フクイベナートルの復元模型(福井県立恐竜博物館提供、制作・荒木一成)
 フクイベナートルの復元模型(福井県立恐竜博物館提供、制作・荒木一成)

 福井県立恐竜博物館などのチームは、同県勝山市北谷町にある白亜紀前期(約1億2千万年前)の「手取層群北谷層」で発掘された恐竜「フクイベナートル」の化石のコンピューター断層撮影(CT)をしたところ、分類が従来の見解よりも鳥類に近いことが分かったと明らかにした。日本古生物学会で6日にオンライン形式で発表する。

 化石は、2007年に発掘され、16年に新種として命名された。全長約2・5メートル、体重約25キロと推定される。

 化石の周囲に取り除けない岩石があったことから、チームはCTを利用。新たに17カ所以上の部位を特定した。

 骨の形などから「マニラプトル類」だと判明し、従来考えられていた以上に鳥類に近かった。マニラプトル類から「テリジノサウルス類」に枝分かれする起源に近い恐竜とみられる。嗅覚が鋭かったという。

 恐竜博物館の服部創紀研究員は「恐竜から鳥類への進化史を考えるための重要な発見だ」と話した。