(旧)本気禁止制限決闘   作:阿音

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10話【特に気に入らない奴】

 視点 瑞貴

 

 

今日も今日とて暇潰しにデッキ作成

昨日の件で寝不足じゃないかって?

基本睡眠時間が3時間の俺にとって夜中まで起きてるぐらい余裕なのさ。

 

明け方近くだったけど、それでも2時間睡眠だ

それだけ寝れば多少眠いが1日頑張る事ぐらいできる。

 

しかし隣の部屋が煩いな……また十代が何かしたか?

ま、俺には関係の無い話しだ。

 

そう思っていた時期が俺にもありました……今だけど

突然扉を叩く音が部屋に鳴り響く

何かと思ったが、どうやら俺も関係していたらしい

俺……何かしたか?

 

「おい、今すぐドアを開けろ

さもなくば扉を爆破するぞ」

 

爆破ね……弁償してくれるのかね?

まぁさすがにそれは少々困る

仕方無しに扉を開くと制服に似た軍服っぽい服を着た女性?

ついでにおっさんが10人ぐらい……コスプレ大会でもするのか?

 

「堅守瑞貴だな」

 

「違います」

 

まさかの切り返しに焦る女性

しかしすぐに気を取り直して再び問いかける。

 

「……堅守瑞貴だな?」

 

「違います

今デッキを作ってるんです、邪魔しないでください」

 

あ、眉がヒクヒクしてる

なんか怖いイメージが強そうな人だけど可愛く見えるな。

 

「…………お前を査問委員会まで連行する」

 

「帰れ、妄想女

コスプレなら他所でしろ」

 

「コスプレでは無い!

お前達、こいつをさっさと連れて行け!」

 

取り囲まれた……悪ふざけが過ぎたかな?

 

「行く前に片付けぐらいさせろ

ただでさえボロいレッド寮なんだ

盗難が起きたらどうするよ?

そしたらお前らの責任だからな

全額弁償してもらうぞ?」

 

さすがにそれは嫌らしく、少し戸惑ってくれた

その間に俺は部屋に戻り、カードを片付ける

おとなしく見ている奴らを無視し、作りかけのデッキも片付ける。

 

もう暫くすれば完成してたのに……邪魔したこいつら、どうしてくれようか?

とりあえず移動中ずっと苛めてやろうと決めた。

 

片付けが終わり、女性の前まで来る

かなりきつい目で俺を睨むが当の本人は何処吹く風

空回りしている姿が何とも哀れだな。

 

「一緒に来てもらうぞ」

 

「寝言は寝て言え」

 

「貴様……さっきから数々の暴言

私達を侮辱しているのか?」

 

「名乗りもせずに勝手に人の部屋に入ろうとし

更に扉を爆破しようとするテロ紛いの行為をすると脅す

おまけに本人が嫌がっているのに強引に連れて行くと拉致発言

それについてく馬鹿がどこにいるよ?」

 

全くの正論

コスプレ軍団もさすがに怯む

それでも女性は引かない負けない諦めない

さっさと帰れよお前ら。

 

「……我々はアカデミア倫理委員会の者だ」

 

「それが?

その倫理委員会という奴は強制連行できる権利でも持ってるのか?

その為なら部屋を爆破してもいいと?

もし爆破した時に俺が爆発に巻き込まれたらどうするんだ?

大怪我をしたら? もし死んだら?

お前らそこら辺考えてる?」

 

全員の顔色が変わる

非情になりきれない時点でお前らの負けは決まってるんだよ

一部の奴らは顔を青くしているぐらいだ

やはり爆発に巻き込まれたらというのが効いたらしいな。

 

「き、君を学園に連れてこいという命令が下っている

素直についてきてくれると助かる」

 

「お前らが助かろうと俺には関係無い

もっと言い方を考えたらどうだ? この犯罪者集団」

 

さすがに犯罪者扱いは傷ついたかか?

女性の目にはとうとう涙まで見えた

あー……さすがにこれ以上は拙いか?

