ポーチや財布、バッグなどいろんなレザーアイテムに使用されるファスナーはレザークラフトには欠かせませんよね。
この記事はレザークラフトでのファスナーの取り付け方や種類について解説します。
レザークラフトで使用するファスナーの種類と名称
ファスナーの取り付け方を解説する本などを見る時に、ファスナーの名称を知っておいた方が理解が早くなります。
ファスナーの布部分は「テープ」、動かす金具は「スライダー」、噛み合う金具は「務歯(ムシ)」と呼ばれます。
ファスナーを自分で長さ調整する場合は、「上止」や「下止」を外したり付けたりすることもあります。
レザークラフトのファスナーのサイズ
レザークラフトで主に使うファスナーは金属製のファスナーです。
サイズは番号で表されていて、3号・4号・5号の3種類がよく使用されます。数字が大きくなるほどサイズが大きくなります。
- 3号・・・革小物、ポーチ、コインケース、財布など
- 4号・・・長財布、ラウンドファスナー財布、L字ファスナー財布など
- 5号・・・バッグ、長財布、ラウンドファスナー財布、L字ファスナー財布など
ファスナーの長さは自分で変えることもできますが、市販で決まった長さのファスナーが販売されていて、そのまま使うこともできます。
ファスナーの長さは上止から下止までの長さを表します。
8.5cm・10cm・12cm・15cm・16cm・18cm・20cm・30cm・40cm・50cmなど
ファスナーの長さを自分で調整するのは少し難しいので、最初は決まったサイズのファスナーを使って、その長さに合わせて型紙を作るのが簡単です。
レザークラフトのファスナーの材質
ファスナーは大きく分けると金属製と樹脂製(コイルファスナー)があります。レザークラフトではコイルファスナーを使う人は少なく、金属ファスナーが主流です。
金属ファスナーの材質は丹銅(胴と亜鉛)・洋白(胴と亜鉛とニッケル)・アルミがありますが、単純にゴールド・シルバー・アンティークと色で選べばいいでしょう。
また、同じ金属ファスナーでも、ルイヴィトンやエルメスなど高級ブランドでも使われる「エクセラ」という高級ファスナーもあります。エクセラは務歯のひとつひとつが磨かれていて、傷がつきにくく見た目も綺麗です。
レザークラフトのファスナーの縫い付け方
レザークラフトのファスナーの取り付け方は、これといった正解は特にありません。
綺麗に縫い付けられればそれでいいので、書籍によっても違いますし、革職人さんによっても異なります。
ここで紹介する方法は私がやっている方法なので、参考程度にしていただいて、そこから自分のやり方を見つけてもらえればと思います。
ファスナー部分の型紙の考え方
ファスナーを取り付ける部分の型紙の考え方としては、長さに対して端から2ミリずつ余計に取っています。幅はファスナーの号数によって変えています。
3号ファスナーの幅を12ミリ取るのは、3号ファスナーのテープの織りに目安となるラインがあるからです。
このラインに合わせて革を付けるとまっすぐ綺麗につけられるので、そのラインに合わせた幅にしています。
5号ファスナーも同様に、テープの織りに目安となるラインがあり、その幅がちょうど15ミリになっています。
ただ、4号ファスナーのテープに関しては織りに目安となるラインが無いので、適当に14ミリにしています。
なので、個人的にはあまり4号ファスナーは使いません。
ファスナーの端の処理
【ファスナーの端の処理方法1】
革をくり抜いた部分にファスナーを取り付ける場合、テープの端が長くて邪魔になることがあります。その場合は適当なところで切りましょう。
切った断面はほつれやすいので、ライターの火であぶって固め留めます。
【ファスナーの端の処理方法2】
ポーチなどファスナーの端を別々のパーツで挟んで付ける場合は、テープの端を折り込んだほうが見栄えも良く丈夫になります。
まず、ゴムのりを付けて上のように表側に三角形に折ります。
その三角形の裏側にゴムのりをつけて、上のように裏側に折ります。圧着してしっかり接着しましょう。
上はテープの端を折ったファスナーの端の例です。綺麗ですよね。
ファスナーを縫い付ける
ファスナーを取り付ける革に縫い線のガイドラインを入れます。
ガイドラインに沿って菱目打ちで縫い穴をあけていきます。
ファスナーを接着してから縫い穴をあけてもいいですよ。
個人的にはテープが菱目打ちでちょっと切れるのが嫌なので穴はあけません。
ファスナーと革にゴムのりをつけます。乾いたら接着します。
これは3号ファスナーなので、テープの織りのラインに合わせて革を貼ると綺麗にまっすぐ貼れます。
ローラーなどで圧着してしっかり接着します。
針に糸を通して平縫いしていきます。
レザークラフトの縫い方の基本は「平縫い」と呼ばれるものです。2本の針を交互に刺して縫っていきます。菱目打ちの縫い穴の形状を意識していれば、革に綺麗な縫い目ができるように縫うことができます。何度も練習して均一な縫い目になるようにしましょう。
裏側から針を刺すときにテープに穴が無いので刺しにくいですが、その時は目打ちなどで表から少し刺して場所を確認しながら縫います。
ぐるっと1周縫う場合は、縫いはじめと縫い終わりを2目ほど重ねて糸を留めます。
ファスナーの取り付け完了です。
ラウンドファスナーやL字ファスナーの取り付け
ラウンドファスナーやL字ファスナーのような立体的な構造をしたファスナーの取り付けは、専用の治具を使って付けます。
ゆるやかなL字ファスナーくらいなら、フリーハンドでつける人もいますが、難しいですね。
この記事で説明したものは直線のファスナーの取り付け方になります。
ファスナーを使った革小物の作り方も以下で紹介しています。
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