スピーカー
ラウドスピーカー(loudspeaker)の略で拡声器または高声器ともいう。電磁結合や静電結合等を利用して電気信号をそれに応じた機械信号に変換し,さらに振動板,コーン,ホーン等に連結して音声に変換する装置。原理の違いによってマグネチックスピーカー,ダイナミックスピーカー,コンデンサースピーカー等のほか,磁気ひずみ形,誘電体形等高音域の特殊なものなどがある。また構造上からは,コーン状振動板が直接空気に接しているコーン形,振動板がホーンを通して空気に接しているホーン形に大別される。前者は一般に音響効果を高めるために,さらに平面バッフル,キャビネット,ホーンなどがとりつけられる。一般に可聴周波の全音域を高忠実度に再生する単体スピーカーの製作は困難なので,音域は狭いが特性のよい超高・高・中・低・超低音域専用のスピーカーを組み合わせて使用されている。いくつ組み合わせるかによって,ツーウェースピーカーシステム,スリーウェースピーカーシステムなどと呼ぶ。また,超高音域をスーパーツィーター,高音域をツィーター,中音域をスコーカー(ミッドレンジとも),低音域をウーハー,超低音域をスーパーウーハーという。
→関連項目指向性
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スピーカー
〘名〙 (speaker)
※漫談集(1929)見習志願の巻〈徳川夢声〉「ヤア、実は僕、スピーカーをやって見たいと思ふデスが」
② 議長。特にイギリス、アメリカの下院議長。
※西洋事情(1866‐70)〈福沢諭吉〉初「下院の長官を『スピークル』と云ふ」
③ ラジオやテレビ、ステレオ装置などで、音声電流を音に変える装置。永久磁石を使うマグネチック‐スピーカー、電磁石を使うダイナミック‐スピーカー、ロッシェル塩を使うクリスタル‐スピーカーなどがある。ラウドスピーカー。拡声器。
※放浪時代(1928)〈龍胆寺雄〉一「僕は荷箱の上の拡声器(スピーカー)の埃をちょいちょい指で撫でながら」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
スピーカー(speaker)
1 ラジオやテレビ、オーディオ装置などで、電気信号を音声に変える装置。
2 《「ラウドスピーカー」の略》拡声器。
3 話し手。話者。演説者。
4 うわさなどを好み、話を広めたりする人。
[類語]話者・話し手・語り手・語部・ナレーター
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スピーカー
音の波形に応じて変化する電気信号を再びもとの音に変えて,空間に放射する働きをするもの。拡声器ともいう。英語ではラウドスピーカーloudspeakerで,単にスピーカーspeakerとすると〈話す人〉の意に誤解されるおそれがあるので注意を要する。また,一般にスピーカーというときは,電気を音に変える働きをするもの(スピーカー単体)だけを指す場合と,スピーカー単体およびそれを収容する箱(エンクロージャー)の両方を指す場合がある。
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世界大百科事典内のスピーカーの言及
【トランスジューサー】より
…例えばマイクロホンは音波が伝える信号を電気信号に変換するトランスジューサーで,空気圧という信号の媒体を電圧という媒体に変えるものである。また,スピーカーは電気信号を音の信号に変換するトランスジューサーであるが,一度取り込まれた信号に手を加えたものを出力するという点でマイクロホンとは使用目的が異なっている。前者を入力トランスジューサー,後者を出力トランスジューサーと呼ぶことがある。…
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