Messages from Students現役生のメッセージ
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NAGAE Satsuki長江 五月
計算知能・マルチメディア研究室
私は名古屋大学で物理学を専攻し、卒業研究の過程でAI開発の魅力に惹かれ、機械学習に専門を変えるため筑波大学の大学院に進学しました。知能機能システムは私のような分野外の学生に対しても開かれた環境にあるのは大きな魅力だと思います。私の修士課程の研究では、潤沢な計算リソースが必要とされる深層学習を扱いましたが、私の研究室では高性能なGPUを積んだPC・クラウド環境を与えてもらい、大変恵まれた研究環境で実験を行うことができました。大学院で専門を変えた自分でも、修士課程の前半でじっくり基礎を学ぶことで、修士課程2年間の間に国際学会を2回行い、優秀修士論文賞をいただくことができたので、新たな挑戦をしてよかったと思います。就職活動の面でも、機械学習エンジニアとして企業の長期インターンに参加して開発能力を高める機会を与えていただき、大学院進学当初に目指していた機械学習エンジニアとして卒業後は働くことができるようになりました。今後のキャリアでは知能機能システムでの研究活動で得た知見を大いに活かして、日本のAI開発の最前線で活躍できる人材になりたいと思います。
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KURATOMO Noko 倉友 乃康
知覚拡張システム研究室
私の大学院生活はチャレンジという言葉に尽きます。国際学会発表や論文投稿は何度も行い、酸いも甘いも嚙み分けてきました。
特に印象に残っているのは、本大学の「国際ユニコーン育成プログラム」に参加し、世界最大級のイノベーションハブである「CIC Boston」にてデモンストレーションを行ったことです。研究者だけでなく起業家や投資家と活発な議論を交わし、ベンチャー企業の考え方、そして私の研究が社会にどう還元できるか深く考えることで、研究だけでなく自分自身の成長に繋がる機会となりました。
他にも、私の研究を企業さんと連携することで社会へ橋渡しをしていたり、所属外の任意の研究室に参加する「コラボラトリー演習」では感性デザインを研究するなど、様々な機会に恵まれてきました。
幾度もの学会発表や雑誌投稿が行える研究生活、多くの経験が積める環境は、チャレンジする人を支援する筑波大学および知能機能の特徴だと思っています。大学院でのチャレンジは初めてだらけで何度も失敗しました。その分、成功もし、かげがえのない体験をしてきました。せっかく大学院に進むことを考えているのであれば、専門知識を得るだけでなく、今チャレンジできるからこその経験も学んでいってください。
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URASAKI Shinpachiro浦崎 新八郎
機械システム研究室
僕は知能機能システムに外部から進学して修士2年間,お世話になりました.そのIIT/IMISですが,いわゆる学際的で,応用に偏重したカリキュラムが組まれているかと思いきや,研究に必要な数学的な基礎を重視した科目も多く,僕のような高校と大学に通ったことがない外部生であっても安心して研究に取り組む環境が整っています.初めに徹底的に基礎を学んだからこそ,その後の研究活動が実りの多いものになりました.僕は,非線形ダイナミクスを数学的に解析し,積極的に活用した制御法と,そのマイクロセンサへの応用について研究し,在学中に二報の査読付国際誌に採録されることができました.この研究分野では,非線形ダイナミクスを,「手で解く」ので,とても大変です.iPadとApple Pencilは必須です.その大変な研究において,絶対にうまくいく方法や計画は存在しません.そのような中で,僕は好奇心を大切にし,研究を進める過程から得られる学びを大切にしていました.成果を求める気持ちが強いと,焦りが生まれ,なかなか頭と手が動かなくなっていきます.好奇心から研究をすると,躊躇なく一歩目を踏み出せるようになり,ひとりでに研究が進み,思いもよらなかった成果を発見できました.今後も好奇心を失わないように努力を続けていきます.
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Kanda Daigo神田 大梧
計算知能・マルチメディア研究室
私は鶴岡工業高等専門学校を経て筑波大学大学院に入学しました.大学という初めての環境で,1000人程度の学生しかいない高専しか経験のなかった私はとても緊張していたのを覚えています.しかし,所属した計算知能・マルチメディア研究室はとても自由で自身の方法で研究に取り組め,また,先生方に親切丁寧に研究をサポートしていただき,すぐに研究室や大学院での生活になじむことができました.
