相次ぐ電車内の傷害事件、自分の身をどう守る?

非常ボタンや消火器の場所を覚えておこう

列車内に設置されたSOSボタン(写真:尾形文繁)

10月31日に東京都調布市を走行中の京王線上り特急列車内で発生した傷害事件、11月6日に東京メトロ・東西線を走行中の下り電車の車内で刃物を持った男が逮捕された事件、さらに11月8日には熊本県内を走っていたJR九州・九州新幹線の車内で放火未遂事件。最近になって電車内での刃物による傷害事件や放火事件などが、短期間で何度も起きている。車内で自分の身を守るには、私たちはどう行動したらよいのか。

相次ぐ鉄道の車内での事件だが、恐ろしいのは、走行中は密室といえる車内で犯行が行われたことだ。そこで、電車内で事件に遭遇してしまった場合、身を守るための行動として有効な手段や、海外で行われている防犯対策などについて紹介したい。

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SOSボタンを押すのが最優先

まず、国土交通省は、鉄道の各車両には原則として安全装置である非常通報装置、手動で扉を開くことができる非常用のドアコック、消火器などを設置することを省令で義務づけている。これらの設備は、利用者が使用することを想定して設置されている。

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実際に自分が身の危険に遭遇してしまった場合、まずは最優先で非常通報装置やSOSボタンを押してほしい。これを押すことで、車掌や運転士に伝わり、電話のように連絡ができるようになる。この時、最近の電車であれば、運転室のモニターに号車が表示される。モニターのない車両は号車のランプが点くということだ。車内放送機器に番号が並んでいるのを見たことがあるので、おそらくこれのことだと思われる。

さらに、このボタンは押すことで作動しブザーが鳴りランプが光るなど、動作は鉄道事業者によって異なるが、周囲に緊急事態を知らせることが可能だ。そして、とにかく可能な限り遠くへ逃げてほしい。

非常通報装置の設置場所は各車両によって異なるが、非常通報装置は大体乗降口・ドアの近くや連結部・貫通扉横や優先席付近にある。

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