニマくんの効果でドロー! ドローカードは……転生の予言、罠カードですのよ」
攻撃してくるか、そしてドローカードは転生の予言……また墓地のカードが減るな。
俺の墓地のカードを減らしても意味は薄いだろうし、やはり自分の墓地のカードをデッキに戻すのだろう。
「ゼンマインの効果を発動し、自身のX素材を取り除く事で破壊を免れる
リヴァイアニマとマインドオーガスの攻撃から破壊を回避する」
「カードを1枚伏せて、ターンエンドですのよ!」
「このエンドフェイズ時、ゼンマインの効果発動
X素材が取り除かれたターンのエンドフェイズ時、場のカードを1枚破壊する
この効果により、リヴァイアニマを破壊する」
ゼンマインの突進にリヴァイアニマは轢かれて破壊される。
しかしまぁ、これはわざと破壊されたのだろう、でなければ攻撃しないだろうしな。
破壊される必要は無いだろうし、可能性としては墓地の枚数が足りない……となれば貪欲な壺辺りか?
「俺のターン、ドロー
ゼンマイバットを召喚し、効果を発動
攻撃表示のこのカードを守備表示に変更し、自分の墓地からゼンマイ1体を手札に加える
俺はこの効果により、墓地のゼンマイシャークを手札に加える
そして永続罠、発条の巻き上げを発動する
最初の方に使ったな、機械族Xモンスターであるゼンマインを選択し、場か手札のゼンマイモンスターをX素材とできる
俺は効果を使用し終わっているゼンマイバットをゼンマインのX素材とする
更にもう1つの効果を発動し、発条の巻き上げを墓地へ送ってゼンマインのランクの1つ上のXモンスターを特殊召喚する
ゼンマインをランクアップ・エクシーズ・チェンジ、割とピンチだから頑張れ、発条機甲ゼンマイスター」
「攻撃力2500……」
「ゼンマイスターでマジョレーヌに攻撃」
マジックハンドのような手を上へと伸ばし、マジョレーヌへと拳骨して撃破。
プディンセスに600のダメージを与え、プディンセスの残りライフは1300……俺のライフの半分だな。
それにしても、久しぶりにライフが減った気がするな。
「うっく……レーヌちゃんをシャトーの効果で手札へ、そしてチケットの効果でマーメちゃんを手札に加えるですのよ!」
「ターンエンドだ」
ふむ、仮に手札のカードが貪欲な壺の場合、ここは戻せなければよかったのだがな。
しかしマドルチェの回収効果は強制効果、そこは残念だろう。
儀水鏡の効果で墓地のリヴァイアニマを手札に戻し、貪欲な壺の効果でマドルチェ5体を戻せば手札も増えるし儀水鏡もデッキに戻るのだがな。
仕方ないと言えば仕方ないんだがな。
「いい加減に倒されるですのよ! わたくしさまのターン、ドロー!
罠カード、転生の予言を発動して、わたくしさまの墓地の儀水鏡と瞑想術をデッキに戻しますのよ!
そして魔法カード、貪欲な壺を発動! 墓地のショコラなわたくしさま、わたくしさま、おかあさま、マーメちゃん、アニマくんをデッキに戻して2枚ドロー!」
さて、どうくる?
「(ジェリちゃんをドローできたら、わたくしさまを特殊召喚して、わたくしさまの効果でマイスターくんを破壊
そしてマインちゃんの直接攻撃で勝ったですのに……)
シューくんを召喚! マインちゃんでマイスターくんに攻撃!」
攻撃力はお互いに2500で互角、ゼンマイスターの拳がエリアルの部分を殴り飛ばして下半身の魚に食われて相打ちした。
これで俺の場にカードは無い、そしてシューバリエの攻撃力は2200か。
「シューくんで直接攻撃!」
シューバリエの持つステッキのように見えなくもない剣で攻撃され、俺の残りライフは400。
なんとか生き延びたが、いい加減に長い!
「カードを2枚伏せて、ターンエンドですのよ!」
なんにせよ、シューバリエを残せばティアラミスを出されて俺の負けは確定。
どうにかしてシューバリエを倒さねばならんのだが……どうにかできるかな?
「俺のターン、ドロー
ふむ……では、ゼンマイマジシャンを召喚し、手札のゼンマイシャークの効果が発動
ゼンマイが召喚された事で自身を特殊召喚できるが、止めるか?」
「止めても、ゼンマイが効果を発動したからまほうつかいちゃんの効果は止められないのですのよね?
