本気禁止制限決闘   作:阿音

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今回はタッグ決闘だと言ったな、それは嘘だ。
……というのはアレですが、今回は要望が多かったので閑話です。
次回こそ本当にタッグ決闘に入ります。

今回はオマケの話なので短いですね。
決闘も短いですし、あまりおもしろくないかも?
ところで恵ちゃんってレインが苗字で恵が名前でいいんですよね?

次回は22日ぐらいを予定しています。
誰得ですが一応Twitterのアドレスを置いておきます。
https://twitter.com/KuriaAin
これは後書きの方がいいですかね?


12話【タッグ結成→名前】

制裁タッグの日程が決まり、それでも特に変わらず普段通りの生活をしている。

自分の楽しいと思うデッキを作ったり、相手を苦しめるだけのデッキを作ったり。

そんな感じで残り数日という時、最近多い来客に新しい奴が現れた。

珍しい事に、随分険しい顔をした前田だったが、どうしたんだ?

 

「随分珍しい奴が来たな、どうしたんだ?」

 

「強いカードを売ってるって話を聞いてきたんだな、俺にカードを売ってくれ!」

 

「……これまた突然だな、急ぐような事か?」

 

「俺、明日父ちゃんと決闘するんだな、そして負けたら……退学にさせられちゃうんだな」

 

退学とはまた……随分と突然だな。

しかしこの時期に退学か……今はまだ5月半ばだぞ? 時期が変だと思うのだが何故だろうか?

前田は高校生、しかも留年している上にこの学園は孤島なので当然ながらアルバイトなんてできない。

本人に稼ぎが無いのなら当然ながら学費は両親が支払っているはず、なのに今更退学というのも変な話だ。

 

可能性として考えられるのは、父親は学費に関して関わっておらず、後日に前田が留年している事を知った。

そして前田の現状を知り、家に連れ返そうとしている。

他には父親は家には普段居ない状態で、最近帰ってきて前田の現状を知る、後は以下略。

後はそうだな……前田が留年したと知らずに学費を払ったが、何かが理由で留年の事を今更知ったとか?

さすがにこれは無いだろうな、通知表っていう物が家に送られるだろうし、どれかとなれば2つ目か?

 

まぁ、色々と推測はしてみたが、別に俺は前田が家に連れ戻されようが退学になろうがどうでもいい。

一応メインキャラとは思うが……こいつはそこまで嫌いでもないとはいえ、やはりあまり付き合いたくない人物だ。

しかし、ここまで必死になって来ているんだ、本気みたいだし手を貸すのも悪くないかな?

 

「色々と有るのはわかった、とりあえず話は入ってからでいいだろ」

 

前田を部屋に入れ、適当な所に座らせる。

自分の部屋と雰囲気等が違うからか、キョロキョロとしているが……あまり見るな。

 

「あの、ちょっと訊きたいんだけどいいかな?」

 

「なんだ?」

 

「その……どうしてレインさんがこの部屋に?」

 

「最近毎日来るんだ、追い返しても翌日に来るから諦めた

別に何かするわけでもないし、悪さをするわけでもない

あそこで座ってるだけだし黙ってるから放置している」

 

「………………」

 

先日の決闘の翌日から毎日レインは俺の部屋にやってくる。

特に用が有るわけでもないし、デッキ調整だとかタッグに関してかと思えばそうでもない。

ただただ部屋で正座をしてボーっとしているだけ、何がしたいのかさっぱりわからん。

とはいえ、帰れと言えば帰るし、黙れと言えば黙る、会話を投げれば返事をするし、動くなと言えば本当に動かん。

俺の命令には忠実だし、レインがそこに居るという鬱陶しささえ我慢すれば無害だから基本的に無視している。

最初は我慢できなかったが、最近は慣れてきてレインがそこに居ようとも気にならなくなってきた。

 

「レインの事は置いておくとして、どういうカードが欲しいんだ?

『自分のデッキの為の強いカード』が欲しいのか

『自分のデッキよりも強いカード』が欲しいのか、どっちだ?」

 

「……どういう意味なんだな?」

 

「前者は自分のデッキを強化する為のカードだな

前田は獣族デッキだったか? それならそれに関係するような強力なカードを入れるとかだな

獣族の専用サポートカードとか、相性の良いモンスターとか、そういうのだ

後者は自分のデッキのテーマや使い方を完全に無視し、ただただ勝利を目的とした為のカードだ

そうだな……例えばエクゾディアとかだと、ただ自分がエクゾディアを揃えるだけで勝利する

他にも前田のデッキ内容を完全に無視した、本当に『強い』だけのデッキとかだな」

 

「…………」

 

「俺が色んなデッキを使っているのは知っているよな?

どちらかと言えば俺の戦い方は前者に近い、あのカードを使いたい、このコンボを決めたい

それを目標にしたデッキとかを使う事も多いからな

勝利を求めるのは当然として、そこまでにやりたい事を決める、俺はそれが好きだ

別に後者を否定している訳でもない、コンセプトを無視して勝利だけを求めるのも悪いとは思わないからな

俺は単にそれがあまり好きじゃないだけで、自分のやりたい事をしたいだけだからな」

 

元の世界だとファンデッキとかテーマデッキは肩身が狭いからな……後ロックとかも。

仮にロックデッキだったとしても、やりたい事や決めたい事も有るんだけど、やはり好かれないからな。

例えば波動キャノンを破壊されずに一撃で8000ダメージを与えるとかロマンじゃないか。

それを決める為、相手の行動を阻害してぶっぱなす……こんな感じのテーマだって後者よりも前者だ。

勝つ為だけならばそんな面倒な事をしないでも、大会優勝者とかが使うようなデッキを使えばいいんだからな。

俺はそういう、ただ強いだけのデッキっていうのは好みじゃないから使わないだけ。

この世界で本気で勝つなら、俺だって世界観無視して滅茶苦茶な決闘もできるしな、しないけど。

 

「無理に決める必要は無いぞ?

