(旧)本気禁止制限決闘   作:阿音

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16話【恋する乙女……達? 中編】

 視点 明日香

 

 

ふあ……ねむ……どこよここ?

 

…………思い出した!

ここって瑞貴の部屋じゃない!

 

時間、時間は!?

ほ、よかった、まだ6時半か

これなら軽く準備しても朝食に間に合う。

 

レイちゃんを起こして、それから瑞貴に連絡しないと

あんまり遅くなったら怒られるわ

この部屋は瑞貴の部屋だし。

 

上段のレイちゃんを見てみる

ふふ、可愛い寝顔

だけどこの後、瑞貴に恐怖の感情を向けるんでしょうね

……頑張って!

 

とにかくレイちゃんを起こす

眠そうにしてたけど瑞貴に指示を仰がないといけないから諦めて

部屋の主に黙って出かけちゃ駄目でしょ?

 

丁度レイちゃんが起きて着替えようとした時に瑞貴からの連絡が来た

音声だけだけどタイミングを計ってない?

気のせいよね? 瑞貴だから気のせいと言い切れないけど。

 

『起きてるな?』

 

「えぇ、少し前に起きたわ

そういう瑞貴こそ早起きね」

 

普段なら学校に遅刻直後に来る

つまり普段からかなりギリギリに起きている

おかげで瑞貴は毎日最初の授業に遅刻していて先生方が困ってるわ。

 

更に授業中は昼寝をするし授業で間違っていたら指摘して嫌味を言い続ける

でも成績が良く、間違いの指摘は実際助かっている教師もいるぐらい

まぁ……それでもやっぱり嫌われている生徒ね。

 

『久しぶりにかなり寝た……

それで、学校前に一度部屋に戻りたいんだが構わないか?

というか既にレッド寮の前だが』

 

「え?」

 

何を言っているのかと思ったら扉が叩かれた

思わず私もレイちゃんも小さく悲鳴を上げてしまった

まだ着替えてもいないので開けるのは少し待ってもらわないと!

 

「えっと、私もレイちゃんもまだ準備が終わってないの

だからもう少し待っててくれない?」

 

『だが断る

別に着替えてないぐらいだったらいいだろ

荷物を持ったらすぐに出て行く』

 

「……レイちゃん、着替えるならすぐにして

着替えないならすぐに止めなさい

早くしないと瑞貴の機嫌が悪くなるわ」

 

「え、でもそんなにすぐに着替えは……」

 

「ならパジャマのままで我慢して

瑞貴、今開けるわ」

 

レイちゃんが慌てて上着を着る

パジャマだけで男の人の前に出るのはやっぱり抵抗が有るわよね。

 

すぐに扉を開けて瑞貴を部屋に入れる

正確には瑞貴は自分の部屋に戻っただけだけどね。

 

「……勝手に服は着られているが他は特に荒らされてないと

服は自分で言ったんだし、ならいいか」

 

「荒らさないわよ

馬鹿な事をして貴方に怒られるのはご免よ」

 

何度も長々と同じ事を言われ続けるのは嫌よ

疲れるし、わかったって言っても許してくれないんだもの。

 

瑞貴は棚を開き、中の物を漁って鞄に詰める

何を入れてるのかは分からないけど、少し多いみたいね。

 

「じゃあ俺は出てくる

お前らが出る時は鍵は閉めて、鍵は学校で俺に渡せ」

 

そのまま瑞貴は部屋を出て行った

これは私達を信用してるから?

それとも何もできないと思ってるから?

まさかとは思うけど何も考えて無いだけ?

 

どれにしても瑞貴の考えは理解できないわ

それよりも早く着替えて私も準備しないとね。

 

レイちゃんは先に準備を終わらせて食堂で朝食

私はベッドのシーツや瑞貴に借りた服の洗濯の為に女子寮に向かう

そういえば瑞貴は朝食どうしたのかしら?

 

さて……ここから気をつけないと

女子寮でこんな男性の服やシーツなんて持ってたらどんな勘違いされるか

いや、半分ぐらい正解するとは思うけど。

 

朝食の時間まで時間はまだ残ってる

だからそれまでに急いで部屋に行かないと!

