Zabbix 5.0をAWS上のCentOS 8に構築する手順を詳しく紹介します。また、無料かつ5分で監視を始める方法も紹介していますので参考にしてみてください。
Zabbix Agentのインストールと設定手順についてはこちらをご確認ください。
なお、ZabbixをインストールできるのはUNIX系のOS(Linux、Solaris、HP-UX、AIX、FreeBSD、OpenBSD、OS X)です。Windows OSで監視を始めたい場合はこの記事の後半を参考にしてみてください。
目次
- Zabbix 5.0の構築手順(AWS、CentOS 8)
- Zabbixのインストール
- Zabbixマネージャーの初期設定
- 無料かつ5分で監視を始める方法
- サインアップ
- エージェントのインストール
- Windows編
- Linux編
- 通知設定
- まとめ
Zabbix 5.0の構築手順(AWS、CentOS 8)
AWSのマーケットプレイスにもZabbixアプライアンス製品が提供されていますが、有料ですので今回は確認しながら自分で構築していきます。(Zabbixのインストール紹介ですのでAWSのEC2によるサーバーインスタンス作成方法は割愛します)
AWSマーケットプレイスのZabbixをそのまま使ってもいいでしょう。
1. Zabbixのインストール
CentOS 8にログインし、インストールしていきます。作業はrootユーザーやsudoでの管理者実行をしてください。
まずはリポジトリのインストールです。
rpm -Uvh https://repo.zabbix.com/zabbix/5.0/rhel/8/x86_64/zabbix-release-5.0-1.el8.noarch.rpm
dnf clean all
次に、サーバーとエージェント機能をインストールします。途中で所々確認を求められるので、-yオプションをつけていますが、外しても良いでしょう。
dnf –y install zabbix-server-mysql zabbix-web-mysql zabbix-apache-conf zabbix-agent zabbix-get
データベースをインストールします。MySQLかPostgreSQLで利用できますが、今回はMySQLで作成します。自動起動の設定もしておきます。
dnf -y install @mysql:8.0/server
systemctl start mysqld
systemctl enable mysqld
$ mysql_secure_installation
対話的に進みます。セットアップの有無を聞かれるのでyと入力し進めていきます。(最初のパスワード設定と最後の特権データベースをリロードする所でyを入力すれば問題ありません)まずパスワードポリシーを聞かれます。
匿名ユーザーの削除やrootでのリモートログインの許可を聞かれます。
テストデータベースの削除を聞かれます。特権テーブルのリロードを許可(yを入力)して、完了。
次に、パスワードやZabbixのデータベース設定をしていきます。
mysql -uroot -p
mysqlにログインしました。
次に、Zabbixのデータベースを作っていきます。
mysql> create database zabbix character set utf8 collate utf8_bin;
mysql> create user zabbix@localhost identified by 'password';
(passwordには指定のパスワードを挿入)
mysql> grant all privileges on zabbix.* to zabbix@localhost;
mysql> quit;
quitでログアウトします。
Zabbixマネージャーで初期スキーマとデータをインポートします。
zcat /usr/share/doc/zabbix-server-mysql*/create.sql.gz | mysql -uzabbix -p zabbix
先程設定したパスワード(今回はpassword)を入力します。
コンソールが戻ってきたら完了です。
Zabbixマネージャー用データベースのパスワードを設定ファイルに書き込みます。viなどで編集します。
編集ファイル:/etc/zabbix/zabbix_server.conf
DBPassword=password
コメントアウトされているので外しておきます。
PHPのタイムゾーンを設定します。
日本時間に設定するため、以下ファイルを編集します。
編集ファイル:/etc/php-fpm.d/zabbix.conf
php_value[date.timezone] = Asia/Tokyo
こちらもコメントを外します。
ZabbixのWebコンソールをインストールします。
dnf –y install zabbix-web-mysql zabbix-apache-conf zabbix-web-japanese
Zabbixマネージャーとエージェントが再起動したときに自動的に立ち上がるよう起動設定しておきます。
systemctl restart zabbix-server zabbix-agent httpd php-fpm
systemctl enable zabbix-server zabbix-agent httpd php-fpm
ZabbixエージェントのVersion確認をします。導入時点での最新であれば大丈夫でしょう。
zabbix_get -s [ローカルホストのIP] -k agent.version
127.0.0.1はローカルホストIPです。
2. Zabbixマネージャーの初期設定
