ご挨拶
代表理事あいさつ
一般社団法人芙桜会 設立にあたって
この度、一般社団法人芙桜会(General Incorporated Association FUOHKAI for the Promotion of Sexual Minority Understanding in Japan)として新たにスタート致しました。
これも偏に、皆様のご指導並びにご鞭撻の賜物と、感謝申し上げます。
当法人が、社会から更なる信頼を得、また、社会に貢献する組織として持続的に活動、そして更に発展していくために、誠心誠意、なお一層尽力に努める所存です。
そして、皆様方とご一緒に、なお一層素晴らしい組織を築くことが叶えば、誠に幸いかと存じます。
引き続き、ご協力並びにご支援を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。
さて、当法人は、「誰もが個人として尊重され、自分らしい生き方を貫けるフラットな社会」を目指し、「心の多様性と社会的包摂;MIND DIVERSITY AND SOCIAL INCLUSION」を提唱すると共に、現実主義的な立場をとり、社会に対峙することのない、穏健、公正な活動を行っております。
ところで、皆さんは、“性的マイノリティ”や、“性的指向”、“性同一性”など、性的要素(性的側面)における少数者に関わる言葉を見聞きして、どのような印象を持たれていますでしょうか。
きっと、“得体の知れないもの” のように感じる方も、いらっしゃることでしょう。
でもそれは、理解が十分とは言えない状況においては、致し方のない事であり、時間が掛かろうとも、変えていく必要があるものと考えます。
一般社団法人芙桜会 代表理事
近藤 聡
SATOSHI KONDO
今、訴えたい3つのポイント
1つ目
性的要素(性的側面)は、全ての人それぞれに固有のものであり、ひとつとして同じものは存在しません。
従って、共に納得のいく“落としどころ”を見つけ、折り合いをつけていく必要があります。
又、「違いが存在すること」が大前提であり、「色々な人がいる。そういう人もいるよね」という理解が相互に成立して初めて、“特別” なものでも “異常” なものでもなく、社会の一員としてありふれた存在になれると考えます。
私たちは、難解な ”コトバ” を学んだり、誰かが決めた ”カタチ” にはめられるよりも前に、既に、日常に溶け込み、一人の人間として生活を営み、自分の人生を歩んでいます。
そして、私たちの切実な願いは、
「自分達から壁を作らずに生きたい。そして、作らずとも生きられる社会で暮らしたい」
「社会の一員として、平穏無事に暮らしたい」
ということなのです。
2つ目
私たちが理想とする “家族” とは、なにも、家族制度や婚姻制度を否定したり、破壊しなければ実現しないものではありません。
今、“常識” や “普通” とされる家族や婚姻のかたちに加わりたいだけであり、既存の伝統や文化に根差したそれらの制度を否定し、破壊する理由はありません。
なぜなら、私たちは、両性の間から、一定数の割合で生まれてくることから逃れられないからです。
両性を核とする家族や婚姻のありかたを否定することは、私たちのルーツを否定することでもあると言えるのではないでしょうか。
繰り返しになりますが、“常識” や “普通” とされる家族から、我々は生まれ、育つのですから。
3つ目
私たちは、社会から切り離されることも、また、自分から社会を遠ざけることも出来ません。
「社会の一員として、社会にどう貢献できるのか」を考え、当事者の直面する様々な課題に対し、積極的に取り組むことは、時に、思い描いたような変化が見えてこなかったり、或いは理解してもらえなかったりもするはずであり、そういった状況に、もどかしさを感じることもあるでしょう。
しかし、だからといって、相手のことをよく理解もしないうちに「差別だ!」と断定し、逆にこちらから攻撃するのは、許されるものではありません。
「自分を知ってほしい」と訴えながら、自分と異なる意見や考えを理解しようともせず否定し、排斥するというのは、筋が通りません。
当法人が理想とする社会の実現には、時間を要すのかも知れません。
また、もしかしたら、私が生きている間には実現しないのかも知れません。
しかし、「みんな違っていて当然だ」という考えが当たり前のものとして、広く(再)認識されることにより、個人の差異、一人一人の違いをグラデーションで捉え、認め合い、それぞれが異なる魅力や能力を持つなかで、相手への敬意や寛容な心と感謝の気持ちをもち、相互の信頼関係の下に、共に社会や組織を作っていくことにより、「不平等感」のない社会やより高度で成熟した文化が実現するのだと考えます。
この美しい日本という国の優れた社会のハーモニーの中で、「私たちだから出来ること」を、「社会の一員として、社会にどう貢献できるのか」を常に考えながら実行し、目標に向かって活動して参ります。
当法人は、性的要素(性的側面)における少数者かどうかに関係なく、我々の理念に共感し、共に行動し苦楽を分かち合い、一緒に成長していける方を、募っております。
詳細をお知りになりたい方並びに一緒に活動をしていただける方は、ぜひご連絡ください。
「性的要素(性的側面)における少数者だから不幸だとは限らない」ということを、性的要素(性的側面)における少数者としての人生を主体的に生きることによって、共に示していけたら、大変ありがたく存じます。
2020年11月吉日
一般社団法人芙桜会
代表理事 近藤 聡