修士課程では深層学習ベースの視線推定に関する研究に取り組んでいました.初めての分野でしたが,先輩方や同期と共に学習しながら学び研究に活かすことができました.また,深層学習に必須なGPUなどの環境も最新のスペックのPCを使うことができ環境に対して不自由せずに研究に取り組むことができたと思います.研究室では学会や論文投稿にも積極的に挑戦させていただき,その過程で問題発見能力やその解決手法など社会に出ても重要な能力を培うことができました.この2年間で現在行っている研究をもっと続けたいという気持ちが強くなり博士課程への進学を決定しました.長い道のりですが今後も頑張っていきたいと思います.
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SATO Eisuke佐藤 栄介
ヒューマンエージェントインタラクション研究室
私は大学院でヒューマンエージェントインタラクション(人とエージェントの関わり合い)について研究し、具体的には協力ゲームにおいてエージェントのアルゴリズムを人とより協力しやすくなるように改良し、その評価を行いました。理由としてはゲームをプレイするプログラムやエージェントに興味があり、その延長として人と協力しやすいエージェントをゲームという課題で作ってみたいと思ったからです。知能機能システムでは、自分の研究の主分野はもちろんのこと、機械学習や人工知能等、関連する様々な分野を自由に学ぶことができました。これは、必修単位が少なく、多様な学問を横断的に学ぶことができる知能機能システムならではの利点だと思います。また、研究室での輪講や学会での研究発表を通して他の人の考えに触れることによって、自分の専門分野以外の知見も多く得ることができました。これらの経験が現在の自分の糧になっていると感じています。大学院の研究においては、今までの座学のように受動的に学ぶ姿勢だけではなく、自ら進んで課題を見つけてその解決法を探究していく能動的に学ぶ姿勢が求められるので難しく感じるかもしれませんが、学びに対する好奇心を失わず、2年間専心して研究に取り組むことで乗り越えて成長できると思います。
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YAKURA Hiromu矢倉 大夢
後藤真孝研究室
機械学習、そしてHuman-Computer Interactionの分野に興味を持っていた私にとって、IntelligentとInteractionという単語を英名に冠するこの修士課程は非常にマッチしたものでした。特に、連携大学院制度を用いて、興味分野に合った研究指導をいただくことができたのはとても大きく、トップカンファレンスでの研究発表や競争的研究資金の獲得に繋げることができました。また教育課程として、そうした研究活動を支える仕組みがあったというのも特筆に値すべき点で、国際学会での発表や論文誌での採択に関連して単位認定をいただけるというのはありがたかったです。メインで取り組んでいる分野ではないですが、機械系についても「機能システムツール演習」といった講義を通じて触れることができたのはよい経験となりました。そうした経験から個人的には、どのようにこのプログラムを活用するか、事前に深く考えておけばおくほどその真価を発揮するようなプログラムになっているのではないかなと思います。ぜひこの自由度の高さを活用しながら、学位プログラムを使い倒してください。
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IIDA Soichiro飯田 宗一郎
エンタテイメントコンピューティング研究室
大学院では、接客敬語訓練システムの研究に取り組みました。簡単に説明すると、接客上の対話をシミュレートし、発話中の敬語の誤用を指摘することで接客敬語の訓練を行うシステムです。私の場合は、ゼロからシステムの実装を始めたので、システム構成をどうするか、コンテンツをどうするか、有用性を示すためにシステムをどのように評価するか、など多くの課題に直面しました。研究を進めるにあたり、所属する研究室のメンバーや先生だけでなく、他の研究室や他大学の先生方から研究に対するアドバイスをいただける環境がありました。自然言語処理と音声情報処理の専門家の先生方からのアドバイスを研究に反映することができ、自分の知識と研究を深めることができました。また、研究は開発するだけで終わりではなく、提案するシステムの有用性などを客観的に評価する必要があります。更に、学会や講義で発表したり論文を執筆する機会もあります。このような研究活動の中で、システムの実装力だけでなく、論理的に考える能力や「相手に伝える力」は在学中に非常に鍛えられました。これらは、社会に出てからも活躍するスキルだと思います。
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KASAI Yuki笠井 勇希
機械システム研究室
知能機能システム学位プログラムの特長やメリットとして私が感じたことは2つあります.
1つ目の大学周辺の研究機関と協働しやすいことです.大学の周辺に国や企業の研究機関が多いため,これらの機関と共同で研究を行いやすい環境だと思っています.私の所属研究室ではMEMSを用いたセンサの研究を行っていますが,MEMSの製作に関するノウハウは持っていないため,産総研のMEMSの専門家の研究者の方に協力をしていただき,製作方法を教えていただきながら,実験で使用するMEMSを製作しています.学内だけでは行えない研究を外部の専門家の協力を得て実現できることや,それを通して自分の専門外の知識を得られたことは自分にとってメリットだったと思います.