どういう効果のカードが欲しいとか、コンセプトとかテーマとかを教えてくれたら俺が選ぶし

自分で探したいというならそれはそれで構わないが、時間がかかるからあまりオススメできないな

明日が期限なんだったら時間も少ないし、俺が選んだ方が早いだろう

ついでに……カードの売買は受け付けるがデッキの構築に関しては俺は関与しないからな?

その辺りは部屋に戻って自分でやってくれ、遊城と一緒にするのもいいと思うし」

 

「…………少し、考えてもいいか?」

 

「いいぞ、別に無理強いするつもりも無いしな

俺のカードなんて買わずに自力でなんとかするも有りだと思うし?

どの方法が良いかなんて俺は分からないし、自分で決めるべきだろ」

 

「………………頑張って」

 

うおぉ! 突然話すなよお前! 驚いただろうが!

ほら、前田も驚いてあの小さな目を見開いてるぞ。

そしてレイン、何故驚いているのか全く分からないという顔は止めろ。

ずっと黙っていた奴が突然声を出したら誰でも驚くに決まってるだろうが!

 

「ま、まぁなんだ、ちょっと意外だったんだな」

 

「何がだ?」

 

「瑞貴って、なんだか冷たいように思ってたけど、話してみるとそうでもないって」

 

「名前で呼ぶなよ、別に親しくもないんだから

それに、俺は冷たく思われるような事をした記憶は無いんだけどな

俺は自分に素直に生きている、自分が嫌な事は強引にでもどけたりするしな」

 

「そうかもしれないけど、今は俺にアドバイスとかしてくれたし

なんだかんだで相談に乗ってくれたんだな、それは嬉しい事なんだ」

 

「面倒事はさっさと終わらせたいだけだ、それに今は暇だったしな

別に前田を嬉しくさせようだなんて思ってもいないし、前田が退学になろうがどうなろうが俺に興味は無い」

 

「それでもなんだな」

 

……なんだか、本心で言っているんだがツンデレっぽく聞こえるようで嫌だ、自分が嫌だ。

男のツンデレとか誰得だよ、気持ち悪いだけだろうがそれは。

アドバイスとか送ったつもりも無いし、ただカードを買いたいと言うから話しただけなんだがな。

どこをどう勘違いすればそんな考えになるのか……意味がわからん。

 

「………………なんだかんだで、優しい所も有る」

 

「違うだろうが、話をややこしくするなレイン、追い出すぞ」

 

「………………」

 

言いたい事だけ言って黙りやがったこいつ。

しかも無表情だからどういう考えで言ったのかさっぱりわからん。

後前田、お前も苦笑いというか、そういう顔をするのは止めろ。

 

「レインの事はさて置き、商談に入るか? それとも買わずに自力で頑張ってみるか?

俺はどっちでもいい、好きに選べばいいさ」

 

というか、よく考えたらこいつが退学になった方が都合が良い気がする。

主要キャラが減るんだから面倒なイベントも減るんだよな?

今回みたいな、相手から来るような面倒が減ると考えれば……退学させられた方が俺には良いんじゃないか?

前田がどうなろうと俺の知った事ではないんだし、やはり断るのも有りか?

 

「うん、決めたんだな」

 

「それで?」

 

「やっぱり、俺は自分の力で頑張ってみるんだな

それに、みず……堅守の言う通り俺には十代や翔も居る、2人に相談しながら頑張るんだな」

 

「そうかい、前田がそう決めたのなら俺は何も言わん

もう用は無いだろ? ならさっさと戻ってデッキ調整でもしな」

 

「そうするんだな、相談に乗ってくれて、ありがとなんだな」

 

「やめろ気持ち悪い、礼なんて言われたら鳥肌が立つ」

 

「酷いんだな……でも、じゃあな」

 

苦笑しながら酷いとか言っても、あまりそう思っていないように見えるぞ。

前田はそのまま部屋から出て行った、遊城とカードの相談でもしてるんじゃないかね?

まぁどうでもいいけどな、俺には関係無い。

 

「…………いいの?」

 

「前田の事か? 別に放っておけ、関わる必要も無い」

 

「…………そう」

 

本当に、こいつの目的がさっぱりだ。

こいつは俺をどうしたいのか、俺をどう思っているのか全くわからん。

どうしたものかね……放置するんだけどな。

 

さて、今からどうするか……と、考えていると強いノック音。

このノック音は明日香だな、最近は来ていなかったがとうとう来たか。

明日香はデッキの構築や試してみたい、または思いついたコンボ等が浮かぶとよく来る。

基本的に学園で話す事も多いのだが、思いついたら即行動という行動派なので今までも来ていたんだが……

 

「………………?」

 

レインが部屋に居る事、何か言われるのかねぇ?

別に明日香が関与する事ではないんだが、なんとなく言われる気がする。

若干面倒事が起きる気もしながら扉を明けると、普段通りの顔をした明日香が居た。

のだが、俺の部屋の中に居るレインの姿が見えた瞬間、表情が凍りついた。

 

「……えっと、瑞貴?