 

「我々と……一緒に来てください」

 

「だが断る

二度と来るな」

 

そう言って部屋に戻る俺

とうとう本格的に泣き出す女性

それを見て回りの奴らがオロオロしてる。

 

そんな奴らを無視し、俺はお茶を淹れる

湯飲みが足りないな……野郎共には我慢してもらうか。

 

茶を持って女性に近づく

あの凛々しい姿がなんとも情けない……

でも泣いている女性って何か可愛く見えるから不思議。

 

「飲むか?」

 

女性はこっちを見上げ、俺の持つ湯飲みを凝視し続ける女性

怖ず怖ずと受け取り、飲んだ瞬間に一言。

 

「下剤入りだけど」

 

「ぶぅぅぅぅ!!!」

 

恥ずかしがって俺から顔を逸らしていたのが仇となったな

周りの野郎共が思いっきり茶を引っ被った

熱い熱いと連呼する野郎共と咳き込む女性

良い具合にカオスってるな、はっはっはー……飽きた。

 

「冗談だ

ほら、行くんだろ?

さっさと行かないと怒られるぞ?」

 

「貴様……何をヌケヌケと……」

 

まるで地獄からの使者と思わせるような低く、おどろおどろしい声

よくそんな声を出せるな、声優ガンバ!

 

「行かないのか?

せっかく行く気になってやったのに……行くの止めようかなー」

 

「ぐっ、行くぞお前達!」

 

何とも苦々しそうな表情だろうか

そんな顔を見るのが楽しくてもっと苛めたくなった。

 

「あ、着替えるから暫く待っててくれよ?」

 

「お ま え は ~ ~ ~ !」

 

怒り狂う女性

だが俺はからかう事を止めない、絶対にな!

 

「何? 年下の着替えを見たいの?

うゎ……ちょっとそこの人達助けてー!

この女の人に着替えを覗かれるー!」

 

「誰が覗くか!!!」

 

女性が否定するも、それでも野郎共の動揺は消えない

だが甘い、俺は更にその上を行く!

 

「もしかしたら年下趣味?

やばい、俺って襲われる!?

怖っ! マジで怖っ!

ちょ、そこの人達マジで助けて!」

 

「年下趣味でも無いし襲わん!

それに私には恋人が……あ」

 

ふ、弄り情報GET

まだまだ続けるぞ!

 

「酷い! 恋人がいるのに年下の高校生を手込めにしようだなんて!

恋人を裏切るなんて最低だ!」

 

「だから手込めになんぞしようとも思ってない!

それに恋人だって裏切ってないぞ!」

 

「そんな、手込めを否定する方が先だなんて!

裏切っていないと本当にそう思ってるなら真っ先に裏切ってないと言うはず!

という事は本当は裏切ってるんだ!」

 

「話しの順番で否定しただけだろうが!

どうしてそうなるんだ、このひねくれ者が!」

 

「ありがとう、最高の褒め言葉だ」

 

「褒めてない!!!」

 

女性はそう言って部屋から出て行って扉を閉めた

かなり勢いよく閉めたのでちょっと寮が震えた気がした

どんだけ力有るんだよあの女……ちょっと怖いぞ。

 

俺はいい加減素直に着替え、表に出る

思いっきり睨まれるが無視。

 

「行くぞ」

 

「はいはい」

 

もう何も言われなかった

諦めたかな?

それでも俺はまだ終わらない

少し寮から離れた時に一言。

 

「あ、鍵閉め忘れた

ちょっと閉めてくる」

 

「さっきからお前は何がしたいんだ!」

 

やっぱり怒る女性を無視して部屋に駆け足で戻る

もう追いかける気力も無い女性はなんか暗いオーラを纏ってるように見える

これ以上は本当に拙いか?

だがこれで終わるのはつまらないし……

 

「俺と付き合ってください!」

 

「なにぃ!?」

 

おうおう、周りの奴らも驚いたり動揺してやがる

女性なんて顔を真っ赤にしてあわあわと言ってる

ふははは、可愛い奴だなぁ。

 

「わ、私には付き合っている彼がいてだな

だからそういうのはその、困るんだが……」

 

真面目に否定してるけどさ

次の瞬間、自分の勘違いで固まるんじゃない?

