巨人では藤田元司監督に“ノミの心臓”斎藤雅樹を「強気のリードで何とかしてくれと」
問題は斎藤のメンタルにあった。当の本人が自身の球や能力を信じられないでいた。だから、思い切って打者の内角をつけない。「絶対にコントロールミスはできない」と自分にプレッシャーをかけて腕が振れなくなり、甘く入ったところを痛打されるという悪循環に陥っていた。私は斎藤に繰り返しこう言って聞かせた。
「『絶対に構えたところに投げろ』なんて言わない。“だいたい”でいい。内角“付近”“この辺”に投げればいいんだから」
■「気が弱いんじゃない! 優しいんだ!」
さらに“木に登らせる”くらい、おだてて褒めまくった。藤田監督も「斎藤、おまえは気が弱いんじゃない! 優しいんだ!」と諭したり、「投手は臆病でないといけないんだ。怖いということは、おまえがいろいろ考えている証拠なんだ」と言ったり、周囲は斎藤に自信を持たせようと必死だった。