さあ、コーチングを始めよう! ~入門編②コーチングの仕組み~
2019年08月30日 05:34
入門編➀では、コーチングとは何か?についてお話しました。
今回は、コーチングがどういった仕組みなのか、
クライアントやあなた自身にどういった効果をもたらすのかについてお話します。
コーチングの具体的な方法を学ぶにあたっての基盤となる部分です。
確実に理解し、知識として定着させてください!
目次
- コーチングの仕組み
- コーチング全体の仕組み
- コーチングの効果
- コーチングとカウンセリング、コンサルティングの違い
- まとめ
コーチングの仕組み
原則としてコーチングは、一対一の対話(対面、電話・Skype等)により行ないます。
コーチングを受け、自ら行動を起こし、
成果を上げたいと考えている人を「クライアント」 と呼びます。
コーチとクライアントとの一連の対話を「セッション」と呼びます。
※プロコ ーチとのコーチング契約では、
1回あたり30~60分程度のセッションを数ヶ月間にわた り継続的に行なうのが一般的です。
コーチは、クライアントが話をすることを促し、
クラ イアント自身が持っている答えを引き出します。
コーチがクライアントに答えを教えること はしません。
コーチングでは、クライアントの持っている可能性を信じ、
“すべての答えはクライアント自身が持っている”
という考え方(コーチングマインド)に立ちます。
クライアントは自分が考えている目標や、抱えている問題についてコーチに話します。
コーチはそれを聴きます。
通常の会話では、目標を達 成するにはどうしたらよいか、
問題を解決するにはどうしたらよいかなど、
アドバイスや教えるということをしがちです。
しかし、コーチングではそれらをすることなく、
クライアントに『質問』をします。
クライアントは自分の中で考えた答えを口に出し、
コーチはその答えを聴き、更に質問をします。
クライアントは答えを考えることにより頭の中が整理され、
それを話すと同時に自分の耳で聞くことにより気づきを得るため(参考:オートクライン効果)
セッショ ンを終えた後、どのような行動をとるべきかが明確になります。
コーチはクライアントがそ の行動を実行できるよう、後押しをします。
なお、この対話のベースとなるのは、
『何でも話せる信頼関係』であることに留意する必要があります。
[ 参考 ] オートクライン効果
そもそもは医学分野などの用語であり、
「分泌された物質が分泌した細胞そのものに作用すること」を意味します。
コーチングの世界では、クライアント自身が話すと同時に、
自分の耳で聞くことにより気づきを得ることを、
「オートクライン効果」と呼ぶことがあります。
コーチング全体の仕組み
このようにコーチングでは、コーチがクライアントに答えを教えることはしません。
クライア ントの持っている可能性を信じ
「答えは必ずクライアント自身が持っている」
という考え方 に立って、セッションを行ないます。
コーチングは、クライアントとの協働関係をベースにセッションを継続し、
成果を積み上げていくことで、目標を達成することや問題を解決することを目指します。
したがって、1回のセッションで目標達成までの全ての道筋を見つけたり、
問題を解決したりするわけではありません。
コーチングの効果
<コーチングがクライアントにもたらす効果>
- ゴール(目標)とその達成イメージが明確になる
- 毎回、自分が得た成果をコーチに話すことにより、ゴール達成へ向けての意識の集中を継続することができる
- やりたい事を実現するために何をすべきか具体的になるため行動が促される
- 気になっていることや心のわだかまりをコーチに話すことで心身のストレスが減る
- コーチと約束することにより、怠け心を克服することができる
- 感情が最大限尊重されるので、心から受け入れられている安心感を得られる
<コーチングを学ぶことで得られる効果>
- 周囲の人達とのコミュニケーションが改善される
- 相手を受けとめることができるようになり、ストレスが減る
- 人と関わることや、サポートすることの喜びが感じられる
- 物事の否定的な面だけではなく、肯定的な面に目を向けることができる
- 自分の感じたことを、率直に話すことができるようになる
- 自分自身や自分のもつリソース(資源・スキル)に対する理解が深まる
コーチングとカウンセリング、コンサルティングの違い
対人支援には様々なスキルや方法が存在します。
中でもコーチングとの違いについてよく問われるのが
「カウンセリング」と「コンサルティング」。
カウンセリングは、一般的に精神心理的な悩みを抱えた人を対象とした相談援助であり、
気持ちを整理することを重視したアプローチをとります。
一方、コーチングは、精神心理的に健全な人の目標達成や能力発揮を支援し、
将来どうありたいかを重視したアプローチをとります。
もし、クライアントには「コーチングよ りもカウンセリングが必要だ」と感じたら、
その旨をクライアントに伝え、コーチングの中止を 申し出た方がよいでしょう。
また、コーチングはクライアントのありたい姿にフォーカスし、
クライアントの中にあるものを引き出すことに軸足を置きます。
それに対し、コンサルティングでは、
コンサルタントが持っている知識・情報・ノウハウ等を
クライアントに提供することに軸足が置かれます。
まとめ
いかがでしたか?
コーチングはコーチとクライアントの双方にかけがえのない価値をもたらしますが、
コー チングがそのように機能するためには、コーチングに対する正しい理解と、
実践にあたっての考え方や姿勢が重要なカギを握っているのです。
次回の入門編③では、あなたがこれからコーチングを使いこなしていくうえで
きわめて重要な指針となります。
入門編➀・②の内容を確実に理解してから次へと進みましょう!
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作成者 : 渡邉 大介