ゲーム「キャラホメ ソロ」を開発した川口洋一郎さん(右)とデザイン担当の三木あいさん=福井県越前市内

 福井県越前市の会社員でボードゲームデザイナーの川口洋一郎さん(46)が、自分で自分を褒めることができるゲーム「キャラホメ ソロ」を開発した。引いたカードのキーワードに沿って、好きなキャラクターが自分に掛けてくれる褒め言葉を考える。「自己肯定のプチ体験を」と提案している。⇒自分で自分を褒めるゲーム「キャラホメ ソロ」

 川口さんは2013年にゲーム制作サークル「ちゃがちゃがゲームズ」を設立。考案したゲームは、優良おもちゃを選ぶ「グッド・トイ」賞を受賞するなど人気を集めている。

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 「キャラホメ ソロ」の遊び方は、まず自分の悩みや相談事を頭に置き、48枚の「ほめカード」から1枚を引く。アニメや芸能人など自分の好きなキャラクターのフィギュアや画像を用意しておき、カードを基にキャラが言ってくれそうな褒め言葉を想像する。

 カードに書かれたキーワードは「きっとできる」「くやしいね」「私も同じ」など。例えば、最近疲れ気味という悩みに対し、「感謝してる」を引いた場合は、「家族のためにいつも頑張ってくれてありがとう」という自分へのセリフを考える。これを繰り返し、気に入った褒め言葉のカード上に「ハートの宝石」を置いていくという流れ。

 2021年11月の発売後、ホームページを通じて全国の小中学校や図書館などに無料で配布するキャンペーンを実施。「癒やしを感じた」「自分の内なる声を聞いて自己理解が深まった」「キャラを介するからこそ素直に喜べる」といった反応が届いている。

 川口さんは「自分で自分を褒めにくい現代人が、キャラクターという別視点を設けることで、自分を承認できる体験をしてほしい。いずれゲームがなくても、自分にOKを言えるようになれれば、もっと生きやすい世の中になるのでは」と話している。

 コミック風の吹き出しが描かれたカードなどのデザインは同市のデザイナー三木あいさん(43)が手掛けた。2200円。県内のボードゲームカフェや「ちゃがちゃがゲームズ」のホームページで販売している。

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