『HENTAI』に対する規制も人間のポルノとは区別したほうがいい
今回の研究により、『HENTAI』として世界中に拡散されているエロアニメ消費者の、心理的な傾向の一部が示されました。
『HENTAI』愛好家はアニメキャラに強い魅力を感じる一方で、実在する人間に対する魅力評価(美男美女ランキング)は他の人々と同じパターンを示しました。
また『HENTAI』愛好家は恋愛や愛情に対する積極性は他の人々と同じだったものの、女性の『HENTAI』愛好家においてはパートナーの愛情に対する不安が大きい傾向がみられました。
これらの違いから研究者たちは、『HENTAI』と人間のポルノを同列に考えるべきではないと結論しました。
『HENTAI』に登場するアニメキャラクターに対して人間は独自の解釈基準を持っており、女性においては心理的な状態も一部違いがあったからです。
研究者たちは論文の最後に、「『HENTAI』コンテンツが人間のポルノと同じように行動・感情・態度に影響を与えると仮定するのは適切ではない可能性がある」、と述べています。
何らかの規制を行う場合でも、『HENTAI』と人間のポルノは別個のものとして扱う必要があるかもしれません。
研究者たちは今後も『HENTAI』の研究を続け、人間の認知が非人間的な不定形の存在から受ける影響を調べていくとのこと。
巨大にふくれあがった『HENTAI』産業は人類の精神的な領地に独自の王国を築き上げており、その人気の秘密を解き明かすことで、人間の認知能力の奥深さを解明できるかもしれません。