ウクライナのレズニコフ国防相は公式声明の中で「ヘルメットを提供してくれとドイツに要請してない、緊急にドイツへ要請したいのは我々への武器支援を妨害しないことだ」と名指しで批判した。
野戦病院セットを提供したドイツに感謝の言葉を述べなかったレズニコフ国防相
ロシアの侵攻リスクに晒されるウクライナを支援するため武器供与に名乗り出ている国が増える中、ドイツのランブレヒト国防相も「ウクライナの要請に応えて5,000個のヘルメットを提供する、これはドイツがウクライナの側に立っているという明確なシグナルだ」と先月26日に発表したが、ウクライナのレズニコフ国防相は「我々はドイツにヘルメットを提供してくれとは要請していない」と明かした。

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さらにレズニコフ国防相は「我々が緊急にドイツに要請したいのは他国への武器供給を阻止する行為で、大砲をウクライナに供給したいというエストニアの訴えをドイツ政府は拒否し続けている」と主張して「ウクライナが祖国を守ろとする努力を邪魔しないでほしい」と強調した。
レズニコフ国防相が言及したエストニアの訴えとは「旧ソ連製の122mm榴弾砲をロシアの侵攻リスクに晒されるウクライナに輸出するためエストニアはドイツに輸出許可を要請している件」のことで、この榴弾砲は旧東ドイツ軍が所有していたためエストニアが榴弾砲をウクライナに輸出するためにはドイツに許可をとる必要があるのだが、ドイツのショルツ政権は「ウクライナへの武器供与はロシアを刺激するだけで事態を悪化させる」と主張してウクライナへの殺傷力のある武器輸出を認めていない。

出典:Ministerstwo Obrony Narodowej ポーランドがウクライナに供与したPZRグロム
さらにウクライナへの武器供与に乗り出したポーランドも「ドイツの輸出規制を回避するため国産兵器の供与に重点を置いている」と報じられており、レズニコフ国防相は「祖国をロシアから守ろうするウクライナやこれを支援する国の邪魔するな」とドイツに要請しているのだ。
最後にレズニコフ国防相は「今月3日時点でランブレヒト国防相が発表したヘルメット提供に関する正式な通知を受け取っていない、我々は正式な通知が来るのを待っている」と語り、米国、英国、カナダ、デンマーク、ポーランド、チェコ、エストニア、ラトビア、リトアニアの支援(武器支援、ウクライナ軍を指導する要員派遣、経済的支援など)については感謝の言葉を述べたが、このリストには野戦病院セットやヘルメットを提供(予定)したドイツの名前はなくウクライナの怒りが透けて見える声明だと言えるだろう。
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※アイキャッチ画像の出典:Defence of Ukraine / CC BY 4.0
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どんどんドイツを批判すればドイツ国民が目覚めるから他国の閣僚はガンガン批判していって欲しいな
移民殺到でも目覚めないんだから、ドンぱち始まらないとダメなんじゃない?
移民問題はすぐに目覚めて規制を厳格化したり他国に(東欧やトルコ、イタリア等)に押し付けたりして上手くコントロールしてるよ
相変わらず綺麗事抜かしながら他国を説法してるけどね笑
んんん?いやいやいや待て待て待て
そもそもヘルメットは規定数にまるで足りてなかったとはいえウクライナ側からの要請で10万送ってくれって話だったんじゃないのか?
ということは独週刊誌のフォークスとやらの報道自体が間違ってたのか?
WW1で外国の戦争に関わるなという国民世論に圧されて、支援を限定した結果、孤立した当時の日本と被るな
国民世論は結局は素人、衆愚になるリスクがあることを政治家がちゃんと理解しないとな
時には世論に逆らってでも行動を起こすべきは起こさないとならないときはある
今は高みの見物でドイツを非難しているけど
我々にとって身近な有事、台湾有事で自分の国が
どんな立ち振る舞いをするかは見物だけどね
少なくともオリンピック期間中は、ロシアも動けませんが、その後はいつ起きてもしようがないでしょう。
訓練が必要になる新型兵器などより、扱い慣れた兵器の弾薬や、対戦車用を含む歩兵携帯兵器とその弾薬の供給が喫緊である以上、ドイツの態度は凄まじい恨みを買うでしょうね。
ロシアとしても短期で屈服させたい筈で、歩兵による遅滞戦術がもっとも嫌な戦術でしょうし。西側メディア入りやすいので、いくらロシアでもしみんを巻き込んで市街戦を展開するのは避けたいでしょう。
東欧に迷惑かけるのはWW2のころから変わってなかった
ロシアはかつて北京オリンピック開会式の日にグルジアへの軍事侵攻した
前歴はあるけどね
ただ、あの頃と違って今の中国の影響力は段違いだし、敵の敵は味方論理
で、今や反アメリカ盟友の中国だから、今度は自重するかもだけど。