 

「漫才で」

 

空気が凍ったのは気のせいじゃないだろう

女性は自分が勘違いさせられたと気付いてショックで動かなくなった

周りの野郎共は女性を動かそうと必死だ

しかし女性は動かないので途方に暮れている。

 

「やれやれ、貴方達も大変ですね?」

 

「その原因の大半は君だと自覚してくれないか?」

 

適当に近くにいた野郎に話しかける

返答は全く持ってご尤も、だけど自重しないから安心してくれ。

 

女性が再起動するも、黙って俯いたままだった

そんなにショックだったか?

まぁどうせ今後は出ないモブだろうし、どうでもいいか。

 

ネタも無くなって来たし、素直についていく事にした

なんかブツブツと呟いていて怖かったが無視しておいた

でも周りの野郎共が怯えてたが、それでも無視してやった。

 

………………

…………

……

 

「「えぇー! 退学!?」」

 

あー……思い出した

確かこんな事も有ったなぁ

まさか俺までその立場に立たされるとは思わなかった。

 

『本日未明、遊城十代以下3名は

閉鎖され、立ち入り禁止になっている特別寮に入り込み

内部を荒らした、調べはついている』

 

「ふーん……それで、どうやって調べたんだ?

後から入って調べても人物の特定は難しいはずだ

それなのに当日中に調べ上げる……無理だな」

 

『…………』『ふむ……確かにそうですな』『(マンマミーア……ちょこっと拙いかもしれないノーね)』

 

女性は沈黙、校長は今更気付いたという感じ、クロノスは顔に出てる……馬鹿か?

 

「とりあえず俺達があそこに行ったと仮定し、証拠は?

荒らしたと言っていたが具体的にどう荒らされていたんだ?

調べた方法は? 情報元は?

それに例え行っていたとしても動機も訊かずに問答無用で退学?

それならそうと入学時や生徒手帳にも書いておいたらどうだ?

生徒手帳にあの寮の事が書かれていないのは覚えてるぞ」

 

苦そうな顔になる女性とクロノス

校長は俺の言葉に反論する言葉を見つけられない

校長本人もあまり納得してなさそうな感じだし、いけるか?

 

「考えられる可能性は2つ

1つ目はただの偽情報を掴まされた

誰かが嘘の報告を倫理委員会にし、俺達を陥れるためにした

2つ目は俺達が行ったと仮定し、それを誰かが行くように操作した

例えば何か新しいカードが有るとか、そんな噂を流したとかな

この場合、不特定多数を狙ったのか俺達を狙ったのかが気になる所だ」

 

誰もが、難しい顔になる

1人愉快な顔になっているが……言ってやりたいなぁ。

 

『で、ですが既に貴方達が退学になるという話しは決まってますノーね

査問委員会で貴方達は強く疑われていルーの、それを今から覆すノーは、とってもとっても、難しいノーね』

 

『そういう事です

どちらの仮定だとしても、疑われた不幸を嘆きなさい』

 

ふむ、クロノスは思いつきで言ったかもしれんが女性が邪魔だな

もしかしてさっきの事を怨んでるのか?

俺としては満足でき……なかったけど楽しかったんだがな。

 

「ならお互いに納得できる妥協案を出してくれ

こちとら有りもしない事で疑われてるんだ

それぐらいしないと誰も納得できん」

 

『ならば、制裁タッグ決闘《デュエル》をしてもらうノーね

遊城十代と丸藤翔でタッグを組み、決闘《デュエル》してもらうノーね』

 

多分原作通りかな?

でも俺がここにいる理由がわからんぞ。

 

「相手は? 場所は? 時間は?

勝った時のメリットは? 負けた時のデメリットは?

そして俺はどうなる?」

 

『う、相手は追って連絡するノーね

勝った時は無罪放免、負けたら退学……は無理ソーう?

だったら停学か謹慎にすルーの

堅守瑞貴には別の誰かとタッグを組んでもらうノーね

その相手は自由に決めていいのでスーが、最低限、貴方の知り合いじゃなイーと駄目なノーね

勝っても負けてもパートナーは何もありませンーが、貴方は負けたら遊城十代達と同じなノーね』

 

「妥当かな?

俺はそれで納得しておく」

 

これ以上は難しいだろうしな

交渉は下手に高望みすれば自滅する、ある程度に押さえるのが丁度いいのさ。

 

『無理ですね』

 

無理だと?

