和イスキー 膳は、1998年に発売され、2010年で終了しました。
すでに和食に合うウイスキーとして白角がでていましたが、膳ではさらに推し進めて「淡麗旨口」を標榜、一部に杉樽で熟成させたモルト原酒を使用し、竹炭を使って濾過をすることで杉材の癖を抑える工夫を凝らして作られました。
ノンエイジのブレンデッドモルトでありながらも、当時の定価は1200円と破格で売られ、和食店でも置かれるほど人気を誇りました。
それに拍車をかけたのが、真田広之が主演するユーモラスなCMでした。
しかし、角ハイボール人気に火が付くと、膳に使う原酒も不足する事態となり、2010年をもって生産終了しました。
ある程度潤沢な状況になった現在でも、復活は成し遂げられていません。
では、ストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色は少々薄い琥珀色、香りはリンゴが比較的強めに感じられます。
口に含むと、アルコールの刺激の後で、モルト、バニラが先に訪れ、リンゴ、ミカンが後を追いかけます。
味わいはアルコールからの辛さがしっかり来るものの、後から酸味がほのかに訪れます。
ロックにすると、メロンのようなエステリーさが一気に現れ、モルトやウッディが続いていきます。
味わいは軽い酸味の後に甘さが付いてきて、なかなかに飲みやすく感じられます。
最後にハイボールにすると、ほんのりウッディとモルトが香る程度で、とてもあっさりしています。
味わいは少々のビターと甘さがあります。水割りだと甘みの方が強く感じられるでしょう。
CMを見ると、ロックで飲むことを主体に作られた印象がありますが、確かに日本酒に近いフルーティさがあり、和食と一緒に飲むことを主眼に苦心したことをうかがい知れます。
しかし水割りでもすっきりとしながらもほんのりとした甘みがあり、お酒があまり強くない人ならこちらでもいいかもしれません。
生産終了して久しいですが、ネットではまだ在庫を残している所もあるので、かつて愛飲していた方、これから飲んでみたい方も、探してみるといいでしょう。
仮に復活するにしても、2000円台になることは仕方ないですが、それでも相応の価値を得ることは可能でしょう。
<個人的評価>
- 香り B: ストレートでモルト、ウッディ、バニラが目立つ。加水でメロン、奥からリンゴ。
- 味わい C: ストレートではアルコールの辛さが目立つが、ロック、加水では甘さが引き立つ。
- 総評 B: 白角以上に和食と合わせることを計算して作られたボトル。
【古酒】サントリー 膳 プラキャップ 40度 640ml【ウイスキー】 |