応用編③タイプ別アプローチ
2019年10月15日 09:27
ラグビー弱小国だった日本が、世界トップの南アフリカを破るなど、
世界を驚かす大活躍を見せた2015年ラグビーワールドカップは、
皆様の記憶にも新しいのではないでしょうか?
当時のラグビー日本代表ヘッドコーチ エディー・ジョーンズ氏は、著書の中でこう言っています。
「コーチングは、『アート』と考えているとした上で、
「選手一人ひとりにとって何が必要なのか、
それを見極めるのがコーチングにおける『アート』なんです。
選手個々の能力を引き出すためには、どのようなコミュニケーションを取るべきなのか。」
「選手、いや、人間というのは千差万別ですよね。
まず、どんなタイプの性格なのかを見極める必要があります。」
【出典】『コーチングとは信じること』
奇跡とさえ言われた日本代表の快進撃は、
まさに個性を見極めたコーチングによってもたらされたのです。
得意分野と不得意分野があるように、人にはそれぞれ行動のパターンがあります。
関わるクライアントのタイプを知ること、コーチのタイプを知ることは、
セッションの幅を広げるひとつの視点になります。
決して、その行動を型にはめて判断することではありません。
今回は、人のコミュニケーションタイプ4種類について解説します。
目次
- 4つのタイプ
- 4つのタイプの特徴
- タイプ別キーワード
- まとめ
4つのタイプ
この4つのタイプは、
「人をもっとも特徴づけるのは、他者とのコミュニケーションである」という前提に立ち、
臨床心理学、組織行動学などをベースにつくられたコミュニケーションの分類方法で、
「感情表出」と「自己主張」という2つの軸で、
コミュニケーションのタイプを次の4つに分ける考え方です。
それぞれのタイプの特徴を簡単に示すと下記のようになります。
コントローラー | :行動的で自分が思ったとおりに物事を進めることを好む |
---|---|
プロモーター | :アイディアを大切にし、人と活気あることをするのを好む |
サポーター | :他人を援助することを好み、協力関係を好む |
アナライザー | :行動に際して多くの情報を集め、分析、計画を好む |
4つのタイプの特徴
それでは、ここからは
それぞれのタイプの特徴について更に詳しく見ていきましょう。
コントローラー(L1)
□行動的、野心的、エネルギッシュ
□自分の思い通りに物事を行うのを好む
□決断力あり
□ペースが速い
□人を寄せ付けない印象を与える
□やさしい感情を表すことは苦手で他者から怖がられる
アナライザー(L2)
□行動は慎重
□物事に取り組む時、データを集め分析する
□計画を立てるのが好き
□客観的、冷静
□対人関係では頑固、まじめといわれる
□他人を批判することは好まない
プロモーター(R1)
□アイデアが豊富で想像力もある
□人と活気あることをするのが好き
□細かいことはあまり気に留めない
□飽きっぽい
□社交的でオープン
□よく話して、あまり聞かない
サポーター(R2)
□人を援助することを好む
□職場では協調性が高く、意欲もある
□決断には時間がかかる
□感情に基づいて判断する
□他者の気持ちに敏感
□NOと言えない
4つのタイプ別キーワード
コントローラー(L1)
理性的:論理的、分析的、事実に基づく、数量的
分解、理性的な、目的、分析、明晰、 因果関係、現実的な、
ハードウェア、 収益重視、筋の通った、 要点、正確な、実行、結果、
技術的、ばらしてみよ、 ツール、要点、数量化、 事実に基づく、論理的
アナライザー(L2)
防衛的:系統立った、順序立った、計画的、繊細
本によれば、きちんとした、一貫した 習慣をつける、整頓できた、
自制、 一致する、法律・規則、安全にいこう、 習慣的な、
時間を守る、適正な形式、ものの順序、効率の良い、そろっている、
順を追って、きちんとまとまっている
プロモーター(R1)
実験的:全体論的、直感的、統合的、合成的
どーんと行こう、好奇心が強い 広範なペースで、戦略的、
直観、 概念的、優位をつくる、リスクを取る、革新的、
想像力に富んだ、 夢想アイデアと遊ぶ、
空間、色彩、比喩 想像効果的な、全体像、大きなイメージ
サポーター(R2)
感覚的:対人関係、感覚に基づく、感情的
人材、社交的な、感情的、気さくな、人間の価値、相互作用、
感情移入、個人の成長、ハーモニー、団結
参加型、関係性思考、思いやり、家族的、 チームワーク、
チーム開発、団結、 人助け、フレンドリー、相手に伝わる
まとめ
いかがでしたか?
自分自身やクライアントのタイプを知り、
その特徴に合った関わり方をすることで、
コミュニケーションの幅は広がり、さらに質の高いセッションとなるでしょう。
ただし、型にはめすぎるのもNG。
それぞれのクライアントの特徴に合った関わり方のヒントとして
このタイプ分けを活用してみてください。
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作成者 : 渡邉 大介