GROWモデル編③目標設定(GOAL)
2019年09月20日 09:05
行動するためにエネルギーを集中する対象が「目標」です。
目標設定することによっ て、「今何をすべきか」が見え、
活動力に繋がりエネルギーを集中することができます。
GROWモデルでは、最初に目標設定を行いましょう。
コーチング初心者の場合、
「目標 (目標を達成した後のありたい姿や問題を解決した状態)」ではなく、
「問題点」やその 「解決方法」に焦点を当ててしまうことが
セッションの失敗の大きな原因となるので注意が必要です。
セッションにおいて、
「目標設定」が極めて重要であることを肝に銘じておいてください。
今回は、そんな「目標設定」の方法とポイントを解説します。
目次
- 目標設定(GOAL)の具体的方法
- 目標設定(GOAL)のポイント
- 目標設定(GOAL)の質問例
- 「目標設定」完了後のチェックポイント
- まとめ
目標設定の具体的方法
( 1 ) 目標を設定する
コーチング全体を通して、達成したいことや
手に入れたい目標をクライアントが設定します。
・テーマを決める
その時に、具体的・客観的に表現できるものは、
「何を、どれだけ、いつまでに」
などの定量的基準(数値)で表します。
そうすることにより、
達成感や貢献感をはっきりと実感することができます。
そして、主にコーチングでは、以下の3つをコーチングします。
① あり方(Being)
② 行動(Doing)
③ 成果(Having)
( 2 ) この時間の中で扱いたいことを明確にする(プロセスゴール)
(1)のテーマに対して、どこまで話したいか、
何を明確にしたいかを確認していきます。
そうすることで、よりセッションの成果も上がります。
(1)同様に、「何を、どれだけ、いつまでに」などの
定量的基準(数値)で表します。
また具体的・客観的に表現しにくいものは、
抽象的・比喩的(メタファー)な表現で表しても良いですが、
できる限り具体的・客観的に表現 することをサポートします。
抽象的・比喩的(メタファー)な表現でも、
クライアントがその状態を生き生きとイメージできるものにします。
いずれの場合でも、
水平質問(他には)や垂直質問(それで)を使ってチャンクダウンし、
クライアントが「ありたい姿」や「手に入れたい事柄」を、
より明確にイメージできるようにします。
イメージが明確になればなるほど実現の確率が高まるからです。
*メタファーとは
白い肌を「雪の様な肌」と言うなどの比喩的表現のことです。
また、出来事や経験などを映画や物語、例え話で表現したりします。
( 3 ) 意図・目的の明確化
クライアントが目標達成(GOAL)を通じて、
実際にそこから何を望んでいるか、意図や目的を明確にします。
そうすることで目標達成(GOAL)に向かって
「主体的に動く」ことに繋がり
パフォーマンス(成果)の向上に結び付きます。
クライアントの目標達成(GOAL)に向けてのやり方ではなく、
あり方を明確にしていくことが大切です。
( 4 ) 目標を達成したシーンをイメージする
五感を駆使して、目標達成した時の体験を
具体的、かつ明確にイメージしていきます。
人にはそれぞれ優位となる感覚(視覚 聴覚 体感覚等)があるので、
クライアントが見えてるもの、 聞こえている音、感じていることなど、
直感的にピンと来るような表現でイメージ化するようにします。
イメージが明確になると、ゴール達成へ向けた行動に対する
モチベーションが高まります。
また、クライアントとコーチがイメージしているイメージを
メタファーでイメージす るのも効果的です。
( 5 ) ゴールの先を共に見据える(フューチャー・ペーシング)
目標を達成したら、クライアントには何をもたらされるか?
私たち(チームや仲間、家族)には何をもたらされるか?
5年後10年後、私たちはどのような存在になっているか?
など、ク ライアントが目標達成(GOAL)したその瞬間、
その先を見せることで、
目標達成(GOAL)に向 けてのモチベーションが保たれ、
セッションを通してのワクワク感が醸し出されます。
目標設定(GOAL)のポイント
( 1 ) 目標は肯定的な言葉で表現する
例)・ぶれない自分になる ⇒ 軸を持つ
・怒らない、イライラしないようにする ⇒ 落ち着く、冷静
・迷惑をかけないようにする ⇒ 最後まで完遂させる
質問例:「肯定的な言葉で言うと?」
( 2 ) 主語は私、もしくは私たちにする
他人の状況や行動ではなく、自身に焦点を当てる
例) ・部下を○○したい
⇒ 部下を○○するために、私は△△する
・子供を○○したい
⇒ 子供を○○するために、私は△△する
( 3 ) 目標は具体的で、数量化する「数値で表せるもの」
例)・取引先の数を拡大したい
⇒ 取引先の件数を現状30社から100社まで増やしたい
・ヨーロッパへ旅行したい
⇒ 2018年8月10日から1ヶ月間でヨーロッパ旅行する
( 4 ) ワクワクするような感覚に基づいたイメージを描く
例) ・夏までに5Kg痩せて、海でかわいいビキニを着る!
・子供たちとハワイ旅行して、家族団欒を楽しむ!
目標設定(GOAL)の質問例
将来どんな自分になっていたいか(=ありたい姿)を引き出す
「○年後、どうなっていたいですか?」
「 問題が解決した状態とは、どんな状態ですか?」
水平質問を使ってさらに引き出す(広げる)
「他にはどうですか?」
「もし、何の制約もなかったら?」
具体化するものを選択する(絞る)
「これらの中で、今から話したいこと(考えたいこと)は何ですか?」
「今から具体化したいものはどれですか?」
チャンクダウンを使って具体化する(掘り下げる)
「どこで活動していますか?」(where)
「そこで何をしていますか?」(what)
「対象者はどのような人ですか?」(who)
「 どのくらいの数ですか?」(how)
「周囲にはどんな人がいますか?」(who)
「どのような自分に成長(変化)していますか?」(what)
「このイメージをいつ(までに)実現させていますか?」(when)
五感を使い、さらに臨場感あるイメージにする
「目標が達成できて、●●さんはどのような表情をされていますか?」(視覚)
「周囲からはどのような声を掛けてもらっていますか?」(聴覚)
「握手した相手の手から何を感じているのでしょうか?」(触覚)
「ダイエットが成功し、どのような服を着て出かけますか?」(視覚・触覚)
「目標設定」完了後のチェックポイント
クライアントの目標が達成している状態のイメージが明確になっていること
上記のイメージが言葉で説明できること
(いつ、何が、どれくらい、どうなっている状態?)
上記の目標が、クライアントにとって魅力的かつ価値ある目標であること
まとめ
明確な目標は、大きな行動力となります。
クライアントにとって、
魅力的かつ価値のある目標を設定しましょう。
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作成者 : 渡邉 大介