今年最後の発掘ニュースは連続テレビ小説『おていちゃん』の発掘です！

『おていちゃん』は女優・沢村貞子さんのエッセー「私の浅草」をもとにしたドラマで、1978年の前期に放送した朝の連続テレビ小説です。ヒロインは友里千賀子さん。東京下町の人情と家族の愛情の中で育った“てい子”を演じました。大正初期から終戦後にかけて、傷つきながらも夢と希望を失わずに女性の幸せを追い求める青春物語です。脚本：寺内小春。

もともとＮＨＫに保存されていたのは第1回と第156回（最終回）だけ。その後、発掘によって第2回、4回、5回、12回、20回、21回、26回、30回、そして冒頭5分だけが録画された第45回が残されていました。

今回は物語の中盤以降の6話分、第78回、79回、81回、82回、84回、96回を大阪在住の視聴者の方から提供いただきました。ありがとうございました！

では発掘された回から、登場人物やどんなお話なのかをちょっとご紹介…

◆第78回

“おていちゃん“こと大沢てい子（友里千賀子）は、当時の女子教育の最高学府である奈良女子高等師範学校に無試験で入学を許可されました。しかし、父・保之助（長門裕之）の猛反対にあいます。親子の縁を切るから奈良へ行ってしまえと言い放つ保之助…

酔っぱらって家に帰ってきた保之助は、泣きながらおていの名を呼びます。おていが東京を離れてしまうことが寂しかった父…。おていは奈良へは行かず、東京の大学に進むことを決め保之助に話します。

◆第79回

明日から女子大生になるという、おていのところに入学祝いを持ってきたのは大家さんの息子・源太（尾藤イサオ）。どうやらおていに気があるようです。おていの兄・幸太郎（坂東八十助）は浅草で芝居の役者をしていますが何やら悩みがありそう…。おていに対して「女優なんかにならなくてよかったな」という気になる一言も。

とにかく勉強がしたいと日本女学院に通い始め女子大生になったおていですが、担任の吉野先生（千石規子）が話すのは、まるで“花嫁学校”のような説明ばかり。

◆第81回

子供たちのことをいつも心にかける優しい母・カツ（日色ともゑ）が、大家さんから持ちかけられた見合い話をおていにしますが、本人に全くその気がなくカツは残念そう。

一方、父の保之助（長門裕之）は幸太郎の親方から依頼された、おていに子供の家庭教師をしてほしいという話を切り出します。おていは、既に近所の子供たちの勉強を教えているので無理だと伝えますが…。

◆第82回

結局、幸太郎の親方・沢村又一郎（尾上菊蔵）の4人の子供たちの家庭教師を始めることになったおてい。学校ではあこがれの三上先生（柴田美保子）から、学費を自分で稼ぎながら学んでいることをほめられ、教師を目指す気持ちを新たにします。

◆第84回

そば屋の若旦那・千吉（風間杜夫）が胸の病で倒れ入院、おていや幸太郎も駆けつけます。千吉の母・タカ（佐々木すみ江）は「そば屋の息子が胸の病で倒れたことが知れると店の評判に関わる」と、嫁のきぬ（古手川祐子）がおていたちに知らせたことを責めます。

おていが友人の明子（沢井桃子）と片桐（荻島真一）の結婚式に出席する準備をしていたところに、千吉の容体が急変したとの知らせが入り病院へと急ぎます…。

◆第96回

10話分以上が抜けていて詳しいストーリーは分かりませんが、兄の幸太郎が新しい道へと進むため京都へ旅立つようです。その朝、父の保之助（長門裕之）が家を出かけたきり出発間近になっても帰ってきません。幸太郎が家を出ることが寂しかった保之助は、東京中の神社を回ってお守りを集めていたのでした…

そしておていはというと…、『新文化』という劇団で芝居をしているようです。第96回の最後では、その劇団に新しく来た演出家・戸川（小倉一郎）が登場。おていが再会に驚いている様子が描かれています。

いかがですか？今もベテランとして活躍されている方や、すでに鬼籍に入られた方、皆さんの若い頃の姿が映像で残されているのを見ると、その貴重さを改めて感じます。

ただ残念ながら、とびとびの発掘映像では詳しいストーリーが分からず、他の回の発掘が待たれます。『おていちゃん』の平均視聴率は40％を超えていましたから、記憶に残っている皆さん、そしてもう一度見たいという方も多いことと思います。
録画テープをお持ちの方は、是非情報をお寄せください！

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