きっと起きて読み返せば後悔するかもと思っているけど眠い……
モンスターの戦闘シーンにてリョナシーン有りです。
とは言ったものの、遊戯王は平然と食ったり食われたり、粉々になったりとか普通だった。
けど一応……もし表現がアレ過ぎるという声が多ければその辺り修正します。
次回は12日です、次は余裕を持って書こう……
が、申し訳ありませんがしなければならない事が重なってしまいました。
残念ながら次回の更新は15日とさせていただきます。
なのですが、今度は風邪のようで再度遅くなります。
18日……回復が遅くなれば21日の更新となると思われます。
遅くなる事をお詫び申し上げます、申し訳ありません。
ボクがデュエル・アカデミアに来て4日目。
今日も含めて残り4日、残り時間が半分になった。
昨夜はボクももう大丈夫だろうって事で、恵さんも自分の部屋に返された。
ちょっと寂しそうにしてたけど、素直に従って自分の部屋に戻って行ったのはちょっと印象的だった。
今日は昨日、瑞貴さんが言っていた、ボクの勝利は絶望的な人との決闘の日……
どうしてボクがそんな相性の悪い人と決闘しないといけないんだろう?
別に逃げてもいいと思うんだけど、逃げても結局同室だからすぐに捕まるし意味が無い。
仮に明日香さんの部屋に逃げたとしても、今度は女子寮でボクは男子扱いだから大騒ぎになる。
だからって外で寝たりしたらまた探されて明日香さん達に迷惑を掛ける事になっちゃう。
はぁ……ボクに逃げ道は無いのかな?
授業が終わった後、また目立たない森の中に向かう。
対戦相手の人は明日香さんが連れてくるから遅れて来るんだって。
うーん……やっぱり勝つ自信がどうしても出ない、相性最悪なんて言われて出す方が難しいと思うけど。
でも勝ったら亮様に会える、お話できる……それなら例え相性が悪くても頑張るんだから!
だって恋する乙女は無敵……いや、強い……うん、頑張れば……さ、サポートをすれば強い!
ボクのデッキは瑞貴さんの詰め決闘のおかげで強化できた。
欲しいカードが有れば言えば渡すって言われて、欲しいカードを片っ端から言ったら全部渡された。
瑞貴さんってどれだけカードを持ってるんだろう? というか殆どノータイムで渡された事がビックリだよ。
一応、瑞貴さんが作った仮デッキっていうのを参考にさせてもらった。
やっぱりあんな詰め決闘が作れるだけあって完成度が高かったと思う。
だけど瑞貴さん的にはまだ改良できるらしく、出来栄えに不満が有ったみたい……自分のデッキ構築力の自信を無くした。
な、何はともあれ、ボクのデッキは強くなったんだからきっと大丈夫! な、はず!
自分のデッキにちょっとした自信と不安を感じながらも、明日香さんともう1人の人がやってきた。
黒髪の女子生徒の人だった、なんだかおっとりしてるっていうか、そんな感じの印象。
あんな人がボクの天敵なのかな? そういえば天敵ってどういう意味で天敵なんだろう?
昨日の瑞貴さんみたいにコントロールを奪えないモンスターばっかりとか?
さすがにそんな事は無いと思うけど……気になるなぁ。
「来たか……浜口」
「まぁ、貴方からの呼び出しなら無視できませんからね
それで私はどうすればいいんですの?」
「俺の隣にいるこいつ……早乙女の決闘の相手をしてほしい
勝ったら以前のカード購入、1枚減らすぞ」
「本当ですの? それは助かりますわ
堅守さんから購入するカードは確かに強いですが、やはりお値段がネックですもの
1枚減るだけでも大助かりですわ」
どういう約束をしたんだろう……
そういえばボクのデッキは瑞貴さんから借りてるカードが沢山あるけど。
もしかして負けたら全部買わされるとか?
……ぜ、絶対に勝たないと!
「そして私の相手は……………………」
なんかジッと見られてるんだけど、ボクの顔に何か付いてる?
「お、お名前は?」
「早乙女レイですけど……」
「レイ君ですわね? 覚えましたわ
今後未来永劫絶対に忘れません」
「そこまで!?」
どういう……えぇ?
「……おい、浜口」
「はっ! な、なんでもありませんわ!
決闘でしたわね? 決闘すればいいですわよね?」
「お前、やっぱり帰れ」
「嫌ですわ!」
い、いったい何が起こってるの?
瑞貴さんは呆れたような悟ったような顔で浜口さん(だっけ?)を見ていて。
その浜口さんはボクを見る目がなんだか怖い……でも気のせいか親近感を感じるのは何故?
明日香さんは訳が分かっていないのかキョトンとしてる。
「まぁ……お前がそういう趣味なのは理解した
だが、そいつの事は俺は親から頼まれているのでな
悪いがそういうのは別の相手か他の機会にしてくれ」
「では他の機会にしますわ、あまり貴方に睨まれても怖いですし
その他の機会になら構わないですわよね?」
「……多分な」
気のせいかな? なんだか怖い会話をしている気がする。
なんとなくだけど、ボクがどうにかされちゃったりするかもしれないような……
「あの、瑞貴もももえも何の話をしてるの?」
「は? あぁ……そうか、お前はそうだもんな
いやなんでもない、浜口が早乙女の事を見て気に入ったから仲良くしたいって言ってるだけだ
ただ、今回は決闘だけだし、この後にする事も有るから別の機会にしてもらいたいという話だな」
「仲良くしたいのなら別にいいんじゃないの?」
「この後にする事が有ると言ったろ?
今回は早乙女のデッキ調整と、この勝負の賭けも有るんでな
ちなみに浜口、もしお前が負けたら、お前が買うカードが20枚増える事になるからな」
「20枚!? それはちょっと多すぎではありませんの!」
「こいつに負けるようなデッキを組んでいる時点でお前の実力は最底辺を走っていると思え
それぐらいの相性と差が有るんだぞ? 早乙女に勝てないような奴はそれぐらい買って更に強化しろ」
「そこまで言わなくても……」
確かに相性は悪いって話だけど、そこまでボクの事を弱く言わなくてもいいじゃないか。
明日香さんはボクのデッキに興味深々、ももえさんは絶対に負けられなくなって気合やる気十分って感じ。
ボクも屈辱だったから、この決闘に絶対に勝ってやる!
瑞貴さんと明日香さんは少し離れてボク達の決闘を見るみたい。
ボクとももえさんも、決闘の準備ができた!
