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皇籍復帰は「門地による差別」という誤解/倉山満

皇籍復帰は「門地による差別」という誤解

 軽く、あくまで軽く、皇室を残した方が都合良い理由を述べたが、世の中にはどうしても皇室を滅ぼしたい人はいる。日本が世界で一番格上の皇室を持っていることを悔しく思う悪意ある外国人は仕方ないとして、日本人の中にも無知ゆえに「皇室などいらないのでは?」と思う人もいるだろうし、「そこを曲げては皇室の歴史を変えることになる」と分からずに主張している人もいる。悪意の人はともかく、誤解ならば丁寧に解いていくしかない。さて、誤解の一例である。  政府は「皇位継承に関する有識者会議」を開き、国会に対して報告書を提出した。内容は、GHQにより強制的に皇籍を剥奪された十一宮家の子孫の方々に、親王宣下を行うことだ。つまり、本来の身分である皇族として生きていただく。  これに対し、憲法14条が禁止する「門地による差別だ」と反対する向きがある。理由は、今は一般国民として生きている方を皇族にすることは、他の国民に対する差別だと言うのだ。

一般国民が皇族になってはいけないなら、女性はどうなる?

 確かに日本国憲法は貴族制度を禁止している。これが門地による差別の禁止だ。憲法14条は、人権尊重の観点から法の下の平等を定め、その一例が門地による差別の禁止だ。だが、皇室はそもそも、人権の例外である。あらゆる日本国憲法の教科書に「天皇・皇族は人権の例外」と書いてある。実務においても、天皇・皇族は国民ではない。日本国憲法は第一章で皇室を認めているのだから、当然だ。  一般国民が皇族になってはいけないなら、女性はどうなる? 太后陛下は正田さん、皇后陛下は小和田さん、東宮妃殿下は川嶋さんだった。現行法でも一般国民から皇族になることは認められている。  そもそも旧皇族の方々は、本来ならば皇族として生まれてくるはずだった方々だ。何も問題はない。  冷静に議論を進めたい。’73年、香川県生まれ。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中より国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務め、’15年まで日本国憲法を教える。ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰し、「倉山塾」では塾長として、大日本帝国憲法や日本近現代史、政治外交についてなど幅広く学びの場を提供している。著書にベストセラーになった『嘘だらけシリーズ』のほか、9月29日に『嘘だらけの池田勇人』を発売

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