何故、レインさんがこの部屋に、居るのかしら?」

 

「顔が引き攣ってるぞ、気持ち悪いからそれを止めろ

レインが俺の部屋に居るのは知らん、最近妙に来て追い返すのも面倒になったから放置している

少し話すぐらいで別に何も無いぞ、殆ど身動きもしないでジッとしてるからな」

 

「………………だれ?」

 

「天上院明日香、俺に借金をしている奴で現在貧乏人に両足どころか頭までどっぷりと浸かっている奴

多分一応仮にでもという前提で俺の友人という奴になる可能性を持っているかもしれないという仮定をしていい奴だ」

 

「説明が酷過ぎない!?」

 

「…………そう、友人(仮)なのね」

 

「態々括弧仮括弧閉じるって言わなくても良いじゃない!

なんで不満そうな顔をしてるの!? 私何かレインさんに悪い事した!?」

 

「……………………別に」

 

「口を尖らせながらそっぽを向いたら肯定しているようなものだと思うわよ!」

 

「…………そうなの?」

 

「無自覚!?」

 

「お前ら、俺に漫才を見せに来たのか?」

 

こいつらお互いに殆ど初対面に等しいんだよな? レインは明日香の事を知らないみたいだし。

明日香は名前は知っているが話した事は無いという感じか?

息の合った漫才だが、こいつら2人揃って何をしに来たんだ?

 

「…………シンクロ」

 

「レイン!?」

 

「え、何それ?」

 

「………………ふ」

 

「何よその態度、気分悪いわよ」

 

レインの奴の態度から考えて、どうやら俺が明日香にシンクロ召喚を教えたのか確認したらしい。

そして明日香はそれを知らないとわかるなり、勝ち誇ったような顔をしやがった。

こいつは感情が稀薄なのか豊かなのかよくわからん。

 

「ちょっと瑞貴、シンクロって何?

さっきの態度からして何か知ってるんでしょ?」

 

「ノーコメントだ」

 

「なによ、私だけ除け者にして……」

 

いや、俺は元々話すつもりは無かったんだがな。

それをレインが勝手にしたから今も困ってるのは俺だぞ?

 

「というか瑞貴、いつの間にレインさんと仲良くなったの?」

 

「別に仲良くなったつもりは無いぞ?

強いて言うなら、レインとは1回だけ決闘したぐらいだ」

 

「その割には随分と好かれてるように見えるけど……」

 

「不思議だな、俺も不思議だと思う

それでレイン、良い機会だから訊くけど、お前は俺をどう思ってるんだ?」

 

「超ドストレートにそんな事普通訊く!?」

 

「質問なんだから直球に訊かずにどう訊けと?」

 

別に変な事は訊いていないはずだぞ?

俺に対してどういう感情を持っているのか質問をしただけだ。

どこか変だったか? 少なくとも恋愛感情は皆無だろうから問題は無いはずだ。

 

「…………色々な意味で気になる人、これ以上は禁則事項」

 

「お前は禁則事項と言えば何でも許されると思っていないか?」

 

「…………でも、訊くつもりは無い……違う?」

 

「違わないな、別に無駄に深い付き合いをするつもりも無いし」

 

しかし色々な意味で気になる人か、どういう意味なんだ?

レインの様子からして恋愛感情は皆無だろう、表情も声色も普段通りだから緊張している感じも無い。

というか、さすがに会って数日、仮に入学時に俺を知ったと仮定しても僅か1ヶ月程度なんだ。

たったそれだけの時間で恋愛感情が育つとは、俺の常識ではありえない。

色々と説やらが有るとは思うが、俺は一目惚れに関しては否定派だな、想像できないし。

さて置き、となるとどういう意味で気になる人なのか……やはりシンクロ・エクシーズを知っている人物という意味だろうか?

どこでそれを知ったかは分からんが、可能性としては十分にありえるだろう。

残りは……俺の実力とか? 自分で言うのはアレだがこの世界では俺は強い方だろうし、可能性は有るかな?

 

「(なんでこの2人って、こんなに自然なのかしら?)」

 

「それで明日香、何しに来たんだ?」

 

「え? あぁそうだったわね

ほら、例の制裁タッグ決闘の日程が決まったじゃない?

それでまだタッグを組む相手を決めていないのなら……」

 

「………………私」

 

「私? 貴女?」

 

「…………私が、彼と組む」

 

あーあ、明日香が固まっちまったな、固まるような内容か?

俺が誰とタッグを組もうが、明日香が気にする必要は無いと思うんだがな。

 

「で、でもまだ正式に決まったわけじゃ……」

 

「……もう学園に提出した」

 

「あぁ、既に俺はレインと組むと学園に報告して書類上でも決定しているぞ

明日香が俺の事を気にしてくれるのはわかるが、心配する必要は無い」

 

俺がそう言うと目元と口元をヒクヒクさせ、何かを言いたいかのようにしている。

愉快な顔になっているのは、言わないでやるのが情けという奴かな?

単純に見ていておもしろいから放置しているだけだが。

 

「…………ねぇ」

 

「あ? なんだ?」

 

「…………名前」

 

「名前?」

 

「……私も、名前で呼んで」

 

また唐突だな、俺が明日香の事を名前で呼んでいるからか?

別に今まで何も言わなかったのに、何故今更?