洗濯機は部屋に有るし、部屋にさえ戻れば……

 

「あら、明日香様

こんな時間にそんな荷物を持ってどこに行くんですの?」

 

……終わった、ももえに見られるとは

ど、どう言い訳をすればいいのよ!?

 

「それってベッドのシーツに男性の服……ですの?

いったい誰のでしょうか?」

 

「さ、さぁ?

ごめんねももえ、私急いでるから!」

 

「あ、明日香様!?」

 

さすがにこれ以上の人に見られるのは拙い

駆け足で部屋に向かう

うぅぅ……恥ずかしい。

 

なんとかももえ以外の人に見つからずに部屋に戻れた

ももえに見つかった時点で失敗な気もするけどまだマシよ

急いで服とシーツを洗濯機に放り込む。

 

でもその前に少しだけ…………じゃなくって!

早く洗わないと時間が無くなるわ!

 

洗濯機を回して軽くシャワーを浴びる

朝食の時間だし、そろそろ行こうかしら

食べ終わった頃には洗濯も終わってるはずよ。

 

朝食の時、席が近いももえから視線を感じたけど無視

私だって何を言えばいいのかわからないもの。

 

朝食が終わり、部屋に戻って洗濯機を見てみれば終わっていた

さて、後は干して学校に向かうだけね

乾けば問題無いはずよ。

 

なんか男性の服とかを洗濯してると主婦みたいね

…………はっ! 私は今一体何を考えてたの!?

そもそも主婦って……相手は誰なのよ!

って、流れから考えて瑞貴しかいないじゃない!

何を考えてるのよ私は!?

 

ちょっと待って、落ち着かないと

深呼吸しましょう、吸って……吐いて……吸って……

 

『明日香、随分遅いがまだ寮に居るのか?

早くしないと遅刻するぞ』

 

「すっ! げほっごほっごほ!

何よ瑞貴、突然連絡してきて!?」

 

体育の授業とか、体を動かす時以外はイヤホンを肌身離さず持っている

瑞貴からの命令が突然来る時もあるからよ

まぁ、瑞貴本人からもそうしろと言われたんだけど。

 

だから今みたいに突然の声に驚くのは普通

でも今回はちょっとタイミングが悪すぎない?

絶対に狙ったわよね? 絶対に狙ったわよね!?

 

『何ってな……人がせっかく遅刻しそうだと連絡してやったのにその態度は何だ?

今回は俺がお前を巻き込んだんだし、これぐらいはと思ったらそれか?』

 

「ご、ごめんなさい!

急いで行くわ、連絡ありがと!」

 

『ったく、小娘はお前がブルー寮に帰ったって言ってたから気になってみたら

遅刻になるかもしれない上に態度が悪いときた

まぁいい、早く来いよ?』

 

それから瑞貴からの連絡が切れた

確かに時間も危ないし、急いで洗濯物を干さないと。

 

ちなみになんとか遅刻寸前で間に合ったわ

瑞貴を見てみたら舌打ちをしていた

私の態度が悪くて気分を悪くしたらしい。

 

レイちゃんは瑞貴が怒っていて近くに居て怖かったって

あんまり怒らせないで欲しいってお願いされたわ。

 

私だって態とじゃないのよ?

あまりにタイミングが悪かっただけなのよ?

 

そう言い訳したかったけど涙目で言われたので断念

うぅ……ごめんね?

 

校長先生の話しが有るらしい

全員が大部屋に集まり、校長先生の話を聞く。

 

毎年恒例、北のノース高との流向決闘(デュエル)が近づいているとか

去年は亮が勝ったらしい。

 

レイちゃんが亮を眺めているのを見つけ、微笑ましく思う

でもそのレイちゃんの隣に立っていた瑞貴が軽くレイちゃんを突いて前を向くように指示を出す

怒られては堪らないと、レイちゃんも素直に前を向く

昨日もだけど少し厳しくないかしら?

 

今年の流向決闘(デュエル)の生徒はまだ決まっていないとか

まぁ順当に行けば今年も亮が出るでしょうね

順当に行けば……ね?