「改めて自己紹介しますわ
私は浜口ももえ、今後ともよろしくお願いしますわね」
「うん、ボクの名前は早乙女レイだよ!
浜口さんって呼べばいいかな?」
「ももえ……と、呼んでくださいまし」
「じゃあももえさんで
ボクの事はレイでいいよ」
「ではレイ君と……うふふふ」
なんでかな、ももえさんが笑顔で笑っただけなのに背筋に悪寒が走ったんだけど。
きっと気のせいだよね? だって普通に笑顔なだけなのに悪寒って……無いはずだし。
――――――――――――――――――――――――――――――
瑞貴とももえの会話がよくわからなかったわ。
話している意味はわかるのだけど、どうしてそういう会話になったのかがわからなかった。
イマイチ会話も繋がっていない気もするし、なんだかはぐらかされた気もする。
「「決闘!」」
おっと、2人の決闘が始まったわね。
瑞貴が言うには、レイちゃんとももえの相性は最悪らしい。
なんだか、ももえが勝って当たり前って感じだったわ。
いくらなんでも勝って当たり前っていうのは無いと思うんだけど……
ももえのデッキは瑞貴みたいに相手に合わせるなんて事もしていないはずだし。
「ボクの先行だよ!
(……恋する乙女は手札に無いけど、なんとかなるかな?)
ボクはモンスターをセット、カードを3枚伏せてターンエンドだよ!」
様子見ってところね、そういえばレイちゃんのデッキってどんなデッキかしら?
学園に途中編入できるぐらいなのだからそれなりに強いんでしょうけど……
「では私のターンですわ、ドロー
私の前に守備表示モンスターは美味しいカモですわよ?
例え守備力が高くとも……剣闘獣ホプロムスを召喚しますわ」
攻撃力700のモンスターね、守備力は高いけど攻撃力は低いから相手が攻撃表示だとあまり出せないモンスターね。
相手が守備表示の場合は自分のモンスターは破壊されないから、そういう意味では守備表示モンスターは本当にカモかもしれないわ。
「更に装備魔法、剣闘獣の闘器ハルバードをホプロムスに装備させますわ
このカードは剣闘獣専用の装備カードになりますの
このカードを装備したモンスターのダメージステップ終了時、場の魔法・罠カードを1枚破壊しますの
その伏せカード、破壊させていただきますわ! ホプロムスで守備モンスターに攻撃!」
確かあの剣闘獣ってモンスターは戦闘さえできれば効果を発動できるモンスターだったわね。
やっぱり多少のダメージを受けてでも効果を発動させる事が優先かしらね。
ホプロムスが攻撃したモンスターは金髪の魔法使いだったわ。
「ボクのモンスターは見習い魔術師……守備力は800だよ」
「ホプロムスの攻撃力は700、どうやら倒せないようですわね
それにしても見習い魔術師……魔法使い族のデッキですか?」
確か、戦闘で破壊されたらLV2以下の魔法使い族モンスターをセットする効果だったかしら?
だけど残念ながら、ホプロムスでは倒せない。
ももえは100のダメージを受け、残りライフが3900になったけど気にしていないわね。
「破壊してほしかったでしょうが、残念ですわね
ならばホプロムスに装備されているハルバードの効果が発動されます
そうですわね……左側のカードを破壊してもらいましょう」
「くっ……」
破壊されたカードは……バトルマニア?
なんだか意外ね、あんなカードをレイちゃんが使うだなんて。
あの娘の性格から、あまり好戦的だとは思わないんだけど……それはももえも同じだったわ。
どうやったらももえがこんな戦闘を中心としたようなデッキを使うのかしら?
「バトルマニアですか……まぁいいですわ、それよりもホプロムスの効果を発動します
このモンスターが戦闘をしたバトルフェイズ終了時に発動されますわ、このモンスターをデッキへ戻します
そしてデッキからホプロムス以外の剣闘獣を特殊召喚しますわ!」
「え……で、デッキに戻る? 戦闘したら?」
「その通りです、ホプロムスをデッキへ戻し……デッキより剣闘獣スパルティクスを特殊召喚します!
そしてスパルティクスの効果を発動しますわ
このモンスターが剣闘獣の効果で特殊召喚された時、デッキから闘器の装備魔法カードを1枚手札に加えます
私はデッキより、剣闘獣の闘器マニカを手札に加えます
更にホプロムスがデッキに戻った事で装備対象が消えました、装備されていたハルバードは破壊されて墓地へ送られます
しかしここでハルバードの効果が発動しますわ
自分の場のモンスターがデッキへ戻る事でこのカードが墓地へ送られた時、このカードを手札に戻します」
なかなかえげつないわね、装備カードを大量に手札に加えていくのかしら?
あのハルバードは好きな時に装備させる事ができるみたいだし、破壊したいカードが有る時だけ装備させれば問題無さそう。
そして新しい闘器マニカ……どんな効果なのかしら?
「では先ほど手札に加えたマニカをスパルティクスに装備させますわ
このカードも剣闘獣専用の装備カードですわ
そしてマニカを装備しているモンスターは戦闘では破壊されません!
更にハルバードもスパルティクスに装備させます、カードを1枚伏せてターンエンドですわ」
攻撃力2200で戦闘でも破壊されない、なかなか硬い布陣ね。
レイちゃんのデッキは魔法使い族みたいだけど、どうやってこの状況を突破するのかしら?
「(て、天敵過ぎて勝てる気がしない!
戦闘してすぐデッキに戻ったら乙女カウンターを乗せられないよ!
あの詰め決闘はなんだったの!? どうやってあの剣闘獣に勝てばいいのか、誰か教えてーーー!)」
レイちゃん、なんだか焦っているみたいだけど大丈夫かしら?
攻撃力2200程度だったら簡単に突破できるでしょう?
ほら、装備カードとか全体強化とか、連合軍とか一族の結束とかそういうの……
「ぼ、ボクのターン、ドロー!
(こうなったら……)見習い魔術師を攻撃表示に変更!」
「攻撃表示?」
攻撃力400を?
だけどももえのモンスターの攻撃力は2200、しかも戦闘では破壊できない。
このモンスターを相手にどうするつもり……
「そのまま見習い魔術師で攻撃!」
「攻撃力の低いモンスターで攻撃ですって?
しかし、スパルティクスの方が攻撃力は上ですわ、返り討ちになさい!」
スパルティクスは持っていた斧で見習い魔術師をぶった斬る。
レイちゃんは1800ものダメージを受けてしまったけど……大丈夫?
「くっ……永続罠、憑依解放を発動!