レインの事を名前で呼ばない理由は……別に無いか、どちらかと言えば気に入ってる相手だし。

 

「なら……」

 

「待ちなさい!」

 

「………………………………邪魔しないで」

 

随分と溜めたな、そりゃ名前で呼んでくれと言って、その答えが貰えると思ったら邪魔されたら怒るか。

俺はそもそも名前で呼ぶながデフォルトだから怒らないが、普通の奴なら怒るよな……多分。

レインは普通の奴とは言えないと思うから違うかもしれないが、この部分は普通の奴だったらしい。

 

「レインさん、私と決闘しなさい!」

 

「…………何故?」

 

「あら、決闘者が挑まれた決闘から逃げるのかしら?」

 

「………………」

 

表情は殆ど変わっていないが怒ってるな、微妙に眉が吊り上がって口元が引き締まったな。

それにしても明日香もなかなか卑怯な手段を使うな。

決闘者としてのプライドを持ち出し、理由を言わないで済まそうとはなかなか……俺も今後使える機会が有れば使おう。

 

「あの瑞貴と組むんですもの、それなりの実力はしているのでしょう?

普段成績が普通の貴女がどれ程の実力を持っているのか、私が試してあげるわ!」

 

別にお前に試してくれなくとも、俺が既に試したんだけどな。

というか、レインのデッキはお前とは相性最悪だぞ?

さすがにシンクロ召喚は使わないだろうが、それでもレインが本気になれば……明日香は勝てないだろうな。

一応タッグを組むからには普段のデッキを見せてもらったが、どっちにしても明日香のデッキでは厳しいだろう。

 

「…………そこまで言うなら、相手になる

でもそれだけじゃつまらない」

 

「な、何よ……」

 

「……負けたら1ヶ月、彼に名前で呼ばれるの禁止」

 

「な、な、な……い、いいわよ! 受けて立とうじゃない!」

 

「俺の意見としては、明日香を苗字で呼ぶのは長くて面倒だから嫌なんだけどな

レインの名前は文字数が同じだから別に気にならないけど」

 

「………………だめ?」

 

「別に構わんぞ、俺が景品みたいになっている事が少々気に入らないけどな」

 

まったく、どうしてこうなった……俺は別にこいつらをどう呼んでも気にしないんだがな。

それぞれの感情としてどう考えているかを予想してみるかね。

 

明日香はおそらく嫉妬だろうか?

俺のタッグについては制裁タッグが決まった時から自分と組まないかと言われていた。

それを俺は保留にしていたからな、1人でするつもりだったし、明日香にもそう言っていた。

今回来たのは、日程も決まってもう日も迫っているから最終確認の為といった所だろう。

……が、来てみれば俺の部屋に見慣れない奴がいて、更にそいつとタッグを組むと俺は言っているんだ。

自分が今まで何度も誘って毎回蹴られていたのに、突然現れたレインは受け入れられている。

それなら怒っても仕方ないし、ついでに悔しさも有るだろうな、自分はダメだったのにお前はって感じか?

 

レインからすればとばっちりを受けたという感じだな。

この部屋に来ていた意図は知らんが、突然現れた明日香にいちゃもんを言われた感じだし。

しかもタッグに関しても邪魔するような態度で、更に名前で呼ばれる所を邪魔されたのも大きいだろう。

あまり表に出していないが、内心はどう考えている事やら……そんなに俺からの呼ばれ方に拘わる必要が有るのかね?

アレか? 明日香が名前で呼ばれていて自分が呼ばれていないから気になったとかか?

まぁ、そうでもなければ突然名前で呼んでってのは無いな、呼べと言うなら一部例外を除いて呼ぶぐらい構わないし。

 

なんだかアホらしくなってきたな、この無駄な思考で余計な体力を使った気がする。

凄く下らないな、明日香は少々アレだが、レインに関しては俺が名前で呼べば済む話なんだし。

……もし今、俺がここでレインを名前で呼べばお互いにどういう反応をするんだろうか?

 

「明日香に恵、さすがにここでするならテーブル決闘にしろよ

外でするなら人目の無い場所にしてくれ、決闘理由がアホらし過ぎて恥ずかしい」

 

「……どこでもい…………???」

 

「なんだよ」

 

「…………???」

 

どうやらどさくさ紛れに呼ばれたせいで名前で呼ばれた実感が無いらしい。

首を傾げて不思議そうな顔をしている。

 

「なら外に出ましょう、ここの崖下なら人目も殆ど無いから大丈夫でしょうし」

 

「………………」

 

今まで考えていた事を放棄したらしく、恵は頷いて明日香の後に着いて行く。

2人が出て行った後の部屋、1人になった俺は……

 

「昼寝でもするか」

 

勝負の結果は正直どうでもいい、明日香が勝っても恵が勝っても得るモノなんて無い。

なんとも不毛な決闘だ、2人共損するだけなのにねぇ……

明日香が勝っても俺とのタッグは既に恵と決まっているから、俺が恵を名前で呼ばないだけになるな。

恵が勝っても明日香が名前で呼ばれなくなる以外には何も無い、強いて言うなら俺が恵の名前を呼ぶことか?

うーん……どっちも報酬的には凄まじく薄いな、内容もアホらしいしどうでもいい。

それに相性から考えて勝敗なんて見るまでも無い、十中八九恵の勝ちだろうしな。

もし明日香が勝ったらカードを3枚ぐらいプレゼントしてやろう、バーバリアン1号2号キングの3枚とかどうだろうか?

ネタ的にはおもしろいし、1号2号はともかくキングは強いから喜ぶかもしれないな。

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

「じゃあ始めましょうか、準備はいいわね?」

 

「………………いい」

 

絶対に負けない!

 

「決闘!」「決闘」

 

「私の先行よ!

