kilkerran_今回は、久々のキャンベルタウンのシングルモルト、キルケラン12年を飲んでみます。

キルケランは、2004年に誕生した、「ミッチェルズ・グレンガイル蒸溜所」で作られています。
元々この場所には、グレンガイル蒸溜所が存在していましたが、アメリカ向けのウイスキー乱造と、アメリカでの禁酒法によって経営破綻、1925年に閉鎖されました。

この場に新しい蒸溜所を建設したのは、同じくキャンベルタウンにあるスプリングバンク蒸溜所で、実際の製造に携わるスタッフもスプリングバンク蒸溜所から派遣された人たちだそうです。

実際の原酒も、使用するモルトはスプリングバンク蒸溜所でフロアモルティングしたライトピートタイプのものを使い、蒸溜期間も年に1ヶ月、30,000Lだけの製造に留めているそうです。

2016年に、当該の12年物が誕生しましたが、使用する原酒はバーボン樽が7割、残りがシェリー樽での熟成となっているようです。

では、ストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色は黄金色、香りは軽くスモーキーで、青リンゴの爽やかな香りも加わっています。

口に含むと、ブドウの香りを先頭に、塩気のあるスモーキーさ、青リンゴへと続きます。
味わいは、アルコールからの辛みが前にありますが、その後は軽い塩っぱさと酸味、あとから甘さへと繋がれていきます。

ロックにすると、潮風を伴ったようなスモーキーな香りが一気に立ち始め、青リンゴ、ブドウが追いかけるようになります。
味わいも苦味が先に出始め、続いて塩っぱさが訪れます。

最後にハイボールにすると、青リンゴとブドウの香りがメインになり、スモーキーさはなりを潜めます。
味わいは、少々ビターを感じますが、比較的甘みが前に来ます。

スプリングバンクのような強烈な塩っ気はないものの、スモーキーでそこそこ癖のあるボトルになっています。
シェリー樽原酒の割合は低いですが、意外にも個性は強く出ているようで、潮の香りも考えれば絶妙なバランスに感じられます。

700mL、アルコール度数46度、価格は6000円ほど。
販売本数が少ないため、簡単には入手できませんが、新しいキャンベルタウンのボトルと考えれば高いとは言えないでしょう。

<個人的評価>

  • 香り B: キャンベルタウンらしい塩気のあるスモーキーさ。ブドウ、青リンゴ。
  • 味わい C: 塩っぱさが得られて個性的。甘みは控えめで、加水で苦味が増える。
  • 総評 B: 新しいキャンベルタウンのボトルとして飲む価値はある。