公務員とは

警察官として働くために公務員になろう!

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警察官になりたいけれど、何をすればいいのだろうか?
警察官なんて難しくてむりかな?

警察官に憧れているけれど、警察官になる方法はハードルが高いと思って諦めている人はとても多いようです。

本稿では、警察官になるための方法について徹底解説いたします。

ぜひ参考にして、諦めるよりも、一歩踏み出す勇気を出してください!

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仕事の内容は?

警察機構は地方公務員と国家公務員が混在している

日本の公務員の中でも、ドラマ、映画、小説、漫画で一番取り上げられるのは、警察官ではないでしょうか。

『踊る大捜査線』で、織田裕二さん扮する青島も、柳葉敏郎さん扮する室井も、同じ湾岸署で働く警察官なのはわかるけど、ただの上司と部下って感じではしません。
何か室井はよそ者っぽいですよね。

ドラマでは、青島は警視庁(東京都警察)の巡査部長(後に警部補)、室井は警視(後に警視監)ですが、根本的な違いは、青島は警視庁(東京都)の地方公務員、室井は警察庁(国)の国家公務員でキャリアであることです。
ついでにいうと、ユースケサンタマリアさん扮する真下署長(警視正)も、国家公務員です。

あれ?警視庁と警察庁?近隣の千葉県警って何?地方公務員?国家公務員?

混乱しますね。

警察庁は、内閣府の外局である国家公安員会の「特別の機関」(国家行政組織法8条の3)で、国の行政組織です。

警視庁は、東京都の警察組織です。
千葉県警や埼玉県警、大阪府警のように、東京都警とは呼びません。
東京都が首都機能を有することから、警視庁と特別な呼び方をします。

日本の警察組織

日本の治安を維持し、人々の生活を守るため、巨大組織が一糸乱れず効率的に機能すべく、巨大なピラミッドを形成しています。
そして、このピラミッドは底辺から頂点に至るまで、それぞれに役割があり機能しているわけです。

警察の階級と仕事概要

階級名称 仕事概要
巡査 交番・駐在所などで勤務し、各部署で担当する事件の捜査、パトロールや事務作業に従事。
巡査長 基本的には巡査と同様だが、担当課の指導係員として巡査の指導を行う。
巡査部長 警察本部等の係員、警察署の主任として担当業務に従事しつつ、警部や警部補を補佐、巡査の指導監督を行う。
警部補 警察庁・警察本部の主任、警察本部の係長などに就き、巡査部長や巡査の指導監督を行うとともに現場責任者として指揮命令を発する。
警部 警察庁・警視庁の係長、道府県警察本部の課長補佐、警察署の課長などに就き、各担当分野の責任者として部下を指揮する。
警視 警察庁の課長補佐、警視庁の課長・管理官、道府県警察本部の課長・管理官、警察署の署長・副署長などに就き、担当所属の業務を掌握して、部下を指揮監督する。
警視正 警察庁の室長・理事官、警視庁の参事官・課長、道府県警察本部の部長、警察署の署長に就き、組織の管理運営の責任者として部下を指揮監督する。
警視長 警察庁の課長、警視庁の部長、道府県警察本部の部長・本部長などに就き、指揮監督にあたる。キャリアは22年目以降、勤務成績優秀者から順次昇任。
警視監 警察庁の次長・局長・審議官、警視庁の部長・副総監、道府県警察本部の本部長などの役職に就き、指揮監督を行う。キャリア組は原則として全員警視監に昇任するよう。
警視総監 警視庁のトップとして警視庁の事務を統括し、所属の警察職員を指揮監督する。全国の道府県警察本部長が警視監ないし警視長であるのに対し、首都警察の長である警視総監は、特別重要な地位にある。

この他に、階級を有しない警察庁長官があります。
定員は1名です。

警察庁長官は、国の機関である警察庁のトップとして、警察庁の庁務を統括し、所部の職員を任免、及びその服務についてこれを統督し、並びに警察庁の所掌事務について、都道府県警察を指揮監督します。