次に、ブラウザのアドレスバーに以下を入力し、Zabbix(Webコンソール)に接続して初期設定を行います。
http://[ZabbixマネージャーのIP]/zabbix
[Next step]をクリック。
確認して[Next step]をクリック。
設定したDBのパスワードを入力し[Next step]をクリック。
そのままで[Next step]をクリック。
サマリーで確認し[Next step]をクリック。
[Finish]をクリック。
次にログインして日本語化します。デフォルトの管理者Adminを入力し[Sign in]をクリック。
Username:Admin
Password:zabbix
[Administration]→[Users] をクリック。
Alias列の「Admin」をクリック。
[Language]を[Japanese(ja_JP)]に変更したら[Update]をクリック。
Zabbixが日本語化されました。
以上で構築は完了です。Zabbix Agentのインストールと設定手順についてはこちらをご確認ください。
無料かつ5分で監視を始める方法
Zabbixによる監視にトライして、わずらわしさや難しさを感じた方もいるかもしれません。そんな方はここで紹介する方法も試してみてください。
数あるサーバー監視ツールの中でも、監視を開始するまでの工数が最もかからないもののひとつがSaaS型ツールの「Site24x7(サイトトゥエンティーフォーセブン)」です。FREEプランが提供されているのも好評で、今ユーザーが増えています。
Site24x7の場合、Zabbixでいうところの「構築 → 初期設定 → エージェントのインストール → 各監視設定 → 通知設定」までをわずか5分で実現できます。ここからは、Site24x7で監視を実施し、通知メールを受け取るところまでの手順を紹介します。
FREEプランにサインアップ
まず、FREEプランのサインアップフォーム(https://www.site24x7.jp/signup.html?pack=1&l=ja)からSite24x7にサインアップします。サインアップフォームは非常にシンプルで、メールアドレスとパスワードを入力するのみです。
サインアップするのに1分もかかりません。FREEプランを試すのにクレジットカードの入力が不要なので、サブスクリプションタイプにありがちな課金停止漏れが発生しない安心設計となっています。
サインアップすると自動的にログインし、次の画面が表示されます。「サーバー監視」をクリックします。
次に表示される画面で、監視対象サーバーのOS、今回はLinux、またはWindowsのアイコンをクリックします。
エージェントのインストール(Linux編)
Linuxアイコンをクリック後、画面に表示されているコマンドを実行するだけです。
Linuxのサーバーに接続して、先程のコマンドをコピペで実行します。たった2回のコマンドでOKです。
管理コンソールに戻ります。すでにしきい値の設定がされています。
これだけでもう監視が始まっています。少し時間をおけばグラフが取得されていることも確認できます。
エージェントのインストール(Windows編)
前述のWindowsアイコンをクリックし、エージェントをダウンロードします。デバイスキーは後ほど使いますのでこの画面のままにしておきます。
リモートデスクトップでWindowsサーバーへ接続し、ダウンロードしたエージェントを実行します。
デバイスキーの入力を求められますので、先程のキーを入力します。
もしProxyを使っている場合は設定します。今回はデフォルトです。
インストールフォルダーの設定です。デフォルトのままとしました。
これで完了です。
設定したインスタンスをみるとすでにしきい値が設定されています。
Windowsもエージェントをインストールするだけです。グラフを確認することができました。
通知設定
次に、通知設定をしてみます。通知設定は、デフォルトでは管理者のメールアドレスにされているのでそのまま使えます。追加設定をする場合は、「管理」の「ユーザーとアラートの管理」から設定します。
細かいアラートの設定ができます。
さて、今回しきい値を変更してみます。インスタンスを選択します。
ディスク監視のしきい値を変えてみます。
「/」のディスク監視を変更します。
ここで「/」ディスクの空き容量が20%以下になったら通知する設定にしてみます。
アラート画面でアラートとして表示されていることが確認できました。
このように、簡単にメモリ使用率とディスク使用率の監視ができるようになり、以下のようなメールが通知されました。
まとめ
ここまで、Zabbixの構築手順とSite24x7によるサーバー監視手順を紹介しました。いかがだったでしょうか?
この記事では、構築に必要な工数を比較するような形となっているので、それだけならSite24x7が優位に見えます。しかし、実際の現場ではそれだけで決めることはないでしょう。
多少難しくても、完全無料できめ細かな監視を実現したければZabbixの方が適していると言えます。多少のコストがかかっても、今すぐ簡単に監視を実現したければSite24x7が適しているかもしれません。
皆さんがサーバー監視をしている運用の現場ではどのようなツールが合いそうでしょうか。もし、Site24x7の方が適しているかもしれないという方がいれば、是非、この機会にお試しください。
プランと価格の詳細はこちら:
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ZabbixとSite24x7の機能比較一覧はこちら:
https://www.site24x7.jp/zabbix-alternative.html