オートバイに乗るライダーで、
西武開拓時代の馬のライダーの
ようにダスターコートを着てい
る人を見た。黒。パンツもブー
ツも黒。スクーターではなく、
ギア付のオートバイで。
風で翻らないようにコート内部
に脚にホルスターをとめるよう
なループがあった。
オートバイにダスターコートは
個性的で、見ていてもなかなか
カッコよかった。
世界万国、人が考える物は似て
くるようで、西部開拓時代に登場
したアメリカのダスターコートは、
日本の江戸時代の武士が旅用に
着用した「ぶっさき羽織」に背側
に同じ工夫がある。
ぶっさきは刀を後ろに出すのと
騎馬の邪魔にならないように背中
に大きなスリットがあるのだ。
刀を差すのと騎馬が許されるのは
武士だけだったので、ぶっさき
羽織は武士しか着なかった。
アメリカのダスターコートは、
乗馬が必須のアメリカ人のカウ
ボーイや長旅者の多くは好んで
着ていた。アメリカは誰が何を
着ようと自由だった。奴隷以外
は。ほんの100数十年前まで黒人
は全員奴隷であったのだから、
白人社会というのはひどい社会
だ。人さらいして人を売買して
いた国家が白人国家だった。
西武開拓時代のダスターコートは
濃いベージュ系が多かったが、黒
いダスターコートもなかなか渋い。