女性の言葉に全員の視線がそちらに向く

女性は何も無いように話しを続ける。

 

『上から退学は最低限確定しろと言われています

制裁タッグ決闘《デュエル》はいいですが、負ければ退学は変えられません

堅守瑞貴のパートナーですが、敗北時共に一切の干渉しないので安心してください』

 

つまり俺が誰と組んでもパートナーは問題無いと

例え俺が負けてもパートナーは何一つお咎め無しだから安心しろとでも言いたいのか?

それはそれで安心だが、負ける事を望んでいる言い方が気に食わない

確かに負けた時の事を教える必要が有るから仕方無いが……

 

だがそこで終われば俺じゃない

狙いは勿論……あの女だ!

 

「……徹底的に個人情報を調べて破局させてやる」

 

全員がギョッとした顔で俺を見る

それに対し、とっても良い笑顔を見せてやる

すると全員顔が青くなってるぞ? どうしたんだろうな?

 

『わ、私を脅しても無駄です

これを決めたのは私よりも上なんですから

例え私に何をしても不利になるだけですよ』

 

「は? 個人情報を調べるなんてできるわけないじゃん

俺みたいな小僧がそんな技術持ってるはずないだろ?

本気と冗談の区別もできないのか?」

 

『ぐ、ぐぅぅ~~~

話しは以上です! 解散!』

 

悔しそうに歯軋りをしながら涙目で俺を睨みながら消える女性

可哀想に……俺に狙われた不幸を嘆くんだな。

 

俺の事を恐ろしいものを見る目で見ている全員

そんな事は当然無視して部屋から出て行く。

 

ただ……グラサン付きの髭先生もあの画面にいたんだが

結局最後まで一言も言わなかったな、ただのカカシか?

 

………………

…………

……

 

寮に帰り、俺は誰と組むか考えていた

十代は……絶対に却下、仲良くなったら面倒になりそうだ

水色……問題外

でかいの……同上

明日香……保留

取り巻きその1……却下

取り巻きその2……微妙

……ん? これだけか?

まぁ特に問題無いか。

 

さて、誰と組むか

取り巻きその2だったらデッキを合わせるのは楽なんだけどね

だが明日香だったら俺がデッキを組んだし、同じく合わせやすい。

 

でもなぁ……できる事なら1人2役がしたい

それなら色々と楽なんだけど無理だろう

あの女性をからかい過ぎたし、俺から提案しても却下されるのは目に見えてる。

 

となるとやっぱり誰かと組むしか無いな

うーん……悩む

いっその事辞めるか?

それはそれで良さそうだが学校中退って就職先が減るよな

仕方無いから辞めるのは諦めるか。

 

転校に話を変えて貰うか?

それは悪くないな、原作に関わらなくて済みそうだし

外国に行くのは遠慮したいけど、国内なら転校でも構わんか。

 

よし、校長にそう話しを付けるか

そうと決まれば善(?)は急げとばかりに部屋から出る

どうでもいいけど、タッグパートナーを決めるのが面倒だからという理由はどうなんだろうな?

それでも俺は探さないけど。

 

そう思って部屋から出ると、目の前に明日香

しかもお互いに顔がかなり近づいてしまい、当たりそうになる

俺はすぐに頭を引き、明日香に当たらないように避ける。

 

明日香もかなり驚いたらしく、思わず後ろに下がってた

しかし、一瞬見せた不満そうな顔はなんだ?

 

「こ、こんにちは瑞貴

今時間有るかしら?」

 

「無い、よってどけ」

 

「はいはい、有るのね

外で十代と翔君が決闘《デュエル》するみたいなの

貴方も見に行かない?」

 

「手強くなったな、明日香

それはそうと、何故お前がそれを知ってる?

更に何故俺を誘うか?

ついでに俺は今から行こうと思っている場所があるんだが?」

 

つうかあいつら何で決闘《デュエル》するんだ?

タッグ決闘《デュエル》前だからお互いのデッキ調整の為にか?

今まで一緒の部屋だったんだからお互いのデッキぐらい見せ合っておけよ。

 

「十代が翔君を連れて出て行ったのを見たわ

隼人君……十代達と一緒の部屋に住んでいる人ね

彼が教えてくれたのよ、今から十代と翔君が決闘《デュエル》するってね

瑞貴を誘うのは貴方から見て彼らがどう映るか気になるから

後、今から行こうとしてる場所なんてどうせ下らない理由なんでしょ?」

 

下らない理由って……否定できないから腹が立つ

言ったらどんな反応するのか気になるが面倒になりそうだから言わないでおくか。

 

「ほら、行くわよ!」

 

「ちょっ、引っ張るな!