2つ目の研究成果を外部に発表する機会を与えてもらえることです.私自身,研究成果を国際学会で2回発表する機会をいただきました.大学からの支援もあるため,研究成果を発表しやすい環境だと思います.また,知能機能システム学位プログラムでは,研究成果を企業の方々に発表するポスター発表会も企画されています.学外への発表は,準備も必要ですが,学内の先生や学生からは得られないフィードバックなども得られるため,非常に良い経験になったと思います.
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KAWAI Shintaro河合 真太郎
人工知能研究室
筑波大学が所在するつくば市には多くの研究機関が集まっており,街全体が一体となって様々な試みがなされています.例えば,大学と市が連携して生活支援ロボットの普及を目指すプロジェクトを推進しており,街中では自律ロボットの公道実験が行われています.このように,新しいモノを生み出していくことに対して非常に積極的な土地柄は学生の研究活動とマッチしていると思います.また,民間企業との連携も活発であり,実際に私は自動車の運転を題材にとって人間の運動能力の支援・拡張を目指す研究を自動車会社と共同で行いました.この研究は人間,コンピュータ,機械,センサ,通信など多岐にわたる分野の知見が必要でしたが,知能機能システム専攻には各分野で最先端の研究を行っている先生方がおられたため分野横断的に学ぶことができました.研究室での生活は非常に充実したものでした.私が所属していた人工知能研究室では,先生方や研究員の方々と,そして学生同士でディスカッションする機会が頻繁にあり,一つのテーマを深く掘り下げて考えることの楽しさを知ることができました.また,出身学部・学科が異なる学生や外国人留学生など多様性のあるメンバーに囲まれた環境であったため,様々な視点から新たな気づきや学びを得ることができました.
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Yoshikawa Dan吉川 弾
サイバニクス研究室
私は現在,手指に麻痺を持ち,ものをうまく握ることができなくなってしまった方々の把持支援を行う革新的サイバニック・フィンガーに関する研究を行なっています.人に装着し,人と協調して動作する把持支援システムを開発するためには.ロボティクスの知識だけでなく,人体の構造や生体情報計測に関する知識も必要になります.知能機能システム学位プログラムでは多くの研究分野に対して授業が用意されており,その内容も基礎的なものから,実際に使われている技術に触れる実際的なものまで網羅しています.そのため,人・ロボット・情報系を融合したサイバニクス分野など先進的、複合的、学際的な研究分野を開拓していく上で必要な幅広い知識を身につけることができます.研究室の中では,教員の方々や先輩の指導を通して,課題を見つけ解決していく方法,開発に関する知識や技術,文章の書き方,発表における研究の特徴の伝え方,といった学問的知識以外の研究に関わる重要な力を身につけることができます.こうした環境の中で,研究に関して初心者だった自分が一から装着型システムを創り上げ、論文を執筆し、外部に発表できたときの達成感は,さらに研究を進め,分野開拓をしていこうという原動力となっています.研究室の人,そして外部の研究者とのディスカッションを通して自分だけでは思いつかなかったアイデアが生まれ,超えられなかった壁が超えられるなど,日々新しい「気づき」が得られる点も大学院での研究活動の良いところだと思います.入学を考えている皆さん!次世代の開拓者の一員として一緒に未来を拓いていきましょう!.
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TAJIMA Kazuma田島 和真
音響システム研究室
私は大学院で音を用いた近距離ディジタル通信に関する研究をしていました.私の所属していた音響システム研究室は,複数の先生方が協力して活動している研究グループで,「センシング」「音響通信」「楽器」「スマート農業」「VR/AR」「生体計測」など信号処理・計測に関する幅広い研究テーマを扱っておりました.巨大な研究グループであったため同期も20人おり,研究室内で他の人の研究に協力することも多く,工学に関する広い知識が得られる環境でした.私が修了する2020年度はコロナウイルスにより,研究室に行く機会が減ってしまいましたが,先生とのメールでのやりとりに加え,研究室の同期・先輩と定期的にオンライン会議で進捗を確認しあい,コロナ前とほとんど変わらず研究を進められることができました.さらに,大学院で3度の学会発表と,査読付き英文誌の執筆も経験させてもらい,自分の研究を発展させながら,最新研究のトレンドを学べる環境がありました.学会発表の間近は夜な夜なの作業が続き大変なことも多くありましたが,それでも厚く指導くださる先生方,高い志をもつ仲間の支えのお陰で,とても刺激的な日々を送れたと感じています.