荒野の女戦士を召喚し、カードを2枚伏せてターンエンドよ!」

 

「……私、ドロー

……手札のスカル・コンダクターの効果発動

捨てて、合計攻撃力が2000になるよう、手札のアンデット族を2体まで特殊召喚

おいで、ゴブリンゾンビ、ゴースト姫‐パンプリンセス‐」

 

攻撃力1100のゴブリンゾンビに、攻撃力900のゴースト姫ね。

私の荒野の女戦士の攻撃力は1100、相討ちなら望むところよ。

 

「……ゴブリンゾンビをリリース、大神官デ・ザードをアドバンス召喚

ゴブリンゾンビ効果、場から墓地へ、デッキから守備力1200以下のアンデット族を手札に……馬頭鬼を手札へ」

 

確かゴブリンゾンビの効果は場から墓地へ送れた場合、デッキから守備力1200以下のアンデット族をデッキから手札に加える効果ね。

そして召喚されたモンスターは攻撃力1900の……魔法使い族モンスター?

確かレインさんってアンデット族デッキじゃなかったかしら?

あまり話した事も無いし、少し話を聞いただけだから断言はできないのよね。

 

「……永続魔法、奇跡のピラミッド

自分のアンデット族モンスターは相手の場のモンスターの数×200、攻撃力上昇」

 

私の場のモンスターは1体、よって攻撃力は200アップするのね。

だけどデ・ザードは魔法使い族、この効果を受けられるモンスターはゴースト姫だけ。

そしてそのゴースト姫の攻撃力は900だから1100になるけど、荒野の女戦士と互角止まりね。

 

「……戦闘、ゴースト姫‐パンプリンセス‐で荒野の女戦士に攻撃」

 

「相討ちをしようと言うのかしら?」

 

南瓜のオバケが蔦で殴りかかってくるけど、荒野の女戦士はそれを躱して真っ二つに斬る。

だけど荒野の女戦士の背後から蔦は伸びていて、それに貫かれて破壊される。

 

「……パンプリンセスの効果、モンスターゾーンで破壊された場合墓地じゃなくて魔法・罠ゾーンに永続魔法として置く」

 

場にティアラをかぶった南瓜が置かれたけど、何かしらアレ?

 

「荒野の女戦士の効果も発動するわ!

戦闘で破壊されて墓地へ送られた時、デッキから攻撃力1500以下の地属性戦士族を1体、攻撃表示で特殊召喚する!

私はデッキから荒野の女戦士を特殊召喚するわ!」

 

「……続行、デ・ザードで攻撃」

 

デ・ザードの持つ杖による殴る攻撃で荒野の女戦士は破壊される。

だけど、荒野の女戦士を倒したという事は次のモンスターも召喚される!

700のダメージを受けて残りライフは3300ね。

 

「荒野の女戦士の効果により、デッキからエトワール・サイバーを特殊召喚するわ!」

 

「……永続魔法、強者の苦痛を発動

モンスターのLV×100攻撃力が低下する」

 

「LV×100ですって!?」

 

という事はエトワール・サイバーのLVは4、元々の攻撃力が1200だから800まで下がるって事!?

相手の場のモンスターは……下がっていない、私のモンスターだけって事ね……当たり前だけど。

 

「……終了」

 

「私のターン、ドロー!」

 

「……効果、発動

ゴースト姫‐パンプリンセスが永続魔法として存在している間、お互いのスタンバイフェイズ毎にパンプキンカウンターを乗せる

相手モンスターは、パンプキンカウンターの数×100だけ攻撃力・守備力が低下する……今は1つ、100下がる」

 

さ、更に攻撃力を下げるカードですって!?

という事はこのまま放置しておけばとんでもない事になっちゃうんじゃ……

 

「くっ……魔法カード、融合を発動!

場のエトワール・サイバーと手札のブレード・スケーターを融合!

サイバー・ブレイダーを融合召喚!」

 

サイバー・ブレイダーのLVは7、攻撃力は2100から合計800下がって1300にまで……

一応、相手がモンスターを出したら攻撃力が上がるから攻撃表示で出したけど、出してくれるかしら?

 

「私はこのまま、ターンエンドよ!」

 

「……戦闘耐性、厄介、ドロー

スタンバイフェイズ、パンプキンカウンターを1つ乗せる、サイバー・ブレイダー……厄介、でも問題無い

ゾンビ・マスター召喚、効果、手札のモンスターを捨てる、墓地からLV4以下のアンデット族を復活……ゴブリンゾンビ」

 

「だけど、相手の場のモンスターが3体になった事でサイバー・ブレイダーの効果も発動するわ!

相手の場に存在するモンスター効果・魔法・罠カードの効果は全て無効となる!

これで強者の苦痛やパンプリンセスの効果も失われたわよ!」

 

パンプリンセスの効果が無効になった事でパンプキンカウンターも消滅!

これでなんとかなりそうね!

 

「……甘い、墓地の馬頭鬼の効果、自身を除外、墓地のアンデット族を蘇生、スカル・コンダクターを蘇生」

 

「墓地のモンスター効果!?」

 

墓地にまではさすがに効果も及ばないわ……って、前に使っていたデッキより強くないかしら?

確かに今までのカードは使っていたけど、強者の苦痛やパンプリンセスなんて……単にドローしなかっただけ?

 

「……手加減不要、デ・ザードで攻撃」

 

相手の場のモンスターが1体の時の戦闘耐性も、2体の時の攻撃力倍も、3体の時の効果無効も消滅。

今のサイバー・ブレイダーはただの攻撃力2100のモンスター、しかも強者の苦痛の効果で1400にまで攻撃力も下がっている。

攻撃力1900のデ・ザードの攻撃は防げない……サイバー・ブレイダーは破壊されてしまった。

500のダメージを受け、残りライフは2800ね。

 

「…………攻撃続行、ゴブリンゾンビで直接攻撃」

 

「そっちこそ、通ったと思わないで!