凄く引っかき回しそうな人が居るからわからないけど。

 

校長先生の通信が終わり、十代が頑張って出ると意気込む

瑞貴はどうでもいいとばかりに欠伸をして眠そうに目を擦ってる

レイちゃんはまた亮を見てる

恋する乙女は強いのね……だから怒られたんだけど。

 

 

 

 視点 レイ

 

 

授業……ちょっと難しかったな

やっぱりまだ小学生のボクに高校の授業は厳しかった

次の定期便で帰らされるんだし、将来の為の見学だと思って我慢しよ。

 

授業後、瑞貴さんが色々と手回しをしたらしい

校長先生に内密で話し、ボクの事で動いてくれたとか

本当かどうかはわからないけど、妙に満足そうにしてたのは何故?

 

定期便は週1ぐらいで来るから来週まで帰れない

それまでに誰かがボクに気付かれる可能性も否定できない

現に、瑞貴さんはボクに気付いたんだし。

 

そんな瑞貴さんの命令でボクが外に居る間は瑞貴さんか明日香さんと一緒に居る事だって

あんまり自由が無いけど、それも少しでも危ない事の無いようにだって

ボク……そんなに間抜けじゃないよ!

 

授業後、ボクはちょっと2人から離れてブルー寮に向かう

亮様の居るブルー寮、まだ帰ってないから会えないと思うけど……

 

亮様の部屋は……確かここ!

木に登って部屋に侵入する。

 

誰も見ていないはずだし、大丈夫!

そう……思ってたんだけど。

 

「何やってんだお前!

そんなんじゃノースのスパイと勘違いされるぜ!」

 

っ! 誰!?

そう思って振り向いたら最初にボクに絡んできた男子生徒!

でもボクはスパイじゃない事は否定しておかないと!

 

「そんなんじゃない!」

 

このままだと言い合いになりそうになる

でも扉の外から声が聞こえた!?

 

「話しは後だ、とにかく行こうぜ!」

 

逃げる為に男子生徒が無理矢理私の手を勢いよく引く

その反動で帽子が脱げてしまった!

 

「……レイ、お前!」

 

「クッ!」

 

急いで帽子を拾って逃げ出す

こんな事なら瑞貴さんの言う事を聞いていればよかった!

 

………………

…………

……

 

急いで部屋に戻ると部屋の前に瑞貴さんが立っていた

あれ? 何で部屋の外に立ってるの?

 

「随分遅かったなぁ?

しかも俺は確か、俺か明日香と一緒に行動しろって言ったよな?」

 

「う……それは」

 

「しかも俺はお前が鍵を返さなかったせいで部屋に入れなかったんだが?

放課後になってお前を捜しても見当たらないからずっと待ってたんだぞ?」

 

鍵? そういえばボクが持ってるんだっけ?

…………あ、ポケットに入ってた。

 

あれ? ボクって指示を破った上に鍵も返さなかったの?

という事は……凄く怒ってる!?

 

思わず後ずさってしまうが腕を掴まれる

もしかして帰ってきたのって大失敗?

 

「ほう? 俺が怒っていると気付いたか?

だが逃がさん、とりあえず部屋の鍵を返してもらおうか?」

 

「は、はい

わかりました……」

 

腕を掴まれたままなんとか部屋の鍵を取り出して瑞貴さんに渡す

瑞貴さんは溜め息を吐きながら部屋の鍵を開け、部屋に入る

当然ボクの腕を掴みながらだからボクも強引に部屋に入れられる事になった。

 

「正座」

 

「はい?」

 

「正座だ、正座

床で正座して、背筋を伸ばして座れ」

 

「あの……なんで?」

 

「黙れ、そして正座」

 

「……はい」

 

それから3時間ほどずっとお説教された

同じ内容をクドクドクドクドと……内容は同じだけど違う事を同じ意味で長々と

よくそんなにネタが持つと思ったけど言い出せない。

 

30分ぐらいして少しだけ言い訳をしたら最初からやり直された

それから更に30分ぐらいして反論したら論破された上にまた最初から繰り返された。

 