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MATSUBARA Naoto松原 尚利
画像情報研究室
私は学部時代に情報科学を専攻し、データ構造に関する研究を行っていました。しかし、大学生活の中で映像技術に興味を持ち、大学院ではシステム工学に専攻を変えて本専攻に進学し、映像技術に関する研究を行いました。大学院に進学した当初は専攻分野の変化から専門用語等、分からないことが数多く存在しました。そのような環境下でもプログラミングの知識等、それまでに培ってきたものが活きることもありました。分からないことは先生や同じ研究室のメンバーに聞き、不足している知識を習得しながら研究を進めていきました。研究生活の中で良かったと思うことは、「課題解決力が身についたこと」と「普通ではできない体験ができたこと」です。研究は課題を見つけて解決することの繰り返しだと思います。同一の課題に対して研究室内だけでなく他専攻や学外の人の意見を聞くことで、様々な視点からのアプローチがあることを学びました。そのような経験は、本学には専攻間での交流を積極的に行う風土があることや、学外発表を定期的に行ったことが可能にしていると思います。また、サッカースタジアム内でドローンを飛ばして撮影実験を行ったこと等、貴重な体験ができたことも研究生活の醍醐味の一つであったと思います。
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Rohan Pratap SinghRohan Pratap Singh
ヒューマノイド研究室
I had already spent about 1 year in Japan when I decided to enter the University of Tsukuba as a graduate student (master’s program in IIT) in 2019. I wanted to spend dedicated time and effort on robotics research, and the University and this program provided me the perfect space to do so! As a graduate student, I also had the amazing opportunity to work as a trainee and RA at the Joint Robotics Lab (formerly known as Humanoid Robotics Group) at AIST, under the Cooperative Graduate School System. This was an especially incredible setting for me due to my prior association with the lab and strong interest in robotic perception systems. The lab provided me with all the necessary resources and guidance from great robotics researchers to work in an effective manner. In my program, the interactive poster sessions and seminars were particularly exciting - not only did they allow me to learn from the research pursuits of my peers, but also let me discover new domains of activity in intelligent systems. Another feature that I strongly appreciated was the regular and routine assessments through presentations and reports. This ensured continuous progress of research throughout the 4 semester, and prompt feedback from supervisors and other students. I struggled with the language barrier at first, but bilingual professors in the department and the language courses at the University went a long way to ease my journey.
I believe I gained a lot of new knowledge during my masters; but, perhaps more importantly, I matured as a student and developed better soft skills. In my experience, the IIT department offers a unique environment to pursue research where a blend of interdisciplinary fields of “intelligent technology” brings about innovation in both theoretical and practical realms. Motivated by my experience thus far, I have decided to continue my research further through the Ph.D. course in IIT.I had already spent about 1 year in Japan when I decided to enter the University of Tsukuba as a graduate student (master’s program in IIT) in 2019. I wanted to spend dedicated time and effort on robotics research, and the University and this program provided me the perfect space to do so! As a graduate student, I also had the amazing opportunity to work as a trainee and RA at the Joint Robotics Lab (formerly known as Humanoid Robotics Group) at AIST, under the Cooperative Graduate School System. This was an especially incredible setting for me due to my prior association with the lab and strong interest in robotic perception systems. The lab provided me with all the necessary resources and guidance from great robotics researchers to work in an effective manner. In my program, the interactive poster sessions and seminars were particularly exciting - not only did they allow me to learn from the research pursuits of my peers, but also let me discover new domains of activity in intelligent systems. Another feature that I strongly appreciated was the regular and routine assessments through presentations and reports. This ensured continuous progress of research throughout the 4 semester, and prompt feedback from supervisors and other students. I struggled with the language barrier at first, but bilingual professors in the department and the language courses at the University went a long way to ease my journey.
I believe I gained a lot of new knowledge during my masters; but, perhaps more importantly, I matured as a student and developed better soft skills. In my experience, the IIT department offers a unique environment to pursue research where a blend of interdisciplinary fields of “intelligent technology” brings about innovation in both theoretical and practical realms. Motivated by my experience thus far, I have decided to continue my research further through the Ph.D. course in IIT.
