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菅義偉前首相が今さらながらに評価される理由/倉山満

近代の価値観を当てはめるのに何の意味があるのかか

 皇室の家長を「治天の君」と呼ぶ。院政を行える上皇のことだ。南北朝時代には、西園寺寧子という民間人の女性が「上皇の母」という理由で、治天の君になったことがある。  このような歴史を持つ皇室に、近代の価値観を当てはめるのに何の意味があるのか。  ちなみに、「法の下の平等」を謳う日本国憲法も、「皇室は特例」と認めている。日本国憲法は貴族制度を否定するが、皇室は認めている。かのダグラス・マッカーサーですら、皇室の世襲制度を認めた。

皇室の伝統を尊重するのが、日本国憲法の原則である

 すべての憲法学の教科書に「天皇・皇族は人権共有の特例」と書かれており、実務でもそのように動いている。そもそも、天皇・皇族は国民ではないので、戸籍がない。  占領下も含め、皇室は日本国憲法と共存してきた。皇室の伝統を尊重するのが、日本国憲法の原則である。  ところが、少数説として、「皇室は日本国憲法が認めてやった。今の天皇は第三代天皇だ」などと言い出す超少数派の学者もいる。その流れで、「ジェンダー憲法学」が存在する。曰く、「皇室の存在は認めるが、運用は民主的であるべきだ。だから男女平等の観点から皇室典範は違憲なので、女性天皇や女系天皇を認めなければならない」と。

日本国憲法と皇室が対立するという勘違い

 さて、このような日本国憲法の護憲派の中でも少数派の解釈に与して、皇室の伝統を踏みにじる気か?  各政党で議論が始まった。中には、日本国憲法と皇室が対立すると勘違いしている人もいるようだ。だが、皇室の伝統は、日本国憲法と調和してきた。  断じて憲法が皇室の上ではない。’73年、香川県生まれ。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中より国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務め、’15年まで日本国憲法を教える。ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰し、「倉山塾」では塾長として、大日本帝国憲法や日本近現代史、政治外交についてなど幅広く学びの場を提供している。著書にベストセラーになった『嘘だらけシリーズ』のほか、9月29日に『嘘だらけの池田勇人』を発売

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