罠カード、トゥルース・リインフォースを発動するわ!

このターンのバトルフェイズを終了する代わりに、デッキからLV2以下の戦士族モンスターを特殊召喚する!

けど、今は貴女のターンだからバトルフェイズができない効果は無関係、リトルトルーパーを守備表示で特殊召喚するわ!」

 

「……邪魔、攻撃続行」

 

「リトルトルーパーが戦闘で破壊された場合、デッキからLV2以下の戦士族モンスターを裏側守備表示で特殊召喚する!

私はデッキから2体目のリトルトルーパーを特殊召喚!」

 

「…………鬱陶しい、ゾンビ・マスター」

 

「くっ、だけど3体目のリトルトルーパーを特殊召喚するわ!」

 

「……スカル・コンダクター」

 

「デッキからマッシブ・ウォリアーを特殊召喚!」

 

攻撃は防ぎ切ったわ、だけどサイバー・ブレイダーが倒されたのは痛かったわね。

戦闘ダメージは軽いものだったけど、いつかの瑞貴と戦ったハーピィデッキを思い出すわ。

あの時もモンスターを展開されて効果範囲外までモンスターを出されたのだし。

 

「……スカル・コンダクターはバトルフェイズ終了時に破壊される

相手モンスターを2体破壊した、大神官デ・ザードの効果発動」

 

戦闘破壊で効果を発動するモンスター?

でも、それなら前のターンでもよかったんじゃ……

 

「……デ・ザードは戦闘で相手モンスターを破壊する毎に効果が増える

1回目、自身を対象にする魔法・罠を無効にして破壊

2回目、自身をリリース、手札・デッキから不死王リッチーを1体特殊召喚する

デッキから……不死王リッチーを特殊召喚」

 

青白い肌をしたミイラが現れる……攻撃力は2600ぐらいならまだ普通ね。

ただ、攻撃力を下げられているから少し危険かしら?

 

「……不死王はデ・ザードの効果で特殊召喚する

効果発動、1ターンに1度、裏側守備表示にできるからする」

 

裏側守備表示? 確か守備力は2900だったわね、更に倒すのが面倒じゃない。

でも、それなら他のモンスターを先に倒せばいいだけね。

 

「……終わり」

 

「私のターン、ドロー!」

 

「……パンプリンセスにパンプキンカウンターを乗せる」

 

これで私のモンスターは、仮にLV4でも攻撃力が500も下がる事になるわね。

しかも、私の場のモンスターが増えれば奇跡のピラミッドの効果で攻撃力を更に上げる事になる。

今は私の場にモンスターは1体、よって攻撃力がゴブリンゾンビは1300、ゾンビ・マスターは2000。

私の手札に、それらを超える事ができるモンスターは存在しない……

 

「私はモンスターをセットして、ターンエンドよ!」

 

「……私、ドロー、パンプキンカウンターが乗る

ゴブリンゾンビをリリース、地獄の門番イル・ブラッドをアドバンス召喚

ゴブリンゾンビの効果、デッキからボーンクラシャーを手札へ

……次、ゾンビ・マスターの効果、手札のボーンクラッシャーを捨ててボーンクラッシャーを蘇生

蘇生時に効果、アンデット族の効果で蘇生した時、相手の魔法・罠カードを1枚破壊する……その、伏せカードを破壊」

 

くっ……死力のタッグ・チェンジが破壊されてしまったわね。

今は私のモンスターは守備表示だから関係無いけど。

 

「……不死王を反転召喚、効果発動

リバースした時、墓地のアンデット族を1体蘇生、ゴブリンゾンビを蘇生」

 

ちょ、ちょっと洒落にならないんじゃないかしら?

 

「……蹴散らす、ボーンクラッシャーでセットされてるマッシブ・ウォリアーに攻撃」

 

「マッシブ・ウォリアーは1ターンに1度、戦闘では破壊されないわ!」

 

「……邪魔、ゴブリンゾンビで攻撃」

 

ゴブリンゾンビの攻撃力は奇跡のピラミッドの効果で1500にまで上がってる。

パンプリンセスの効果で守備力まで下がり、守備力が1200から1000まで下がってるマッシブ・ウォリアーじゃ耐えられない!

 

「……イル・ブラッドでセットモンスターに攻撃」

 

私のセットモンスターは物資調達員、守備力は僅か800だけどそこは問題じゃないわ!

 

「物資調達員のリバース効果発動!

自分の墓地に存在する融合に使用した融合素材モンスター2体までを手札に加える!

私はエトワール・サイバーとブレード・スケーターを手札に加えるわ!」

 

「……でも、場にカードは無い、ゾンビ・マスターで直接攻撃」

 

「まだ終わらないわよ!

手札のガガガガードナーの効果を発動!

このモンスターは相手の直接攻撃宣言時に手札から特殊召喚できる!

ガガガガードナーを守備表示で特殊召喚!」

 

変な名前だけど、入れておいてよかったわ!

私のデッキは自分のモンスターを強化したり、サイバー・ブレイダーで相手を封じたりという戦法になる。

それをもし突破された時の為にと思っていたけど、こんなタイミングで来てくれるなんて!

 

「…………守備力は2000、でもパンプリンセスの効果で下がる

そしてゾンビ・マスターの攻撃力は奇跡のピラミッドで上昇、攻撃続行」

 

「残念だけどまだまだ終わらないわよ!

攻撃対象に選択されたガガガガードナーの効果発動!

ガガガガードナーは手札を1枚捨てる事で、その戦闘では破壊されない!」

 

ゾンビ・マスターは自分の頭を掴んで……首が取れた!?

