longrow今回はキャンベルタウンのシングルモルト、ロングロウを飲んでみます。
が、このボトルを出しているのはスプリングバンクなんです。

ロングロウとは、かつてキャンベルタウンにあった蒸溜所で、スプリングバンクの隣にあったと言われています。
1824年に創業したものの、1896年には閉鎖されたとされています。

かつての隆盛から一気に衰退したキャンベルタウンの蒸溜所の中で、唯一安定的に経営を続けているスプリングバンクでは、当時の蒸溜所の名を冠したボトルとして、ロングロウ、そしてヘーゼルバーンをリリースしています。

ロングロウ ピーテッドでは、ヘビーピートモルトを使いつつも、2回の蒸溜を行っています。

ではいつものようにストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色は淡いゴールド、香りは潮気を感じる強いスモーキーさです。

口に含むと、先にナシや青リンゴの爽やかな香りが広がり、次いでラムレーズンの芳醇な香り、奥からピートの香りがついてきます。
味わいは酸味がメインで、ほのかなビター、辛さが追いかけ、最後に甘さが締めくくります。 

ロックにすると、ストレートで感じられた香りに衰えがなく、むしろ花開くように広がっていく印象です。
味わいにおいては、しょっぱさが表に出てきて、酸味、ビターが後押しし、最後に甘さを感じ取ることが出来ます。
ただ、スプリングバンク10年ほどの強烈な塩辛さではなく、塩を加えることで甘み、うまみなどを引き立たせるような最近の スイーツや飲料のような塩梅の良さを感じます。

最後にハイボールにすると、表にピートが感じ取れ、ストレートやロックで感じられた青リンゴなどの香りはかなり消えてしまいます。少々濃いめにしないと爽やかな香りが出てきません。
味わいも、ほんのりとした塩気がメインで、後味として甘さをほのかに得られます。 シーフードの料理には合いそうな雰囲気です。
ただしコーラで割ってみると、意外にレーズンの香りのようなものが浮き出て、趣のあるクーバ・リブレになります。

全体的には、スプリングバンクほどの強烈な塩辛さがなく、ストレートやロックでは酸味や甘さが感じ取れて、バランスのよいボトルに仕上がっています。 
ピートの香りはヘビーピートモルトを使っている割にはそれほど強くはなく、他の香りとのバランスがとれている印象です。

700mL、アルコール度数46度で、価格は5600円ほど。
ノンエイジのシングルモルトとしては高いですが、長期熟成ものに負けない豊かな香り、味わいがあって、 あまり損とは思わないでしょう。

<個人的評価>

  • 香り A: スプリングバンクとは一転して、ナシ、青リンゴ、ラムレーズンのフルーティさが目立つ。ピートは強すぎない。
  • 味わい A: 酸味、ビター、甘さがメイン。加水すると塩気が出るが、ほかの味を潰さず引き立てる。
  • 総評 B:  ノンエイジとは思えないほどエッジが丸く、香り、味わいが豊か。
 

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ロングロウ スタンダード 700ml
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