GROWモデル編④現状把握(REALITY)
2019年09月20日 09:35
前回のGROWモデル編③目標設定(GOAL)では、
クライアントが行動するためにエネルギーを集中する対象である
「目標」について学びました。
GOAL(目標)が明確になれば、
次にクライアントの現状をしっかりと把握します。
目標(GOAL)と現状を明確にすることで、
両者の間のギャップ(差)はハッキリします。
今回は、
目標達成のためにやるべきことを明確にすることで
クライアントのモチベーションを高める
【現状把握】について解説します。
目次
- 現状把握とは
- 現状把握の効果
- コーチの役割
- 現状把握(REALITY)の具体的方法
- 現状把握の留意点
- まとめ
現状把握とは
現状把握とは、
クライアントが「今どのような状態にあるのか(現状)」
を確認・理解することです。
クライアントの目標「あり方(Being)、行動(Doing)、成果(Having)」 と
「今ある姿(現状)」のギャップを埋めるために行動するには、
目標設定に加えて、現 状を正しく確認・理解することが必要になります。
現状把握は「客観的事実」と
「客観的事実をどのように受け止めているか」の2つの視点があります。
現状把握の効果
・目標設定・達成に向けての現在位置を知ることができる
・冷静になり、客観的な視点で状況を眺めることができる
・思い込みを排除し、気づきを得ることができる
・使えるリソースを確認し、発見することができる
・目標達成へ向けてのモチベーションが高まり、やるべきことが明確になる
コーチの役割
・コーチングの目標を達成する上で、
クライアント自身が現在位置を客観的に知り得るようにサポートする
・学びのための他のリソース(例:書籍、他の専門家)を
クライアントが見つけ、利用できるようにサポートする
・セッション中に得たクライアントに関する情報を整理し、
クライアントと共に振り 返りを行うことで、リソースの確認や発見をサポートする
・クライアントへコーチから見た現状をフィードバックする
現状把握(REALITY)の具体的方法
( 1 ) 現在の状況を、数字で表現させる
例) 「 目標を達成した状態を100%だとすると、今は何%ですか?」
( 2 ) 現在の状況を、異なる視点で眺める機会を提供する
例)「この取組みは、目標達成へ向けてどのような意義がありますか?」(目標との関連)
「●●さんの部下は、どのように感じていると思いますか?」(他人の視点)
「私には●●さんが、○○のように見えます。」(コーチの視点/フィードバック)
( 3 ) クライアント自身の行動をしたことを明確化する
例) 「今までやった事は何ですか?」
( 4 ) 現状の制限を確認する
例) 「制限になっているのは何ですか?」
( 5 ) クライアントの現状をフィードバックする
例) 「私には●●さんが、○○のように見えます。(聴こえます・感じます)」
現状把握の留意点
セッションを進める上でコーチが知りたい情報を聴くのではなく、
クライアントの気づきやリソースを引き出すという
明確な意図を持って行うようにします。
また、現状把握に時間をかけ 過ぎると、
愚痴やお悩み相談になり、
セッションが迷走する原因になるので注意してください。
まとめ
掲げた目標を実現するには、
まずはその目標と比べて、
「今、自分はどこにいるのか」を把握することが必要不可欠。
クライアントの現状を把握することで
目標に向けて「何をするべきか」が明確になり、
モチベーション向上にもつながります。
☆★今回の内容を動画でさらに詳しく!★☆
作成者 : 渡邉 大介