1ターンに1度しか発動できないけど、このカードが存在する限りに発動できる!
破壊されたモンスターと異なる元々の属性を持つ守備力1500の魔法使い族モンスターを1体
デッキから表側攻撃表示か、裏側守備表示で特殊召喚する!
更に見習い魔術師が戦闘で破壊された場合、デッキからLV2以下の魔法使い族モンスターをセットできる!
ボクは見習い魔術師の効果で新しいマジカル・アンダーテイカーを、憑依解放の効果で地霊使いアウスを裏側守備表示で特殊召喚!」
「地霊使い……そのモンスターを放置するわけにはいきませんね
また新しい霊使いを出されては困りますし、ダメージステップ終了時にハルバードの効果を発動しますわ
その憑依解放を破壊します、これ以上新しい霊使いは出させませんわよ?」
そしてバトルフェイズ終了時に新しい剣闘獣が……
「罠カード、砂漠の光を発動!
自分の場のモンスターを全て表側守備表示にする!」
「それでは……まさか!?」
「そうだよ、ボクのモンスターはマジカル・アンダーテイカーと地霊使いアウス
どちらもリバース効果モンスターだ!
地霊使いアウスの効果とマジカル・アンダーテイカーのリバース効果発動!
マジカル・アンダーテイカーの効果は自分の墓地に存在するLV4以下の魔法使い族モンスターを特殊召喚できる効果!
ボクはこの効果により、さっき破壊された墓地の見習い魔術師を守備表示で特殊召喚!
一応このモンスターは場の魔力カウンターを乗せられるカードに魔力カウンターを乗せる効果が有るけど、今回は使えないから不発になるね
それよりも本命はこっち! 地霊使いアウスの効果発動!
相手の場に存在する地属性モンスター1体のコントロールを得るよ!
ただし、アウスが場から離れたらその奪ったモンスターのコントロールは戻るけどね
当然だけどこの効果の対象はスパルティクス、さぁスパルティクス……こっちにおいで?」
アウスはスパルティクスに睨まれて怯みながらも、涙目になりながら杖を振ってスパルティクスに魔法を使う。
スパルティクスは魔法に掛けられてフラフラしながらレイちゃんの場へ……
隣に怖いモンスターが来て怯えて縮まりながらだけど仕事をできれ安堵の息を吐くアウス。
なんというか……そんな弱気で岩石族とか戦士族とか恐竜族が多い地属性を相手に大丈夫なのかしら?
「スパルティクスのデッキに戻る効果って使わなくてもいいんだよね?
ならボクはこの効果を使わないままにするね、使ったら闘器2枚が手札に戻っちゃうし
(一応、恋する乙女以外でも戦えるようにしたけど……この剣闘獣ってモンスターは天敵過ぎるよ
とりあえず、ももえさん相手に恋する乙女は使えないし、他の戦法で戦うしかないか)」
「(さ、さすがにこれは予想外ですわ……スパルティクスは私のデッキでもかなり高攻撃力なモンスター
しかも戦闘で破壊されない上、下手に攻撃すればハルバードで私の場まで荒らされてしまう……困りましたわね)」
だけどアウスが破壊されたらスパルティクスのコントロールは戻る。
ただ……あの剣闘獣ってモンスターは攻撃力はあまり高くなさそうね。
アウスの守備力は1500、ももえの手札にそれを超えるモンスターは入っているかしら?
「ボクはまだ通常召喚していない
ボクは白魔道士ピケルを召喚して、カードを1枚伏せてターンエンドだよ!」
ピケルは自分の場のモンスターの数×400ポイント、ライフを回復する効果を持つモンスターだったわね。
攻撃力は1200と低めだけど、ライフを回復されるのは厳しいはず……大丈夫かしら?
「私のターンですわ、ドロー……
(困りましたわね、手札のモンスターはスレイブ・エイプ、ムルミロだけで攻撃力が全く足りません
しかも残りは装備カードのグラディウス、ドローカードはディフェンシブ・タクティクス
更に伏せカードはハンディキャップマッチ!のカード……どうにもなりませんわ
戦闘で耐える事もできませんし、一応マジカル・アンダーテイカーちゃんは倒せますが……
次に出したいムルミロは手札、ベストロウリィで伏せカードを破壊するのも有りですけど、状況は良くなりませんわ
ムルミロを出すだけ出して、ディフェンシブ・タクティクスを使う?
いいえ、そんな事をしてもハンディキャップマッチ!をハルバードで破壊されるだけですわね)」
ハルバードが厄介よね、あのカードを装備しているスパルティクスが戦闘をしたらももえのカードが破壊されてしまうもの。
これではももえは下手なカードを出せないわ。
「(どうしようもありませんわね、壁モンスターを出すしかありませんわ)
私はモンスターをセット、カードを1枚伏せてターンエンドですわ」
「ボクのターン、ドロー!
このスタンバイフェイズ、白魔道士ピケルの効果発動!
自分の場のモンスターの数×400ポイント、ボクのライフが回復するよ!
ボクの場にモンスターは5体、よってボクは2000ポイントライフが回復!
これでボクのライフは4200だ!」
かなり回復したわね、ももえも困っているみたい。
それにしてもモンスターと伏せカード……手札が悪かったのかしら?
「(うーん……場にモンスターが埋まってて困るなぁ、伏せカードが使えない)
このままバトルフェイズ! スパルティクスでセットモンスターに攻撃!」
スパルティクスの持つハルバードがセットモンスターを襲う。
ももえのセットモンスターは……猿?
「くっ……スレイブ・エイプの効果を発動しますわ!
このモンスターが戦闘で破壊され、墓地へ送られた時
デッキからLV4以下の剣闘獣1体を特殊召喚できます!
私はデッキからホプロムスを守備表示で特殊召喚しますわ!
更に剣闘獣の特殊召喚に成功したこの瞬間、罠カード、ハンディキャップマッチ!を発動!
デッキからLV4以下の剣闘獣を1体、特殊召喚します!
デッキから剣闘獣ディカエリィを攻撃表示で特殊召喚しますわ!」
守備力2100のホプロムス、そして攻撃力1600のディカエリィ。
どちらもレイちゃんのモンスターの攻撃力を超えている、追撃は来ないわ。
だけどハルバードの効果が発動されて……
「ならスパルティクスに装備されているハルバードの効果を発動!
ももえさんの伏せカードを破壊する!」
…………あら?
「あれ?」
「あらら?」
破壊……されないわね。
「お前ら……ハルバードは浜口のカードだ
いくら早乙女が装備モンスターを奪っても、効果が発動されるのは浜口の場でだぞ?