都道府県警察のうち「警視正」以上が国家公務員で、それ以外は地方公務員です。
都道府県警察官(地方公務員)として採用されても警視正からは国家公務員となります。
警視正以上の割合は全体の1%未満で、99%は地方公務員(警視以下)として活躍しています。

都道府県の試験を受け、警察官になると最初は「巡査」から始まり、数年ごとに昇任試験を受け合格すれば昇進していきますが、最高階級は「警視長」止まりです。

他方、国家総合職や国家一般職に合格して、警察庁に採用されると、「巡査」ではなく、総合職は「警部補」から、一般職は「巡査部長」からスタートします。

総合職は、キャリア官僚として、警察組織の幹部候補生として昇進スピードの速さも桁違いです。

一般職は、準キャリアとかセミキャリアと呼ばれ、現場の警察官の仕事と、全国の警察行政の企画立案、両方を経験できる面白い職種といえます。

警察官としてはたらくために

警察官の採用には、都道府県警に地方公務員として採用されるルートと、国家公務員として採用されるルートがあります。

各都道府県警察に就職する

警察署や交番に勤務している、みなさんがイメージする警察官になるには、各都道府県警察が実施する採用試験に合格する必要があります。

各都道府県には「都道府県公安委員会」が設置されており、各委員会が独立して警察本部を管理し、さらに各警察本部により警察署や交番を設置しています。
警察官採用試験も、各本部が独自に実施しています。

警察庁に就職する

警察庁は、日本全体の警察組織のありかたを企画・運営したり、全国の警察組織の調整を担ったり、指揮監督を行ったりする国の組織です。
現場での捜査実務を担当することはなく、企画・調整・政策立案を行うのが主な役割です。

警察庁に就職するには、国家公務員総合職試験や国家公務員一般職試験に合格後、官庁訪問を経て、警察庁に採用されるのが一般的です。

他省庁や、都道府県警察から出向する場合もあります。

皇宮警察本部に就職する

皇宮警察本部は、警察庁の附属機関であり、天皇皇后両陛下や皇族各殿下の護衛と皇居、御所、御用邸などの警備を専門に行う警察です。
かつては、近衛兵とか近衛隊と呼ばれた組織です(ベルばらのオスカルですね)。

皇宮警察本部に勤務する皇宮護衛官は、厳密な意味での警察官とは異なる国家公務員ですが、皇室の警護に憧れから、都道府県警と併願する受験生も多い職種です。

皇宮護衛官になるには、国家公務員一般職に相当する皇宮護衛官採用試験に合格して採用される必要があります。

試験について詳しく知ろう

国家総合職や国家一般職の試験については、他のコラムで紹介しているので、ここでは都道府県警察の採用試験について説明します(皇宮護衛官採用試験も基本的には同様の試験が実施されます)。

受験資格

都道府県によって異なりますが、受験可能年齢の上限は、28~35歳とされることがほとんどです。
『踊る大捜査線』の青島が脱サラして警察官になったように、筆記試験のハードルの低さも相まって、民間企業から警察官に転職する人も少なくありません。

また、多くは、「大学(短大を除く)卒業者および卒業見込者」という学歴要件が設けられています。

大卒(卒業見込み含む)の人は、学歴資格により「A区分」「警察A」(警視庁・埼玉県警・長崎県警の大卒区分は「Ⅰ類」)試験を受験することになります。

1年に複数回試験を行う都道府県では、採用時期の関係で、試験によって大卒見込者が受験できたりできなかったりがあるので、事前に調べるようにしましょう。

この他に職務の特性から身体基準(身長、体重、胸囲など)が設けられことが多かったのですが、最近では廃止・緩和する自治体が多いようです。

警察官の試験日程

都道府県ごとに採用試験の時期や回数は異なります。
1年に1回という自治体もありますが、約6割の自治体は採用時期を分けて1年に2〜3回実施しています。

例年5月中旬、7月中旬、9月中旬に一次試験を実施するところが多く、日程が重ならなければ、併願は全く自由です。

日程に関しては、必ず各都道府県や都道府県警のホームページなどで確認しておきましょう。

共同試験制度にも注意

共同試験とは、複数の都道府県が共同して採用試験を実施する制度です。
受験者は共同試験に参加している他の都道府県警を、第1もしくは第2志望として選んで受験することができます。
第1志望の都道府県で1次不合格になった場合に、成績次第で第2志望の都道府県で合格することも可能です。