そしてその首を投げて攻撃、ガガガガードナーは盾でその首を打ち返して……見事に頭が元の位置に戻ったわ。

ただ、頭が下で首が上になっている、逆さま状態で凄く不気味なのが問題だと思うけど。

 

「(……今のゾンビ・マスター怖い)

……攻撃続行、不死王で攻撃」

 

「手札をもう1枚捨てて、破壊を免れる!」

 

不死王は杖先をガガガガードナーに向けて、そこから……振り上げて投げた!?

杖で物理的に遠距離に攻撃するならそうするしか無いけど、いくらなんでもそれはどうなの!?

ガガガガードナーはその杖を盾で叩き落とした。

そして不死王は杖を拾いにこっちまで歩いて来て、杖を拾って戻っていった……仮にも王なのに凄くカッコ悪いわね。

 

「……不死王を裏側守備にしてエンドフェイズ、ボーンクラッシャーは特殊召喚されたエンドフェイズ時に破壊」

 

これ以上モンスターを展開されないと思ったのに、まさか場を開けられるなんて!

しかも、また墓地にボーンクラッシャーが送られたという事は、不死王やゾンビ・マスターの効果でまた出てくるって事よね?

私が攻撃力強化のカードをドローしたとしても、そのカードをすぐに破壊されたら何の意味も無いわ。

 

「私のターン、ドロー!」

 

「……パンプリンセスにパンプキンカウンターが乗る」

 

これでパンプキンカウンターは3つ、私のモンスターの攻撃力・守備力は300も下がってしまう。

しかも強者の苦痛で更に攻撃力がLV×100も下がるという酷いコンボ。

オマケにこっちがモンスターを出したら奇跡のピラミッドで私の場のモンスターの数×200ポイント、攻撃力を強化する。

本当にこの状況、どうにかなるのかしら? 彼女の実力って殆ど噂になっていないとはいえ、あまり強くないという話だったんだけど……

 

「魔法カード、強欲な壺を発動し、2枚ドロー!

……これなら! 私は場のガガガガードナーをリリース! ターレット・ウォリアーを特殊召喚するわ!

ターレット・ウォリアーをこの方法で特殊召喚した場合、リリースしたモンスターの元々の攻撃力分だけ、攻撃力がアップする!

ガガガガードナーの元々の攻撃力は1500、よって攻撃力が1500アップし、2700よ!」

 

「……強者の苦痛とパンプリンセスの効果で700下がる」

 

攻撃力2000、これではゾンビ・マスターと相討ちが精一杯だけど……

 

「更に装備魔法、最強の盾をターレット・ウォリアーに装備!

このカードは戦士族専用の装備魔法、装備モンスターの攻撃力を元々の守備力分だけアップさせる!

ターレット・ウォリアーの元々の守備力は2000、よって攻撃力が2000アップし、攻撃力は4000となる!」

 

「………………」

 

このカードを装備しても、どうせボーンクラッシャーで破壊されるのはわかっているわ。

だけど、それでも……何もしないなんて私の決闘者としてのプライドが許さない!

 

「バトルフェイズよ!

最強の盾を装備したターレット・ウォリアーでゾンビ・マスターに攻撃!」

 

ターレット・ウォリアーは盾をブーメランのように投げて……ゾンビ・マスターの体が上下真っ二つに分かれた。

……はずなのに、何故かゾンビ・マスターの体が元に戻ったですって!?

伏せカードは無いし、手札のカードも無いのにどうして!

 

「……奇跡のピラミッド第2の効果

自分のアンデット族が破壊される時、身代わりにできる」

 

ふ、ふふふ……私はダメージを与える事はできても、彼女のモンスターを倒す事さえできないという事ね。

中学時代からアカデミアの女王だなんて言われて、瑞貴にその鼻っ柱を叩き折られ、更にレインさんにも完敗。

アンデット族モンスターの強さを思い知ったけど……次は負けない!

 

「……私、ドロー、パンプキンカウンターを乗せる

……不死王を反転召喚、ボーンクラッシャーを蘇生、最強の盾を破壊

頑張った、でも終わり……イル・ブラッドでターレット・ウォリアーに攻撃」

 

攻撃力は1900まで落ちている、攻撃力2100のイル・ブラッドには勝てない。

200のダメージを受け、残りライフは2600、だけどレインさんの場にはまだ攻撃可能なモンスターが4体。

それらの攻撃を、手札も場もカードが1枚も無い私に受けきれるはずも無いわね。

 

「……終わり、不死王で直接攻撃」

 

「きゃあぁあ!」

 

負け……か。

 

「…………勝ったの」

 

「強いのね、普段は実力を隠してるのかしら?」

 

「…………不要だから」

 

何も普段から全部の手の内を晒す必要は無い、という意味かしらね。

不死王リッチー、ゴースト姫‐パンプリンセス‐、地獄の門番イル・ブラッド、馬頭鬼、スカル・コンダクター

これらのモンスターは今まで彼女の決闘では出てこなかったモンスターだったはず。

誰も見ていないから召喚したのか、それとも瑞貴とのタッグ用デッキなのか……どっちなのかしらね?

 

「……じゃあ、約束」

 

「約束?」

 

「……1ヶ月、名前禁止」

 

「あ……」

 

そういえばそんな約束を……って、別に今更だけどそこまで拘わるような事じゃないわね。

普段から瑞貴は私以外を名前でなんて呼ばないんだし、前のように苗字で呼ばれていたと思えばそこまで……

とは思うけど、やっぱり友達から名前で呼ばれなくなるのって嫌ね、でも約束だから我慢しましょう。

 

「ふぅ……いいわ、負けたのだし素直に受けるわ

それはそうとレインさんは強いわね」

 

「…………大丈夫、手加減してる」

 

普段の成績も手加減してるのかしら? もし彼女が本気になったらどれぐらいの実力に成績を?