つまり、ハルバードで破壊するカードを選択するのは早乙女ではなく浜口だ
ちなみにこれは他の装備カードでも同じだからな、コントロールを奪うのなら憶えておけ」
「そ、そんなの教えてもらってないよ!」
「アホか貴様、全部が全部教えてもらえると思うな
自分でもちゃんとこの程度調べておけ、これぐらい誰でも知っているだろうが……なぁ明日香?」
「うぇ? あ、うん、そうね……当たり前よね?
だって発動してるのってももえだもの、これぐらい……ね?」
「明日香……お前、まさか?」
「そ、それでももえが効果を発動するのよね?
どのカードを破壊するの?」
し、知らなかったなんて言えない……言えない!
「ふ、うふふふふ……(知らなかったなんて言えませんわ……バレない内に早く進めましょう)
私が破壊するカードは当然ですが、レイ君の伏せカードですわ!」
レイちゃんの伏せカードはマジシャンズ・サークルだったわ、魔法使い族の展開サポートカードだったわね。
なんだか良い勝負をしてるわ、これはどっちが勝つのかしら?
「うーん……ならバトルフェイズは終了、当たり前だけどスパルティクスの効果は発動しないよ
白魔道士ピケルを守備表示に変更して永続魔法、エクトプラズマーを発動して、エンドフェイズ
エクトプラズマーはお互いのエンドフェイズ時に、ターンプレイヤーは自分の場のモンスター1体をリリースするんだ
そしてリリースしたモンスターの元々の攻撃力の半分のダメージを相手に与える!
ボクが選択するモンスターはスパルティクス、スパルティクスをリリースして1100のダメージだよ!」
「きゃあぁあ!」
レイちゃん……可愛いモンスターばかりなのにエグいカードを使うのね。
そしてアウスが見た目の怖いスパルティクスが消えた事で安心してホッとしてるわ。
もしかしてアウスって怖がりなのかしら?
それはそうとして、スパルティクスに装備されていた2枚のカードも破壊されたわね。
しかも装備モンスターがデッキに戻って装備カードが墓地へ送られたわけじゃない。
だからあの2枚の装備カードも手札に戻らないという事ね。
そしてももえのライフは2800、モンスターは出てるけど少し不利かしら?
「なかなかですわね……私のターン、ドロー
ですがこれ以上はもう何もさせませんわよ?
私は剣闘獣ムルミロを召喚し、ホプロムスを攻撃表示に変更しますわ
ではバトルフェイズ……ホプロムスで白魔道士ピケルちゃんに攻撃しますわ」
ホプロムスの突進に、ピケルは轢かれてしまって吹っ飛ばされちゃったわ。
攻撃力700なのに強力そうな攻撃ね。
「続いてムルミロでマジカル・アンダーテイカーちゃんに攻撃」
ムルミロの肩辺りにあるスクリューが開いてそこから……オモチャの水鉄砲?
それをムルミロが持って……物凄い勢いで発射されたぁ!?
水圧が凄い! オモチャみたいな見た目からは想像できないぐらいの勢いの水鉄砲って何!?
ま、まぁ……とにかくマジカル・アンダーテイカーは水圧に押し流されて破壊されたわ。
「最後にディカエリィでアウスちゃんに攻撃しますわ!」
アウスの目の前まで来て、パンチの構えをして……頭の角で頭突き!?
すっっっごく痛そう……アウスは破壊されちゃったわ。
「ではバトルフェイズを終了する時に、3体の剣闘獣達の効果が発動しますわ
最初にムルミロから、デッキへ戻して剣闘獣ベストロウリィを特殊召喚します
このモンスターは剣闘獣の効果で特殊召喚された時、場の魔法・罠カードを1枚破壊しますわ
この効果により、エクトプラズマーを破壊します」
「うぐぅ!」
「続いてホプロムスをデッキへ戻し、デッキよりムルミロを守備表示で特殊召喚しますわ
ムルミロは場の表側表示のモンスターを1体破壊します、見習い魔術師は破壊させていただきますわ」
「見習い魔術師が……」
見習い魔術師は戦闘で破壊されないと効果を発動できない。
効果で破壊されてはLV2以下の魔法使い族モンスターをセットする効果も使えないわ。
「最後にディカエリィの効果、剣闘獣エクイテを特殊召喚しますわ
このモンスターは特殊召喚成功時に墓地の剣闘獣カードを1枚、手札に加える効果がありますの
私は墓地のスパルティクスを手札に戻しますわ
そしてメインフェイズ2に魔法カード、休息する剣闘獣を発動します
手札の剣闘獣カード2枚をデッキに戻し、3枚ドローするカードですわ
先ほど手札に戻した剣闘獣スパルティクスと剣闘獣の闘器グラディウスをデッキへ戻して3枚ドロー……あ、あら?
えーっと……このままターンエンドですわ」
どんなカードをドローしたのかしら?
まさかまた剣闘獣を出すカード……でもレイちゃんの場にはカードが1枚も無いわ。
手札も無いし、結構絶望的な状況ね。
「(スレイブタイガーが2枚に烏合の行進ですか
助かりますけど、ちょっとこのドローは……)」
「(うぅぅ……ももえさん強すぎるよぉ)
ボクのターン、ドロー!
魔法カード、強欲な壺を発動! デッキからカードを2枚ドロー!
………………こ、恋する乙女を召喚」
「恋する乙女ですか? 恋する……乙女……うふふふふふふふ」
突然ももえが気持ち悪い声を!? ど、どういう事なの!?
落ち着きなさいももえ! レイちゃんが引いてるわよ!
瑞貴は……なんだかあーあって顔をしてる、何故!?
「うふふ……っと、攻撃力400のモンスターを攻撃表示ですの?」
「うん、ボクはカードを1枚伏せて、ターンエンドだよ」
「ふむ……私のターン、ドローですわ
そのモンスターは厄介な効果を持っているのかもしれませんが……残念ながら私には通用しません
自分の場に剣闘獣が存在している場合、スレイブタイガーは手札から特殊召喚できます
このモンスターを2体、特殊召喚しますわ
そしてスレイブタイガーは自身をリリースする事で自分の場の剣闘獣をデッキに戻し、デッキの剣闘獣を特殊召喚する効果があります
更にこの効果で特殊召喚された剣闘獣は、剣闘獣の効果で特殊召喚された扱いになりますの
1体のスレイブタイガーの効果を発動し、ムルミロをデッキに戻して剣闘獣ラクエルを特殊召喚します
このモンスターの攻撃力は1800ですが、剣闘獣の効果で特殊召喚されたら元々の攻撃力は2100になりますの」
攻撃力を上げるだけの効果?