それに俺は行くなんて一言も言ってない!」

 

俺を無視して強引に連れ出す明日香

引っ張るなって! 後せめて鍵を閉めさせてくれ!

 

結局強引に連れ出され、断崖絶壁に……その下では十代と水色が向かい合ってる。

 

「制裁決闘(デュエル)で落ち込んでると思ったら、なんだか楽しそうね、あいつ

十代に関わった人間は元気になる……きっと翔君も」

 

明日香が何か言ってるが俺はそんな余裕は無い

お前ら、こんな断崖絶壁に立って怖くないのか!?

 

「……瑞貴、なんで貴方は座ってるの?」

 

「俺は高所恐怖症なんだよ!

つうか落ちそうでかなり怖いって……もういい、帰る!」

 

そう思って反転、逃げ出す

しかし明日香に先回りされてしまった

お前はどこまで俺の邪魔をすれば気が済むんだ!?

 

「へ~~~?

高所恐怖症なんだ?」

 

何? 珍しく俺の弱点を見つけたから良い気になってるのか?

残念ながら俺は別に恥ずかしくも何ともないぞ

人間が死に直面する事に恐怖を覚えるのは本能だからな

言い訳がましいが事実だから仕方がない、そう仕方がないんだ。

 

……いや、本当に怖いんだよね

高い場所って苦手、無印での飛行船での決闘《デュエル》とかやってられないって

あの場に居た全員、高所恐怖症じゃないだな

それとも決闘者《デュエリスト》の本能で恐怖を押さえてたとかか?

なんだか有り得そうで怖いんだけど。

 

「それはともかく、今は彼らの決闘《デュエル》に集中しましょう」

 

明日香は俺を引き摺りながら崖の端に立つ

俺は明日香に掴まれながらもおとなしくしている

下手に暴れて明日香を突き落としたら洒落にならんからな。

 

仕方無いので重心を後ろにして座る

俺が素直に見る気になった事に気付いた明日香は手を離す

しかし簡単に逃げられないように俺の斜め後ろに移動する。

 

俺ってそんなに信用無いのか?

無いと思うけどさ。

 

海に面していて波の音が聞こえるせいであまり会話声は聞こえない

まぁ声が無くとも内容は分かるからいいかな。

 

最初に出てきたのは十代のフェザーマン、今更説明も不要だろう

攻撃表示で伏せが1枚、最初だから普通の出だしだな

惜しむ事はやはりフェザーマンの攻撃力の低さだろう。

 

水色はパトロイド、パトカーだからだろうけど

デフォルメされすぎて威厳を全く感じられん

これなら攻撃力が更に低いジュッテ・ナイトの方が威厳が有りそうだ。

 

そして攻撃……って、はぁ!?

ちょっと待て、お前パトロイドの効果を使わないのか!?

十代が伏せていたのは攻撃の無力化ね

それなら調べてもあまり意味が無かったな。

 

「あぁ、いきなりやられちゃったんだなぁ」

 

そして大徳寺先生の猫がでかいのの足に懐く

何か匂いでも発してるのか?

 

「やっぱり心配してた通りね

翔君では、十代のタッグパートナーは重荷なのかも」

 

今更だけど、あのド素人がよくもまぁ入学できたな

多分アニメ上、必要な人材だったんだろう

駄目な奴から頑張って成長していく姿を見るのは燃える展開って奴だからかな?

 

そう考えると落ちた奴らが報われないな

可哀想に……アニメの都合に振り回される名も無きモブキャラ達

段々苛々してきたな。

 

しかも攻撃が失敗して落ち込んでる?

ふざけてるのか? あの糞ガキ……

しかも何か言い合ってるし、本当にガキだな。

 

昨日の決闘《デュエル》はどうやら俺と明日香の事が有ったし

かなり強引に始まったから夢中になれたんだろう

だが今はどうだ? 一度冷静になったらもうガタガタ

こいつはどう考えても終わってるな。

 

次に十代が出したのはスパークマン

やっぱり格好つけても攻撃力が(以下略)

うん、何度も言うけど微妙。

 

次にスパークマンの攻撃

電撃で槍を作り出して投げ槍のように投げる

パトロイドの腹……腹?

