群星沖縄臨床研修センターの徳田安春医師や、世界保健機関(WHO)事務局長上級顧問を務めた渋谷健司医師らは5日までに、玉城デニー知事に対し、県の新型コロナウイルス感染症政策決定過程に関わる人事や組織改編に透明性を求める要請書を出した。県内感染状況の分析を担う県疫学統計・解析委員会の各委員の氏名や専門などを速やかに開示し、関わる専門家の説明責任を果たす制度を整えるよう求めている。
知事は8月、同委員会の分析や位置付けの不備などを指摘した徳田氏らの意見書を受け、委員会を知事直属とし、委員の高山義浩医師を県医療アドバイザーに任命すると発表していた。
徳田医師らは、この対応について「根拠が不明で唐突だ。設置理由や掌握事務なども明らかにせず、高山氏を任命したことも政策が特定の個人にひも付けられている疑念を生じさせる」と反論。「県民が求める政策決定過程の透明化と逆行する動きで、県行政の信頼のために一連の改組に説明が必要だ」と指摘した。
要請は調査団体「インフォームド・パブリック・プロジェクト(IPP)」の河村雅美代表も名を連ねた。IPPは県専門家会議の藤田次郎座長にも、会議内容をメディアに限らず市民に公開し、公文書として議事録を作ることなどを要請。「部分的な情報では議論を正確に知り得ない」としている。