広島ニュースTSS

130年の歴史持つ「広島菜」販売拡大 新商品「ひろし」が480万袋の大ヒット

2/1(火)  18:00 掲載

Video Player is loading.
Current Time 0:00
Duration 0:00
Loaded: 0%
Stream Type LIVE
Remaining Time 0:00
 
1x
Current Time 0:00
Duration 0:00
Loaded: 0%
Stream Type LIVE
Remaining Time 0:00
 
1x

ライクマーケットです。カキと並ぶ広島の冬の味覚、広島菜を取材しました。広島市の川内地区が最大の産地ですが、農地の宅地化で生産量は減少が続いています。しかし、今シーズンはここ数年とは違う「旬」を迎えています。

コンクリートの漬け込み槽に次々と投げ込まれる広島菜。信州の野沢菜漬、九州の高菜漬と並んで広島菜は日本三大菜漬に数えられます。

【JA広島市広島菜漬センター・谷山一秀さん】
「浅漬けはあっさりした塩味。鮮明な青さ。緑。独特な風味ね、歯切れよさが1つの特徴ですから」

広島菜は今まさに、出荷のピークを迎えています。広島菜漬を使った新商品も誕生し、厳しい現状が続く生産農家からは期待も高まっています。

【JA広島市広島菜漬センター・谷山一秀さん】
「これ今、持ってきて塩で置いて一中夜、漬け込みます。昨日漬けたのがここにあります。
1日漬けてこういう状態です」

JA広島市の広島菜漬センターは、最大の産地、川内地区を始め、周辺地域で育った広島菜を漬物に加工しています。1日塩漬けした後、さらに2日ほど漬け直し、味を馴染ませ、ほとんどを浅漬けとして出荷します。谷山さんはかつて、センターの所長をつとめ、40年以上に渡って、広島菜の産地、川内地区の移り変わりを見て来ました。

【JA広島市広島菜漬センター・谷山一秀さん】
「この辺一帯40年前いうたら、みな農地で一面、広島菜だったですね。ですから、こういう山陽道ができてからは(農地が)減ってますよね」

川内地区で代々、広島菜を作り続けてきた農家・上村さんの畑です。大きいもので3キロにもなる広島菜を手際よく束ねて、1日2トンから4トンを出荷します。

【広島菜を栽培する・上村隆介さん】
「130年以上続いた伝統野菜なので、これをいかにを守っていけるかって考えたらやっぱりその消費者の皆さんに食べてもらわないといけない。なので、しっかりと気持ちを込めて、作っております」

広島菜は明治25年、1882年に京都から持ち帰られた観音寺白菜と京菜を掛け合わせ、長い年月をかけて新しい品種になったと言われています。川内地区の肥沃で水はけのいい土壌は広島菜の栽培に最適で、今でも県内一の産地として栽培が続いています。
しかし…

【広島菜を栽培する・上村隆介さん】
「宅地化が進んで農地が半分以下になってるんで。僕が始めた頃の半分以下になってるっていうのがやっぱり大きいんで、『若農家の会』というのを作って、生産緑地を進めたりとか、今年からまた新たな取り組みをしていけたらなと思っています」

広島市の中心部に近い川内地区は市街化区域にあたり、農地にも宅地並みの固定資産税がかけられています。都市部の農地を保全する目的で2020年に広島市でも生産緑地制度が導入され、上村さんの農地も指定されました。生産緑地と認められると、固定資産税の負担が大幅に軽くなり、上村さんは宅地化で減り続ける広島菜の農地を守ることにつながればと期待しています。

【新商品×大ヒット=広島菜漬増産】

広島菜漬センターは今シーズン、例年以上に活気に満ちています。

【JA広島市広島菜漬センター・谷山一秀さん】
「これが三島さんの原材料…今年はかなり増産してます」

広島菜の浅漬けを増産する理由は広島市の食品メーカー、三島食品にあります。三島食品は赤しそを原料にした『ゆかり』をはじめ、ふりかけで大きなシェアを持つ企業です。

【三島食品第三工場・三木博喜加工場職長】
「これが『ひろし』になる広島菜の原材料です。JAの方で刻んで塩蔵したものを入荷しています」

広島菜漬を原料に去年2月に発売した、混ぜご飯のもと『ひろし』が想像以上の売れ行きを見せました。

【三島食品広報・佐伯俊彦マネージャー】
「1年間の販売目標ですね、約1か月と2週間でほぼ達成しましてですね。だいたい60万袋位を想定してたんですが、現状480万袋ということでかなり上振れしている状況ですね」

ひろしの製造はシンプルです。原料として運び込まれた広島菜漬を洗浄、脱水し、そこに調味料を加えて味を整えます。通常、フリカケはゴマやノリなど色々な材料を使ったものが多い中、『ひろし』は広島菜の素材の味で勝負します。

【三島食品第三工場・三木博喜加工場職長】
「こちらが乾燥機になります。30〜40分くらい乾燥させて、水分値で5%以下位にしたものをフリカケにしています」

広島菜というひとつの原料だけでフリカケを開発し販売するのは、素材にこだわる三島食品ならではの発想でした。さらに、この商品開発の裏には、もう一つ狙いがありました。

【三島食品広報・佐伯俊彦マネージャー】
「実は営業会議では『ひろし』ではなく、『ひろこ』でほぼ決まっていたんですが、社長がなんかちょっと違和感があると。広島菜をよりメジャーにしていきたいという思いがあるので『ひろこ』よりは、広島菜の『ひろし』としたほうが語呂がいいんじゃないかと。より広島菜をアピールしたいという思いからですね、ここを三島のではなく、社長判断で広島菜のという風にさせて頂いてます。高菜、野沢菜のように知名度があまり無い中で、やはりなんとか広島菜自体を盛り上げていきたいと」

広島菜漬を製造するJA広島市も新しい商品を開発しました。それが広島菜うどんです。

【JA広島市営農経済部営農販売課広島菜漬センター・沖野勝治総合所長】
「(広島菜漬を)パック詰めをして製品にする時に、製品にならないものを粉にして保管をしておきまして、それを小麦粉に練りこんで製品にしているものです」

うどん1袋に乾燥して粉末にした広島菜がおよそ8g練りこまれています。広島菜の風味が感じられ、冷やしうどんで食べるのがおすすめなんだそうです。

【JA広島市営農経済部営農販売課広島菜漬センター・沖野勝治総合所長】
「無駄をなくすことと、広島菜の消費拡大という色んな思いを込めて作った」

およそ130年の歴史を持つ伝統野菜、広島菜。この野菜を未来につないでいくために、生産者や販売する企業の努力が続いています。

直近のニュース