まぁ腹部と思われる場所辺りに刺さり爆散。

 

そしてフェザーマンの直接攻撃《ダイレクトアタック》

飛び上がって急降下から殴る

何度見てもフェザーマンの攻撃はヒーローらしくないな。

 

つうか水色、ダメージを受けたからってお前飛びすぎ

ソリッドビジョンで映像なんだからもう少し落ち着いたらどうだ?

 

十代は最後にカードを伏せて終了

水色からやる気が消えていくのが見て取れるな。

 

「早くも戦意喪失、頑張って翔君」

 

明日香が応援するが声が小さい

応戦するなら声を張り上げたらどうだ?

 

そう思ってるとでかいのが大声で水色を励まし始めた

つか煩い! 声がでかい! やっぱり声下げろでかいの!

 

そして立ち上がる水色

しかしアレだな、応援されないと動けない奴って駄目駄目だね

最低限最後までやるぐらいじゃないと合格とは言えないな。

 

「隼人君の声援でやる気を取り戻したみたいね」

 

「え……俺、自分が駄目だから

駄目になっちゃう人間の気持ちが、わかるような気がするんだな」

 

どうでもいいけどこいつの訛った話し方が表現できん

とりあえずこいつの知ったかぶりは何とも言えんな

色んな意味で駄目な俺の気持ちが分かってないんだし。

 

「人の気持ちが分かるのは

きっと貴方が自分で思っているような駄目な人間じゃないからよ」

 

そうかね?

人間の屑でも心理学を囓れば悪用できるんだぞ?

今の時代、鬱患者とかも多いし、金稼ぎにカウンセリングって悪くないんだぜ

それまでコネだとか色々と大変だけどさ。

 

でかいのが照れてるがキモイ

男の赤面を見たところで何一つ楽しくないぞ

見るんだったら女性の怒りでの赤面が見たい

その方が俺が楽しいからな。

 

水色のターン、最初は強欲な壺か

この前も使ったが、便利なカードだよな

原作の辻褄合わせの為に使われる困った時カード

原作じゃ手札消費がとんでもないからな。

 

ドローして水色の動きが止まる

何を引いた?

回想でもしてるのか動かないな

石でも投げてやろうか?

 

そして動き出したと思ったら融合か

という事はパワー・ボンドでも引いたか?

 

そしてスチームロイドとジャイロイドを融合してスチームジャイロイド……って、馬鹿かこいつは?

この場合はスチームロイドを召喚し、攻撃時に攻撃力が500上昇する効果を使って相手モンスターを破壊

スチームロイドは攻撃された時に攻撃力が500下がる、そのデメリットを消す為に攻撃後に融合だろうが。

 

それにスチームジャイロイドの攻撃力はスチームロイドの攻撃時よりも攻撃力が低い

カードの使い方、ご利用は計画的にだぞ。

 

昨日に比べたらなんという駄目っぷり!

こいつはテンションで普通と駄目が行き来してるから安定しないし

これは期待するだけ無駄にしか思えんな

退学になっても元気で潰れてろよ?

 

しかも攻撃対象はフェザーマンか

馬鹿め、与えるダメージに目が眩んだな?

スパークマンを融合素材にするモンスターの方が厄介なんだぞ

もし十代がクレイマンと融合を持ってたらサンダー・ジャイアントになってお前の負けだ。

 

そして十代のターン

案の定、サンダー・ジャイアントが出てきた。

 

「これで勝負は決まったわ」

 

「どして!? まだ翔、頑張ってるじゃないか!」

 

お前効果を知らないのか?

いい加減こっちの奴らの無知具合に呆れてきたぞ。

 

「サンダー・ジャイアントは元々の攻撃力がこのカードより低いモンスター1体を……破壊する

そうよね、瑞貴」

 

「そうだな

俺はさっきの攻撃時に攻撃する相手はスパークマンだろと思ったよ

ま、例えそうでも十代が手札に戦士の生還を握っていたら結果は同じだっただろうな」

 

「なぁ!? それじゃあ!」

 

昨日も十代が使ってただろ?

