巨人・斎藤雅樹が成し遂げた不滅の「11試合連続完投勝利」これが舞台裏だ
「リードは全部オレに任せろ。おまえは何も考えなくていい。投げることに集中しろ」
「分かりました。言う通りに投げます。全部任せます」
斎藤が弱気になりそうになると、私はマウンドへ行き、「おまえの球が打たれるわけないだろう!」とゲキを飛ばし続けた。
そこから3試合連続完封で6連続完投。6月16日の中日戦で彦野利勝に左翼席へ運ばれ、連続無失点は30イニングで途切れたものの、延長十回のピンチを切り抜けると、その裏に代打・岡崎郁のサヨナラ適時打で連続完投勝利を継続させた。
7月1日にスタルヒンの球団記録に並ぶ9連続、同8日の大洋戦で10連続となり、78年に鈴木啓示さん(近鉄)が作ったプロ野球記録に並ぶ。そして同15日のヤクルト戦で3安打完封。11試合連続完投勝利の新記録を達成した。これは現在もプロ野球記録として残る快挙である。