人気が下落し閉鎖する法科大学院も多いという噂を聞き、法科大学院の入試倍率はかなり低くなっているのではないかと楽観視している人もいるのではないでしょうか。
しかし少なくとも主要といわれる法科大学院の入試倍率はそんなに甘いものではありません。
そこでここでは、近年の主要な法科大学院の入試倍率(合格率)を参照しつつ、それらの法科大学院の入試難易度についてみていきましょう。
上位法科大学院(ロースクール)の入試倍率一覧
主要な法科大学院の実質入試倍率は以下のようになっています。
| 受験者者 | 合格者 | 入試倍率 | |
|---|---|---|---|
| 東京大学 | |||
| 2021既修 | 506 | 185 | 2.74倍 |
| 2021未修 | 226 | 61 | 3.70倍 |
| 2020既修 | 453 | 171 | 2.65倍 |
| 2020未修 | 137 | 61 | 2.25倍 |
| 京都大学 | |||
| 2021既修 | 384 | 150 | 2.56倍 |
| 2021未修 | 145 | 38 | 3.82倍 |
| 2020既修 | 318 | 141 | 2.26倍 |
| 2020未修 | 139 | 38 | 3.66倍 |
| 一橋大学 | |||
| 2021既修 | 302 | 87 | 4.65倍 |
| 2021未修 | 99 | 20 | 4.95倍 |
| 2020既修 | 197 | 76 | 3.03倍 |
| 2020未修 | 30 | 16 | 1.50倍 |
| 早稲田大学 | |||
| 2021既修 | 744 | 328 | 2.27倍 |
| 2021未修 | 252 | 45 | 5.60倍 |
| 2020既修 | 581 | 320 | 1.82倍 |
| 2020未修 | 238 | 49 | 4.86倍 |
| 慶應大学 | |||
| 2021既修 | 644 | 320 | 2.01倍 |
| 2021未修 | 161 | 79 | 2.04倍 |
| 2020既修 | 665 | 331 | 2.01倍 |
| 2020未修 | 169 | 84 | 2.01倍 |
| 中央大学 | |||
| 2021既修 | 615 | 305 | 2.02倍 |
| 2021未修 | 202 | 83 | 2.43倍 |
| 2020既修 | 668 | 353 | 1.89倍 |
| 2020未修 | 186 | 55 | 3.38倍 |
以上のように、既修コースではおおむね2~3倍程度の倍率になっており、合格率としては30~60%ほど。
一方、未修コースでは募集定員が少なくなっているため、一部の大学院では倍率が4倍程度、合格率にすると25%程度になることがあります。
多くの大学院では近年受験者数が減少してきているため、倍率も減少傾向にあるといえます。
しかし、これから大学院在学中での司法試験受験が可能になるなど、制度面での大きな変化が予定されていますので、倍率等も大きく変動する可能性があるでしょう。
法科大学院の倍率(合格率)からみる難易度
入試難易度は、倍率のみならず、どのようなレベルの受験生が受験するのかという点にも左右されます。
特に東京大学法科大学院の受験生のレベルは高くなっている印象です。
これは、司法試験予備試験に合格した優秀層の受験生のうち、法科大学院への入学を希望する人の多くが東京大学法科大学院を希望するため。
倍率表を見る限り、東京大学法科大学院が際立って難しいという印象は受けないかもしれません。
ただし、受験生のレベルを勘案すると、同大学院の難易度が相対的に高くなっているといえます。
私立では、ここ数年の司法試験合格率で私大トップを誇る慶應義塾大学法科大学院が、他の大学院と比較してやや難易度が高いように感じます。
東京大学法科大学院を受験する比較的レベルの高い受験生が、併願先として選択されているからだと考えられます。
慶應義塾大学法科大学院の入試は時間制限が極めて厳しくなっていますので、受験する人は過去問演習を通じ、時間内に答案を作成する訓練をしておきましょう。
国立大学は、基本的にすべての大学院が同じ日程で試験を実施するため、複数の大学院を受験することはできません。
しかし、私立は受験日がそれぞれ異なりますので複数受験することが可能です。
上記主要な大学院を受験する際には、国立に加えて1~2校の私立を受験しておくのが安心でしょう。
受験戦略については、受験生仲間や予備校の講師等と相談の上、慎重に決定することをおすすめします。
※関連コラム:法科大学院(ロースクール)入試の対策・試験科目・勉強方法を解説
法科大学院受験は情報収集から
法科大学院合格の難易度は倍率や受験生のレベル、さらには各大学院の出題する問題との相性など様々な要素によって左右されます。
また現在、法科大学院の受験生が減少しつつあることへの対策として、学部に「法曹養成コース」が設置されたり、大学院在学中から司法試験が受験可能になる制度が新設されたりと、法科大学院をめぐる制度が大きく変動しつつあります。
そのため、これから入試倍率やその形式も大きく変動すると予想されます。
そこで何よりも重要になってくるのが、志望する大学院の入試制度や出題形式についての情報収集です。
積極的に大学院のホームページ等を参照して情報を入手しましょう。
また、司法試験予備校には司法試験や法科大学院入試をめぐる最新の情報が集まってきます
自分での情報収集に不安を感じる方は予備校の講師やスタッフ、受験生仲間と情報共有することを強くおすすめします。