前回、

応用編②セッションの「壁」~前編~

では、セッションの「壁」の原因と対処方法9つのうち

前半の4つを解説しました。

 

今回は、残りの5つについて解説します。

 

 

目次

セッションの「壁」の原因と対処方法 後半

( 5 ) 視点が固定化している

( 6 ) クライアントに焦点を当てていない

( 7 ) クライアントが話したいことを話せていない

( 8 ) 1回のセッションですべての問題を解決しようとしている

( 9 ) クライアントの「学び」や「気づき」を引き出していない

まとめ

 

 

セッションの「壁」の原因と対処方法 後半

( 5 ) 視点が固定化している

コーチは、クライアントに様々な質問を投げかけることで、

クライアントが今まで見えていなか ったものを見えるようにサポートする存在です。

 

見えていない段階で「何をすればよいか」を質問しても答えは出てきません。

 

したがってコーチは、

クライアントが視点を移動できるような効果的な質問をする必要があり、

そのような質問のバリエーションを豊富に準備しておくと良いでしょう。

 

また、前項で述べた「ありたい姿」を尋ねる質問も、

今まで見えていなかったものが見えるようになるためには効果的です。

 

 

( 6 ) クライアントに焦点を当てていない

コーチがクライアントの抱える問題の解決に一生懸命になるあまり、

クライアントが置き去りにされることがあります。

 

そうなると、クライアントは当事者意識を失い、

セッションの効果も失われます。

 

特に解決の難しい問題を抱えるクライアントとセッションを行なう場合、

問題そのも のを解決する策を見つけようとすることは、必ずしも現実的ではありません。

 

クライアントの中に答えがある」とは、

問題そのものを解決する策があるという意味ではなく、

クライアント自身が、問題への向き合い方を見つけることができる

という意味です。

 

コーチングセッションでは、 主役はクライアントです(=コーチングマインド)。

 

クライアントに焦点を当てないセッションは有り得ません。

 

クライアントに焦点を当て、

本当はどうありたいのか(ありたい状態・姿)」や、

今、何を感じているのか(感情を尋ねる)

等の質問をしましょう。

 

そうすることで、「問題への向き合い方」に対する答えを得ることができます。

 

また、「壁」にぶつかっている状態であることを正直にフィードバックすることも、

クライアントが問題への向き合い方を発見するのに効果を発揮します。

 

 

 

( 7 ) クライアントが話したいことを話せていない

どのような質問をするかによって、

コーチはセッションをリードしていくことができます。

 

しかし、 セッションの主役は、あくまでもクライアントです。

 

クライアントが話したいと感じている事柄から外れる質問は、

セッションに対するクライアントの意欲を失わせることにつながります。

 

し たがってコーチは、

クライアントが何について話したいのかという意向を常に意識し、

憶測や思 い込み等によらず、

話の方向性をクライアントに確認しながらセッションを進めていくことが大切です。

 

コーチングでは、コーチがクライアントのために用意したテーマにではなく、

クライアント自身とクライアントが望むテーマに焦点を当てるのが大原則なのです。

 

 

( 8 ) 1回のセッションですべての問題を解決しようとしている

基本クラスで既に学んだように、

コーチングは、クライアントとの協働関係であり、

セッションを継続し、成果を積み上げていくことで目標達成を目指します。

 

したがって、1回のセッションですべての問題や課題を解決しようと

無理をする必要はありません。

 

 

( 9 ) クライアントの「学び」や「気づき」を引き出していない

クライアントが行動を起こせなかったり、

行動を起こしても思うような成果が上がらなかったりした場合、

適切に対応しないとクライアントが挫折してしまう恐れがあります。

 

クライアントが どのような行動をしても、あるいはしなくても、

まずは「認める」ことが必要です。

 

また、行動を起こしたこと、あるいは起こさなかったことから、

何を学んだか(気づいたか)を尋ねる質問が効果的です。

 

その質問を受け問題の原因を考えていくことで、

「学び」や目標や行動の設定が適切でなかったこと等への

「気づき」が得られ、セッションを意義あるものとすることができます。

 

なお、コーチングがどうしても機能しないと感じたら、

セッションを止めることを申し出てみる勇気も必要です。

 

コーチングはコーチとクライアントとの協働関係の下に進めますが、

最終的にはクライアントのコミットメントが成果を左右します。

 

コーチだけの努力ではどうにもならないこともあり、

そのような状況でセッションを続けるのは好ましくありません。

 

また、相手が深刻な精神的問題を抱えている場合には、

コーチングを中止し、カウンセラーや精神科医による治療を薦めるべきです。

 

 

 

まとめ

いかがでしたか?

コーチングセッション時によく見られる「壁」の原因と対処方法

について理解していただけましたか?

 

たとえ壁にぶつかったとしても、

その原因や対処方法をしっかり理解しておけば

必ずその壁を乗り越え、セッションを成功に導くことができます。

 

さて、ここまでを踏まえたうえで

応用編➀コーチング・カンバセーションで提示したセッション例をもう一度見てみましょう。

 

 

改めて質問です。

 

➀このセッションはどこに問題があるでしょうか?

②セッションが機能していないと感じられるのは、

コーチングピラミッドのどの要素が影響していたからでしょうか?

③あなたがコーチなら、このセッションをどのように進めていきますか?

 

コーチング・カンバセーションセッションの壁の内容を振り返って

あなたならどのようにセッションを進められるか、

何がセッションを成功させる原動力となるのかを深く考えてみましょう。

 

 

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作成者 : 渡邉 大介

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