そんなモンスターを出してどういう……
「続いて魔法カード、烏合の行進を発動しますわ
このカードを発動したターン、私は魔法・罠カードを発動できません
しかし自分の場に存在する鳥獣族、獣族、獣戦士族の種類の数だけドローできますわ
私の場には獣族のスレイブタイガー、獣戦士族のラクエル、鳥獣族はエクイテとベストロウリィが存在します
3種類存在するので私は3枚ドローですわ!」
手札が4枚にまで増えた……レイちゃんのモンスターは攻撃力400のモンスターだけ。
ちょっと危ないんじゃないかしら?
「2体目のスレイブタイガーの効果、ベストロウリィをデッキに戻しますわ
デッキからデッキに戻したベストロウリィを特殊召喚しますわ
この効果は戻したモンスターも出せますし、効果も発動できますの
では、ベストロウリィの効果で伏せカードを破壊してもらいますわよ?」
「ぐ……罠カード、和睦の使者を発動!
このターン、ボクは戦闘ダメージを受けず、更にボクのモンスターは戦闘で破壊されない!」
なるほど、これでレイちゃんは安全という事になるわね。
ただ、それもいつまで続くか……
「あらら……では剣闘獣達の絶好の的になるとい事ですわね?
可愛い女の子ですけど、決闘とは非道なもの……」
普通のデッキなら、和睦の使者を発動されたら攻撃しないけど剣闘獣は違う。
戦闘をして初めて効果を得るモンスター……ならば相手がダメージを受けなくとも戦闘する意味は強い。
「そういえばまだ通常召喚してませんでしたわね
私はディカエリィを召喚しますわ
ではバトルフェイズ……とっても悲しいですけど、ラクエルで攻撃しますわ」
ラクエルはジャンプしてそのまま恋する乙女の目の前へ、そして頭に齧り付いた……ひ、酷いわね。
恋する乙女は嫌がりながら振り払って、顔が涎塗れになっちゃったわ。
「罪悪感を感じつつも戦闘は続けますわよ?
続いてエクイテで攻撃しますわ」
エクイテは持っている盾を円盤みたいに投げて恋する乙女に直撃。
恋する乙女は吹っ飛ばされて、でも頑張って立った……健気ね。
「う、うぅぅぅ……ベストロウリィで攻撃しますわ」
恋する乙女をその腕で掴み、そのまま飛び上がって……叩き落としたわね。
凄く痛そうなんだけど、それでも恋する乙女は破壊されない……でも完全に泣いてるわね。
「……ディカエリィで攻撃ですわ」
ディカエリィの大きな拳でお腹を強烈に殴る殴る……でも破壊されない。
見ていて痛々しいんだけど、ももえも勝つ為の戦闘だから攻撃しないわけにはいかない。
ももえは可愛いモノが好きだから、余計に辛そうね、顔が死んでるわ。
「一応、恋する乙女を攻撃したモンスターには乙女カウンターが乗る、とだけ言っておくよ
どうせデッキに戻されたらカウンターも消えちゃうから意味なんて無いけど」
「…………はっ! そ、そうなんですの?
確かにデッキに戻るのでその効果は無意味ですわね
ではバトルフェイズを終了するエンドステップに剣闘獣達の効果を発動しますわ
ラクエルを戻しムルミロを、ムルミロの効果で恋する乙女を破壊しますわよ?
和睦の使者は戦闘で破壊されなくとも、効果による破壊には無力ですもの」
ムルミロが現れて、その魚の口で恋する乙女を一呑み……最後の最後まで酷かったわ。
レイちゃんも自分のモンスターが想像以上に酷い目になって泣きそう、ももえも泣きそう。
私も見ていて気分が悪いし、瑞貴は……普通の顔? っぽいけど、少し機嫌が悪そうに見える気がする。
「……なんだかごめんなさい、でも決闘は続きますわ!
エクイテをデッキへ、剣闘獣レティアリィを……このモンスターの効果は相手の墓地のカードを1枚除外しますわ
また出されては厄介ですし、見習い魔術師を除外しますわよ
次はディカエリィをデッキへ戻し、エクイテを出しますわ
そして墓地の剣闘獣カード、剣闘獣の闘器ハルバードを手札に加えますわ
最後にベストロウリィを戻して、ディカエリィを特殊召喚します
ディカエリィは剣闘獣の効果で特殊召喚された時、戦闘で2回攻撃できますわ
カードを1枚伏せて、ターンエンドですわ」
こ、この状況はさすがに酷いわね。
攻撃力こそ低いけど、それでもこれだけのモンスターを相手にレイちゃんはどうするのかしら?
「ボクのターン……ドロー!
(うん、ボクのデッキはコンボカードが多い事は自覚しているよ
だからって、手札が1枚で場にカードが1枚も無いのにキューピッド・キスが来ても……!)
ボクは何もしないで、ターンエンドだよ」
レイちゃん……
「そうですか……では私のターン、ドローしますわ
それではバトル、ディカエリィで2回攻撃します」
「うぐぅ!」
「残りライフは1000、レティアリィで直接攻撃で終わりですわ!」
「うわああぁぁあ!」
中盤までは良い勝負だったんだけど、最終的な場を見ると圧倒的ね。
レイちゃんは手札が1枚だけ、対するももえは手札が5枚にモンスターが4体に伏せカードが1枚。
これはもう圧倒的な差なんだけど、瑞貴の言っていた相性の悪いってなんだったのかしら?
結局乙女カウンターがどんな効果かもわからなかったし、わかったのはレイちゃんのデッキが魔法使い族デッキだって事ぐらいかしら?
「うあぁあああ……ま、負けたぁー!」
「だから相性が悪いと言っただろうが、健闘はしていたとは思うがな」
「あんなにカードを破壊されまくったらどうしようも無いよぉ……
しかもデッキに戻って場に残ってくれないから何もできないし」
「今後の課題だな」
「ちぇ、はぁーい」
頑張ったんだけど、本人達が言うにはやっぱり相性が悪かったみたいね。
そしてももえも強くなったわね、というか別人みたい……デッキも含めて。
「うふふふふ、それでレイ君でしたわね?
ちょっと私とお話を……」
「待て浜口、そういうのは止めろと言っただろうが」
「私が勝ったんですから少しぐらい良いではありませんか
ちょっとだけでいいですから、ね?」
「お前なぁ……ちょっといい加減にしろよ?」
「そこのところをなんとか……なんとかしてくださいませんか?」
「………………」
あぁ、何故かわからないけど瑞貴が怒ってるわ。
巻き込まれたくないし、逃げようかしら?
