難易度・合格率

宅建と管理業務主任者はどちらが難易度が高い?試験内容・合格率・勉強時間で比較

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宅建、管理業務主任者は不動産に関する国家資格です。

どちらも受験資格の制限がありません。

年齢・国籍・学歴・実務経験に関係なく、誰でも受験できます。

どんな人にも平等にチャンスが与えられ、実力があれば合格できる資格です。

今回は、不動産関係の代表的な国家資格である宅建と管理業務主任者、両者の資格内容の違いや試験の難易度について解説します。

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宅建士と管理業務主任者の違い

宅建士と管理業務主任者は共に不動産に関する国家資格ですが、2つの資格の違いは以下のようになっています。

宅建士

「宅地建物取引士」の略称です。

土地や建物の売買、賃貸物件のあっせんなどを行う「宅地建物取引業者」の下で働く人の国家資格です。

不動産取引の契約前に、お客様が知っておくべき事項(重要事項)を説明することなどが宅建士の専権業務となっています。

不動産会社で幅広い業務に携わる人のための資格です。

管理業務主任者

不動産会社の中でもマンション管理業を営む会社で働く人のための国家資格です。

管理組合に対して管理委託契約に関する重要事項の説明や管理事務報告を行うことが専権業務となっています。

マンション管理の専門家のための資格です。

宅建と管理業務主任者、難易度が高いのは?

宅建と管理業務主任者に関して、2つの資格の難易度は近いところにあります。

ただし、合格率は宅建試験の方が低く、合格までに必要な勉強時間も宅建試験の方が長い傾向にあります。

以下で試験内容の難易度や合格率、合格までに必要な勉強時間を一つずつ見ていきましょう。

関連コラム:宅建の難易度ランキング!他資格と合格率や勉強時間を比較

試験内容の難易度

どちらの試験も出題数は50問で、解答形式は4択のマークシート方式です。

また試験時間も2時間で共通しています。

宅建試験の出題範囲は以下になります。

・権利関係(民法など)

・宅建業法

・法令上の制限

・税その他

宅建は、試験範囲はそれほど広くはありませんが、単なる暗記だけでは解けない、応用力を問う問題が多く出題されるので、深い知識を身に付けるためのしっかりした勉強が必要です。

管理業務主任者の出題範囲は以下になります。

・管理事務の委託契約に関すること(民法、マンション標準管理委託契約書等)

・管理組合の会計の収入及び支出の調定並びに出納に関すること

・建物及び附属設備の維持又は修繕に関する企画又は実施の調整に関すること

・マンションの管理の適正化の推進に関する法律に関すること

民法など、法令の範囲は宅建と重なる部分が多いですが、宅建ほど深い応用力を問われることは少ないと言われています。

しかし、会計や、建物及び附属設備の維持又は修繕などについては膨大な試験範囲になるため対策に時間がかかるのが管理業務主任者試験の特徴です。

合格率を比較

合格率の観点でいうと、合格率が低いのは宅建試験です。

管理業務主任者の合格率が毎年20~30%なのに対して、宅建の合格率は15~17%です。

司法書士の合格率は4%前後、社会保険労務士は6~7%、マンション管理士は8~9%ですので、これらの難関試験と比較すると、宅建と管理業務主任者の難易度は下がります。

しかし、受験者の多くは合格できないので、簡単な試験ではないことは確かです。

また、管理業務主任者の受験者の中には、より難易度の高いマンション管理士試験とダブル受験する人や、すでに宅建を取得した後に受験している人も多い傾向があります。

十分な勉強をしてきた受験者が多いため、管理業務主任者の合格率を上げているという要素がありますので、合格率の差がそのまま難易度の差とは言えません。

また、両試験とも会社から強制的に受験させられている人や、記念受験など、十分勉強したとは言えない受験者も多く含まれますので、まじめに勉強した人の中での合格率はもっと高いと考えられます。

あまり合格率の低さで弱気にならないようにしましょう。

合格に必要な勉強時間を比較

勉強時間の観点からいうと、ほぼ同等ですが、宅建の方が勉強時間はやや長く必要だと言われています。

管理業務主任者の必要勉強時間は300時間とされていますが、宅建は300~400時間が必要だと言われています。

司法書士は3000時間、社会保険労務士が1000時間の勉強時間が必要とされますから、それに比べれば少ない勉強時間で合格できるということになります。

しかし、1日約2時間として 150日(5か月)程度の勉強が必要ですから、それなりの継続した勉強が必要だということになります。

勉強の進捗については個人差があるので、人によっては平均的な勉強時間では足りないこともあります。

特に、宅建、管理業務主任者ともに大きな比重を占める民法については、法律に関する知識がまったくない場合は理解が難しい科目です。

苦手な人はしっかりと時間をかけて勉強する必要があります。

関連コラム:宅建に独学で合格するのに必要な勉強時間は?科目や時期に応じた配分も解説

どちらを取得すべき?

ともに不動産に関する国家資格ですが、宅建と管理業務主任者では実際の業務の内容が異なっています。

不動産業界の幅広い仕事で活躍したい人は宅建がおすすめ、堅実にマンション管理の専門家になりたい人は管理業務主任者がおすすめです。

2つの資格は、役割が違うので自分の目指したい方向に合わせて資格を取得しましょう。

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