道徳的に戦争に巻き込まれないことこそ正しいという価値感を守るためドイツのレッドラインはどこにあるのか?
参考:Germany’s pacifist rot undermines Nato itself
何よりも大切にしている高貴な価値観を守るためドイツが武力行使を行うには何が必要なのか?
ロシアの侵攻リスクに晒されるウクライナを支援するため米国、英国、エストニア、ラトビア、リトアニア、ポーランド、チェコなどが次々と武器供与に名乗り出ている中、ドイツのランブレヒト国防相も「ウクライナの要請に応えて5,000個のヘルメットを提供する、これはドイツがウクライナの側に立っているという明確なシグナルだ」と発表して欧州中に失望させしまい、英国のテレグラフ紙は「ドイツのレッドラインはどこにあるのか?」と非常に興味深い指摘を行った。
なぜ欧州中にドイツに失望したのか説明すると「ウクライナが最も必要としている祖国防衛のための武器ではなかった」という部分もあるが、最も期待を裏切ったのはロシアの言いなりならない=つまりウクライナへの武器支援を中止しろと脅すロシアに抵抗する「勇気」を示さなかったためだ。
ショルツ政権で経済相を務める緑の党のハーベック氏は「ドイツのエネルギー源を多様化させることは可能だがパイプラン供給による天然ガスは我々にとって最も安価だ」という発言、これを引用してテレグラフ紙は「ドイツがロシアの天然ガスに依存しているのはよく知られた話で、モスクワと敵対するのを嫌うのは経済的な発展を重視する皮肉な政策の影響だという説には一理ある」と理解を示しつつ「金銭的な利益のみでドイツが消極的な態度に終始するのを説明するのは不可能だ」とも言っている。
ドイツ人の中でウクライナへの武器供与に賛成するのは5人中1人で、主要政党の大部分もこれを支持しているためショルツ政権の「殺傷能力を備えた武器供与はロシアを刺激して事態を悪化させる」という主張は少なくとも国内において無敵であり、これは1945年に生まれたネバーアゲインの精神=2つの大戦で経験した悲劇を再び繰り返さないという思いが「戦争に巻き込まれないことこそ道徳的に正しいというドイツの価値観を形成している」と指摘した上でテレグラフ紙は以下のように結論付けた。
ドイツのレッドラインはどこにあるのか?
何よりも大切にしている高貴な価値観を守るためドイツが武力行使を行うには何が必要なのか?
NATOの加盟国の集団的自衛権の上に成り立っているが、本当にドイツは集団的自衛権の行使に応じられるのか?
その答えを同盟国も敵も知らないためNATOの抑止力を弱めプーチンを増長させているのだと。
中々グッとくる内容で、ドイツと同じように「戦争の悲劇を再び繰り返さない」と心に刻み込まれた戦後の日本人にとっても耳の痛い指摘だ。
関連記事:ドイツのヘルメット支援にウクライナが失望、次は枕でも送ってくるのか?
※アイキャッチ画像の出典:Jens Stoltenberg
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ドイツをNATOから追い出せたら、一番早いのにね
EUからは追い出せるのかな?
実のところドイツ人の本音はNATOやEUから出たいのかもね。
将来的に上海条約機構に移っていても驚かない。ここ30年は歴史的に希有な独仏蜜月ですが
NATOはともかく、統一通貨の恩恵はドイツしか受けていないって言われるくらいなんだから、EUからは意地でも抜けないだろう。ただ30年後とかは誰にもわからん
NATOの設立目的の一つにドイツの押さえ込みがあったから
ドイツからしたら「毎度好き勝手言いやがって」とはなるだろうな
> ドイツと同じように「戦争の悲劇を再び繰り返さない」と心に刻み込まれた戦後の日本人にとっても耳の痛い指摘だ。
これ、割とマジでめっちゃ的を射た指摘と思うんよね
いわゆる左派系の地方紙がこぞってロシアに迎合した主張をするのはまさにこの同じロジックで動いてるように見える
そして皮肉にも、戦争を避けるにはこちらが譲るべき、という戦後左派の典型的なロジックを展開することで、ロシアによる武力での現状変更を追認する羽目になるっていうね
それ以外にもウクライナをNATOとロシアの緩衝地帯にしたいという主張はそれこそ戦前の大日本帝国の言い分と重なるって言う、彼らが一番嫌いそうな主張にもなってるし
正直、ロシアから金でももらってんの?って疑いたくなるレベルで主張の筋が通ってない
東ドイツは名を捨てて政治の実を握ったのかも知れませんね
>戦争に巻き込まれないことこそ道徳的に正しいというドイツの価値観
下らない自画像のために他人を犠牲にする様は、アーリア神話を信仰していた時代とまるで変わってないですね
この手の偽善がまかり通るのも彼らが心から崇高な信念を抱いている訳でなく、自身の虚飾のために繕っているのが原因でしょうね
確かに以前の日本では左翼を中心にWGIPで洗脳された多くの国民がドイツと同じ考えだったかもしれない。
しかし、最近のインターネットの普及と若い世代のオールドメディア軽視(無視)の態度が世論を変えてきていると感じる。
特にこの2年のコロナ過でリベラル政党のひどさやテレビ・新聞の報道に多くの国民が疑問を呈しているのではないだろうか?