ねちっこい……きっと決闘《デュエル》でもねちねちと嫌らしい戦い方をするんだ

しかも用心深く2重3重にも罠を張って相手の頑張りを全否定するんだ、きっとそうだ。

 

ようやく説教が終わった

しかも止めてくれた理由がそろそろ晩ご飯の時間だからだって

許してくれてはいないみたいだけど、この説教地獄から抜け出せただけマシよ。

 

晩ご飯の時、さっき亮様の部屋で会った生徒もいた

今の所は何も言われてないけど、いつ行動されるかわからない

急いで瑞貴さんに相談しないと……

 

話しかけられたら困るから怖いけど瑞貴さんと一緒に部屋に戻る

さっそく瑞貴さんに相談しないと。

 

「あの、瑞貴さん

少し相談したい事があるんですけど」

 

ボクがそう言ったら凄く意外そうな顔をされた

そんなにボクが相談したら変!?

 

「俺の事を怖がってるのによく俺に相談する気になれたな

相談なら明日香にした方がいいんじゃないか?」

 

自分が怖がらせてた自覚有ったんだ……

なら最初からしないでほしかったな。

 

「まぁいい、少し待ってろ」

 

瑞貴さんはそう言って小型の通信機を取り出す

学校で配布されてるのじゃなくて自前のを使う理由は何?

 

「おい明日香、命令

今すぐに来い、拒否は許さん」

 

『突然なにを言うのよ!

行くのはい』

 

へ、返事の途中で切るなんて酷い

本当に全く拒否させる気が無いんだ。

 

「さて、明日香が来るまでに話しを進めておこう

あいつには整理してから話せばいいだろう」

 

あ、ちゃんと話しは聞いてくれるんだ

よかった……無視されたり断られなくて。

 

「実は……」

 

ボクは瑞貴さんにさっき……といっても結構前になっちゃったけど

とにかく説明した。

 

「…………」

 

説明が終わってから瑞貴さんはずっと無言

せめて怒ってくれない!

すっごく不安になるんだけど!

 

気まずい雰囲気がずっと続く

すると突然扉が叩かれた、明日香さんが来たのかな?

瑞貴さんが覗き穴を見て凄く気に食わなそうな顔をしたけど……違う人?

 

「……チッ、十代か、また面倒な奴が来たな

おい小娘、お前の正体を知った生徒が来た

靴を持ってトイレにでも隠れとけ

声は出すなよ?」

 

「で、でも……」

 

「珍しく人が庇ってやろうってんだからさっさとしろ

あんまり遅いと怪しまれるだろうが」

 

「うん……わかった」

 

ボクは靴を持って急いでトイレに入る

トイレに入った瞬間に扉が開いた音が聞こえた

そんな直後に開けて大丈夫なの!?

 

「十代か、何か用か?」

 

「ちょっとレイに用があってな

部屋に居るか?」

 

「居ない、だから帰れ

そして二度と来るな、更に俺の休憩時間の邪魔をするな

おまけにそのまま実家に帰れ」

 

酷っ! もの凄く酷い!

別にその人何も悪い事してないよね!?

というか最後のはあまりにも理不尽過ぎる!

 

「あ、相変わらず機嫌が悪いとひでぇな

じゃあどこに行ってるか知らないか?」

 

「知らん、寝言は寝て言え

口を開くな、リアルで口をマジ縫いでもしやがれ

今後俺にその声を聞かせるな」

 

質問しただけでそれだけの暴言ってどういう頭してるの!?

どうしてそんな言葉があんな僅かな時間で思いつくの!?

それに機嫌が悪いと普段から暴言だらけなの!?

 

「……悪かった、じゃあな」

 

「そのまま海に沈んでろ

深海に沈んで水圧で破裂しろ」

 

何気に死ねって言ってるよね!?

少しでも優しいと思ったボクが馬鹿だった!

瑞貴さんは悪魔だ!

 

えっと、十代……さん? は帰ったのかな?

でも瑞貴さんは何も言わないし、まだかな?