確か普段の彼女の成績は……中堅ぐらいだったわね、あまり目立ちたくないのかしら?

だけど今回の決闘で嫌でも目立つはずだし、どうして瑞貴とのタッグを承諾したのかしらね?

 

「そうだレインさん、貴女の事を名前で呼んでもいいかしら?

私の事も明日香でいいわよ」

 

「…………いい」

 

どっちのいいなのか分からないわよ、それ……多分OKって意味なんでしょうけど。

瑞貴だけではなく、彼女とも仲良くしていきたいわ、そして必ず次は勝ってみせる!

 

ちなみに、瑞貴は部屋で寝ていたから叩き起したわ。

勝敗を話すと予想通りと言われて腹も立ったけど、実際負けは負けだから仕方ないわね。

普段からそのデッキを使っているのかと恵に訊いてみたら、普段も使っているけど使わないで終わらせる事も多いとの事。

今回の私との決闘は、タッグ決闘前にちゃんとこのデッキを使っておきたかったというのも有るらしいわ。

結果は満足らしく、このままタッグ決闘をするみたい。

 

あと、瑞貴からは結局、暫くは苗字で呼ばれる事となったわ。

恵はそもそも普段から苗字でも名前でも呼ばれない事も多いらしくて、呼ばれないまま帰宅する事となった。

その後どうなったかは私は知らない、表情が普段から変わらないからさっぱりよ。

 

そんなこんなで数日後、いよいよ制裁タッグ決闘の日になった。

瑞貴と恵、十代と翔君、この4人の決闘はどうなるのか……楽しみだわ。




「今日の最強カードはターレット・ウォリアーよ
攻撃力1200、守備力2000、LV5の地属性戦士族モンスター
自分の場の戦士族モンスターをリリースして特殊召喚できるわ
リリースしたモンスターの元々の攻撃力分、このモンスターの攻撃力をアップよ!
一応普通のアドバンス召喚もできるけど、するメリットって何かしら?」
「……奈落の落とし穴を受けない、特殊召喚時に発動するカードを受けない……とか」
「一応荒野の女戦士でも特殊召喚できるわね
守備力が高いから、戦士族というのを活かして今回みたいに最強の盾を持たせるのも有りだと思うわ!」
「……ただし、守備表示にすると元々の攻撃力が低いから弱い」


Q.今回誰特?
A.さぁ……作者も無自覚のままこうなりました。
 本当にタッグ戦をする予定だったんですけど、明日香と恵の関係を期待する人が多かったのでこうなりました。

Q.隼人は何しに来たの?
A.アニメ9話の、隼人の父親が来た時の話ですね。
 隼人が退学させられるという話なんですが……時期的に早過ぎるか遅過ぎませんかね?
 で、父親に勝つ為にカードを買いに来たんですが、仲間の2人を思い出して原作通り頑張るようです。
 まぁ、当然ながら原作通りに負けたんでしょうけどね。

Q.恵は何をしてるの?
A.さぁ? 何しに瑞貴の部屋に居座ってるんでしょうね?
 瑞貴の部屋に来ても殆ど何もしていません。
 瑞貴が話しかければ返事をするぐらいでほぼ無口です。
 ならば本当に何をしに来ているのか……それはご想像にお任せします。

Q.瑞貴のツンデレ乙
A.誰得だよそれ。
 真面目に隼人の退学に関して興味がありません、ツンデレとか全くありません。
 瑞貴は相談に乗ったつもりもありませんし、商談をしたという印象だけです。
 それで礼を言われても、瑞貴は返事に困るだけですね。

Q.恵が言う、瑞貴が優しいという件については?
A.結局部屋に置いていてくれるからですね。
 瑞貴的には、いい加減に面倒になって諦めたという感じですけど。

Q.明日香と恵の相性はどうなの?
A.漫才ができる程度の相性。
 冗談はさて置き、少なくとも悪くはありません。
 TF的に言うと、お互いに機嫌の変化無しという感じです。

Q.瑞貴の予想する2人の感情って合ってるの?
A.大体合ってます。

Q.明日香のデッキは前のまま?
A.前のまま、瑞貴と月一テストの時と同じです。
 ただ、色々と実験をしているのかちょくちょく変わっています。
 自分でも色々と試して、使いやすいデッキを目指しているのでしょう。

Q.恵のデッキはどんなの?
A.【アンデット族】ですね、ただしコンセプトは弱体化。
 パンプリンセスと強者の苦痛を採用し、奇跡のピラミッドを採用する事でアンデット族全体の打点不足を補う形になります。
 これは普段の恵のデッキであり、前話の【シンクロアンデット】を使わない時のデッキです。
 今後、彼女が決闘をする時は基本的にこのデッキになります。

Q.恵は今回の決闘は本気でしたの?
A.微妙ですね、手加減はしていませんが本気を出したかと問われると……
 ただ、負ける気は全く無く、やる気は有ったようです。

Q.今後の2人の関係は?
A.一応普通の友人なんでしょうかね?
 その後数日の時間が経過していますが、特に不仲にはなっていないようです。

Q.結局、恵は瑞貴から名前を呼ばれたの?
A.呼ばれていません。
 そもそも会話が少ないので名前を呼ぶ機会が無いから呼ばれていないだけですけどね

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