夢中になってて忘れたかでかいの

まぁ俺はお前の頭の中なんてどうでもいいけどさ。

 

そして現れる黄色の巨人

胸元に電気が貯まってるのか光ってるぞ

つうかそれって体内に溜まってるのか?

それともそのでかい黄色いのは鎧みたいなのでそこに貯まってるのか?

 

そして効果が発動される

サンダー・ジャイアントが電撃を空に放ち、細かい雨のようになって降り注ぐ

スチームジャイロイドはそれを受けて爆発した

なんか普通の電撃じゃないせいか微妙に納得できんな。

 

更にバーストレディが現れる

相変わらずちょっとケバイな

気も強そうだし、俺とは合わない気がする。

 

そして2体のモンスターで直接攻撃《ダイレクトアタック》

水色は駄目駄目っぷりを思いっきり出しながら敗北した。

 

下で何か十代と水色が話してる

そして突然水色が逃げ出した!?

 

でかいのが追いかけて行ったが……俺はどうするかな?

 

「ほら、行くわよ瑞貴」

 

「あん? どこにだよ」

 

「十代の元によ」

 

俺に主人公に関われってのか?

嫌に決まってるだろうが。

 

「嫌だね、俺は十代が気に食わないんだ

それなのにあいつの前に行くと、何を言い出すかわからんぞ?」

 

そんな事を言う俺に呆れる明日香

俺の考えてる事は大方読まれているらしい

きっと勘違いしているはずだ、うん、そうに違い無い。

 

明日香は十代の元に向かう

俺はどうするかな……なんとなく校長の所に行く気にならない。

 

とりあえずはアレだな

あの水色は絶対に潰す事にしよう

ウザ過ぎる……もう存在自体を否定したいぐらい腹が立つ

二度と会いたくないぐらい気に食わない。

 

次に俺の気分を害したら徹底的に潰す

それまで首を洗って待ってるんだな……

俺はアンチロイドデッキでも作っておいてやるよ

それとも、嫌いだけど1キルしてやろうかな?

今から楽しみだよ……




※旧後書き
瑞貴っていつ寝たの?
明日香を送った後すぐに寝ました
しかしやっぱり眠いそうです
どうでもいいけど作者も寝不足でかなり眠いです……最近毎日睡眠時間が3時間から5時間じゃ少し辛いですね、自業自得ですが。

恋人って?
とりあえず捏造
その方が楽しそうなので……つい

明日香が不満そうな顔になったのは何故?
一応彼女も女の子です
顔が近づいたのは事故だとしても、引かれるのは複雑な気分なんでしょう。

瑞貴は翔が嫌い?
大嫌いです、大嫌いです、大っっっっっ嫌いです
大事な事なので3回言いました
性格がどう頑張っても受け入れられないそうです
弱虫、お調子者、知識の無さ、というかもう全部が気に入りません
最初に気に入らないと思った切欠は女子寮での件です
巻き込まれた上、明日香との大きな繋がりを持つ切欠になってしまった事が気に入りません
原因が風呂場覗きというのもあまりに酷い話しなので更に気に入りません
タイタン戦時も調子に乗ったり落ち込んだりと、性格に難がありすぎるのも気に入りません
励まされて簡単に調子に乗り、小さなミスでもミスをすると簡単に落ち込むのが気に入りません
今回の件でただ気に入らないが大嫌い、受け入れられない、潰したい相手No.1に輝きました
今後も翔の名前が呼ばれる事は無いでしょう
あまり本人に干渉はしませんが内心でアンチしまくると思います
その辺りご了承を……なお、翔に救いという名の汚名返上の機会を与える予定は全くありません。


✩感想
倫理委員会の女性との漫才(?)と高所恐怖症の発覚。
主人公最大の弱点は高所恐怖症、欠点は言動。
この時点で主人公の良い点が何一つ無い件について……

★反省
半ば脅迫をされたからといっても、最初の倫理委員会への対応はお粗末過ぎた……そう考えてもやり過ぎ。
後書きの翔に関しても……今回消そうと思ったもののそのまま。
消した方が良いという声が多ければ消します。
我ながら何を考えてこんな事を書いたのやら……


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