最近発掘された3作目。今回はとりあえずこれを見て感じたことを書いてみる。


まずＯＰのメタル化した先輩。

これは田所さんが人ならざるもの、すなわち神、仏、およびそれに準じる何かとの関係が深いことを表しているとみて間違いない。

鈍く光るその姿からは一種の神々しさすら感じさせる。

そして次に目に付くのが綺麗に丸めた頭。

これらを考慮すると、このビデオは田所さんが出家し苦行に励んでいる様を描いた作品であるということがわかる。

本編冒頭、おそらく弟子であろう男たちの手が千手観音の如く四方八方から田所さんに伸びる。

そして愛撫が続き、ローションプレイの最中に田所さんのまず一回目のセリフ、「アー、イキソ」が来る。

が、しかし田所さんはイカない。

これは田所さんが嘘をついているのではなく、苦行に必死に耐えている時に思わず弱音が漏れてしまう、一種の人間らしさを感じさせ、キリスト教など他宗教とは違い釈迦や仏も人間であるというメッセージも込められているように思われる。

そして田所さんの二回目のイキそう発言は、黒い張り型で掘られている時に発せられる。

「アーイキソウ」と苦難の表情を浮かべて弱弱しく口にする田所さんの姿は淫夢4章、空手部の時と違いイキイキとした活力が無く、見るものの同情を誘う。

が、これは苦行なのである。田所さん自身の戦いなのである。

注意深く見れば、ゆがんだ表情の奥底に田所さんの確固とした決意が見えるだろう。

そして終盤、三連結の場面で田所さんは「アッ、イキソイキソー」とつぶやき、ついに射精に至る。

おわかりの通り、この3回目でのイキそう発言からの射精。これが「3度目の正直」および「仏の顔も3度まで」の語源であろう。

その後放心状態の田所さんは弟子に顔にかけられ、4章ラストとは違う汚いキスで終了する。


おそらくこのビデオが仏教関連をモチーフとして作られたのはまず間違いない。

また、本編で田所さんはバイザーを装着しており、実際と異なる映像を見させられているのだが、これはパトナムの「水槽の中の脳」に代表される懐疑主義的思考実験を表しているともとれるし、これを前提とした「これは夢なのか、現実なのか・・・」という真夏の夜の淫夢との関連性も無視できない。

これらについてはまた追々触れていきたいと思っている。