 

そう思っていたらまた別の声が聞こえてきた。

 

「あら十代、こんな時間に瑞貴に何か用かしら?」

 

「お、明日香じゃないか

お前こそこんな時間にどうしたんだ?

それにそんなに荷物を持って……」

 

「えっと……ちょっと瑞貴に借りた物があってね?

瑞貴に呼ばれたのもあるけど、これも返さないと駄目だしね」

 

あぁ、朝に言ってたっけ

自分達女が眠った後の布団で男性が寝ると思うと恥ずかしいって

その気持ちは分かるなぁ。

 

「で、十代は何の用で瑞貴の部屋に?

どうせ悪口を言われて追い出されようとしてるんでしょうけど」

 

大正解、さすが瑞貴さんとの付き合いが長いだけある

なんでも入学してから結構話してるとか何とか

だから瑞貴さんも簡単に泊めようと思ったのかな?

 

「あぁ、そうなんだよ

明日香からも言ってくれないか?

レイがどこに居るか知りたいんだ」

 

「レイちゃんがどうかしたの?」

 

あ……今、明日香さんボクの事をちゃん付けをしちゃった

さり気なかったから気付かなかったよね?

気付いてももう知られている相手だけど。

 

「今レイの事をちゃん付けで……お前もレイが女の子だって事知ってたのか?」

 

「…………あ

ど、どうしよう瑞貴!?」

 

「そこで俺に振るか?

つまり俺も知っているって白状しているのと同じ意味だぞ

テンパってるのは分かる

が、もっと冷静になった方がいいな

ほら、十代が俺の事を疑わしい目で見てるじゃないか

余計な真似を……今回の命令での借金返済は無しだ」

 

「そ……そんなぁ」

 

確かに白状しているのと同じかもしれないけど……

少しは誤魔化そうとしない?

諦めるのが早いなぁ。

 

「なら話しは早い

瑞貴、レイは何でこの学園に?」

 

「言う必要は無い、話す必要は無い、語る必要は無い、言葉にする必要は無い、教える必要は無い

知らせる必要は無い、聞かせる必要は無い、書く必要は無い、見せる必要は無い、お前には全て必要無い」

 

一言で済ませればいいのに何で10通りの言い方をするの!?

しかも全部結果的に同じ意味だよね!?

 

「どうせ瑞貴が素直に話すなんて思ってねぇよ!

瑞貴、俺と決闘《デュエル》しろ!」

 

「断る、帰れ、来るな、消えろ、去れ、失せろ、ついでに死ね」

 

どうしてこの人はこう……無駄な事を言うのかな?

一言にすれば楽じゃないの?

 

「決闘者《デュエリスト》なら挑まれた決闘《デュエル》から逃げんな!」

 

「逃げてない、断っているだけだ

逃げるとは逃亡という意味である

俺は嫌だから断っているのであり、逃げているのとは少々意味が異なる

断る=逃げるという図はちょっと頭の回路が弱いんじゃないか?」

 

無駄に無駄な言い方をして無駄に怒らせてるだけだよね!?

よかった……あんな暴言だらけを自分に向けられなくて

これからは瑞貴さんの機嫌を絶対に損ねないように気をつけないと。

 

「んな事はどうでもいい!

俺と決闘《デュエル》しろ、瑞貴!」

 

「しつこい、断ると言ってるだろうが、いい加減にしろ

煩い、喧しい、騒々しい、叫ぶな、叫くな、声を出すな、黙れ、静まれ、落ち着け、そして帰れ」

 

「こうなったらレイは関係ねぇ!

意地でも瑞貴と決闘《デュエル》してやる!」

 

「……このやり取りに飽きた

明日香、俺の代わりに十代の相手をしてやれ

勝ったら借金は半分取り消してやる」

 

「本当!?

行くわよ十代!」

 

「だぁぁぁぁ! 俺は明日香じゃなくて瑞貴としたいんだよぉ!

でも、挑まれた決闘《デュエル》は必ず受けてやるぜ!

どっちにしろ明日香とも戦りたかったしな!」

 

あるぇー?

何か話しは変な方向に向かってない?