レイちゃんもオロオロしてるし、レイちゃんを連れて逃げるとしましょう。
………………
…………
……
幸い、瑞貴は私達は見逃してくれたのかアッサリと抜け出せた。
レイちゃんを部屋へ送り、私は部屋にでも戻ろうかと思ったんだけど……あら?
なんか、ジュンコが十代を連れて崖下に向かっているわ。
ちょっと意外な組み合わせね、どうしたのかしら?
よくわからないけど、気になった私は崖の上から2人を見る事にした。
前に恵に負けてからやる気がちょっと無くなったみたいな十代だけど、どうしてジュンコが?
なんかジュンコが十代に叫んでいるというか、文句を言っているというか、そんな感じね。
十代は生返事を返してるだけだけど、それだとジュンコが怒るわよ?
案の定、十代の態度が気に入らなかったみたいで、ジュンコが十代に決闘盤を投げ渡した。
ジュンコは準備万端、十代は仕方ないって感じで決闘盤を装着して……2人の決闘が始まった。
先行はジュンコね。
最初は……この前の瑞貴と恵と決闘した時と同じね、海皇子 ネプトアビスを召喚して効果を発動。
確か効果はデッキから海皇モンスターを1体墓地へ送って、デッキのネプトアビス以外の海皇を手札に加えるんだったわね。
海皇の竜騎隊を墓地へ送って、海皇竜 ポセイドラを手札に加えたわね。
海皇の竜騎隊は水属性の効果で墓地へ送られた時に効果を発動だったわね。
デッキから海皇の竜騎隊以外の海竜族モンスター1体を手札に加える効果だったはず。
デッキから手札に加えたカードは……海皇の重装兵ね。
そしてカードを3枚も伏せてターンエンド、伏せるカードが多いわね。
十代のターン、ちょっとやる気を感じられないドローね。
最初は融合を発動ね、手札のワイルドマンとフェザーマンを融合、E・HERO ワイルド・ウィングマンを融合召喚ね。
確か手札のカードを1枚捨てて、場の魔法・罠カードを1枚破壊する効果だったかしら?
十代はその効果を発動、手札を1枚捨ててジュンコの伏せカードを破壊しようとする。
だけどジュンコは伏せていた永続罠カードを発動したわ。
えーっとカード名は……デモンズ・チェーンね。
鎖がワイルド・ウィングマンを捉え、効果の発動も無効にしたわ。
なんだか攻撃もできなさそうだけど、これで十代は攻撃……融合解除!?
十代の場にフェザーマンとワイルドマンが現れた、ジュンコも驚いているわ。
十代はちょっと溜め息を吐いて、ネプトアビスに攻撃をする。
ワイルドマンの剣がネプトアビスを切り裂き破壊、そしてフェザーマンがジュンコに直接攻撃。
合計1700のダメージを受け、ジュンコのライフは残り2300にまで減ったわ。
最後に十代はカードを1枚伏せてターンエンドね。
だけどエンドフェイズ、ジュンコは伏せていた永続罠、心鎮壺のレプリカってカードを発動したわ。
えーっと、場にセットされているカードを1枚選択して、このカードが存在する限り発動できない?
しかも心鎮壺のレプリカの発動に対して相手はモンスター効果・魔法・罠カードを発動できない効果まで!
これで十代は伏せカードの発動を封じられたわね。
次はジュンコのドロー、まだまだやる気満々みたい。
永続罠のリミット・リバースを発動したわ、自分の墓地の攻撃力1000以下のモンスターを攻撃表示で特殊召喚するカードだったわね。
ネプトアビスの攻撃力は800、ネプトアビスの効果を発動して海皇の竜騎隊を墓地へ送ったわ。
そしてデッキから魔法カードの海皇カード、海皇の咆哮を手札に加えたわ。
海皇の竜騎隊の効果でネプトアビスを手札に加えたわ。
続いてジュンコは海皇の重装兵を召喚、確かLV4以下の海竜族を召喚できる効果だったわね。
ジュンコは海皇の狙撃兵を召喚……って、これってこの前と同じ!
場のLV3以下の水属性モンスター3体をリリースして、海皇龍 ポセイドラを手札から特殊召喚。
攻撃力は2800、しかも場の魔法・罠カードを全て手札に戻すハリケーンの効果。
その前に海皇の狙撃兵と海皇の重装兵の効果が発動する。
狙撃兵はセットされているカード、重装兵は表側表示のカードを1枚破壊する。
狙撃兵で心鎮壺のレプリカで発動を封じられている伏せカードを破壊、破壊されたカードは……ヒーロー・メダル?
確かあのカードは相手に破壊されて墓地へ送られた時、デッキに戻って1枚ドローする効果だったわね。
相手の効果で……狙撃兵の効果で破壊されたからドローされたわね。
そして重装兵の効果でワイルドマンが破壊される。
最後にポセイドラの効果、魔法・罠カードを全て手札に……って、ジュンコのカードが全部場に残ってる!?
心鎮壺のレプリカは対象になったカードが場から離れても残るのね。
そしてリミット・リバース、デモンズ・チェーンは対象モンスターが破壊されていないから残っている。
残っているのに、ポセイドラの効果が発動してそれらのカードが全てジュンコの手札に……
そして手札に戻った枚数が3枚以上の時、ポセイドラの効果で手札に戻した数×300ポイント相手のモンスターの攻撃力がダウンする。
これでフェザーマンの攻撃力は900ポイントダウンし、攻撃力が僅か100にまで減ってしまった。
ポセイドラの攻撃でフェザーマンが破壊されてしまう。
十代は2700のダメージを受け、残りライフは1300になってしまったわ。
この時にジュンコが十代に何か言っている、だけど何を言っているのかちょっとわからないわね。
だけど、十代にやる気が出ている事はわかるわ。
ジュンコはカードを4枚伏せて、ターンエンドね。
十代のターン、さっきよりもやる気の有るドローをしたわ。
魔法カード、強欲な壺を発動して2枚ドローしたわね。
魔法カードの戦士の生還、墓地の戦士族モンスター1体を手札に加える効果だったわね。
その効果でワイルドマンを手札に加えて召喚、そして装備魔法のサイクロン・ブーメランを装備させたわ。
ワイルドマンの攻撃力が500ポイントアップした。
そしてそのままワイルドマンでポセイドラに攻撃ですって?
