防衛大学校"校内ロックダウン"中にスキー合宿 飲み会で複数が新型コロナに感染か
2022年02月09日 19時20分 文春オンライン
2022年02月09日 19時20分 文春オンライン
2022年02月09日 17時00分 文春オンライン
記念講堂で、濃厚接触者の学生らが体を横たえる
新型コロナウイルスのオミクロン株が猛威を振るう中、独自の「校内ロックダウン」を実施している防衛大学校。今年1月17日から21日、防衛大が「スキー訓練」を実施後、複数の学生がコロナに感染していたことが「週刊文春」の取材でわかった。
全寮制の防衛大では現在、すべての学生に〈外出は当面の間、禁止〉と通達している。1月5日に行った抗原検査で複数の学生の陽性が確認されたことを受け、その日のうちにロックダウンすることを決定。対面授業と訓練は当面中止、陽性者と濃厚接触者は敷地内にある体育館などで隔離されることになった。年明けからの陽性者は2月7日時点で150名以上、濃厚接触者は200名以上になるという。
「プライベートな空間は全くない状態で学生たちが隔離されています。被災地の避難所のような状況。特に総合体育館は、空調設備もないため非常に寒い。そんな場所で何週間も雑魚寝して過ごすのは辛すぎる。体調を崩してしまいます」(配膳を担当する1年生)
その後、1月17日にロックダウンは一部緩和。対面授業と訓練は再開されたが、陽性者と濃厚接触者の隔離は引き続き行われている。
そんな状況下で開催されたスキー訓練。毎年、2年生だけが参加する恒例行事で、新潟県妙高市のゲレンデで行われる。学生たちによると、「他の訓練とは違い、“思い出づくり”の意味合いが強い」“合宿”のようなイベントだという。参加した2年生が語る。
「昨年は新型コロナウイルスの感染状況が悪化していたため、実施は見送られました。ところが今年は実施されたのです。圧倒的に今の方が感染者数は多いので、『当然ないだろう』と思っていたのですが……」
■訓練期間中に下された驚きの指示
しかし、防衛大側は「この学年で陽性者は出ていないから」という理由で実施。さらに訓練期間中には“ある指示”が下されたと、学生は明かす。
「『訓練部長から“幹部との懇談では飲酒してもいい”と許可が下りた』と通達が回ってきたのです。その後、3人~5人で泊まる部屋に多い時は10人くらいの学生が入って、飲み会になりました。まさに“三密”そのものの状態で、中には泥酔している人もいました。そして、スキー訓練を終えて学校に戻ると、参加していた2年生から複数の陽性者が出たのです」(同前)
防衛大にスキー訓練で幹部と学生が“飲み会”をしたこと、訓練後、参加した学生に感染者が出たことについて問い合わせると、「訓練に参加した学生に対しては、宿での飲酒は禁じており、また、訓練部長が懇談時の飲酒を許可した事実もありません。訓練開始の時点では、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の発出がなく、感染拡大防止策を講じた上で実施可能であると判断したため、スキー訓練を実施しました。スキー訓練に参加した学生から、新型コロナウイルスの陽性者が複数出ていることは事実です」などと回答した。
現在配信中の「 週刊文春 電子版 」および2月10日(木)発売の「週刊文春」では、防衛大「校内ロックダウン」の詳しい内容、隔離された学生の過酷な現状、スキー訓練で行われた幹部との飲み会の様子などを写真とともに報じている。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2022年2月17日号)
記事にコメントを書いてみませんか?