缶バッジで痴漢を未然に防ぎ、子どもを性暴力から守る社会を実現!
  1. 痴漢抑止活動センター

痴漢抑止活動センター

一般社団法人痴漢抑止活動センターは、教育を通じ誰もが安心安全な車内を実現し、性犯罪を許さない社会の実現に寄与することを目的とし、2016年1月に設立いたしました。


日本で発生する性犯罪の中で、圧倒的に件数が多いのが痴漢です。警視庁の発表では、痴漢行為の70%が電車内・駅構内で発生しています(*1)。

痴漢犯罪は性犯罪の中で軽視されがちですが、被害者の心に深い傷を残します。被害が原因で電車に乗れなくなり不登校になるケースもあります。また被害を受けたことで自尊感情が削られるなど、たかが痴漢と見過ごすことはできない人権問題です。


当センターは、痴漢犯罪を加害者と被害者の問題とするのではなく、老若男女全ての人が痴漢を許さない意志を示し、社会全体の意識を変えてゆく必要があると考えています。

そこで、被害者が一番多い10代20代(*2)を中心に広い世代が参加する教育的コンテンツとして、学校と連携し「痴漢抑止バッジデザインコンテスト」を実施しています。

デザインの力で痴漢犯罪から同年代の仲間を守り、デザインには社会を変える力があると知り、10年後のジェンダー意識を変えるデザイナーの輩出を目的としています。また学校協力のもと、中学生高校生が審査に関わり、防犯意識を高め、被害にあったときには信頼できる大人に相談する関係性の構築を目指しています。


「痴漢抑止バッジデザインコンテスト」は2015年から毎年実施し、2020年に第6回を迎えます。「学生のデザインで社会問題を解決」をコンセプトに、これまでに国内外の延べ569校から3160作品が集まりました。審査には中学生・高校生を中心に、大学生・社会人を含め2797名が参加しています。

 

この活動は内閣府が推進するSDGsに沿っており(*3)、専門家を始め多方面から高い評価をいただいております。

社会では、電車内痴漢を些細な犯罪と見なす傾向がまだあるのが現状です。痴漢を許さない社会は、あらゆる性暴力を許さない社会です。


当センターは、痴漢を切り口にあらゆる性暴力のない社会を目指し活動しています。



*1,*2)警視庁「こんな時間、場所がねらわれる」より抜粋(2018年12月21日データ)

URL http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kurashi/higai/koramu2/koramu8.html

  • 女子高校生が考案した“痴漢抑止バッジ”を社会に普及させ、子ども達を性犯罪から守る活動を継続してきます

  • 性犯罪被害者が「泣き寝入りしない」の意思表示をすることで、犯罪を減らし、痴漢冤罪もおきない社会を目指します

  • 性犯罪に関する世の中の誤解や偏見を取り除くための活動を行います

  • 性犯罪に合わないための意識づくりと自衛手段の啓蒙活動を行います

「痴漢抑止バッジ」は、電車内で1年間、毎日のように痴漢被害にあい続けた女子高校生が母親と一緒に考案しました。痴漢抑止バッジをつけはじめて以来、彼女は痴漢にあっていません。


2015年8月に、母親の殿岡がSNSに痴漢抑止バッジの原型である手作りカードの写真と考案に至ったエピソードを書き込みました。それを見た私が、缶バッジにすることを提案。


このバッジを普及させるために、「Stop痴漢バッジプロジェクト」を2015年11月に発足しました。2016年3月の配布・販売開始を目指し、クラウドソーシングで新バッジデザインを募り、クラウドファンディングで資金調達を行いました。

クラウドソーシングでは178名のデザイナーから、441点の公募がありました。そこから1次審査12作品を選出。クラウドファンディング支援者による投票で1〜3位、特別審査員賞2作品の計5作品を商品化。


クラウドファンディングは、3か月で334名から212万3千円のご支援をいただきました。

クラウドソーシングもクラウドファンディングも、ご支援だけではなく、電車内の痴漢問題に関して辛いエピソードや、自分の経験を踏まえたアドバイスやご意見を多数いただきました。


アクションを起こした結果、単にバッジをクラウドファンディングの支援者に配布するだけでは、電車内の痴漢問題は解決しないとわかりました。

 

有志によるボランティア活動で、複雑な階層構造をもつ痴漢問題を解決に導くことは困難です。そこで、私たちは本プロジェクトを継続するために、一般社団法人を立ち上げる決意をいたしました。


性犯罪解決への取り組みを継続的な事業活動として進めていくために、ビジネスの手法を活用しNPO、企業、警察、鉄道会社と協力してゆきます。

電車内痴漢問題は、首都圏をはじめとした大都市に集中した都市型の社会問題と言えます。2001年に京王電鉄が、女性専用車両を導入したのを皮切りに、各社で対応が進みました。しかし、痴漢犯罪は以前として起こっています。


理由の一つには、痴漢犯罪の被害者となっているのが、女子高校生や中学生であることがあげられます。都内の女性専用車両は、朝のラッシュ時と夜の遅い時間しか運行されていない路線が多いのです。女子中高校生が下校する時間帯の女性専用車両がないため、被害を免れるためには自衛するしかないのが現状です。

一方で、被害者が声を上げづらい犯罪である点も看過できません。警視庁が発表した痴漢犯罪の件数は3880件(平成23年/電車内痴漢以外も含む)ですが、これは被害届けが出された件数に過ぎません。警察に届けるどころか、親にも言えずにいる子どもたちは多く、実際の事件は10倍以上に上ると専門家は述べています(*1)。