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FUKUDA Tetsuki福田 哲生
感触工学研究室
ここで私が述べたいことは、環境を変えることが自分自身の進歩の大きな手助けになるということです。元々私は学部1年次に本知能機能システム学位プログラムの下部組織となる筑波大学理工学群システム工学学類に入学しました。その後学部3年次に所属する研究室を選び、同時に筑波大学大学院への入学も決めていました。私が研究室を選ぶうえで重要視したことはその研究が世の中を「便利にするもの」なのか「面白くするもの」なのかという点でした。私は後者となる研究がしたいと思い、感触工学研究室というVR技術の一つである触覚に焦点を当てた研究室で、静電気により図柄にその絵の通りの感触が感じられる触覚ポスターの研究を行ってきました。この考えは自身の研究や大学院での授業、同研究室の先輩後輩と共に参加した国際バーチャルリアリティコンテスト(IVRC)、そして就職活動などを通してはっきりと自分の考えの根幹となっていきました。ここで、この考え方はある日突然自分の中から急に湧いて出たものではないということに気づきました。もし理系に進学していなかったら、もし筑波大学工学システム学類に入っていなかったら、違う研究室を選んでいたら、あの日の先輩のコンテスト参加の誘いを断っていたらまた違った思いや考えにたどり着いていたと思います。もしくはそんな考えに至ることもなく日銭を稼ぐ仕事を選んでいたかもしれません。環境によって自分の知識が広がっていき、そこから自らの考えを持てるようになっていくのではないでしょうか。これから入学を考える皆さんにはそういった自分の可能性を伸ばし、広げられると思う所へ進んでいただきたいです。私は本学位プログラムに進学し間違いなく成長できたと確信しています。
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ARAKAWA Kazuki荒川 和樹
柔軟ロボット学研究室
柔軟ロボット学研究室に配属された私に,指導教員の望山洋先生から「英国Edinburgh大学のFrancesco Giorgio-Serchi博士と共同で新型流体アクチュエータを開発する」という研究提案の話をいただきました.世界トップレベルのEdinburgh大学との共同研究は得難い貴重な経験になるだろうと思い,その研究テーマに挑戦することに決めました.
初めのうちは難航しましたが,研究室メンバーから加工方法等のアドバイスを得ながら研究を進め,ついに,ソフトロボティクスを駆使した新しい流体アクチュエータを完成させることができました.この成果を英語論文としてまとめることになり,初めての経験で四苦八苦しながらも,望山先生とGiorgio-Serchi博士からの指導の下で,ロボティクス分野のトップレベルのレター誌であるIEEE Robotics and Automation Lettersに投稿することができました.しかも,この論文は査読で高評価を得て,修士1年生で査読付きレター誌に掲載されるという快挙となりました.
このような成果を得られたのは,筑波大学の環境のおかげであると思っています.アクチュエータの設計,解析には研究室で開発したシミュレータが不可欠であり,実験に必要な部品の多くは大学や研究室の所有する高精度な3Dプリンターや工作機械により加工しました.そして,Giorgio-Serchi博士との繋がりが得られたのは,筑波大学の研究機関としてのレベルの高さがあってこそだと思います.また,授業のレベルも高く,得られた知識は研究の参考になりました.
大学院に進学してからまだ1年ですが,こんなに多くの経験を得られてとても満足しています.残り1年も有意義に研究に励みたいと思います.
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TAMAI Kota玉井 航太
サイバニクス研究室
知能機能システム専攻の研究分野は,人間工学,ロボット工学,計測・制御工学,情報学など多岐にわたり,自身の興味に合わせて学際的・分野横断的に研究することができます.
私は,人間と機械,情報系が密接に関わるような研究がしたいと考え,人・ロボット・情報系が融合した新領域であるサイバニクス研究室に進み人支援技術に関する最先端研究に取り組みました.
研究を始めた当初は,新領域への挑戦なので手探りも多く苦労しましたが,指導教員の先生をはじめ研究室の先輩方が厳しくも温かくサポートしてくださり,目指す研究到達点から逆算し,課題解決方法を導き出す論理的思考力が鍛えられ,良い研究を行うことができました.研究生活は楽しくもありながら苦難の連続でしたが,自分の研究開発するシステムが社会から必要とされ,未開の領域を開拓していくことを強く実感することができ,やり甲斐を感じながら研究をやり抜くことができました.
卒業後は,筑波大学で培った知識・経験を活かし,社会貢献・分野開拓できるような人材になることを目指して邁進していきたいと思います.