ジュンコも何か有ると思ってデモンズ・チェーンを発動してワイルドマンの動きを止める。
だけどワイルドマンは罠カードの効果を受けなかったみたいで、ブーメランで鎖を破壊していった。
ワイルドマンはブーメランを投げるけどポセイドラは避け、ポセイドラの水流のブレスでワイルドマンが吹っ飛ばされて破壊されてしまった。
だけど場にはワイルドマンが投げたブーメランが残っていた。
ジュンコの魔法・罠カードを全て破壊して……えぇ!?
なるほど……サイクロン・ブーメランは装備モンスターが破壊されてこのカードも墓地へ送られた時に効果を発動するのね。
場の魔法・罠カードを全て破壊し、更に相手に破壊したカードの枚数×500ポイントのダメージまで与える。
十代は800の戦闘ダメージを、ジュンコは2000もの効果ダメージを受けたわ。
十代の残りライフは500、ジュンコの残りライフは300……ライフ差は殆ど無い。
ジュンコが唖然としてるけど、十代は調子を取り戻してきたのか不敵に笑っている。
十代は最後にカードを1枚伏せてターンエンドね。
そういえばジュンコが破壊されたカードの中に、さっきネプトアビスの効果で手札に加えたカードも入っていたわね。
そしてジュンコのターン、なんだか悔しそうな顔をしながらも楽しそうにドローする。
ジュンコは攻撃力1400の海皇の突撃兵を召喚したわ。
えーっと、自分以外の魚族・海竜族・水族が存在している場合、攻撃力が800ポイントアップする効果ね。
ジュンコの場にはポセイドラが存在している、だから攻撃力は2200にまでアップするのね。
ポセイドラで十代に攻撃、これが決まればジュンコの勝ちだけど……そうはいかなかったわ。
十代の伏せていたカードはカウンター罠、攻撃の無力化だった。
相手の攻撃を無効にし、バトルフェイズを終了させるカードだったわね。
ジュンコはそのままターンエンドか……
このターンで決めないと、十代の勝利は厳しいでしょうね。
十代も当然それを理解しているから緊張しているみたいだけど、楽しそうに決闘をしてるわ。
ジュンコとの決闘で、十代はやる気を取り戻したみたいね。
そして十代のドロー……十代はバブルマンを特殊召喚、場にカードが無いから2枚ドローね。
十代は魔法カード、ミラクル・フュージョンを発動した、墓地のE・HEROを除外して融合するカードだったわね。
だけど墓地のモンスターはワイルドマンとフェザーマンだけで、融合しても出てくるのはさっきの……エッジマンとワイルドマンですって!?
エッジマンなんて……そういえばワイルド・ウィングマンの効果の時に手札を捨ててたわね、あの時のカードがエッジマンだったって事ね。
そして現れるE・HERO ワイルドジャギーマン、攻撃力2600の全体攻撃モンスター。
でもジュンコの場には攻撃力2800のポセイドラ、このままだと勝てないわよ?
十代は魔法カード、受け継がれる力を発動したわ。
自分の場のモンスター1体を墓地へ送り、自分の場のモンスター1体を選択する。
ターン終了時まで墓地へ送ったモンスターの攻撃力分、選択したモンスターの攻撃力をアップするカード。
十代はバブルマンを墓地へ送り、バブルマンの攻撃力である800ポイントだけワイルドジャギーマンの攻撃力がアップ。
ワイルドジャギーマンの攻撃力は3400……
ワイルドジャギーマンの攻撃、ポセイドラは破壊されてしまう。
ポセイドラの攻撃力は2800、よってジュンコの受けるダメージは600……ジュンコのライフは尽きたわ。
だけど全体攻撃は続けるみたいで、ワイルドジャギーマンは構えている。海皇の突撃兵の攻撃力は2200、海皇の突撃兵の攻撃力は自身以外のモンスターが存在しなければならないわ。
ジュンコの場にモンスターは海皇の突撃兵のみ、よって海皇の突撃兵の攻撃力は1400に戻る。
ワイルドジャギーマンの連続攻撃、これにより海皇の突撃兵は破壊され、決闘の決着がついた。
十代の勝利、いつものポーズを決め、そして決めポーズ。
ジュンコは負けて座り込んじゃったけど、十代が元に戻って嬉しそうね。
十代に手を差し出され、その手を掴んで立ち上がる。
お尻の砂を払って……なにか十代と話してるわね、ここまで声は聞こえないわ。
これ以上見ていてもアレだし、今度こそ私も戻ろうかしら?
そんな事を考え、離れる前の最後にチラッと十代達を見てみると……?
えっと、ジュンコが十代の顔に凄く近いぐらいまで顔を寄せているわね。
確か、あんな状態の時はなんて言うんだったかしら? 頬にジュンコの唇が当たってるんだけど……
そう、確かキスだったわね、ジュンコが十代の頬にキス……キス!?
ジュンコは顔を真っ赤にして逃げ出した、十代は唖然として見送ったわ。
十代はキスされた頬を抑え、顔が段々と赤くなってあっちこっちを見て混乱している。
少し落ち着いたのか、軽く深呼吸をしてその場から離れていった。
私もあの場で見ているなんてできなかったからすぐに離れた。
ジュンコが十代の事を……好きだったのね、全く気付かなかったわ。
私はあまり恋愛に興味が無いし、別に好きな人なんて……うん、居ないわよね?
あ、そういえば瑞貴はどうなったのかしら?
確かももえと言い合いをしていたはずだし、ももえを回収するついでに会っておきましょう。
……なんで私、今瑞貴の事を思い出したのかしら?
まぁどっちにしてもももえも回収しないといけなかったし、気にするような事じゃないわね。
レッド寮の瑞貴の部屋をノックして確認するとレイちゃんだけだった。
どうやらまだ瑞貴は帰っていなかったみたい、どうせだからレイちゃんと一緒に少し待つ事にした。
きっとももえも1度こっちに来ると思うし。
暫く待つと瑞貴だけが帰って来て、ももえは居なかったわ。
瑞貴にももえの行方を質問すると、無理やり帰したですって……大丈夫かしら?
うーん、なんだか胸がモヤモヤするわね、あんなシーンを見たから?
瑞貴とレイちゃんと別れ、1人で部屋に戻る。
ももえの部屋を確認するとちゃんとももえは戻っていたわ、ただ凄く残念そうにして落ち込んでいたけど。
ついでにジュンコの部屋にも行ってみる、顔が真っ赤で凄くぎこちない態度で見ていて可愛かったわ。
そしてレイちゃんは亮の事が好きなんだったわね……好きな人ができた女の子ってみんな可愛いのね。
私もいつか、好きな人ができてあんな可愛くなれるのかしら?