 

「決まりだな、とりあえず先に行ってろ

俺も後から行ってやる」

 

「おう!」「わかったわ」

 

扉が閉まる音が聞こえた

えっと……どうなるの?

 

「さて小娘」

 

「はひぃ!」

 

「お前のせいでひじょーーーーーーに面倒な事になった

とりあえず諦めて十代の前に行くぞ

さっさと出てこい」

 

ボクは無言でトイレから出る

瑞貴さんの顔には凄い怒りの感情が出ていた

うぅ……怖いよぉ。

 

「……行くぞ、着いてこい

遅れたら裸にひん剥いてレッド寮の屋根から吊してやる」

 

「ひっ!

わ、わかわ、わかりました! 絶対に遅れません!」

 

瑞貴さんはボクの返事を聞いてさっさと出て行った

ボクも急いで靴を履いて追いかける。

 

ど……どうしてこうなったのーーーーー!




※旧後書き
瑞貴って問題生徒?
問題生徒です
成績が良いだけに更に問題です
態度が悪くても成績のせいでレッドに降格という脅しができませんので。

瑞貴はどう思って明日香達に部屋を明け渡したの?
明日香は付き合いが長くなっているので性格上問題無いと思いました
レイは子供だし、馬鹿な事は起こさないだろうと思っています
まぁ……両方原作キャラだから腐ってないだろうという考えが少々強いですが。

何故ここでももえを出したの?
ちょっとしたフラグ……といった感じでしょうか?
ジュンコの方には少々思惑が有るので……
内容? 秘密です、まだ先なので現時点では殆ど無関係ですね
しかしある程度これで行こうと思っていますのでこの考えを変更しないと思います
原作に影響出るよなぁ……まぁいいか。

明日香、少しだけってなんだ!?
前話最後参照……つい。

明日香が瑞貴のように無視……だと?
瑞貴の無視癖が移ったようです
今後の明日香の性格に大きな問題が出ました。

明日香の妄想が……
調子に乗りました
どうもこんな明日香が好評のようなので……
しかし、不評でも続けそうな自分が怖い!

瑞貴が明日香に親切を!?
強引に泊まらせたので少しぐらい悪いと思ってます
表にそれを出す気はありませんが。

明日香の言う引っかき回しそうな人って?
瑞貴と十代ですね
明日香だって十代に無関心なわけじゃないので。

定期便が週1?
定期便が原作みたく帰るとしたら2日に1回になり、多いと思ったのでこうしました
原作通りにしろと?
したいとは思いますがどう考えても変でしょう
もしかしてたった1人の為に定期便が寄ってくれたとでも?
そう思ったのでこうしました
他の乗客? 違う場所から乗ったんじゃないですか?
あんな島にそんなに行く必要が有るか疑問ですし……
食料の関係なら可能性も高いと思いますがそれでも3日に1回ぐらいじゃないかと。

瑞貴は校長と何を話したの?
レイの事を話してました
何故女生徒をレッド寮にという話しから何故気付かなかったという話しまで
KC社に報告するかなどと脅しました
そして校長を強引におとなしくさせ、レイの事をどうにかすると約束させました
面倒は自分が見てやる、だから今後はこんな事をしないように言い
更に脅迫の材料を集められて瑞貴はそれなりに満足しました
レイの面倒を見ると言った理由は他で面倒を起こされるより
色々と知っている自分で処理した方が楽だと思ったからです。

瑞貴が自前の通信機を使う理由は?
盗聴を警戒しています
万が一されたら困る話しをするかもしれまんせんので。

明日香は通信でなんて言おうとしてたの?
「突然何を言うのよ!
行くのはいいけど何故!?」
と、言おうとしてました。

十代に対して酷すぎる!
苛ついてるんです。

最後のは……本気?
嘘です、脅迫で脅しなだけでしません
……一応脅迫罪ってありますけどね。


✩感想
相変わらず口の悪い主人公、ちゃんと会話する十代は凄い。

★反省
あまり相手をしたくないからといっても口が悪すぎるのは問題だった。
主人公的には早く解放されたかったんでしょうが……


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