夏の参議院選挙で今現在の日本人の感覚を見てみたい。きっとドイツよりもマシだと思う。
正直野党が人として問題しか見せてないからなだけで、日本人の戦争や武器に対してのアレルギーはドイツ人を笑えるほど変わっては無いと思う。
このサイトで国内の政治信条的なコメントをするのは抵抗があるけど敢えて言えば、リベラル政党のひどさやテレビ・新聞の報道に多くの国民が疑問を呈している以上に自民党·公明党政権のひどさに呆れていると思いますよ。
旧民主党を揶揄して、危機管理は任せておけと大見得を切った張本人が早々に政権を投げ出したり、対中国·対ロシアの非難決議に国名を明記しない噴飯とか、何が保守なんだか腰が座っていませんよね?
でも、こんな自分の立ち位置でどうとでもなる様なコメントをしても仕方が無いでしょう?
「過去に目を閉ざすものは、現在に対しても盲目になる」という教訓を逆解釈するドイツくん・・・・
>NATOの加盟国の集団的自衛権の上に成り立っているが、本当にドイツは集団的自衛権の行使に応じられるのか?
ウクライナがNATO加盟国じゃない以上ウクライナを理由にこういう問いすること自体が意味のないものでは
それは全く正しいが、重要なのはNATOは誰を仮想敵国にしてきたかと言うことをドイツは忘れてるんじゃ無いかと言う事だね
まあ平和ボケですわ。実際殴られないと目覚めん
多分日本も
さてどうですかね。敵であったのはロシアでは無く、ソビエト連邦・・・共産主義勢力ですからね。
ソ連が崩壊して共産主義の脅威が消滅した今、19世紀的国際情勢に回帰するのは歴史の必然では無いかと思います。
共産主義者という皆が纏まれる共通の敵が消滅したからこそ、今のような状況が生じているのでは無いでしょか。正直、ソ連には存続して貰った方が世界全体のためには良かったんじゃ無いかと思わないでも無いです。
仮想敵国であるロシアにエネルギー資源を依存しつつナチスをスケープゴートにしてるドイツ、中国にサプライチェーンを依存しつつ軍部を戦争の当事者としてる日本
相似形とまではいかずとも似通ってるところはあるわけで、ただそれにしてもドイツは軍備削減しすぎだとは思う。冷戦終結後に中ロ北の脅威が身近に存在しなかった世界線の日本を見てるみたいな気分
台湾有事で本邦が集団的自衛権行使する旨はっきり述べてくれたのは大きかったのかなって、半島有事でどうなるのかは知らんけど
それも米軍の後方支援します!程度の事しか言わんけどね
まず台湾を国として認めてない日中国交正常化、日中共同声明を破棄せず周到しつつ何言ってんだか…って話だよ
日本は過去の中国による反日扇動で国民感情の悪化だけでなく企業も軸足を中国から変えつつある。
防衛力も必要最低限の実力の保持を行ってきたことで、中国にも一定の発言力を残している日本の現状は恵まれてるのかもしれない。
ドイツの周辺国は味方ばかりで自分たちが安全圏にいると誤認しているからこんなことになっているのかな。
日本の周辺国は敵だらけだったことがこの最低限の緊張状態を維持できてる理由なのかもしれない。
最低限という指標からは卒業して欲しいものだけど…
>>ドイツのレッドラインはどこにあるのか?