……ふふ、私に恋愛はまだ早いわね。
だって私は決闘者、恋なんてしている時間より、もっと強くなりたい。
私の心はそれで満ちている、そこに入るモノなんて何も……
「今日の最強カードは地霊使いアウスだよ!
攻撃力500・守備力1500、LV3の地属性魔法使い族モンスター!
リバース効果で、相手の場に存在する地属性モンスターのコントロールを得るんだ
だけど、アウスが場から離れたらコントロールしているモンスターのコントロールも戻っちゃう
だからアウスを頑張って維持するか、奪ったモンスターをなんとかしないとね」
「今回、レイちゃんのデッキが把握できなかったわ……」
「そりゃあんなデッキだと把握できないだろうな
それはそうと、アウスは奪ったモンスターから憑依装着させるのも十分有りだからそちらも視野に入れたいな
憑依解放なんてカードも有るのだし、色々と狙ってみるのも有りかもしれないぞ」
「今回は負けたけど、次こそはきっと勝ってみせる!」
「(実は明日香と決闘したら結構楽に勝てそうなんだけどな
それは言わないでおこう、明日香がショックを受けそうだし)」
Q.ももえのレイに対する態度は何?
A.旧作を読んだ人は知っていますね、アレです。
読んでいない人に簡単に言うと、レイに一目惚れです。
どうしてそうなったかって? 可愛い男の子だからですね、はい。
ももえの好みはイケメンじゃなかったのかって?
好みがイケメンだからって惚れる相手がイケメンとは限らない!
アレですね、本人の知らない好みが今まで隠れていたという事です。
当然ですが、ももえはレイが女の子だという事は知りません。
Q.明日香はももえがレイにって……
A.気付いていません、だって鈍感さんだもの。
頑張れ明日香、君の恋心は決闘に向き過ぎなければきっと女の子できるよ!
あと、漢らしすぎるのもどうにかすれば……それと鈍感なのも注意して!
更に……多すぎますね、諦めます。
Q.レイのデッキはどうなったの?
A.【ローレベル魔法使い】ですかね? コントロール奪取軸になります。
恋する乙女、霊使いでコントロールを奪取して殴り、エクトプラズマーで射出します。
時々憑依装着が出てきて殴ります、最上級モンスターは入っていません。
上級のミュータント・ハイブレインぐらいですね、それ以外にもコントロール奪取の魔法使い族が多く入っています。
それに霊使いが入っているからかリバース効果モンスターも多いですね。
憑依解放から霊使いで相手モンスターの様々な属性から奪い、奪って殴るか憑依装着に進化。
憑依装着を使わない場合は射出して処理、またはハッピー・マリッジで味方モンスターの強化ですね。
まぁ……当然ながら剣闘獣はかなり厄介な相手となります。
場を荒らされるだけならまだしも、属性がバラけていますしスレイブタイガーの効果で入れ替えられる事もあります。
乙女カウンターを乗せてもすぐに逃げますし、単純に展開速度でも勝てません。
正直、今回レイは頑張ったと思います……が、やはり勝てませんでした。
Q.ももえのデッキは前から何か変わった?
A.前に比べて展開力が上昇するように組まれましたが、やはりまだパーミッション系は入っていません。
そして相変わらず融合系も入っていません。
場に出すモンスターを増やし、どんな状況でもなんとかするタイプになりますね。
猫ちゃんとかスレイブタイガーの効果で色々と出てきます、やはり獣族の色がまだ強めですね。
Q.みんな勘違いしているハルバードの効果発動者。
A.装備カードをコントロールしているプレイヤーが効果を発動するんですよね、これ。
モンスターを奪った場合は勘違いしそうですけどね。
今回彼女達は全員勘違いしていました。
Q.女の子モンスターが剣闘獣にボロボロにされてる……
A.アニメのフェザーマンとかスパークマンみたいに何かを飛ばすタイプじゃないですからね……
己の肉体で殴り合いをするのが剣闘獣、少々やり過ぎた気もします。
別に今回破壊されたモンスター達に恨みとかは無いですけど、攻撃されてしまったのは仕方ないですね。
ももえも罪悪感を感じていますが、作者も地味にダメージが……
Q.レイのデッキに女の子モンスターが多い?
A.多いですね、恋する乙女だから仕方ない。
霊使いもコントロール奪取系ですし、女の子モンスターばかりで固めてみました。
というか、低LV魔法使い族って可愛い見た目が多いから、意識しなくとも勝手に……
Q.決闘後の瑞貴とももえの会話ってどうなったの?
A.最終的に瑞貴が切れました、ももえがしつこいので。
まぁ……なんとかなったんだからいいんじゃないですかね?
レイの今後とももえの未来に期待してあげましょう。
Q.ジュンコと十代はどんな会話を?
A.ご想像にお任せします、作者は何も語りません。
Q.ジュンコがセルフ・バウンスを使っている……だと?
A.強化されたようです、現在も水精鱗は使っていません。
現在のところ、今後も使う予定はありませんが……作者のちょっとした気紛れで前言撤回するかも。
現在も勉強中、今度も彼女は強化されていくでしょう。
ただ、今回出したかったモンスターが出せなかった事が残念でした……
まぁ綺麗に終わったから良しとします。
Q.サイクロン・ブーメランの効果が違う?
A.原作効果ですね、戦闘破壊されても普通に発動されていました。
更にダメージも500と高く、結構強いカードでした。
OCG効果はちょっと弱体化し過ぎな気がしますが、このままだと強すぎたか……
いや、専用装備ですからそうでもないかも?
Q.初キスはジュンコ→十代か……
A.意味不明カップル、原作的に全く無いですね。
まぁそれを言うのならももえ→レイも無いですね、本当に全くと言っていいぐらいに。
Q.明日香はどうなってるの?
A.何やら色々な感情で頭がぐちゃぐちゃのようですね。
彼女の恋はどうなる事やら……色々と障害は多いでしょうが頑張ってもらいたいものです。
まぁ……彼女本人が恋愛を否定している時点で難しいでしょうけどね。
Q.恋愛話が続き過ぎてる気がするけど?
A.恋する乙女編ですので仕方ない。
今回は女の子達は全力で恋をしてもらいましょう。
彼女達だって乙女ですからね、1名方向性を間違えている気がする人がいますが無視。
Twitter、別に大した内容は無いですよ?
https://twitter.com/KuriaAin