応用編⑥自己基盤を確立する
2019年11月14日 10:02
「自己基盤」という言葉を聞いたことはありますか?
聞いたことのない人も、
文字から何となく意味は分かるのではないでしょうか?
それでは、あなたの周りに
「この人は自己基盤が確立しているな」と感じる人はいますか?
その人は他の人とどこが違うのでしょう?
また、その人は、あなたや他の人々にどのような影響を与えていますか?
今回は、コーチングを行うにあたっての『土台』となる
「自己基盤」について解説します。
目次
「自己基盤」とは
「自己基盤」とコーチング
「自己基盤」を確立するステップ
[参考]自分を知る
応用編のまとめ
「自己基盤」とは
効果的なコーチングに必要な要素として、その土台となるものが「自己基盤」です。
クライアントの目標達成をサポートするには、
コーチ自身が目標達成についての経験と深い見識を持っていることが必要です。
コーチは常にクライアントのロールモデル(模範)であることを目指します。
その前提として自分自身をよく理解し、自分自身に対しての肯定的な思いを持ち、
それをクライアントに開示できることが大切です。
「自己基盤」とは、それらを総合して指す言葉です。
自分自身に対しての肯定的な思いは、
クライアントの可能性を信じるコーチングマインドを発揮するための大前提となります。
「自己基盤」が確立されたコーチは、次のような特徴を示します。
① クライアントから提示されたテーマから逃げず、正面から向き合うことができる
② クライアントへの信頼を示すが、クライアントの感情に流されずにいられる
③ 人間としての高潔さや正直さ、誠実さを絶えず示し、知ったかぶりはしない
④ 常に勇気をもってクライアントと接し、リスクをとる覚悟ができている
⑤ 物の見方を変えたり新たな行動の可能性を試したりすることについて、
自信を持って取り組 んでいる
「自己基盤」とコーチング
( 1 ) 自己基盤とコーチングセッション
自己基盤はクライアントに影響を与え、行動を促す力の源となります。
自己基盤の確立がなされ ていればクライアントに安心感を与えることができ、
視点を変えたり、リクエストにより行動を促したりして、
コーチングセッションを的確に運営することができるようになります。
また、 自己基盤にはプロのコーチとしてふさわしい倫理及び行動規範を理解し、
それに基づいて行動 することも含まれます。
( 2 ) 自己基盤と目標達成
軟弱な地盤の上に高い建物を建てようとしてもうまくいきません。
同じように、目標を達成するためには、
その人自身の自己基盤を強固なものとすることが不可欠です。
自己基盤を確立することが、すなわち、目標達成への近道となります。
自己基盤を確立している人は、真に価値のある 長期的な目標設定をし、
その達成へ向けて意識と行動を継続させていくことができます。
反対に、自己基盤が確立していない人は
その場その場の目先の状況で目標がコロコロと変わってしまったり、
目標達成へ向けてのエネルギーが浪費されてしまったりするので、
長い時間を経過した後に何も残りません。
( 3 ) 自己基盤と自己開示
自己基盤の確立には、
自分自身に対して肯定的な思いを持つことや、
人間性を磨き行動を律するといったことが、一般的な認識となっています。
しかし、オフィスコーチングドリームではそれらに加え、
特に「自分自身の考えや経験について語ること(自己開示)」が重要であり、
その前提として「自分自身をよく知っていること(強みなど)」、
【自己理解】が自己基盤の本質だと考えています。
セッションにおいてクライアントとの信頼関係を築くには、
相手を「聴く」「質 問する」「伝える」だけではなく、
実は、コーチ自身が自分のことを語る(自己開示する)ことが重要です。
なぜなら人は、相手のことをよく知らずに信頼することはできないからです。
また、 セッションでクライアントに大きな説得力を持ち影響を与えるのは、
自らの口で語るコーチの体験談に他なりません。
多くの場合、クライアントはコーチの経歴を見たり聞いたりして、
セッシ ョンを依頼するかどうかの判断基準としています。
したがってコーチは、自分の思いや体験について語ることができるよう、
常に備えておく必要があります。
「自己基盤」を確立するステップ
前項の内容を踏まえると、自己基盤を確立するにあたっては、
次の3つのステップを意識して取 り組むことが効果的です。
(1)自己理解
①「強み・弱み」「長所・短所」「過去の経験」等を含め、自分自身をよく理解する
②他者の目に映っている自分を理解する(他者からフィードバックをもらう)
(2)自己承認
①自分自身のできていること・できていないことを「認める」
②小さな事柄でも、やって来たことや達成したことの全てを再確認する
(3)自己開示
①自分自身のことを語る(思い・考え・体験等)
②自分と相手との間の相互理解を深める
[参考]自分を知る
下記は、自分自身を棚卸しする質問の例です。自己理解を深めるために取り組んでみましょう。
・子供の頃、得意だったことは何ですか?
・子供の頃、何と言われていましたか?
・ 友達が何人いますか?
・どのようなことで人気がありますか?
・どの教科が得意でしたか?
・ニックネームは何でしたか?
・学生時代に得た資格は何ですか?
・どのような勉強をどれぐらいしましたか?
・どのような部活動をやっていましたか?
・どのようなサークルに入っていましたか?
・人からどのように褒められますか?
・ 家族はあなたのどのような所が好きですか?
・趣味は何ですか?
・長年続けていることは何ですか?
・どれくらい続け ていますか?
・周りにはどのような人たちがいますか?
・困った時に相談に乗ってくれる人は何人いますか?
・何か達成した時に喜んでくれる人たちは誰ですか?
・好きな人は何人いますか? 具体的に思い出してください
まとめ
自己基盤はあなたがコーチングを行うにあたっての土台です。
自己基盤の確立がなされ ていればクライアントに安心感を与えることができ、
視点を変えたり、リクエストにより行動を促したりして、
クライアントが行動を起こす力の源ともなります。
あなたの自己基盤は確立していますか?
自分を知る質問を参考に、あなたの自己基盤について考えてみましょう!
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作成者 : 渡邉 大介