「共同試験」を実施する自治体は、年度により異なりますので、事前に各都道府県や都道府県警のホームページなどで確認しておきましょう。

試験内容

都道府県によって、試験内容は若干の違いはありますが、概ね

試験 内容 時間など目安
1次
試験
教養択一
(数的処理、文章理解、人文科学、自然科学、社会科学など)
50問程度
120~150分
作文 600~1200字
60~90分
国語試験(漢字の書き取りなど)        20分程度
適性検査(性格検査)、身体検査など  
2次
試験
個別面接(集団面接、集団討論を実施する場合もあり)
体力検査など

※教養択一以外は、1次で行うか2次で行うか自治体によって異なります。

加点事由

実施の有無、対象となる種目など、都道府県によって異なりますが、一定の有資格者やスポーツ大会出場経験などを加点事由とする都道府県もあります。
事前に各都道府県や都道府県警のホームページなどで確認しておきましょう。

加点項目として多いのは

  • 「柔道」「剣道」などの武道の有段者
  • 「英語」「中国語」「韓国語」などの語学での一定以上の有資格者
  • 「財務」「情報処理」分野での有資格者
  • 対象となるスポーツ歴での全国大会などへの出場経験

などがあります。

倍率・難易度

これも都道府県によっても異なりますし、試験実施時期によっても異なりますが、だいたい5〜6倍あたりが平均的な数字と言えます。

警察官の受験可能年齢の上限も高く、筆記試験のハードルが低いので、公務員に転職希望者が、警察官だからではなく、公務員だからという理由で安易に受験する人が多いのも倍率を押し上げる要因にもなっています。

なので、本気で警察官になろうと考えて、筆記試験対策や面接対策をしている人(特に面接対策)の中での倍率はもっと低くなります。

ただし、女子は別です。

どの警察官採用試験も男女別に実施しますが、女子の採用人数は男子に比べて非常に少ないです。
加えて、女子で警察官採用試験を受験する人たちは本気度が高いのが一般です。

したがって、女子の受験生は筆記試験も面接試験も難易度は男子よりも格段に上だと考えてください。

逆に、合格すれば、優秀な女子の先輩や上司に出会えると考えて、モチベーション維持に役立てましょう。

試験対策

一般的に、教養択一の合格ラインは4〜5割程度とされます。

筆記試験対策は、過去問演習につきます。
必ず、過去問演集でやったのと似た問題が出題されます。

毎年、2〜3回もの試験を、都道府県ごとに実施しているのですから、ネタもつきてくるというものです。
特に、数的処理は出題数も多くその傾向は強いので、ひたすら過去問を解くことで、対策は十分です。

ただ、都道府県によって、重視する試験項目には違いがあります。

例えば、警視庁(東京都)では、漢字テストが毎年出題されますが、合格ラインは非常に高く、8割以上取れていなければ、教養択一がいかに高得点であっても、1次試験で不合格になるようです。

また、1次試験に合格したものの、面接で不合格になると、その後何回かは1次試験の段階で不合格とされるところもあります。
もちろん、面接試験で不合格になっても次回の試験で最終合格できるところもあります。

このように、試験制度の全体像は、どの道府県もさして変わりはありませんが、細かなところで違いがありますので、必ず希望する都道府県警察試験の情報収集は怠らないようにしましょう。

また、どの公務員試験も同様ですが、面接重視なのはいうまでもありません。

自分が、なぜ警察官になりたいのか、警察官になって何がしたいのか、警察官としてどう貢献できるのか、志望動機と自己PRの準備にはしっかりと時間をかけましょう。

この記事の著者

小林 美也子講師 (講師紹介はこちら


大手資格予備校・地方自治体・企業・教育機関等様々な場所で,長年にわたり公務員試験,宅建試験の受験指導,職員研修を行う。

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