旧約聖書にはイザヤ書という預言書がある。
今回はその40章～55章、通称第二イザヤと田所さんの関係性について考えてみる。
特に注目したいのは52：13～53：12、「主の僕と苦難の死（新共同訳）」の部分である。


かつて多くの人をおののかせたあなたの姿のように
彼の姿は損なわれ、人とは見えず
もはや人の子の面影はない。　(ｲｻﾞ-52:14)

これは地下室の場面、まさに野獣と化した先輩を表している。
サカリのついた獣の腰使い。地下室に響き渡る阿鼻叫喚の喘ぎ。


彼が刺し貫かれたのは
わたしたちの背きのためであり
彼が打ち砕かれたのは
わたしたちの咎のためであった。
彼の受けた懲らしめによって
わたしたちに平和が与えられ
彼の受けた傷によって、わたしたちはいやされた。　(ｲｻﾞ-53:5)

これは後半、田所さんが遠野に掘られている場面を表す。
文字通り遠野によって刺し貫かれ、「ンアッー！」という咆哮と共に打ち砕かれている。


苦役を課せられて、かがみ込み
彼は口を開かなかった。
屠り場に引かれる小羊のように
毛を刈る者の前に物を言わない小羊のように
彼は口を開かなかった。　(ｲｻﾞ-53:7)

これもそのまま、「胸にかけて胸に！」と言いつつも顔にかけられ、田所さんが押し黙る場面を表している。


彼は自らの苦しみの実りを見
それを知って満足する。
わたしの僕は、多くの人が正しい者とされるために
彼らの罪を自ら負った。　(ｲｻﾞ-53:11)

ラストシーン、幸せなキスの場面を表している。
田所さんは全人類の罪を背負い、人々を救ったのである。


つまり、田所さんはイザヤ書の預言に書かれた救世主（メシア）＝キリストであると考えることができる。
またキリストとは「油を注がれた者」という意味があり、直前の屋上でオイルを塗る場面との関連性も無視できない。