同チャンネルは『NARUTO』『ジョジョの奇妙な冒険』『ドラゴンボール』など日本アニメのレビューをしていたが、東映アニメーションからの権利申し立てによって2021年12月、約150本もの動画が削除されていた。
東映アニメの申し立てで動画が非公開に
「Totally Not Mark」を運営する、マーク・フィッツパトリック(MarkFitzpatrick)さんは、日本アニメのレビューや考察を投稿するYouTuber。2021年12月に、東映アニメーションが行った申し立てにより、同チャンネルの動画約150本が削除されていた。 マークさんが公開した騒動に関する動画によると、12月に動画が削除された後、YouTubeからコンタクトがあったとのこと。
その担当者はマークさんに、彼のもとに申し立てが届く前に、東映アニメーションがYouTubeに直接コンテンツ削除の要請をしていたこと、フェアユースの観点からYouTubeはその申し立てを一度却下し、マークさんのコンテンツが削除されるべきだという正当な根拠を提出するよう求めたことを説明。
しかし、東映側は根拠を提出せず独自に申し立てを実施。結果としてマークさんの元には150通もの警告メールが届き、動画もブロックされてしまったという。
その後、日米のYouTubeチームが双方とやり取りし調停をはかった際に、東映は改めて86本の動画リストを提出。
そのリストには『ドラゴンボール』の動画は記載されている一方、他の東映作品で記載されていないものがあったため、マークさんは「東映がコンテンツ保護に関して著作権法に基づいた一貫したルールを持っているとは思えず、恣意的にリストを作成した」と批判している。
動画は復活するも日本では非公開に
今回YouTubeが東映からの最初の要請に対して行った対応は、YouTubeのフェアユースに関するガイドライン(外部リンク)にも記載がされている。同ガイドラインでは、フェアユースを「一定の条件を満たしていれば、著作権者から許可を得なくても、著作物を再利用できることを示した法原理」と説明。
フェアユースの保護施策については「裁判所は、著作権者が著作権侵害による削除通知を送信する前にフェアユースを検討する必要があると判断しています。そのため、多くの場合、YouTubeはフェアユースに該当するかの分析を行ったか否かを著作権者に確認しています」とされている。
今回の件の影響によりYouTubeは、ある国でフェアユース動画がブロックされても、フェアユースへの許容度の高いアメリカなどでは引き続き公開できるように変更を行った。
マークさんは今回の件に関して、サポートしてくれた人たちへの感謝を述べ、「ビデオゲームのように、配信者・動画投稿者と著作権所有者が協力的な関係を築くことは、双方にとって非常にうまく機能する可能性が高いと心から信じています」とコメントしている。