ドイツ自身も自分たちのレッドラインがどこか解っていないのだと思う。
そして、恐らくは日本も。
実は道徳とかどうでもよくて経済に損失出そうになったら逆に動くんじゃないかなと思ってます。日本もあまり笑えない話
ドイツ国民の9割近くがウクライナ侵攻を容認するみたいな世論調査がでてるらしいからね
他国の命なら興味ないのがドイツ国民
ドイツ『ポーランドが侵攻されたら本気出そうかと思ってる』
ないない
ポーランドが侵攻されようとも我関せず貫くと思うよ
むしろ、ロシアが近くなったら喜ぶんじゃない?
距離が近くなってガス安く買えるかもって
ポーランド「本気出してドイツに侵攻してみました」ってなりそうな気がする
今は無理でも、10年20年後にプーチンが居なくなってロシア・ベラルーシが脅威で無くなれば、自然とドイツにも手を伸ばすかと
日本の対ロシア機へのスクランブルも去年末から増えてるからね
これもウクライナ侵攻の前兆だったのだろう
ロシアからしてみれば、東西に長い自領土を東西に動かすには相当時間かかるわけで、
西のウクライナに集中すれば当然東が手薄になる
自衛隊や在日米軍の動きには相当神経質になってるだろうな
ひょっとしたら日本も護衛艦を北海道より北に進めて、ロシアを牽制してるのかも
まあ、NATOを支援するとしたら、東側でこういった形で牽制するしか日本ができることはないかな正直
勇気も何も、ドイツの本音はウクライナこそがリスクだということでしょう。
ヒーヴァーの「ベルリン陥落1945」を最近読んでたんだけど、内容が凄惨すぎて途中で読むの止まったんですが、ドイツ人がロシア人ともう一回戦いたくはねぇなぁ…と思ってても気持ち的にはわかるような。
日本人的に米国ともう一戦やれと言われたら乗り気にはなれねぇなぁ…などと。
ベルリンの壁崩壊から、真の意味での占領から解放されてからまだ30年と経っていませんし、同じ沖縄返還などの歴史的経緯があった日本とも少し肌感覚は違いそうだなと。
冷戦後に加入した東欧はNATOを純粋に軍事的な対露同盟と勿論考えていますが、独は実のところEUのような周辺諸国との関係構築の延長と捉えてる部分もあるんじゃないですかね。
ドイツは内省感情を整理する時間がまだ必要なのかも知れませんが、悲しいかな外交は他人とするものなので。
自分の事情を待ってくれるほど、世界は優しくない。
残酷ですね。
ドイツは周辺国により戦争責任を未だに責められ続け、それに結び付いて現実的な軍拡ができない立場にあった。だからそれを払拭するつもりで、周辺国がドイツに戦争責任を責めるのをやめてドイツに軍拡を頼むという構造というか状況というか格好というか、そんなものをドイツが求めているのではないだろうか。そういうことになるまでは敢えて、戦争責任を重く感じているからこそ軍事協力できないと言い張って、相手が「もう過去の戦争責任は責めないから」と言い出すまで待っているという。
この考え方の戦略は戦後日本にもあったはず。とは言え国内で手段と目的が逆転してしまってた者も多いし、日本でもドイツでも周辺国の態度を見るに裏目に出て全くうまくいってない。この戦略は間違いで、単純に過去のことなど開き直った方がうまくいくのではなかろうか。
政府か官僚中枢はそう考えてる人間は日独双方に居るとは思うが、記事でドイツ世論自体が否定的な背景としては
ドイツ国民がナチスドイツを裁いていない事にある(=変に右翼的になるとまた中枢で暴走しだす)という国としての自己不信があるからと思う。
それは日本も同じで、中ロ北の緊迫から軍事必要に世論は変わりつつも、余りにも自衛隊・防衛省の勢力を強めると
また同じ暴走をやりださないかという自己不振の部分は根強く残り、それがより強力な対地攻撃能力や核武装にまで行かない要因になると思う。
自国の軍隊が、国民の安全の為という存在意義から乖離して功利的な動機で動いてしまい、その結果国が破滅した事について、
国として裁判で名誉はく奪をする自国版のミュンヘン裁判・東京裁判を行い、今後暴走すると国として名誉剥奪されるという
ルールを作ってこそ初めて攻撃も出来る本来の柔軟な軍隊に戻る事が出来ると思う。
ウクライナを犠牲にして、独裁国家ロシアの天然ガスによって成り立つ環境国家
正にディストピアだ再生可能エネルギーもよいが
原発でも石炭でもいくらでも多様化できるのが真の先進国じゃないか
それで言えば日本も結局ダメな道へ行こうとしてないか