なら止めませんのよ! ドローされるぐらいなら!」
「では俺はそのままゼンマイシャークを特殊召喚する
ゼンマイが効果を発動した事によりゼンマイマジシャンの効果が発動し、デッキからゼンマイマジシャンを特殊召喚する
そしてゼンマイシャークの効果を発動し、自身のLVを1つ上げ、ゼンマイが効果を発動したのでゼンマイマジシャンの効果が発動
デッキよりゼンマイウォリアーを特殊召喚、ゼンマイウォリアーの効果を発動し、自身のLVを1つ上げて攻撃力を600上昇する
さて、ではLV5のゼンマイウォリアーとゼンマイシャークでオーバーレイ、2体のモンスターでゼンマイ・ネットワークを構築
エクシーズ召喚、最後の最後に登場した最後のXゼンマイ、発条装攻ゼンマイオー
ゼンマイオーの効果を発動、X素材を1つ使用してセットされているカードを2枚選択、そのカードを破壊する」
ゼンマイオーのドリルがプディンセスの伏せカードを貫く。
破壊されたカードは……マドルチェ・ティーブレイクとマドルチェ・ワルツ……なんて危ないカード伏せてやがる!
マドルチェ・ワルツはマドルチェが戦闘をしたダメージ計算後、相手に300ダメージを与えるカード。
俺の残りライフは400、破壊していなければこのターンの攻撃と、次のターンの自爆特攻で負けていた可能性が有る。
そしてマドルチェ・ティーブレイクで俺の魔法カードを無効にしていた場合、冥王竜ヴァンダルギオンを特殊召喚されていた。
魔法を無効にしたヴァンダルギオンの効果は相手に1500のダメージ、魔法カードをドローしていたら負けていた。
最後の最後に地雷を仕込みやがって……
「あ……う……」
プディンセスの手札はヴァンダルギオン、プディンセス、マジョレーヌ、マーマメイドと残り1枚。
しかしあのデッキから考えて手札誘発系のカードは無いだろう。
「最後と言ったからゼンマイオーで終わらせておくか
ゼンマイオーでシューバリエに攻撃」
ドリルを回転させ、シューバリエに突撃するが避けられた?
しかしゼンマイオーの体は大きい、シューバリエはドリルの回避はできたがゼンマイオーのボディは躱せずに直撃して破壊される。
なんとも決まらない攻撃だったが、プディンセスに400のダメージを与えて残りライフは900となった。
俺の場に残ったモンスターは攻撃力600のゼンマイマジシャンが2体。
「ゼンマイマジシャン2体で直接攻撃」
2体同時にプディンセスに向かって走っていき、躓いて持っていた杖がすっぽ抜けた。
「きゃぅ!」
で、その杖がプディンセスの頭と腹に杖先が直撃した。
凄まじく痛そうな攻撃だったが、プディンセスのライフは0となった。
内容的には負けだが、一応勝ったな……
「く、悔しいですのよぉぉぉ!」
怒りながらティアラミスに泣きつきに向かった。
やっと1人か……残りはゴーストリックの駄天使とフレシアの蟲惑魔。
なんというか、もう俺と決闘をしようなんて考えた事を完全に後悔した。
しかし逃がしてくれそうにない、次の決闘はもう少しデッキを考えよう。
アカデミア時代の時に使っていたようなデッキだと勝てないな……うん、頑張ろう。
「今日の最強カードはマドルチェ・プディンセス・ショコ・ア・ラ・モードですのよ!
ランク5・地属性・天使族・攻撃力2500・守備力2200ですのよ!
地属性というX素材の条件が存在しますが、それだけの価値は保証しますのよ!
ですがランク4以下のマドルチェXモンスターの上に重ねてX召喚する事も可能という素晴らしい召喚条件も持っていますのよ!
効果は2つ、1つ目は1ターンに1度、墓地のマドルチェカード1枚をデッキに戻す効果ですのよ!
もう1つはわたくしさま、つまりマドルチェ・プディンセスをX素材としている場合にのみ発動できますのよ
デッキにマドルチェカードが戻った時、X素材を1つ使用する事で発動しますのよ!
なんと、デッキからマドルチェモンスター1体を表側攻撃表示か裏側守備表示で特殊召喚できるですのよ!
わたくしさまがマドルチェ最強と言っても過言ではないですのよ!