 

痴漢被害の状況が表面化しないのは、今に始まったことでありません。


私たちのサイトには、多くの元被害者からの声が寄せられています。その中には、当時、恐怖と羞恥心で何も行動できなかったことを伝えるにとどまらず「自分が泣き寝入りしたために、今も同じように被害にあっている子供たちがいると思うと、責任を感じる」という切実なコメントも複数ありました。

 

被害者が、心の傷を負うだけではなく、10数年〜数十年経ったのちに、自分を責め続けています。それほど被害者に大きく傷つける犯罪であることが周知されていません。

 

従来の痴漢防止策は、被害にあう側に自衛するように求めるか、「痴漢にあったら勇気を出して声を出して」のように“被害にあうことが前提”となっていました。自衛に関しては、短すぎるスカートやハデな服装を慎むように促されますが、実際に痴漢被害にあっているのは、校則どおりに制服を着用している真面目でおとなしいタイプが多いという報告があります。痴漢常習者は、「おとなしく声をあげないだろう」というタイプをターゲットにするためだからです。


また、痴漢にあったときに声を上げるのは、大人であっても難しいものです。社内のセクハラや、パワハラを勇気を出して告発できる人がどれだけいるでしょうか? それを考えれば、大人からわいせつ行為をされている子供に「勇気を出せ」と要求するのは酷でしょう。

 

そうした現状を鑑みるに、被害者の努力だけでは痴漢犯罪件数を減少させることができないのは自明の理でといえます。

そもそも、被害者たちは、痴漢被害にあって加害者を捕まえたいとは考えていません。単に「痴漢されたくない」。それだけです。

 

痴漢加害者が痴漢しにくい環境、痴漢を許さない社会の空気を作り出すことが、電車内痴漢犯罪を減少させるために必要です。

 

そのためにも子どもたちが被害にあう前に、痴漢犯罪に対して、自ら「NO!」を主張できる仕組みづくりと、それをサポートする周囲の大人や社会のネットワークを作りたいと考えています。
代表理事 松永弥生

※女性専用車両の導入現状

※首都圏、大都市圏の女子数


痴漢抑止活動センターのロゴは「メビウスのリボン」です。


性暴力について語るとき、なぜか女性と男性が対立してしまう場面が見受けられます。匿名で発言されるネット上で、特に顕著な事象です。これはとてもおかしな話で、性暴力から被害者(その多くが子どもです)を守るためには、女性と男性がきちんと手を結び、一緒に活動していくのが本来の姿です。

 

痴漢抑止活動センターのロゴに使用している「メビウスのリボン」は、裏表でピンクと青の二色になっています。リボンを半回転させてピンクと青を繋いで輪にしたのが「メビウスのリボン」です。


メビウスのリボンは、広げると子どもたちを守る輪になり、伸ばせば数字の0になります。男女が手を取り合って子ども達を守り、痴漢犯罪がゼロになるように、そしてメビウスの輪のように無限に活動を継続していく願いと決意を表しています。

 

数ある犯罪の中でも、電車内痴漢は周囲に大勢の人がいるにも関わらず発生する異常な犯罪です。しかも、大人が子どもをターゲットとするケースが非常に多い。私は、自分自身が痴漢被害者にあった経験があるにも関わらず、そのことの意味を考えたことがありませんでした。

 

電車内痴漢犯罪は、大人が子どもに対して行う性的虐待です。「痴漢を許さない」という意志を社会全体が共有すれば、解決する日がくると私達は信じています。

電車内痴漢犯罪に対する社会の意識が変われば、性暴力全般に対する社会の意識も変わる。

 

そんな思いから、2016年1月15日に性犯罪防止や抑止活動を継続するために、一般社団法人 痴漢抑止活動センターを立ち上げました。自治体や警察、鉄道会社と協力して活動を社会へ広げていくためには、個人や任意団体ではなく法人格にしたほうがよいと考えたからです。

 

もちろん、私たちだけの力で実現するとは考えていません。これまで2年間活動できたのも、共感とご支援をくださった方々のおかげです。今後とも、皆様方のアドバイスとご支援をいただきたくお願いいたします。


団体履歴書

詳細
団体名  痴漢抑止活動センター 
住所  大阪市中央区備後町3−6−2 大雅ビル10F-242 
設立年度 2016年1月
定款 定款を見る
決算報告書 2019年 2018年 2017年 2016年
年次報告書 2019年 2018年 2017年 2016年


2015年8月 ストップ痴漢バッジプロジェクトを立ち上げる
2015年11月 クラウドファンディング実施
痴漢抑止バッジデザインコンテスト 開催
2016年1月 法人設立
2016年8月 痴漢抑止バッジデザインコンテスト2016 開催
2017年8月痴漢抑止バッジデザインコンテスト2017 開催
2018年8月痴漢抑止バッジデザインコンテスト2018 開催
2019年8月第5回痴漢抑止バッジデザインコンテスト 開催
2020年8月第6回痴漢抑止バッジデザインコンテスト 開催


2017年2月

登竜門20周年記念「コンテストで解決したいことコンテスト」

グランプリ受賞
2017年10月

第10回ソーシャルビジネスプランコンペ

大阪市モデル事業サポート賞を授賞