ほーっほっほっほっほっけほっ、けほ……早くこの笑い方に慣れたいですのよ」
Q.これ、どういう時代設定?
A.不思議空間ですので時間設定はありません。
強いて言うなら、少なくとも1年目を終了している辺りでしょうか?
Q.2人目の瑞貴って何?
A.平行世界の瑞貴ですね。
どのような歴史を過ごしたかは……
Q.2人目はどういう人生を?
A.さぁ……色々と有ったのでは?
Q.何故マドルチェ、ゴーストリック、蟲惑魔?
A.考えている通り、消去法に近いですね。
あまり深く考えなくてもいいと思います、今回のみの特別空間なので……
Q.今回最大の原因、マドルチェ・マーマメイド!
A.言わないであげてください。
きっと今回の件でプディンセス辺りから色々と言われるでしょう。
Q.プディンセスの性格辺りについて。
A.一人称はわたくしさま、少々舌足らず、精神年齢は大体10歳前後。
ちなみに実力はティアラミスの方が上だが自分が決闘をすると言ったのでこうなった。
ティアラミス自身はどっちでもよかったようなのであまり問題は無かった。
基本的に相手を呼ぶ場合は3文字前後でのあだ名を使用する。
子供に近い性格をしているのだが、実年齢は……つまりロリb(ピチューン)
Q.プディンセスのデッキは?
A.マドルチェとリチュアの混合デッキ、命名するなら【マドルチュア】。
デッキ枚数は基本約45枚、獣族マドルチェは入っていない。
ちなみにADSで10回ほど回してみたが、相手はガチデッキではなかったとはいえ勝利数8回。
事故をした2回以外で敗北無し。
今回出なかったカードはリチュア・ビースト、輪廻転生、マドルチェ・マナー、儀水鏡の反魂術、イビリチュア・メロウガイストの5種類。
サイドデッキに未登場マドルチェ、局地的大ハリケーンが入っている。
なおそれぞれの枚数については割合。
Q.瑞貴のデッキは……
A.【ゼンマイ】ですね、ただし今回は見ての通り完全に負けですね。
内容については枚数は割合、それ以外は全ゼンマイが入っている程度でしょうか?
本人も言っていますし、話す内容はありませんね。
強いて言うなら……ADSで【マドルチュア】にダメージを与える事もできずにフルボッコされた程度ですか?
Q.プディンセスがプレイミス多すぎない?
A.これぐらいしても勝利は絶望的だったという現実。
他にどう勝てと? というぐらい圧倒的でした。
Q.長い。
A.何故かこうなった、どうしてこうなった……
これ何ターンでしょうかね? えーっと、終焉のカウントダウンぐらいですかね?
作者としては10ターン辺りを目安に考えてたんだけど……あるぇ?
ちなみに文字数、約35000字でした。
Q.1回目のティアラミスがシャトーの効果でEXデッキに戻ってるけど?
A.ミスです、すみません。
その少し後のマインドオーガスの効果でデッキに戻すカードをサルベージからティアラミスに変更すれば大丈夫です。
墓地に魔法カードが1枚残るだけですので特に問題はありません。
墓地枚数や墓地の魔法カードに関係するカードはありませんし、サルベージもデッキに2枚入れているので矛盾は無いはずです。
修正は……その後の先が長いので後回しにさせていただきます。
ミスには今後も注意したいと思いますので、ご了承ください。
Q.マドルチェ・プディンセス・ショコ・ア・ラ・モード、プディンセス2体、ティアラミス、マインドオーガスでゼンマインに攻撃する時、墓地のモンスター0じゃなかった?
A.0でした、なのでプディンセスの攻撃力は自身とシャトーの効果で2300、更に相手の場のカードを1枚破壊する効果も発動できていました。
最初はそう書いていたのですが、プディンセスの破壊効果を失念して思い出して修正、ジェットストリームプディンセスを削除。
そういえば墓地にマドルチェ残ってなかったっけ? と何故か勘違いしてしまいこうなりました。
手札や場や墓地を行ったり来たりでどうやら頭から色々と抜け落ちていしまっていたようです。
上記のティアラミスと同じく要反省、プディンセスちゃんがミスしたって事にしておいてください。
その後の瑞貴の思考? えーっと……なんかもう色々とごめんなさい。
他に書く事浮かばなくなったので最後にTwitter
https://twitter.com/KuriaAin
【マドルチュア】のADS画像を投稿しました、気が向けばどうぞ。
今後もこのようにTwitterでデッキを公開するかは未定。